【自営事業】
Q-1:リリースも出されているドライバルク船「DEVON BAY」の海難事故について、川崎汽船の現地法人が船主であると思いますが、今後の影響として考えられることがあればお聞かせください。
A-1:まずは、みなさまにご心配をおかけし深くお詫びいたします。1月22日の事故発生以来10日間にわたり、中国やフィリピンの沿岸警備隊等々の方々の指揮のもと救助活動を行ってきましたが、当局の判断の下、2月1日の夜に捜索・救助活動は終了となりました。こちらについては、2月2日にプレスリリースを出しています。
今回の業績予想にその影響は織り込んでいません。現在は今お話ししたような状況であり、原因調査などもこれからという段階です。したがって、現時点ではそこまで大きな影響があるとは見ておりませんが、数字として今回の業績には反映していません。
Q-2:エネルギー資源セグメントについて11月の前回公表と比較したご説明をいただきましたが、自動車船事業の35億円減益の要因についても教えてください。
A-2:下方修正の要因について、季節要因、一過性の要因を含め、当初の見込みより輸送台数を減少ということで見直しをしています。概して言うと、太平洋の領域では荷動きに大きな変化はなく堅調で、若干ですが荷量が増加しています。
一方、大西洋の領域では、米国を起点とする部分で12月末に米国の販売状況を見ると、秋口から欧州系のOEMの販売が減少しており、この影響を受けています。また、一部ヨーロッパからの復航で、アジアの一部の市場では買い控えが見られる状況もあり、それを含めた荷量の見直しを行っています。
復航や三国間輸送においては、往復の荷量バランスがよいと配船効率が高くなりますが、配船効率という観点で若干の影響を受けています。さらに、冬季に向けた配船・輸送効率の悪化や冬季の燃料費増加を含む運航費用の増加などのコストを織り込み、35億円の減益としています。
Q-3:自動車船の契約運賃の現状はどのようになっているのか、来年度に向けた見方や複数年契約については変わらないという従来の見方でいいのかどうか教えてください。新規竣工船の費用が増え、今期マージンが下がっているとのご説明でしたが、稼働率や積載率についてはどうでしょうか。足元落ちている状況があって、来年度これが上昇することで、改善要因となるのでしょうか。 輸送面でそうした契約が見込めているかどうかも含めて確認させてください。
A-3:以前にもお伝えしたとおり、来期の契約運賃は半分以上がすでに確定しており、その傾向に変わりはありません。来期以降の見通しについては、どちらかというと需要がしっかりと出てくるかが重要だと思っています。各お客さまとも来期の見通しについて協議を進めていますが、来期は不透明な状況下でのスタートとなり、不確実性に向き合いながらの1年間になると考えています。
そのような中では、やはり運航効率を向上させる取り組みが重要です。具体的には、お客さまの荷量、出荷計画を基にしながら、往復航のバランスを含めて効率を上げる工夫をしたいと考えています。
Q-4-1:自動車船事業について、前年比では第3四半期は減益でしたが、逆算すると第4四半期は増益の見通しになっているようです。第3四半期が減益で第4四半期が増益の背景について教えてください。
A-4-1:前年度の第4四半期においては、一過性の要因がかなりありました。これはお客様の都合で、出荷の見直しや一時的な出荷の後ろ倒しがあったことにより、輸送台数が少なかったものです。こことの比較で今年度の第4四半期が増益に見えていると理解しています。
Q-4-2:第3四半期の減益の背景についてもご説明いただきたいと思います。また、第4四半期について、一時的な要因を除いた場合、どのような予想になるかお聞かせください。
A-4-2:前年度の第4四半期は想定以上に荷量が減少した実感があります。
第3四半期に関しては、先ほどのご説明のとおり、前年同期比で荷量が減少したことと運航効率の低下が減益につながった主な要因です。さらに、販管費を含むコスト増、環境対応としてのバイオを含む燃料費増加を含めた運航費の増加も要因の1つだと考えています。
【コンテナ船事業】
Q-1:コンテナの短期的な市況見通しについてです。第4四半期の見通しとして、2月、3月、旧正月以降に運賃が上がることを前提として組まれているという話を他社の説明会からうかがっています。その点について、季節性や足元の運賃を含めて、川崎汽船としての見解があれば教えてください。
A-1:コンテナ船の市況は決して楽観視できる状況ではないと考えています。これから2月17日の旧正月に向けて、基本的に運賃は調整局面に入ると思います。その中で、業界としてどこまで踏みとどまれるかがポイントです。旧正月の影響は毎年のことですので、ONE社もそうですが、需要に合わせたオペレーションの柔軟性をある程度織り込んでいます。このような対応が功を奏し、年末にも運賃が安定し上昇しました。旧正月の影響は毎年あるものなので、船会社として手を打てる部分があります。そのような、手を打てる部分、オペレーションを通じた対応などに取り組むことによって、旧正月明けから荷量が緩やかに上がってくるでしょうし、それに伴い、大幅な上昇は見込めないとしても、運賃も回復傾向に戻ると期待しています。
Q-2:ONE社の来期以降の株主還元方針について、川崎汽船としてどのような意見や要求をされるのか、ご説明いただけますでしょうか。特に、市況が厳しい中で、株主3社のように、多少業績が厳しくても一定の固定配当の継続があり得るか、もしコメント可能であればお願いします。
