“K” LINEグループでは、「グループ企業行動憲章」の冒頭で「人権の尊重」を掲げています。国連グローバル・コンパクトに署名し、人権や労働に関する諸原則を支持することを表明するとともに、国連の定める「ビジネスと人権に関する指導原則」を指針として、「川崎汽船グループ人権基本方針」を策定し、人権デューディリジェンスの取り組みを進めています。

上記の方針に基づき、サステナビリティ経営推進委員会の監督と、サステナビリティ推進担当執行役員の指示の下、サステナビリティ・環境経営推進・IR・広報グループが担当部署となり、当社グループの事業活動に関する人権リスクの分析・評価や対策の立案など、いわゆる「人権デューディリジェンス」を実施しています。

当社は2022年度に、主として当社グループにおける人権への顕在的または潜在的な負の影響を把握すべく、人権影響評価を実施し、優先的に取り組むべき課題として以下を特定しました。
対象となるライツホルダー | 優先課題 |
---|---|
自社・グループ会社の従業員 | 健康と安全 |
ハラスメントの防止 | |
長時間労働の抑制 |
それに続く2023年度から2024年度上半期にかけて、対象範囲をサプライチェーンに拡大すべく、以下を実施しました。
- 自社の調達関連取り組みに関する現状分析
- 調達方針・サプライヤー向けガイドライン改定案の検討
- サステナブル調達実施体制の検討
2024年度下半期以降は、サステナブル調達の一環として、サプライチェーンにおける人権デューディリジェンスを本格化させるべく、調達方針・サプライヤー向けガイドラインを改定してそれを周知するとともに、アンケートを通じた人権影響評価を実施する予定です。
当社では、労使間で良好な関係を築くよう心掛け、労働環境の維持・向上を目指しています。互いのベクトルを合わせた建設的な話し合いから生まれたアイデアを制度に取り入れ、ワーク・ライフ・バランスなど、支援の充実を図っています。
当社では、女性の採用を拡大し、性別にかかわらずグローバルな業態に対応して活躍できる配置に取り組んでいます。また、外国籍の人材の採用を行うなど、人材の多様化を進めています。さらにそこから生まれる新たな発想、アイデアを明日の事業展開へと生かし、企業としての健全な成長につなげていく体制を構築するため、多様性の促進をサポートする制度・環境の改善を続けています。また、海上で活躍する船員の国籍はさまざまで、日本、フィリピン、インド、バングラデシュ、中国をはじめとするアジアの各国やブルガリア、クロアチアなどの欧州各国出身の船員が一丸となって、当社船隊の安全運航に日夜取り組んでいます。
当社では、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントのほか、メンタル不調に備えて相談窓口を設け、誰にどのように相談すれば良いのかを社内ポータルサイトで周知しています。女性相談員を配置し、産業医とも連携して悩みに応じた相談を受けられる体制を整えるなど、プライバシーに最大の配慮を払いながら問題の解決に迅速に当たる体制を取っています。また、当社役職員向けにハラスメント防止セミナーも開催しています。
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
|
一般社員 |
-※1 |
86.7% |
-※2 |
87.3% |
99.1% |
管理職 |
78.4% |
※1 新型コロナウイルス感染症の影響により開催を延期
※2 2021年度は全従業員を対象とせず、受講者を特定の管理職に限定して実施。
当社英国現地法人は、2015年に英国で施行された現代奴隷法への対応として、「Modern Slavery Act Transparency Statement」を以下のとおり公表しています。
●“K” Line Holding (Europe) Limited