2022年2月2日
川崎汽船株式会社

 

 川崎汽船株式会社(以下、「当社」)は、カーボンニュートラル社会の実現に不可欠な技術である二酸化炭素回収貯留技術(Carbon dioxide Capture and Storage)(以下、「CCS」)の世界的な展開を進める国際シンクタンク「Global CCS Institute」(以下、「GCCSI」)に加盟いたしました。

 

 CCSとは発電所や工場などから排出された二酸化炭素(CO2)を大気に放出せずに回収し、地中深くに貯留・圧入する一連の技術のことで、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けてCO2削減の重要な役割を担うことが期待されています。

 

 当社は現在CCS関連事業を積極的に推進しております。世界で初めて船上CO2回収装置の実証実験で排ガスからのCO2分離・回収に成功し、計画通りの性能を達成したことを確認したほか(注1)、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の行う液化CO2船舶輸送に関する実証試験に参画し、将来的なCO2の長距離・大量輸送に資する研究開発を進めております。実証試験に使用する液化CO2輸送船は世界初のCCUSプロジェクト向けの実証船として建設され、当社は長年に渡り培ってきた、液化ガス船の安全運航や安全荷役に関する技術と知見を活かし、CO2船舶輸送の技術開発に参画しています。(注2)

 

 GCCSIは2009年に豪州政府がCCS技術の世界的な利用促進を目的に設立した組織で、現在は政府関係、産業界や研究機関など世界中の団体が加盟をしております。GCCSIではCCSの最新の動向調査を行うとともに会員同士の分科会が開催されており、今後の国際的なCCSプロジェクトの立ち上げに向けた議論が実施されております。

 

 当社はGCCSIへの加盟により、国際的なCCSの開発・事業展開について常に最新の情報を把握するとともに、CO2の船舶輸送などCCS関連事業への参画の検討を加速し、今後も「“K”LINE 環境ビジョン 2050」(注3)に基づいて脱炭素社会の実現に貢献して参ります。


【Global CCS Institute (GCCSI)概要】

気候変動に取り組み、カーボンニュートラルを実現するために不可欠な技術である二酸化炭素回収貯留(CCS)技術の展開を目的とした国際的なシンクタンクで、CCSに関連する動向調査、知識共有、認知度向上等を推進しています。各国政府、グローバル企業、民間企業、研究機関、非政府組織など多様な国際会員によって構成されています。

https://jp.globalccsinstitute.com/

 

(注1) 
2021年8月5日:“世界初”船上CO2回収装置を当社運航船に搭載 
“CC-OCEAN”プロジェクトの実証実験開始について
https://www.kline.co.jp/ja/news/csr/csr-20210805.html

 

2021年10月20日:“世界初”船上CO2回収装置の実証実験で排ガスからのCO2 分離・回収に成功
https://jp.globalccsinstitute.com/

 

(注2) 
2021年6月22日: CO2船舶輸送に関する研究開発および実証試験参画について
https://www.kline.co.jp/ja/news/carbon-neutral/carbon-neutral-20210622.html

 

2022年2月2日:NEDO実証事業 世界初のCCUSを目的とした液化CO2輸送の実証船建造決定
https://www.kline.co.jp/ja/news/carbon-neutral/carbon-neutral-20220202-1.html

 

(注3)「“K”LINE 環境ビジョン 2050 ~青い海を明日へつなぐ~」
当社が2015 年に策定した環境に関わる長期指針。2021年11月の改訂により、新たな2050年目標として「GHG(温室効果ガス)排出ネットゼロに挑戦する」ことを設定しました。
https://www.kline.co.jp/ja/csr/environment/management.html#002