A-2:ONE社の株主還元に関する株主としての方針ですが、これは毎年、ONE社の実績および事業計画を見直した上で、配当原資がいくらあるかをONE社とも協議しながら決定しています。そのため、固定的に何%にするとか、最低限どうするのかといった方針を現時点で決めているわけではありません。来期の業績を確認し、投資計画などを評価した上で協議する流れになります。
【資本政策】
Q-1:来年度の配当を120円に増額した点について、来年度の事業環境が依然として不透明な中、この時点で引き上げるのは、社内で躊躇や議論があったのではないかと思います。議論の内容についてご紹介いただけますでしょうか。
A-1:今年度は120円という水準ですが、来年度は100円としていた点について、当社としては手元の営業キャッシュフローや、投資キャッシュフローなどのキャッシュアウトなどを考慮し、手元資金の状況を見て配当を判断するという方針でした。
すでに2月に入りましたので、足元のキャッシュや次年度の業績などを確認している中で、確かに事業環境は不透明ではあるものの、20円の増配については問題なくできると考えています。また、20円の増配だけでなく、追加還元の500億円以上も含めて実施することについても、十分可能だという判断がありました。そのため、このタイミングで増配を決定した次第です。
昨年、一昨年も、次年度の配当についてこのタイミングでアナウンスしています。やはり、ある程度マーケットのみなさまに予見可能性を持っていただくためにも、このタイミングが適切であるとの判断です。
Q-2:来年度の配当20円増配の原資について、先ほどのご説明では、500億円以上の還元枠や、マネジメントアロケーションとは別のところから来ているような印象を受けました。原資について、あらためて具体的に教えてください。
A-2:これまでは、例えば営業キャッシュフロー1兆5,000億円、投資キャッシュフロー6,100億円、株主還元8,000億円以上と、ある程度ラウンドされた数字でご説明してきました。また、過去の還元の中で自己株式取得800億円というかたちでお示ししていたところ、取得時において株数が先に上限に達し、結果としてお示ししていた金額だけ取得できなかったようなケースもあり、そのため還元の数字がそこまで到達しなかったこともありました。
今回、中期経営計画の最終年度を迎えるにあたり、さまざまな数字を細かく精査し、精緻化を図る対応を行いました。その上で、ややテクニカルな話で恐縮ですが、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの差額として、その程度の数字があったということです。
つまり、もともとの原資は営業キャッシュフローから出ているとご理解いただければ幸いです。
【その他】
Q-1:来期について、決算資料ではかなりの数の新造船の竣工を予定しているようですが、これが増益要因となり得るのか、それとも減価償却など目先の費用負担が先行する可能性があるのか、どのように捉えるべきか教えてください。
A-1:基本的には、当社として投資の採算を十分に見極めた上で投資規律を守り、建造を決めた船舶が竣工することになります。また、すでに契約の目処がある程度立っているものがほとんどだと認識しています。もちろん船舶ごとに採算性は異なりますが、基本的には船舶が竣工する分だけ業績にプラスの影響があると考えています。
Q-2:スエズ運河の通峡再開について、まだ先になるだろうという感覚を持ちました。お客様の反応は現在どのような状況でしょうか。
A-2:先ほどもコメントしたとおり、さまざまな状況を確認しなければならないと考えています。そのため、なかなか軽々には判断できないと思っています。当然ながら、スエズ運河を通峡したほうが運航日数は短縮されるため、経済性や短期間での輸送という観点から、再開への期待があることは承知しています。しかし、現状ではそのような要請がある状況ではないと認識しています。
Q-3-1:スエズ運河通峡における船舶保険は、依然として高い水準にあると思います。通峡が再開されれば保険料は下がるのか、それともその前に下がるのか、スピード感や契約上の問題について教えてください。
A-3-1:保険については、安全性がまだ確認されていないため、料率が変更されるようなアナウンスは出ていない状況です。欧州船社が実際に通峡を実施しましたが、最近ではホーシー派が攻撃を行うような動きも見られています。このため、安全確保がまだ十分には成されていない状態です。一時は通峡再開の見通しがあるとの期待もありましたが、その期待は後退していると認識しています。
Q-3-2:これは過去に例がなく、非常にわかりにくいと思いますが、運航が再開された時点で保険料が下がるのか、あるいは船会社が通峡を開始した際に保険料が下がるのか、どちらが先に起こるのでしょうか。
A-3-2:その点についてはなんとも言えませんが、保険がどのようになるのかという点は、運航再開の判断において重要な要素の1つであることは間違いないと思っています。当然、安全という観点から考えると、単純に経済性だけでなく、例えば船員の組合などの了解も取り付ける必要があるということです。
したがって、「来月から通ります」というような単純な話ではなく、かなり用意周到に進めなければならないと考えています。また、何かあった時の保険の範囲との兼ね合いの中でどのような判断をするのか、保険会社の判断も当社判断に大きな影響を与えるものだと認識しています。