株主・投資家の皆様へ

 平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 

 本日発表いたしました2020年3月期連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)(以下、「当連結会計年度」と表示する)決算と2021年3月期連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)の連結通期業績予想に関し、概要を説明申し上げます。

 当連結会計年度の連結売上高は7,352億84百万円(前期比1,014億46百万円の減少)、営業利益は68億40百万円(前期は247億36百万円の営業損失)、経常利益は74億7百万円(前期は489億33百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は52億69百万円(前期は1,111億88百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

【2020年3月期連結会計年度 業績】

(億円未満四捨五入)

連結経営成績(累計) 2019年3月期
連結会計年度
2020年3月期
連結会計年度
増減額
売上高(億円) 8,367 7,353 △1,014
営業損益(億円) △247 68 316
経常損益(億円) △489 74 563
親会社株主に帰属する
当期純損益(億円)
△1,112 53 1,165
為替レート(¥/US$) (9ヶ月平均) \110.67 \109.13 △\1.54
燃料油価格(US$/メトリックトン)
(6ヶ月平均)
US$450 US$467 △US$17

 セグメントごとの業績概況は次のとおりです。

 

① ドライバルクセグメント

 大型船市況は、前期末にブラジルで発生したダム決壊事故の影響が当期首にまで波及し低迷しましたが、ブラジルの鉄鉱石の供給力回復に伴い、上期は回復基調をたどりました。中・小型船市況は、大型船市況回復に牽引されたことに加え、南米産の穀物輸送需要が強く、上期は堅調に推移しました。

 下期に入ると、大型船はブラジルからの鉄鉱石出荷量の減少、中・小型船は南米出し穀物や中国向け一般炭の荷動き鈍化による影響を受けるなか、期末にかけて新型コロナウィルス感染拡大による輸送需要縮小の影響を全船型で受け、市況は軟調に推移しました。
 

 このような状況のなか、運航コストの削減・配船の効率化に努めましたが、環境規制対応装置の設置工事による船舶不稼働もあり、ドライバルクセグメント全体では前期比で減収減益となりました。

 

 

② エネルギー資源セグメント

 大型原油船、LPG船、電力炭船ともに、中長期の傭船契約のもとで順調に稼働し、安定的に収益に貢献しました。

 LNG船、ドリルシップ(海洋掘削船)及びFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)は中長期の傭船契約を中心とした事業展開のもとで順調に稼働し、安定的に収益に貢献しました。オフショア支援船においても、船腹の需給バランスが改善し、市況が回復しました。

 

 以上の結果、エネルギー資源セグメント全体では前年同期比で減収となるも、増益となりました。

 

 

③ 製品物流セグメント

 自動車船事業では、輸送台数は、極東出し航路においては安定した荷動きを維持しているものの、三国間等における一部不採算航路の休止・改編を含む合理化により全体では前期比で減少しました。一方で、運航効率の改善、運賃修復、船隊規模の最適化等、収支改善の取組みにより、前期比で減収となりましたが、黒字に転換しました。

 

 物流事業では、国内物流事業は、期末に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響による貨物量減少に伴い、曳船、航空・海上貨物輸送で影響が生じたものの、倉庫事業は堅調に推移しました。一方で、国際物流事業においては、航空貨物輸送におけるアジア域内及び欧米向けの取扱量が前期に比べ減少傾向となったことにより、物流事業全体では前期比で減収減益となりました。

 

 近海事業は、鋼材やバイオマス燃料を中心に輸送量が堅調に推移した一方、木材や石炭の輸送量は、前期を下回りました。内航事業は、定期船で運航効率の改善を実施したことでスケジュールが安定し輸送量が増加しました。フェリー事業は、大型連休中の利用が増加したことなどを背景に堅調に推移しましたが、期末に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響を受けたことで、前期並みの輸送量となりました。この結果、近海・内航事業全体では輸送量が前期をやや下回り、減収減益となりました。

 

 コンテナ船事業においては、当社持分法適用会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.社(以下、ONE社)の業績は、上期は積高・消席率の回復、貨物ポートフォリオ改善、航路改編・合理化による運航費削減をはじめとした収支改善の取組みを実施しました。下期は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発端として中国旧正月明けから荷動きの低迷が見られましたが、ONE社では需要に合わせた柔軟な減便を実施するなどの収益性改善に向けた取組みを行ったことにより、前期比で減収となりましたが、損失は縮小しました。

 

 以上の結果、製品物流セグメント全体では、前期比で減収となるも、損失は縮小しました。

 

④ その他

 その他には、船舶管理業、旅行代理店業、不動産賃貸・管理業等が含まれており、当期業績は前期比で減収となるも、増益となりました。

 

 

【2021年3月期(2020年4月1日から2021年3月31日まで)連結通期業績予想】

 

 

 今後の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大規模や影響範囲、収束までの期間などを現時点で合理的に予想することが困難なこと、世界経済や海上荷動きなどの様々な不透明な要因から、総じて予断を許さない状況が続くものと思われます。2021年3月期の連結業績見通しについては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による業績への影響を慎重に見極め、合理的な予測が明らかになり次第、速やかに公表する予定です。

 

 

 当社は経営計画の主要課題である持続的成長のために、設備投資や企業体質の充実・強化に必要な内部留保の確保などを勘案しつつ、安定的な配当を実施し、株主の皆様への利益還元を最大化することを重要課題と位置づけています。しかしながら、世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大や引き続いての米中貿易摩擦懸念など世界経済減速、輸送需要後退リスクの懸念が増している状況下、財務体質改善と事業基盤安定化を最優先課題と捉え、誠に遺憾ながら期末配当については無配とさせていただきます。

 次期の配当については、斯様な状況下、当面は財務体質改善と事業基盤安定化を最優先とし、現時点では未定とさせていただきます。

 

 当社では株主・投資家の皆様の期待にお応えできるよう、グループ企業の役職員一丸となり、努力を重ねてまいります。皆様におかれましては、今後とも川崎汽船グループに変わらぬご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

2020年(令和2年)5月11日

 

川崎汽船株式会社 代表取締役社長

明珍 幸一