サステナビリティ 社長メッセージ

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取締役 代表執行役社長 CEO  五十嵐 武宣

 川崎汽船グループは、海運業を主軸とする物流企業として、人々の豊かな暮らしに貢献し、全てのステークホルダーから信頼されるパートナーとして、グローバル社会のインフラを支えることで持続的成長と企業価値向上を目指しています。


 当社グループの企業理念とビジョンを実現し、人々の生活や経済を支えるインフラとしての使命を果たしてゆくために、サステナビリティ(環境・社会・経済の持続可能性)の視点を経営の重要な課題としています。そこで当社グループは、中期経営計画に基づいて持続的成長や企業価値向上を果たしつつ、社会課題の解決にも貢献するために取り組むべき重要課題として特定した「マテリアリティ」を軸として、サステナビリティ経営を進めています。


 全12項目のマテリアリティは、「安全・船舶品質管理」「環境・技術」「デジタル トランスフォーメーション」、それらを支える「人材」、およびそれらの土台としての「経営基盤」の5分野に分類して整理されています。また、それぞれのマテリアリティに対して基本方針と中長期目標を定め、重要業績評価指標(KPI)を設定して目標に向けた進捗をモニターすることにより、当社グループとしてのサステナビリティへの取り組みの「見える化」に努めています。


 当社グループは、地球規模での気候変動対策を国際社会全体で強化すべき課題として捉え、「2050年GHG排出ネットゼロへの挑戦」を2021年11月に発表いたしました。また、2022年5月公表の中期経営計画における長期ビジョンとして、自社の低炭素・脱炭素化に向けて代替燃料船への投資、社会の低炭素・脱炭素化の実現に貢献する事業領域への挑戦を事業機会として成長戦略を打ち出しており、取り組みを進めています。


まず、自社の低炭素・脱炭素化については、船舶の燃料を従来の重油から環境負荷の小さいLNG燃料への転換を進めており、将来はアンモニア・水素を燃料とするいわゆるゼロエミッション船の導入を目指しています。また、大型のカイト(凧)を船首に取り付けて推進力を得る、風力推進補助システム「Seawing」の導入に向けた研究開発、実証実験も進めています。これらを通じて、自社の低炭素・脱炭素化を進めると共に、お客さまのスコープ3におけるGHG排出量削減に貢献していきます。二つ目は低炭素・脱炭素社会の実現に貢献することです。当社グループは、世界初の本格的な二酸化炭素回収貯留(CCS)プロジェクトに従事する液化CO2船の船舶管理を担っているほか、水素やアンモニアなどの次世代エネルギー海上輸送に加え、洋上風力発電支援船など、エネルギーサプライチェーン上流の周辺事業にも関与することも目指しています。


 一方、当社グループは多様性を競争力の源泉と位置づけ、多様な価値観を持った人材が安全で働きやすい環境の下で持てる能力を最大限に発揮することを目指しています。性別、国籍、年齢、経験に関わらず、全ての役職員がそれぞれの個性と能力を最大限に発揮し、相互の多様性を尊重しながら活躍できるよう、雇用環境を整備しています。本社においては法定ガイドラインを上回る育児期のサポート体制を整備することで、性別やライフステージを問わない働きやすい環境整備を進める一方、性別を問わず能力に応じた管理職への登用を進めています。一方、全世界のグループ従業員を対象とした集合研修「“K” LINE UNIVERSITY」を通じて海外のナショナルスタッフとの一体化を図っています。

 

 また、サステナビリティ経営を推進する上での基盤となるコーポレートガバナンスについても、強化を進めています。当社グループは、2025年3月28日開催の臨時株主総会で、機関設計を監査役会設置会社から指名委員会等設置会社に移行しました。企業を取り巻く環境が不確実性を増す中で持続的な成長と企業価値向上を実現するには、迅速な意思決定を通じた業務執行が必要であり、それを支える強固なコーポレートガバナンスの確立が不可欠です。当社はコーポレートガバナンスの重要性を認識し、その整備と強化に継続的に取り組んでおりますが、これまでの取り組みを基盤として、さらなるガバナンスの強化と経営の改革を通じた企業価値向上を目指し、指名委員会等設置会社へ移行したものです。監督と執行を明確に分離することによって、経営の透明性を高め、変化への対応力を強化してまいります。


 当社グループのサステナビリティ経営は、全てのステークホルダーの皆様のご理解とご協力によって成り立っています。お客様、社員、株主、地域社会、そして次世代のために、当社グループが果たすべき責任と役割を全うし、より良い未来を築いていけるよう全力を尽くしてまいりますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 

2026年2月

取締役 代表執行役社長 CEO 五十嵐 武宣