【当社の株主還元について】

Q-1:株主還元について、1,000億円を上限とした自己株式取得をこのタイミングでの発表や、この決断に至った背景、社内でのディスカッションなどがあれば紹介いただけないでしょうか。また、この株主還元は中期経営計画期間の今後5年間において、基本的には各年度で大きなばらつきがないような形での還元を考えているのか、今後の方針を教えてください。

 

A-1:株主還元については、現中期経営計画で今年度に1,000億円以上の追加還元を行うこと、その手法については決まり次第お知らせすることをお示ししていた中で、83日に既に公表しました通り、中間及び期末配当ともに増配を決めました。その上で、今回1,000億円の追加還元については、その規模に鑑みて機動的な自己株取得による実施が望ましいこと、また現中期経営計画に基づく企業価値向上のための施策としても適切であることから実施の決定に至った次第です。

今後の株主還元について、中期経営計画で発表しているとおり、毎年の営業キャッシュフローのキャッシュインや事業ごとの投資メニューを踏まえた上で、最適資本構成も常に念頭に置きながら、機動的な株主還元として、配当もしくは自己株式取得、双方も含めて継続的にしっかり取り組んでいきたいと思っています。

 

 

Q-2:今回の自社株買いの枠組みについて、ToSTNeT-3で設定している期間と3月末までの買い付けと、2つ公表されていますが、考え方について確認させてください。

また、全体で約12.4%買い付けるという形になっていますが、これは売却する側の意向を確認してこのような数値になったということでしょうか。

 

A-2:自己株買いについては、まずToSTNet-3を実行して、そこで上限に達しない分を市場買付けで行うということです。還元額の1,000億円を前提に取得株式数の上限も計算した結果、12.41%という数字になりました。

 

 

Q-3.期末配当について、下期業績等を勘案の上、追加的な還元を検討するということですが、これは配当と自社株買いと両方の選択肢があるということでしょうか。

 

A-3:期末の追加還元についてはまだ何も具体的な検討は始まっていません。これからさまざまな選択肢を、下期の業績動向、当社の営業キャッシュフロー、資金需要なども踏まえて、その手法を含めて検討を進めていきたいと思います。

 

 

Q-4:今回自己株式取得をすることで、予定どおり行けば12%ぐらい自己株式を買って、それを消却される予定だと思います。来期以降の株主還元について、従来基礎配当を1株当たり300円と設定していたと思いますが、10%くらい株式数が減ると、総額として同じ額の配当を実施すれば、1株当たりの配当金額は増えると思いますが、この消却後の配当額についてはどのようにお考えでしょうか。

 

A-4:消却後、来期以降の配当の考え方は、まさしく下期、期末配当に向けて、今後どのような還元方針がふさわしいか検討していくところで、具体的にこのような考えで進めるということが今の段階ではまだ決まっていません。考えがまとまり次第、金額も含めてお示ししたいと思います。

 

 

Q-5-1:中期経営計画で示されている4,000億円~5,000億円の株主還元の枠について、若干市況がダウンサイクルに入っている中、どれぐらいの配当が継続できるのかが関心のポイントで、今回自己株式取得後に消却することが明らかになったので、1株当たりの配当額を考えると少し楽になったという印象もありますが、今後4年ぐらいを見据えて、4,000億~5,000億円の株主還元に対するコミットメント、消却後の配当や1株当たり利益の継続性についてコメントできることがあれば、お願いします。

 

A-5-1:まず中期経営計画で発表した4,000億~5,000億の株主還元について、もちろん各事業の今後の業績動向を見ていく必要はありますが、現時点でこれを変える必要性はないと考えています。現段階では、中計で発表した計画に沿った形で進めたいと考えています。

また、消却後の1株当たりの配当の考え方については、今後の還元政策、期末配当も含めて、当社としての考え方をしっかり整理した上で、決まり次第公表したいと思います。

 

 

Q-5-2:自己株式取得した場合は消却するという方針は変わらないでしょうか。

 

