株主・投資家の皆様へ

 平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 

 本日発表いたしました2021年3月期第1四半期連結累計期間(2020年4月1日から2020年6月30日まで)(以下、「当累計期間」と表示する)決算と2021年3月期連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)の連結通期業績予想に関し、概要を説明申し上げます。

 当累計期間の連結売上高は1,521億85百万円(前年同期比311億26百万円の減少)、営業損失は65億81百万円(前年同期は40億52百万円の営業利益)、経常損失は10億8百万円(前年同期は27億13百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は9億55百万円(前年同期は77億79百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。

【2021年3月期第1四半期連結 業績】

(億円未満四捨五入)

前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
売上高(億円) 1,833 1,522 △311
営業損益(億円) 41 △66 △106
経常損益(億円) 27 △10 △37
親会社株主に帰属する
四半期純損益(億円)
78 △10 △87
為替レート(¥/US$) (3ヶ月平均) \110.73 \107.74 △\2.99
燃料油価格(US$/MT)
(3ヶ月平均)
US$443 US$377 △US$66

 セグメントごとの業績概況は次のとおりです。

 

① ドライバルクセグメント

 大型船市況は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下、「新型コロナウイルス感染症」という。)拡大とブラジルの産地天候悪化により、世界的に鉄鉱石の荷動きが停滞し、堅調を維持した中国向け荷動きも近距離ソースに偏ったことで大幅な船腹余剰となり、市況は低迷しました
が、期末にはブラジルからの輸出回復に伴い急騰しました。
  中・小型船市況は、新型コロナウイルス感染症拡大により世界中で荷動きが停滞し、特に都市封鎖による影響で大西洋の市況が大きく落ち込みましたが、中国の経済活動再開、ブラジル出し中国向け穀物の堅調な輸送需要や大型船市況回復の影響を受けて急回復しました。
 

 このような状況下、ドライバルクセグメント全体では、運航コストの削減、配船の効率化に努めましたが、前年同期比で減収となり、損失が拡大しました。

 

 

② エネルギー資源セグメント

 大型原油船、LPG船、電力炭船ともに、中長期の傭船契約のもとで順調に稼働し、安定的に収益に貢献しました。

 LNG船、ドリルシップ(海洋掘削船)及びFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)は中長期の傭船契約を中心とした事業展開のもとで順調に稼働し、安定的に収益に貢献しました。オフショア支援船事業においては、油価下落の影響により市況が悪化しました。

 

 以上の結果、エネルギー資源セグメント全体では、前年同期比で減収減益となりました。

 

 

③ 製品物流セグメント

 自動車船事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、世界的な販売の低迷、各国工場での生産停止などにより、海上輸送需要が大幅に減少しました。停船やサービスの一時的な見直し等の船腹調整策によるコストの削減を実施しましたが、前年同期比で減収となり、損失を計上しました。

 

 物流事業では、国内物流事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による貨物量の減少に伴い、曳船、コンテナターミナルにおいて影響を受けました。
 国際物流事業においては、当初中国発の荷動き減少により、航空・海上貨物輸送で大きく影響を受けた一方、在宅需要の増加に伴い、eコマース事業を主要顧客とするバイヤーズコンソリデーションの荷動きが好調に推移したことにより、結果的に新型コロナウイルス感染症拡大の影響は限定的なものとなりました。以上の結果、物流事業全体では前年同期比で増収となりましたが、減益となりました。

 

 近海事業は、輸送需要の低迷や新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、鋼材、木材及び石炭の輸送全てにおいて前年同期を下回る輸送量となりました。内航事業は、定期船で主要貨物の荷動き低下に伴い、一部の航路で減便を実施するなどの対応をしました。フェリー事業は、新型コロ
ナウイルス感染症拡大の影響により緊急事態宣言が発令され、人の移動が制限されたことから、旅客数と乗用車の輸送量が前年同期を大幅に下回りましたが、トラックの輸送量は前年同期並みとなりました。以上の結果、近海・内航事業全体では前年同期比で輸送量を下回り、減収となり、損失
が拡大しました。

 

