川崎汽船グループは、自らの事業活動が地球環境に与える影響を認識し、評価することを継続しながら、さまざまな目標を定め、よりエネルギー効率に優れた物流インフラを構築するための取り組みを実施しています。

国内外主要連結グループ会社の燃料消費や電気使用量などの環境負荷データは、環境データ集計システム『Eco Track』を通じて収集・集計を行い、グループ全体での環境負荷を把握すると同時に、各社での取り組みを促し、必要に応じて追加施策を実施すべく、環境パフォーマンスの見える化に取り組んでいます。さらに、年間の実績データは、第三者によるデータ精査と保証を受けた上で、社外へ開示しステークホルダーからいただくご批評を次の施策に活かしながら、継続的な改善を図っています。

 

 

温室効果ガス(GHG)排出量データに対する第三者検証

当社は、国際的な温室効果ガス(GHG)排出量の算定・報告基準(GHG プロトコル)に応じて算定した当社事業活動の上流から下流に至る過程で生じたGHG排出量データに対し第三者機関による検証を受け、声明書(Verification Statement)を取得しています。 第三者機関であるDNVが、ISO 14064(GHG算定・報告・検証に関する国際規格)に則り、当社のGHG排出量データを検証し、妥当性を評価することにより、開示データの信頼性を裏づけ、より透明性を高めるとともに、GHG排出量の定量化に向けたシステムを構築し、毎年、同基準に従い正確に算定・把握・評価することを通じて持続的な削減を目指しています。対象範囲は当社連結範囲としており、売上高のほぼ100%となります。

川崎汽船グループ全体のCO2排出量

単位:トン

カテゴリ

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

スコープ1

12,536,134

10,325,224

9,202,613

6,583,464

6,649,847

スコープ2

ロケーションベース

27,306

26,397

25,191

13,769

11,556

マーケットベース

23,135

26,220

21,780

13,515

10,472

スコープ3

1,424,198

1,304,803

1,219,525

4,566,051

4,506,111

※2021年より集計対象範囲を変更。 当社非運航船についてはスコープ1の集計対象外とし、コンテナ船についてはスコープ3にて計上。

※2022年にはスコープ外排出量としてバイオ燃料使用に伴うCO2排出量が348トンあります。

環境会計

当社の環境会計報告は、環境省「環境報告ガイドライン(2018年版)」に準拠して作成しています。集計範囲は川崎汽船グループの環境マネジメントシステムの構成会社を対象としています。投資額はそれぞれの項目に該当する機器の投入により発生した額を示し、環境保全費用額は投資の減価償却費及び投入した機器の保全、廃棄物処理費用、環境マネジメントシステム維持費用などの合計額となります。2020年度から環境会計の対象期間を事業の会計期間と合わせて4月から翌年3月に変更しました。

 

2022年も引き続き地球温暖化防止のための省エネ機器などの導入や、既存船へのレトロフィットを進め、環境保全費用を上回る経済効果を上げることが出来ました。

 

注:下表では各項目を百万円単位に四捨五入したため、その総和が合計額と一致しないことがあります。

環境投資

(百万円)

分類

主な取り組みの内容

項目

2021年

2022年

① 事業エリア内コスト

1. 公害防止

大気汚染防止

助燃剤投入装置、集塵装置、

ボイラー自動燃焼装置

1.5

2.8

水質汚染防止

-

-

2. 地球環境保全

地球温暖化防止

排ガスエコノマイザー、電子制御

エンジンなどの省エネ機器の搭載

275.7

514.4

海洋汚染防止

油濁防止設備の設置(船尾菅エア

シール、セントラルクーリングシ

ステム等)、甲板機器の電動化等

7.0

29.0

3. 資源循環

資源効率的利用

SIPシステム、電子制御式注油

システム(αシステム)

20.0

60.0

産業廃棄物リサイクル

-

-

廃棄物処理費用

陸揚等適正処理

-

-

② 上・下流コスト

1. 環境負荷の低減に資するサービス

の調達

リサイクル・エコ商品

-

-

③ 管理活動コスト

1. 環境マネジメントシステムの整備、運用

環境マネジメントシステム

維持

-

-

2. 環境情報開示、環境広告

KL REPORT、

環境ビジョン2050

-

-

3. 環境負荷監視

船舶の環境データ収集

-

-

4. 従業員への環境教育等

環境セミナー・研修

-

-

④ 研究開発コスト

1. 環境保全に資する製品の研究開発

環境対応舶用機器の開発

K-IMS/NAVI装置等(船舶用大型

主機のCO2/NOx排出削減技術)

-

-

⑤ 社会活動コスト

1. 自然保護、緑化、美化、景観保持

社会貢献

-

-

合計

304.2

606.2

 

 

環境保全費用

(百万円)

分類

主な取り組みの内容

項目

2021年

2022年

① 事業エリア内コスト

1. 公害防止

大気汚染防止

助燃剤投入装置、集塵装置、

ボイラー自動燃焼装置

150.4

227.1

水質汚染防止

-

-

2. 地球環境保全

地球温暖化防止

排ガスエコノマイザー、電子制御エンジンなどの省エネ機器の搭載

1,603.2

2,452.5

海洋汚染防止

油濁防止設備の設置(船尾菅エア

シール、セントラルクーリングシ

ステム等)、甲板機器の電動化等

367.2

411.0

3. 資源循環

資源効率的利用

SIPシステム、電子制御式注油

システム(αシステム)

