事業を取り巻く未来や地球環境分野に関わる諸問題を踏まえ「2050年のゴール」を定め、様々な取り組みを行なっています。

 

この道すじをより確かなものとするために、創立100周年(2019年)におけるマイルストーン「重大事故ゼロの維持」も定めています。

 

 

海洋汚染防止への取り組み -油や廃棄物による汚染を防ぐために-

燃料タンクにオーバーフロー管を設置

燃料補給の際に燃料タンクにタンク容量以上の燃料油が送り込まれた場合、燃料油がAir-Vent(タンクの空気抜き)から船外に流出する恐れがあります。これを防止するため、燃料タンクにはオーバーフロー管を設置して、燃料タンクから溢れた燃料油がオーバーフロータンクに流れ込む仕様とし、さらにオーバーフローをいちはやく検知するために、配管に流れ検知センサー又はタンク内に高位警報センサーも設置しています。

燃料タンクのオーバーフロー管と<br/>オーバーフロータンク
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燃料タンクのオーバーフロー管と
オーバーフロータンク

船尾管エアーシールの採用

プロペラ軸が、船内から船外へ貫通する部分において、船内側からの潤滑油の流出と、船外側からの海水の流入を防ぐための装置で、圧縮空気を常時供給することで密閉部分を作り出し、潤滑油と海水を隔てています。

船尾管エアーシール
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船尾管エアーシール

甲板機器の電動化

従来は油圧駆動だったムアリングウインチ※1やランプウェイ※2などの甲板機器を電動モーター式にしたことで、油圧駆動に使用する作動油の漏洩リスクが排除されました。

※1 ムアリングウインチ:船舶を係留するためのロープやワイヤーを巻き取る装置。

※2 ランプウェイ:自動車船で自動車を船に積み込んだり、陸に揚げたりするときに岸壁に渡す通路。航海中は格納する。

電動ムアリングウインチと係留索(船首)
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電動ムアリングウインチと係留索(船首)

間接冷却システム(セントラルクーリングシステム)

エンジンの冷却水や潤滑油を、冷却用の清水を介して間接的に海水と熱交換させて冷却する装置です。潤滑油と海水が直接熱交換されないため、冷却システムの不具合などによる潤滑油の漏洩、船外流出を防止することができます。

間接冷却システム
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間接冷却システム

 

 

生物多様性への取り組み -生態系に配慮するために-

環境配慮型塗料の使用を進めています

海洋生物が船体に付着すると、船体の抵抗が増して、燃料消費すなわちCO₂排出の増加を招くだけでなく、付着した生物が他の海域へ持ち込まれることにより、生態系に影響を与えることが考えられます。当社では燃費節減と海洋生物の付着を防ぐために特に新造船において、低摩擦塗料の積極的採用を進めCO₂排出量削減と生物多様性の保全に努めています。また就航船でも従来型塗料に加え、低摩擦塗料の使用を進め環境に配慮しています。

ドックでシリコン塗料(赤色)

による塗装工事を実施

バラスト水の適正管理に努めています

船体の安定を保つバラスト水には海洋生物が含まれ、排出された海域の生態系に影響を及ぼすことがあるため、船体の安定性や安全性を確保しつつ生物の少ない洋上でバラスト水を入れ替え、生態系への影響を小さくしています。

また、バラスト水管理条約発効後に搭載が義務付けられるバラスト水処理装置の調査、検討を進めている他、必要なバラスト水を最小とした大型コンテナ船や、コンクリート製固定バラストを持つ自動車船を導入するなど、生態系への影響を最小化するよう取り組んでいます。2017年9月8日に「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」(以下、バラスト水管理条約)が発効され、バラスト水処理装置が搭載されるまでは、バラスト水交換基準に則したバラスト水の管理が要求されていますが、当社は発効の有無にかかわらず今後も適切に、規則に従ったバラスト水管理を励行し続けます。

バラスト水
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バラスト水

「バラスト水管理条約」発効後も変わらぬサービスの提供を行ってまいります

当社は、これらバラスト水の移動による影響に配慮し、生物や生態系がありのままの姿を保つよう、生物多様性保全の取り組みを進めており、IMO(国際海事機関)が2004年に採択した「バラスト水管理条約」の発効に先立ち、日本海事協会の協力を得て、大型石炭運搬船にバラスト水処理装置を搭載しました。当社はこの経験から得られる知見・経験を生かして積極的かつ計画的に新造船及び既存船へのバラスト水処理装置の搭載を実施しています。今後も、規則を満たした運航を継続しながら全てのステークホルダーのニーズに応え続けます。

※上記はバラスト水処理装置の一例
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※上記はバラスト水処理装置の一例