2019年6月7日
川崎汽船株式会社
当社は大手航空機メーカーのAIRBUS社から分社したAIRSEAS社*1が開発した自動カイトシステム“Seawing”*2を当社保有の大型バルクキャリアー1隻へ搭載することを決定しました。
“Seawing”は本船船首部に搭載され、一定条件の風力・風向の下、ブリッジ(船橋)からの操作で展張し、風力を利用して本船の推進力を補助するものです。本システムの搭載にあたり、当社は同社協力の下、2年間に渡り“Seawing”の性能や革新的な技術について詳細に評価の上、本システムが本船運航に伴う環境負荷の低減に大きく貢献することを確認しました。具体的には同船型において20%以上のCO2排出量削減効果があり、1隻あたり年間5,200トンものCO2削減が期待できます。
また、同社との間では、当社運航船に搭載している船舶運航・性能管理システム“K-IMS”*3から得られる運航・性能データを活用し、“Seawing”の更なる性能向上を目指した共同開発の実施に向けて取り組むことを合意致しました。
当社は“Seawing”をはじめとした様々な環境保全技術を研究・開発・導入していくことで、“K”LINE環境ビジョン2050*4並びにIMOにおけるGHG削減目標の実現に向け、環境保全に向けた社会的貢献活動に取り組んで参ります。
(注1)AIRSEAS社: AIRBUS社から分社した会社であり、革新的なエネルギー効率ソリューションを海運にもたらす飛行制御技術、モデリング技術における航空技術ノウハウと海事テクノロジーを持つ。
(注2)Seawing:船舶輸送の推進力補助に飛躍的な進歩をもたらす航空ノウハウと海事テクノロジーを組み合わせたもの。簡単なスイッチ操作のみで、自動的にカイトの展張や格納が可能である。このシステムは、気象データと海洋データをリアルタイムで収集して分析の上、性能の最適化と最大の安全性を確保するためにそれらの情報を活用している。
(注3)K-IMS:当社開発の統合船舶運航・性能管理システム
https://www.kline.co.jp/ja/news/other/other2720726084517238321.html
(注4)“K”LINE環境ビジョン2050:
https://www.kline.co.jp/ja/csr/environment/management.html#002