株主・投資家の皆様へ

 平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 

 本日発表いたしました2021年3月期第2四半期連結累計期間(2020年4月1日から2020年9月30日まで)(以下、「当累計期間」と表示する)決算と2021年3月期連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)の連結通期業績予想に関し、概要を説明申し上げます。

 当累計期間の連結売上高は3,001億1百万円(前年同期比722億94百万円の減少)、営業損失は102億2百万円(前年同期は110億65百万円の営業利益)、経常利益は99億78百万円(前年同期比33億94百万円の減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は96億29百万円(前年同期比66億82百万円の減少)となりました。

【2021年3月期第2四半期連結 業績】

(億円未満四捨五入)

前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額(増減率)
売上高(億円) 3,724 3,001 △723 (△19.4%)
営業損益(億円) 111 △102 △213 ( ー )
経常損益(億円) 134 100 △34  (△25.4%)
親会社株主に帰属する
四半期純損益(億円)
163 96 △67 (△41.0%)
為替レート(¥/US$) (6ヶ月平均) \109.18 \106.82 △\2.36 (△2.2%)
燃料油価格(US$/MT) (6ヶ月平均) US$440 US$353 △US$87 (△19.9%)

 セグメントごとの業績概況は次のとおりです。

 

① ドライバルクセグメント

 大型船市況は、中国の鋼材需要の高まりを背景に主にブラジルからの鉄鉱石荷動きが回復したことで期初は高い水準で推移しました。期央以降は、配船が集中したことによって発生した中国での滞船が解消に向かったことを契機として需給が緩み市況は軟化したものの、総じて底堅く推移し、期末には反転しました。
 中・小型船市況は、南米からの穀物出荷がピークを過ぎるも中国による米国産農産品の買い付けが急増し輸送需要が拡大したこと、インド出し鉄鉱石も例年以上に出荷が伸びた影響もあり、堅調に推移しました。船腹需給バランスについては、インドでのロックダウンが長期化し解撤ヤードの操業率が低下したため解撤件数が伸び悩み、また全船型において竣工が相次いだ結果、改善には至りませんでした。


 このような状況下、ドライバルクセグメント全体では、運航コストの削減、配船の効率化に努めましたが、低迷した前期市況の影響も残り、前年同期比で減収となり、損失を計上しました。

 

 

② エネルギー資源セグメント

 大型原油船、LPG船及び電力炭船は中長期の期間傭船契約のもとで順調に稼働し、安定的に収益に貢献しました。

 LNG船、ドリルシップ(海洋掘削船)及びFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)は中長期の期間傭船契約のもとで順調に稼働し、安定的に収益に貢献しました。オフショア支援船事業においては、油価下落の影響により市況が悪化しました。


 以上の結果、エネルギー資源セグメント全体では、前年同期比で減収減益となりました。

 

 

③ 製品物流セグメント

 自動車船事業は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下、「新型コロナウイルス感染症」という。)拡大の影響で、世界的な販売の低迷、各国工場での生産停止などにより、海上輸送需要が大幅に減少しました。停船やサービスの一時的な見直し、余剰船処分等によるコスト削減策を実施しましたが、前年同期比で減収となり、損失を計上しました

 

 物流事業は、国内物流事業は、第1四半期に引き続き、当第2四半期においても新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、貨物量が減少しました。国際物流事業においては、航空・海上輸送における荷動き減少により大きく影響を受けた一方、eコマース事業を主要顧客とするバイヤーズコンソリデーションの荷動きは第1四半期に続いて、好調に推移しました。以上の結果、物流事業全体では前年同期比で増収となりましたが、減益となりました。

 

 近海事業は、環境対応エネルギーとして底堅い需要のあるバイオマス発電用燃料の輸送量は前年同期を上回ったものの、輸送需要の低迷や新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、鋼材、木材及び石炭の輸送全てにおいて前年同期を下回る輸送量となりました。内航事業は、定期船輸送で、主要貨物の製紙関連や自動車関連の貨物の減少に代わる食品や乳製品関連の貨物を取り込んだものの、輸送量は前年同期を下回りました。フェリー事業は、緊急事態宣言の影響で、旅客及び車両輸送が大幅に減少したことにより、前年同期を下回りました。不定期船輸送では、石灰石・石炭の各専用船は安定した稼働となりましたが、鉄鋼需要が低迷した石灰石の輸送量については前年同期を下回りました。以上の結果、近海・内航事業全体では、前年同期比で減収減益となりました。

 

 国内ターミナルは、基幹航路の取扱高が堅調に推移しましたが、前年同期比では、減収減益となりました。海外ターミナルでは、北米西岸の自営ターミナル(INTERNATIONAL TRANSPORTATION SERVICE,INC.)において、ザ・アライアンスが配船する大型船サービスが同ターミナルに寄港し、コンテナ取扱量は堅調に推移したことから、前年同期比で増収増益となりました。