117.8

143.9

産業廃棄物リサイクル

0.5

0.5

廃棄物処理費用

陸揚等適正処理

87.3

121.2

② 上・下流コスト

1. 環境負荷の低減に資するサービスの調達

リサイクル・エコ商品

0.1

0.1

③ 管理活動コスト

1. 環境マネジメントシステムの整備、運用

環境マネジメントシステム

維持

55.9

73.4

2. 環境情報開示、環境広告

KL REPORT、

環境ビジョン2050

43.9

67.5

3. 環境負荷監視

船舶の環境データ収集

42.5

46.2

4. 従業員への環境教育等

環境セミナー・研修

32.0

42.9

④ 研究開発コスト

1. 環境保全に資する製品の研究開発

環境対応舶用機器の開発

K-IMS/NAVI装置等(船舶用大型

主機のCO2/NOx排出削減技術)

213.2

156.2

⑤ 社会活動コスト

1. 自然保護、緑化、美化、景観保持

社会貢献

-

-

合計

2,714.1

3,742.6

環境保全活動による費用と得られた経済効果の推移

以下は「環境保全活動費用」と「環境保全活動により得られた効果」の推移です。効果につきましては、経済効果(金額で表せる効果)の他に、環境パフォーマンスにおける環境保全効果(金額で表せない効果)を次項の「環境負荷データ」として取りまとめております。

(百万円)
2021年 2022年
環境保全活動費用 2,714.1 3,742.6
環境保全対策に伴う経済効果の推計 7,543.5 16,399.3

※環境保全効果の詳細は、環境負荷データをご覧下さい。

環境に関係した罰金などの合計

金額
環境に関係した罰金などの合計 0

 

 

環境負荷データ

当社およびグループ会社の環境負荷データは、当社連結決算対象会社を集計範囲としており、連結売上高のほぼ100%がその対象となっています。

当社運航船の環境負荷データ

INPUT

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

燃料油(トン)

3,823,776

3,140,039

2,809,074

1,980,630

1,923,950

※2021年より集計対象範囲を変更。当社非運航船を集計対象外とした。

OUTPUT

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

CO2排出量(トン)

11,932,022

9,799,932

8,761,756

6,174,863

5,997,064

SOx排出量(トン)

188,102

129,786

35,983

30,166

29,272

NOx排出量(トン)

262,226

202,678

181,429

117,864

118,264

※2021年より集計対象範囲を変更。当社非運航船を集計対象外とした。

当社運航船のトンマイル※当たりの環境負荷データ

※ 1トンの貨物を1マイル(1,852m)輸送すること。船舶のDWT(載貨重量トン数)ベース。

輸送トンマイル※当たりのエネルギー投入量

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

燃料油(g/トンマイル)

1.65

1.51

1.39

1.31

1.34

潤滑油(g/トンマイル)

0.014

0.013

0.012

0.012

0.012

輸送トンマイル※当たりのCO2排出量(g-CO2/トンマイル)

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

全船種

5.32

4.82

4.49

4.10

4.20

※1 当社は2015年の実績で2011年比10%以上の削減を行いました。これにより「“K” LINE 環境ビジョン2050」で設定した2019年目標を前倒しで達成することができたので2030年目標「2011年比で25%削減」を新設致しました。目標設定の経緯など詳細はこちらをご参照下さい。

※2 科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標(SBT)に関わるイニシアチブ。CDP、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)が共同で、企業の中期(5-15年)の温室効果ガス削減目標が、長期的な「2℃目標」達成に必要な脱炭素化のレベルと整合するか否か、科学的根拠に基づき算出しています。このSBT設立についての経緯など詳細はこちらをご参照下さい。

※3 持続可能な社会とこの青く美しい海を次の世代へと伝える使命を果たすため、2050年に向けた環境保全に関わる長期指針「“K"LINE 環境ビジョン2050」を策定しました。詳細はこちらをご参照下さい。

※4  2021年より集計対象範囲を変更。 当社非運航船を集計対象外としました。

輸送トンマイル※当たりのSOx排出量(g-SOx/トンマイル)

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

全船種

0.08

0.067

0.022

0.020

0.020

輸送トンマイル※当たりのNOx排出量(g-NOx/トンマイル)

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

全船種

0.112

0.097

0.089

0.078

0.082

当社運航船におけるその他の環境負荷データ

原材料使用量(全船種)

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

ビルジ(m3/船・月)

5.54

4.15

4.02

4.04

4.72

スラッジ※(m3/船・月)

4.1

3.9

4.0

2.0

2.2

生活系ゴミ(m3/船・月)

4.0

3.5

3.5

5.4

3.7

※ 燃料や潤滑油を清浄処理した際の残りかす

当社所有船からの生活水排水量(MT)

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

全船種(社船)

90,841.8

82,485.0

64,421.6

74,929.9

88,450.9

当社オフィスの環境負荷データ

電力使用量(kWh)

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

年間使用量

821,109

789,971

736,212

708,811

907,221

一人当たりの年間使用量

866

860

836

793

823

OA用紙使用量(枚)

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

年間使用量

4,406,968

3,852,224

2,178,527

2,157,950

2,073,834

一人当たりの年間使用量

4,649

4,196

2,473

2,414

1,882

水道使用量(m3)

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

年間使用量

546

509

318

313

403

一人当たりの年間使用量

0.79

0.75

0.50

0.48

0.58

廃棄物リサイクル総量

シップリサイクル量(ton)

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

全船種

5,923

13,774

114,055

0

21,695

廃棄物(ton)

廃棄物(ton)

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

全オフィス

1,022

823

571

420

570

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

全船舶

9,110

7,477

6,361

5,192

6,858