2022年7月25日
川崎汽船株式会社
川崎汽船株式会社(以下、当社)はこのほど、三菱造船株式会社(以下、三菱造船)と一般財団法人日本海事協会(以下、日本海事協会)と共同で実施した「洋上におけるCO2回収装置検証のための小型デモプラント試験搭載と装置コンパクト化の研究開発“CC-OCEAN”プロジェクト(注1)」に関して、公益社団法人日本マリンエンジニアリング学会から「マリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー(土光記念賞)2021」を受賞しました。洋上用CO2回収システムとしては世界で初めて船舶から排出される排ガスからのCO2分離・回収に成功し、回収CO2純度99.9%以上と計画通りの性能を達成したことなどが高く評価されたもので、7月22日に東京都千代田区の海運クラブで表彰式が行われました。
「マリンエンジニアリング・オブ・ザ・イヤー2021」授賞式の様子
(左から川崎汽船株式会社 中野執行役員、日本海事協会 重見副会長、川崎汽船株式会社 岩下常務執行役員、
三菱造船株式会社 北村社長、三菱造船株式会社 川角執行役員、日本マリンエンジニアリング学会 木下会長)
この賞は、舶用機関・機器および海洋機器、関連するマリンエンジニアリング分野の優れた技術を対象に、その先進性・重要性を広く国内外に公表し、関連の学術的産業的技術の更なる発展を目的に贈呈されるものです。受賞対象となった“CC-OCEAN”プロジェクトは、洋上におけるCO2回収を目的としたもので、洋上用に転用した陸上プラント用のCO2回収装置を、当社が運航する東北電力株式会社向け石炭運搬船“CORONA UTILITY”に搭載し、洋上における実証実験を2021年8月から約6ヶ月間実施しました。その結果、CO2回収量・回収率、回収CO2純度いずれも計画通りの性能を達成し、陸上とは環境条件が異なる船上において舶用エンジンの排ガスからCO2を回収できることが実証されたものです。
*ロゴのデザインは”Carbon Capture on the Ocean”の頭文字をかたどったもので、中にCO2を包み込んで(回収して)いる様子を表しています。
当社は気候変動に対する取り組みを強化するため、「“K”LINE 環境ビジョン2050」(注2)に基づいて、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指し、自社の脱炭素化と社会の脱炭素化支援に全力で取り組んで参ります。
(注1) 参考リリース
2020年8月31日リリース:“CC-Ocean”(Carbon Capture on the Ocean)プロジェクト
https://www.kline.co.jp/ja/news/csr/csr-20200831.html
2021年8月5日リリース:“CC-Ocean”プロジェクトの実証実験開始について
https://www.kline.co.jp/ja/news/csr/csr-20210805.html
2021年10月20日リリース:“世界初”船上CO2回収装置の実証実験で排ガスからのCO2分離・回収に成功
https://www.kline.co.jp/ja/news/csr/csr-20211020.html
(注2) 2021年11月公表:
当社は気候変動対策に対する取り組みを強化するため、2020年6月に改訂版を公表した環境に関わる長期指針「”K” LINE環境ビジョン2050 ~青い海を明日へつなぐ~」の一部を見直し、新たな2050年目標として「GHG(温室効果ガス)排出ネットゼロに挑戦する」ことを定めました。
https://www.kline.co.jp/ja/csr/environment/management.html