 コンテナ船事業においては、当社持分法適用会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.社(以下、「ONE社」という。)の業績は、新型コロナウイルス感染症拡大により、グローバルでの荷動きは減少しましたが、需要に合わせて柔軟な減便を実施するとともに、最適運航による運航費の削減、貨物ポートフォリオの見直しなどによる収支改善に取り組み、前年同期比で増益となり、コンテナ船事業全体においても黒字に転換しました。

 

 以上の結果、製品物流セグメント全体では、前年同期比で減収となり、増益となりました。

 

 

④ その他

 その他には、船舶管理業、旅行代理店業及び不動産賃貸・管理業等が含まれており、前年同期比で減収減益となりました。

 

 

【2021年3月期連結会計年度 連結通期業績予想】

(億円未満四捨五入)

連結経営成績(累計) 2021年3月期
連結会計年度
売上高(億円) _ 6,000 _
営業損益(億円) _ △270 _
経常損益(億円) _ △280 _
親会社株主に帰属する
当期純損益(億円)
_ 0 _

 ドライバルクセグメントでは、新型コロナウイルス感染症による世界の実体経済への影響が懸念されるなか、各国の経済刺激策により原材料を中心とした海上輸送の需給環境に復調の兆しは見られますが、本格的な回復には今しばらく時間を要するものと見込みます。このような状況下、投機的な船舶投資は抑制され、環境規制施行に伴う老齢船や非経済船の解撤量の増加により船腹供給圧力は低く抑えられることが予想され、市況は大型船を中心に次第に回復に向かうことが見込まれます。引き続き運航効率の改善とコスト削減等の収支改善策に取り組むとともに、強みである高い輸送品質を生かした営業活動を積極的に行い、中長期契約の上積みによる安定収益拡充に努めます。

 

 エネルギー資源セグメントでは、大型原油船、LPG船、電力炭船及びLNG船において、中長期の期間傭船契約のもとで安定収益の確保に努めます。オフショア支援船事業においては、引き続きコスト削減等により収支の改善に努めます。なお、油価下落が収支に与える影響については、引き続き状況を注視してまいります。

 

 製品物流セグメントにおいては、自動車船事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により、海上輸送需要の大幅な減少を見込みます。サービスの一時的な見直し、停船・係船などによる一層のコスト削減に取り組みます。物流事業では、国内・海外ともに貨物量および作業量について、第2四半期以降も引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けることを見込んでおりますが、第3四半期より徐々に回復傾向になると予想しています。上半期の貨物需要減に対しては固定費の削減に努めると同時に、堅調に推移しているeコマース事業の荷動きを注視しつつ、追加貨物を確保することにより、収益減少影響を最小化してまいります。また、需要が回復すると考えられる第3四半期以降は、顧客サプライチェーンの動きを注視しながら、貨物受注に取り組みます。コンテナ船事業では、第2四半期以降も新型コロナウイルス感染症拡大の影響により荷動きの低迷が続くものと懸念されます。ONE社では需要に合わせた柔軟な減便の実施など様々な収支改善策に引き続き取り組んでまいります。

 

 以上のとおり、当期の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、厳しい事業環境が見込まれ、また総じて予断を許さない状況が続くものと思われます。当社グループでは当期の業績へのダメージコントロールを最優先として、貨物減少に応じた船隊縮小、配船合理化、停船・係船による運航費削減、十分な手元流動性の確保及び自己資本対策としての資産売却等の施策を着実に進めてまいります。

 

 当社は、持続的成長のための設備投資や企業体質の充実・強化に必要な内部留保の確保などを勘案しつつ、安定的な配当を実施し、株主の皆さまへの利益還元を最大化することを重要課題と位置付けています。また、財務体質の改善と事業基盤の安定化を最優先課題と捉えており、通期見通しおよび当社財務状況等を総合的に勘案するため、配当方針につきましては現時点では未定とさせていただき、予想可能と判断されるに至った時点で改めてお知らせいたします。

 当社の経営方針については、本日発表の決算説明会資料をご参照ください。

 

 当社では株主・投資家の皆様の期待にお応えできるよう、グループ企業の役職員一丸となり、努力を重ねてまいります。皆様におかれましては、今後とも川崎汽船グループに変わらぬご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

 2020年(令和2年)8月5日

 

川崎汽船株式会社 代表取締役社長

明珍 幸一