【当社の株主還元について】

Q-1-1:株主還元について、従来比でキャッシュフローの見通しをアップデートされたので、それを踏まえて投資と還元を追加したということですが、今後もこのような配分割合で考えれば宜しいでしょうか。仮に計画以上のキャッシュフローが上積みされる場合、その半分は株主還元というフォーミュラは変わらないと考えれば宜しいでしょうか。また、基礎配当を120円に引き上げ、追加還元も予定されていますが、中計期間中の下限の配当は120円/株のままなのか、それともキャッシュフローの状況に応じて更に引き上げていく考えはあるのか、確認させてください。

 

A-1-1:基本としては投資機会と業績動向を総合的に判断した上で、必要な成長投資も行い、追加還元も機動的に行いますが、特にその配分割合を決めていません。また、基礎配当は現時点では稼ぐ力を前提に120円という設定をしていますが、今後の業績及び中期経営計画の進捗を見た上で必要な見直しは行います。

 

 

Q-1-2:決算説明会資料 17ページに掲載されている追加還元1,100億円以上の部分が、2023年度の追加配当1株当たり80円と、500億円の追加株主還元の原資となっているという考え方で宜しいでしょうか。

 

A-1-2:2023年度の1株当たり120円の基礎配当と80円の追加配当までは1,100億円以上の追加還元の枠外です。この1,100億円以上の追加還元は、今後の業績動向や事業環境の進捗を踏まえて中計期間内に進めていきますが、そのうち最低でも500億円は今年度に予定しています。

 

 

Q-1-3:追加配当の1株当たり80円について、どこから原資が来ているのか、またどのような考え方で決められたのでしょうか。

 

A-1-3:基本的にはキャッシュフローを踏まえて、基礎配当を含めて1株当たり200円にしました。

 

 

Q-2:追加還元の1,100億円以上は具体的に配当なのか自社株買いなのか、その手法について、現時点でどのような考えかを確認させてください。

 

A-2:1,100億円以上の追加還元の手法については、どのような形が最も企業価値向上に資するのか、引き続き市場、ステークホルダーのさまざまなご意見、また株価動向も踏まえた上で決定して、判断していきます。現時点で、特に何か決まったものはありません。

 

 

Q-3-1:中計期間における株主還元総額の下限5,000億円以上の「以上」について、キャッシュフローの状況を見ながら判断するということだと思いますが、判断するタイミングは各年度なのか、中計最終年度(2026年度)なのか、時間軸について確認させてください。

 

A-3-1:どのように決めていくのかは、毎年の業績動向、キャッシュフローの動向、事業環境の進捗を踏まえて、資本効率の最適化も念頭に置いて決めていくことになります。中計最終年度まで待って決めるということではなく、各年度しっかり見直していきます。

 

 

Q-3-2:各年度の見直しということであれば、公表はされていませんが、社内には各年度のキャッシュフロー計画などがあり、それをにらみながら決めていくということでしょうか。

 

A-3-2:ご指摘のとおり、事業計画、各年度のキャッシュフロー計画、また市況の振れ幅に伴う影響額、その他を勘案しつつ、当社として今後の対応を決めていきます。

 

 

Q-4-1:株主還元の際に、自己資本比率をどのように考えたのか教えてください。2023年3月末決算の数値を前提に、今後の資金調達や資本コストをどのように考えていらっしゃるのでしょうか。今期の総還元性向は80%を超えるように見えますので、ほとんど自己資本は増えないと思いますが、今後資本コストを上昇させないためには、自己資本の比率あるいは絶対額のコントロールも必要だと思います。これらの点を含めて教えてください。

 

A-4-1:株主還元におけるあるべき自己資本比率については、最終的には当社が掲げている最適資本構成という数字は具体的にあるのか、というご質問につながってくると思います。最適資本構成の考え方については、資本効率の最適化と競争力のある資金調達、またこれを可能とする財務の健全性、この両立が非常に重要だと思います。現時点ではまだ固まっていませんが、当社としては今後も不透明な事業環境が続く中、事業リスクをカバーできる十分で且つ競争力ある資金調達を可能とする財務体質の健全性、格付の維持やROE10%以上を達成する資本効率を念頭に、最適資本の設計検討を継続的に行っていきます。現時点では最適資本の継続検討を行う一方、キャッシュフローの最適配分という形で株主還元を進めているものです。キャッシュフローを踏まえた上で、成長や企業価値向上に必要な投資を行う。その上で、自己株式取得も含めた機動的な株主還元を行うという方針です。

