Q1.新中期経営計画5年間の基本方針を教えて下さい。
A1.前半の2年間は財務の安定性を重視し、自己資本を積み上げ有利子負債を削減し、
自己資本比率とDERの改善を目指したいと思います。
17年以降後半の3年間は財務の安定性を基盤に成長分野への投資を推進していきたいと考えています。
Q2.新中期経営計画期間の特に前半が財務重視となっている背景を教えて下さい。
A2.海運業を取り巻く環境は、世界の政治、経済のみならず様々な地政学的要因の影響をうける
ボラタイルなものだと認識しています。現中期経営計画(Bridge to the Future)の推進により、
安定収益を積上げ、財務体質の強化を図ってきましたが、100周年の2019年を迎えるに際して、
更に市況変動への強固な耐性を付けておくことが安定した事業継続への鍵であると考えています。
基盤をしっかり固めてから成長性へと舵取りを切り替え、次の100年に向って進んでいくと言うのが大きなシナリオです。
Q3.各年の投資CF、グロスの投資額のイメージを教えて下さい。
A3.投資CFは、新中期経営計画期間(5年間)の合計で3300億円を見込んでおります。
年度毎の内訳は2015年度2016年度は投資CFを500億円に抑え、2017年度は700億円、
2018年度、2019年度に800億円という前提です。
自社保有以外(オンバランス)の傭船手配など(オフバランス)を加えたグロスの投資額については、
その契約形態も5年程度の短いものから10年を超える長期のものまで様々であり、
一概に自社保有(オンバランス)資産と同じ尺度での比較は難しいものがあります。
概ね、グロスの投資はネットの投資CF額の2倍強のイメージとなります。
Q4.投資CFのマネジメントについて教えて下さい。
A4.船舶投資においては、中長期契約の確保、市況の見通しなど踏まえたうえで、
最適な投資効果を実現すべく、投資CFのマネージメントを行っていきます。
財務体質が想定を超えて強化できた場合は、成長戦略への一層の投資増額を検討する一方、
当初見込みから大きく市況が悪化するような事態には投資CFの見直しを行うなど、目標として掲げている、
自己資本比率40%、DER80%の達成、維持を念頭におき、調整を行って参ります。
Q5.プレゼン資料17ページの省エネ大型船効果240億円の中身について教えて下さい。
A5.主に14000TEUコンテナ大型船、7500台積自動車大型船など、最新省エネ新造船投入によるものです。
Q6.プレゼン資料17ページの安定収益積上160億円の中身と達成確度は?
A6.半分弱がドライバルクで、次がターミナル事業も含むコンテナ船関連事業による収益。
後は、LNG、オフショア等も含めたエネルギー関連、そして物流となります。
米国California州Long Beach港にて当社グループが自営するコンテナ・ターミナルでは、
全米屈指の港湾運営事業者であるPorts Americaとの提携を2014年度から開始しており、
彼らの知見も活用し、大型船に対応したターミナルの高規格化を進める一方、
アライアンスメンバーを始めとして他船社のコンテナ船寄港誘致も図ることで、収益を上積みできると考えます。
ドライバルクについては、当面市況の低迷が懸念されますが、一方、新たな環境規制への対応が求められる中、
中古船隊の解撤も進むと思われ、堅調な需要を背景に、成長性へと舵と取る2017年以降は、
当社が強みとする鉄鋼原料や、電力炭を対象に大型船を中心として、中長期契約の確保が可能と考えています。
中小型船については、需給動向次第では、中短期傭船の手配などにより機敏に対応します。
Q7.為替と燃料油ーの年間の感応度を教えて下さい。
A7.為替は1円当たり12億円、燃料油は10ドル/トンで15億円となります。
Q8.コンテナ船の市況をどう見ていますか?
A8.当面は、新造大型船の投入により需要を供給がやや上回る事が見込まれますが、本船の大型化に伴い、
港での滞船時間が伸びることから、追加船腹需要をある程度吸収することにより、
大きな需給バランスの悪化には繋がらないと予測しています。
尚、当社の事業運営方針は、最新鋭の大型新造船を投入を行いますが、規模は追わず、
中小型船との入れ替えによる当社船隊の効率化、高品質化をによるコスト、サービス両面の競争力を図る、という慎重なものです。
Q9.ドライバルクの市況前提を教えて下さい。
A9.足元の市況低迷は、当面継続し、2017年以降、緩やかに回復するというシナリオです。