A-5-2:将来の還元政策について、どの程度配当もしくは自己株買いにするか、方針や金額もまだ決めていませんので、仮定の話は今の段階ではコメントできません。今回の自己株式取得については、消却ということで進めます。

 

 

【コンテナ船事業関連】

Q-1-1:今回、通期の業績計画でコンテナ船事業の利益予想を140億円下方修正されていますが、この理由について教えてください。

 

A-1-1:コンテナ船事業については最新のONE社の業績予想を前提に、為替は下期130円という前提で、前期で取り込んだ為替のプラス部分も下期は一定程度調整している前提です。ONE社の業績予想に対して算出した結果であり、特にそれ以外の理由はありません。

 

 

Q-1-2:コンテナ船事業について、為替調整以外に第1四半期決算の段階から市況見通しなど見方は変えていないということでしょうか。

 

A-1-2:市況見通しなど見方はほとんど変えていません。

 

 

Q-2:コンテナ船事業について、第2四半期は燃料費以外の費用も結構増えた印象があります。ONEの業績予想を見ても営業費用のところが通期で13billionほどということで、どのような費用が足元で増えているのでしょうか。また、今後市況が軟化することが見込まれますが、コスト削減で減らせる費用はありますか。

 

A-2:コンテナ船事業におけるコストについて、第2四半期を中心に可変費の部分が増えています。第2四半期はサプライチェーンの混乱の影響が大きく、内陸輸送等々含めた輸送費がかさんだというのが基本的な構造です。ONE社としては、例えばコンテボックスの回転率を上げるような、効率性を追求したコストセービングに取り組んできましたが、やはり混乱そのものの影響が大きい状況です。

今後も引き続きオペレーションの効率化などコスト削減に取り組みますが、下半期はインフレの影響で、費用の単価そのものが上がることが見込まれ、今回の業績見通しにこの点も織り込んでいます。

 

 

【自営事業関連】

Q-1:自営事業の経常利益について、計画では1,000億円程度ということですが、為替や市況の影響など特殊な部分を除いた、実力ベースの自営事業の利益水準をどう見ているのでしょうか。

 

A-1:決算説明会資料のB-3で、今年度の予想1,080億円から為替影響と市況・荷況・その他を合わせた315億円を差し引くと765億円になります。これも2021年度の市況と比べていますが、例えばもう少し低い2019年度の市況と比べた場合、この数字はもう少し下がります。現中期経営計画では2026年度までに全社で1,400億円規模の経常利益をコンスタントに稼ぎ出すことを目標にしており、そのうちコンテナ船事業と自営事業でそれぞれ半々の経常利益を稼ぎ出すことを目指しています。その目標に今回少し近づけることができたのではないかと思っています。

 

 

Q-2-1:自営事業の改善について、事業施策効果で通期で277億円改善するということですが、これは基本的に継続性のある効果として来期以降もこの上にさらに積み上げていけると考えてよいでしょうか。また構造改革効果と合わせて合計310億円となりますが、これも来期以降まだ積み増していけると考えてよいでしょうか。

 

A-2-1:合計310億円のうち構造改革の効果である33億円については船隊適正化、高コスト船処分ということで、基本的には来期以降も一定程度継続していきます。事業施策効果の277億円につきましては、一部契約更改の結果も反映しています。例えばLNG船など中長期契約に基づくものであればずっと続きますが、複数年契約は、場合によってはその効果が上下することもあります。

 

 

Q-2-2:契約条件の更改等というのは、来期以降そのときの事業環境次第では、契約条件が悪化したりして、この改善効果が剥落する可能性もあるということでしょうか。

 

A-2-2:一部短い期間の契約もありますので、その可能性はあります。上下のどちらに行くかはわからないということです。

 

 

Q-3B-3自営事業改善ポイントに関連して、自動車船、ドライバルク、エネルギー資源で、永続性がないと思われる利益は何かありますか。

 

A-3:一部、自営事業収益改善の310億円の内、期間の短い複数年契約などについては、契約更改時に上下する可能性があります。