 

 

Q-4-2:最適資本構成について、発表されるとしたらどのようなタイミングになるでしょうか。

 

A-4-2:現時点で明確なタイミングはお話しできませんが、継続して検討していきます。

 

 

【自営事業関連】

Q-1-1:2023年度の計画で、コンテナ船事業以外の製品物流セグメントの自動車船事業の利益が対前年比でそれほど増えるように見えませんが、輸送台数の前提を見るとかなり増える形になっています。2023年度の自動車船事業の計画はどのような前提で作っているのか、確認させてください。

 

A-1-1:ご指摘の通り、2023年度の輸送台数は2022年度と比較して増加する前提にしています。半導体や部品不足の状況の緩和等を織り込んだものです。自動車船事業の個別収支については開示していませんが、昨年度より今年度の方が輸送台数の増加及び運賃修復を反映した収支となっていて、2023年度に想定される収支を十分反映したものになっています。

 

 

Q-1-2:コンテナ船事業以外の製品物流セグメントの利益が、それほど増えない計画になっているのは、他にマイナス要因があるのでしょうか。

 

A-1-2:物流事業については、コンテナ船同様にサプライチェーンの正常化に伴って市況が落ち着いてくること、また内航近海事業については、近海で中小型船の市況が一部下落する影響を受けて、前年度比でそれぞれ減益を見込んでいます。一方、自動車船事業については増益を見込んでいます。

 

 

Q-2:還元鉄の輸送について、従来の鉄鋼原料の輸送と比べ、船のサイズの傾向や燃料の指定など、船隊構成の変更が必要な要素はありますか。

 

A-2:通常の鉄鉱石、鉄鋼原料輸送は大型船のケープサイズで輸送しますが、現在のところ、還元鉄については、5万トン以下のサイズの小型バルク船で輸送されています。貨物輸送に当たって若干神経を使うところがありますので、一気に船型を大型化していくことにはならないと想像しています。当社も、既に4月中旬にカタールから極東向けの還元鉄輸送を5万トンサイズの本船で輸送しているところですが、安全を期した運航ができるように細心の注意を払っています。

 

 

【コンテナ船事業関連】

Q-1-1:コンテナ船事業の見方について、先ほどの説明で需要環境は下期から回復見込みということは理解できました。独禁法の問題もあるのでなかなかコメントしづらいと思いますが、今後どのような運賃推移を想定しているか、イメージだけでも教えてください。

 

A-1-1:コンテナ船の市況に関しては、3月までで短期運賃市況は底を打って、4月から値上げの基調にあります。この状況において、長期運賃の契約も決まりつつあるというのが現状です。足元の状況を踏まえて、夏場以降の需給の回復に伴って、短期運賃が上がるであろうという見立てです。

 

 

Q-1-2:長期運賃の契約について、長期運賃の全体に対する比率はあまり変わっていないのでしょうか。

 

A-1-2:大きくは変わっていません。

 

 

Q-2:ONE社からの配当金について、最後に受け取ったのは2022年11月頃だったと思いますが、その後は受け取っていないと理解しています。ONE社の配当方針について、何か進捗などあれば教えてください。

 

A-2:ONE社からの配当については、今後さらに協議を進めていく形になると思います。今般、公表はしていませんが今年度の業績動向を作成し、それも踏まえて今後の資本政策、配当について、株主3社及びONE社と協議して決めていくことになります。

 

 

Q-3:コンテナ船事業について、業界として環境関連規制により減速航海や、あるいは市況下落に伴ってある程度スクラップが進むというお話がありましたが、ONE社としてはどのような対応を想定されているのでしょうか。業界と同様に環境対応で減速航海やスクラップが必要になってくるのか、それともONE社には優位性があって、そのようなダメージが少ないのか、相対感について教えてください。

 

A-3:ONE社の資料7ページをご参照ください。ONE社としては、これまでと同様に、マーケットの傾向と合わせて、減速航海あるいは減便という対応を機敏に行っていくことになります。また、ご承知のとおりONE社は現状自社で船を保有しているわけではなく、当社含め株主や船主から船を傭船しています。スクラップの時期に関しては、この傭船契約の区切りのタイミングで、その後の本船の手当てをどうしていくか、スクラップを含めて、個別に方針を定めていくことになります。