 

 コンテナ船事業は、当社持分法適用会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.社(以下、「ONE社」という。)の業績は、新型コロナウイルス感染症拡大により、グローバルでの荷動きは前年同期比で減少したものの、荷動きに応じた配船を実施し、運賃市況は堅調に推移した上、燃料油価格の低下や貨物ポートフォリオの見直しなどによる収益改善への取組みも寄与し、前年同期比で増益となりました。

 

 以上の結果、製品物流セグメント全体では、前年同期比で減収となるも、増益となりました。

 

 なお、ONE社の業績が、主に東西航路の荷量及び市況の改善により大幅増益となったことの影響を受け、持分法による投資利益として23,554百万円を計上しています。

 

 

④ その他

 その他には、船舶管理業、旅行代理店業及び不動産賃貸・管理業等が含まれており、前年同期比で減収減益となりました。

 

 

【2021年3月期連結会計年度 連結通期業績予想】

(億円未満四捨五入)

前回予想(2021年3月期
第1四半期決算発表時点)
今回予想(2021年3月期
第2四半期決算発表時点)
増減額(増減率)
売上高(億円) 6,000 5,900 △100 (1.7%)
営業損益(億円) △270 △250 20  ( ー )
経常損益(億円) △280 0 280 ( ー )
親会社株主に帰属する
当期純損益(億円)
0 200 200 ( ー )
為替レート(\/US$) \107.25 \105.98 △\1.27 (△1.2%)
燃料油価格(US$/MT) US$368 US$362 △US$7 (△1.8%)

 ドライバルクセグメントでは、市況は、各国の経済刺激策により原材料を中心とした海上輸送需給の環境にも復調の兆しが見られる一方で、欧州を中心に新型コロナウイルス感染症の再拡大も懸念されるため、本格的な回復には今しばらく時間を要する見込みです。この間投機的な船舶投資は抑制され、環境規制施行に伴う老齢船や不経済船の解撤量の増加により船腹供給圧力は低く抑えられることが予想され、市況は大型船を中心に次第に回復となるものと予想しております。引き続き運航効率の改善とコスト削減等の収支改善策に取り組むとともに、強みである高い輸送品質を生かした営業活動を積極的に行い、中長期契約の上積みによる安定収益拡充に努めます。


 エネルギー資源セグメントでは、大型原油船、LPG船、電力炭船及びLNG船において、中長期の期間傭船契約のもとで安定収益の確保に努めます。オフショア支援船事業においては、引き続きコスト削減等により収支の改善に努めます。ドリルシップについては、2022年の現行傭船契約満了後の市況予想を踏まえ、損益悪化の可能性があります。


 製品物流セグメントでは、自動車船事業においては、海上輸送需要は下期に向け回復傾向はあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、通期では大幅な減少を見込みます。第3四半期以降もサービスの一時的な見直し、余剰船処分などによる一層のコスト削減に取り組みます。物流事業においては、国内・海外ともに貨物量及び作業量について、第3四半期から新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に回復傾向となるものと予想しています。引き続き固定費の削減に努めると同時に、今年度は世界的に生活様式が変容していることからeコマース事業関連の荷動きが増加していることにより、同事業関連の顧客の荷動きを注視しながら、追加貨物を確実に確保していくことで、収支回復に努めます。コンテナ船事業においては、第3四半期以降も新型コロナウイルス感染症拡大の影響により荷動きの見通しが不確実な状況下、ONE社では市況を注視しながら様々な収支改善策に引き続き取り組んでまいります。


 以上のとおり、当期の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、厳しい事業環境が見込まれ、また総じて予断を許さない状況が続くものと思われます。当社グループでは当期の業績へのダメージコントロールを最優先として、貨物減少に応じた船隊縮減、配船合理化、停船・係船による運航費削減、十分な手元流動性の確保及び自己資本対策としての資産売却等の施策を着実に進めてまいります。

 

 当社は、持続的成長のための設備投資や企業体質の充実・強化に必要な内部留保の確保などを勘案しつつ、安定的な配当を実施し、株主の皆さまへの利益還元を最大化することを重要課題と位置づけています。全社一丸となって、より一層の業績向上に取り組む所存ですが、中間配当につきましては誠に遺憾ながら無配とさせていただきます。また、財務体質の改善と事業基盤の安定化を最優先課題と捉えており、通期見通し及び当社財務状況等を総合的に勘案するため、期末配当につきましては現時点では引き続き未定とさせていただき、予想可能となった段階で改めてお知らせいたします。

 

  当社では株主・投資家の皆様の期待にお応えできるよう、グループ企業の役職員一丸となり、努力を重ねてまいります。皆様におかれましては、今後とも川崎汽船グループに変わらぬご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

 2020年(令和2年)11月5日

 

川崎汽船株式会社 代表取締役社長

明珍 幸一