自然エネルギーを利用する
自動カイトシステム Seawing の導入

本船船首部に搭載されたカイトが、一定条件の風力・風向のもと、ブリッジ(船橋)からの操作で展張し、風力を利用して本船の推進力を補助します。

統合船舶運航・性能管理システム
『K-IMS』による最適運航の推進

入渠(船がドックに入ること)前後などの任意期間において、各船の船速、出力、燃料消費量といった性能の変化を可視化します。これにより、正確・迅速な船の性能悪化の確認と原因の特定が可能になるため、これまで以上に最適運航につなげていきます。

LNG燃料焚き自動車船の導入
2021年CENTURY HIGHWAY GREEN竣工

昨今の環境意識の高まりを踏まえ、LNG燃料船の実船化に向けた構想を本格化し、環境省及び国土交通省の連携事業である「代替燃料活用による船舶からのCO2排出削減対策モデル事業」の支援も得て具現化しました。

環境ビジョンの2030年中期マイルストーンで、IMO 目標である「CO2排出効率40%改善」のさらに上を目指す「CO2排出効率2008年比50%改善」を新たに設定しました。また、科学的根拠に基づいた排出削減目標として、SBTi(Science Based Target Initiative)よりSBT認証を取得しています。詳しくは、こちらをご参照下さい。

気候変動への取り組み -エネルギーの有効利用を目指して-

船はエネルギー効率に優れた輸送モードです

輸送時のエネルギー効率を表す指標として、貨物1トンを1km運んだときの燃料消費量が使用され、この指標が小さいほどエネルギー効率が高いといえます。大量輸送に適し、低燃費の大型ディーゼルエンジンを搭載する船舶による輸送は、数ある輸送モードの中で最もエネルギー効率が高く、物流におけるCO2低減にも有効です。この効率の良い輸送モードが将来にわたって存在し得るためにも、当社では、エネルギー効率のさらに高い船舶を導入するとともに、運航体制の見直しにより船隊としての効率を向上させる取り組みを行っています。

出典:日本船主協会 「海運業界の挑戦(2018年9月発行)」
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出典:日本船主協会 「海運業界の挑戦(2018年9月発行)」

排ガスの熱エネルギーの利用

エンジンで燃焼し船を推進するエネルギーとなった燃料は、排ガスとして大気中に排出されますが、この高温の排ガスが持つ熱エネルギーを回収する排ガスエコノマイザーで高温高圧の蒸気を作っています。その蒸気を蒸気タービン駆動のターボ発電機に導き船内で使用する電力に変換すれば、発電に要する燃料を削減することができます。捨てられるはずの排ガスのエネルギーを電力に変換するこのシステムにより、船としてのエネルギー効率、すなわち、輸送時のエネルギー効率が向上し、CO2排出量を低減することができます。

非ガスエコノマイザーとターボ発電機
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非ガスエコノマイザーとターボ発電機

プロペラで作られる水流エネルギーの利用

船の方向を維持したり変えたりする舵は、プロペラの後ろ側に位置しており、プロペラで作られる水流を常に受けています。ここで、舵に球状の膨らみと水平フィンを取り付けると、水流エネルギーを推進力に変えることができます。推進エネルギーが増すため、エンジンの燃料消費量を少なくしても同じ速力を得ることができ、CO2排出量も低減できます。

省エネ付加物の仕組み
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省エネ付加物の仕組み

最新型オートパイロットの採用

船が航行するときには、目的港までの航海計画に決められた針路を保って進んでいきます。しかし、船は風や波、潮流などの外乱の影響を受けるため、舵をこまめに切って針路を維持します。この舵取りを自動的に行うのがオートパイロット(自動操舵装置)で、大洋上などの船舶の輻輳していない海域で使用しますが、最新型のオートパイロットでは、この外乱の大きさや継続時間などを学習して次の操舵に生かし、無駄な操舵を最小限に抑える仕組みが備わっています。従来型に比べて約1%の燃料消費削減となるこの最新型操舵装置を順次搭載し、CO2排出量の低減を図っています。

オートパイロットを搭載した操舵スタンド
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オートパイロットを搭載した操舵スタンド

熱を遮断し冷暖房効果を高めます

船員が生活する居住区域や航海当直を行う船橋は冷暖房を行っていますが、船の材料は鉄で熱を伝えやすく、太陽熱や外気の温度の影響を受け、冷暖房効果が低下します。そこで、熱を遮断する遮熱塗料を居住区や船橋の外板に使用して、冷暖房効果を高め、冷房に要する電力消費量や暖房に要する蒸気消費量を削減し、CO2排出量の低減を図っています。

自動車船では、居住区と船橋上

部面積が広く遮熱塗料は効果的

省エネ型荷役機器を導入しています

国内の自営コンテナターミナルでは、省エネタイプのハイブリッド型トランスファークレーンsup{※}を導入しています。ターミナル内でコンテナを仕向地ごとに整理するこのクレーンは、吊り上げたコンテナを所定の位置に降ろす際に発生するエネルギーを電力に変えて動力として再利用することによって、従来型に比べ燃料消費量を約40〜50%削減できることに加え、騒音も大幅に低減されています。

※トランスファークレーン:コンテナターミナル内でコンテナを移動する際に使用する自走式クレーン。

ハイブリッド型トランスファークレーン
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ハイブリッド型トランスファークレーン

BANGKOK COLD STORAGE 第二倉庫建設に当たっての太陽光パネル設置

バンコクにて営業を行っている冷凍・冷蔵倉庫のBANGKOK COLD STORAGE SERVICE,LTD.では2014年の第二倉庫建設にあたり倉庫屋根上に太陽光パネルを設置しました。この太陽光システムの出力は最大で112.5キロワットであり、2016年通年の実績では165メガワットアワーの発電を行いました。これは当該倉庫における年間消費電力量の13.9%に相当し、省エネルギーに大きく貢献しています。また同社においては2009年にISO 14001の認証を取得し、現在に至るまで環境に配慮した営業活動を行っています。

バンコクの第二倉庫
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バンコクの第二倉庫
第二倉庫の屋根に設置された太陽光パネル
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第二倉庫の屋根に設置された太陽光パネル

自然災害への対応

当社は自然災害や二次災害に対し、「事業継続計画」を策定し、内外地店所への業務移管や在宅勤務などによる重要業務の継続を図っています。また、災害により電子データが滅失しないよう遠隔地にバックアップデータを蓄積しています。また、運航船には航路上の気象状況および荒天避航情報を提供し、悪天候による被害の最小化を図っています。