事業を取り巻く未来や地球環境分野に関わる諸問題を踏まえ「2050年のゴール」を定め、様々な取り組みを行なっています。

 

この道すじをより確かなものとするために、創立100周年(2019年)におけるマイルストーン「環境フラッグシップの建造と実証」も定めています。

 

 

大気汚染防止への取り組み -大気環境を守るために-

米国ロサンゼルス港およびロングビーチ港の減速航行プログラムで受賞

米国ロングビーチ港およびロサンゼルス港では、沿岸の大気汚染を防止するために指定海域内で自主的な減速航行を求めるプログラムを設けています。当社は従来からこのプログラムに積極的に参画しており、2017年通年においてもコンテナ船、自動車船およびドライバルク船による減速航行について高い達成率が認められ、両港湾局からそれぞれ表彰を受けました。このプログラムに参画する船舶は、各港沿岸から40マイル(約74キロメートル)以内の海域において12ノット以下に減速することで排気ガス量を削減し、大気汚染の原因となる窒素酸化物(NO_{X})、硫黄酸化物(SO_{X})や粒子状物質(PM)、温暖化の原因となる二酸化炭素(CO_{2})の排出を抑制しています。当社はプログラムが開始された年から毎年受賞しており、ロングビーチ港では2005年から14年連続、ロサンゼルス港においては2008年から11年連続の受賞となります。

受賞名

ロングビーチ港 「2018 GREEN FLAG VESSEL SPEED REDUCTION PROGRAM」

ロサンゼルス港 「2018 VESSEL SPEED REDUCTION PROGRAM」

NOXの3次規制クリアに向けた次世代技術開発への取り組み

船舶から排出されるNO_{X}(窒素酸化物)による大気汚染を抑制する動きが国際的に活発になってきており、IMO(国際海事機関)は2016年以降に新たに就航する船舶に対して大幅な規制強化を行います。(NO_{X}の3次規制)

当社は、ジャパンマリンユナイテッド株式会社、ダイハツディーゼル株式会社と共同で2013年3月に就航した大型新造コンテナ船の発電機用ディーゼル機関にNO_{X}の3次規制に対応する選択触媒還元装置(SCR装置※1)を搭載し、約1年半にわたる運用上の性能評価を行い、実船で問題なく運用可能であることを確認しました。SCR装置とは、還元剤として使用する尿素水を排気ガスに噴霧することによって、排気ガスの熱で加水分解したアンモニア(NH_{3})とNO_{X}を結び付け、窒素ガス(N_{2})と水(H_{2}O)に変換させる技術です。

また、ジャパンマリンユナイテッド株式会社、川崎重工株式会社と共同でNO_{X}の3次規制に対応する排ガス再循環装置(EGR装置※2)の運用試験を実施します。EGR装置とは、排ガスの一部を洗浄後、再度燃焼室内に送り込むことで燃焼時の酸素濃度を減らし、燃焼温度を下げることによりNO_{X}を低減する技術です。2016年2月竣工のDRIVE GREEN HIGHWAYにEGR装置を搭載し、今後、約2年間にわたり実船試験を実施する予定です。

当社は、単に規制をクリアするばかりではなく、大気汚染のないやさしい船体整備を目指し、舶用エンジンメーカーや造船所と一体となった新技術の開発と実用化を図っています。

※1 SCR装置:Selective Catalytic Reduction装置
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※1 SCR装置:Selective Catalytic Reduction装置
※2 EGR装置:Exhaust Gas Recirculation装置
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※2 EGR装置:Exhaust Gas Recirculation装置

伊勢・三河湾では独自の減速航行に取り組んでいます

当社独自の取り組みとして、両湾内を航行する自動車船の速力を12ノット以下にする活動を行っており、周辺の海域や地域の大気環境への影響を低減させています。また、停泊時のPM(煤など)排出抑制のため、入湾前にボイラーの煤を除去したり、停泊中の発電機の負荷を適正にし、燃焼状態を良好に保つなどの取り組みを行っています。

停泊中の船に陸上電源を供給しています

北米、ロングビーチ港での取り組み

ロングビーチ港の自営コンテナターミナルにおいては、停泊中の船に陸上電源(6,600ボルト、60ヘルツ)を供給する設備を設けており、船上で電圧を440ボルトに変圧し、すべてを陸上電源で賄うことが可能です。この取り組みにより、船のディーゼル発電機を停止することができるため排気ガスがゼロとなり、近隣地域の大気環境の改善につながっています。

陸上電源供給中のコンテナ船「GENOA BRIDGE」
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陸上電源供給中のコンテナ船「GENOA BRIDGE」
岸壁に設置された電源ケーブル接続箱
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岸壁に設置された電源ケーブル接続箱
本船から下ろした電源ケーブル(接続箱へつなぐ)
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本船から下ろした電源ケーブル(接続箱へつなぐ)

北欧、ベルゲン港での取り組み

ノルウェー・ベルゲン港では陸上電源装置を設置して、港湾滞在中に当装置を利用することで、停泊している船舶の発電機用エンジンを停止し、港湾の大気汚染を軽減するプロジェクトを実施しています。このプロジェクトに当社グループ会社のK Line Offshore AS (KOAS)のオフショア支援船(AHTS: アンカーハンドリング・タグ・サプライ船)2隻が参加しました。この活動により本船の停泊中に排出するNO_{X}(窒素酸化物)を1日当たり113kgほど削減する事が見込まれています。

アンカーハンドリング・タグ・サプライ船(AHTS)
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アンカーハンドリング・タグ・サプライ船(AHTS)
陸上から供給された電源ケーブル
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陸上から供給された電源ケーブル
本船に備え付けられた電源ケーブル接続箱
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本船に備え付けられた電源ケーブル接続箱

【NOXの3次規制クリアに向けた次世代技術開発への取り組み】

水エマルジョン燃料とその性質

水と油を撹拌し、燃料油の中に水の粒を分散させた状態にしたものを水エマルジョン燃料と呼んでいます。この水エマルジョン燃料を 使用することで、ディーゼルエンジンの排ガス中の窒素酸化物(NO_{X})が約20%削減されることが分かり、当社グループ運航船にこ の機器を搭載し実証試験を行っています。

水エマルジョン燃料の燃焼反応

水エマルジョン燃料が燃焼するときには下の図のように反応します。

 

・水の粒の周りを燃料の粒子が取り囲んでいます。

・エンジンに噴射された水エマルジョン燃料は、燃料の粒が着火する前にまず水が蒸発します。

・水の蒸発により、燃料の粒が細かく拡散します。

・非常に細かくなった燃料の粒子は、燃焼しやすいため完全燃焼が得られやすくなります。

・このため、燃焼効率が改善され、排ガスがきれいになります。