【当社の株主還元について】

Q-1:当期の株主還元について、基礎配当300円に加えて実施する予定の1,000億円以上の株主還元には自己株式の取得も含むということですが、これは市場から自己株式を取得するということでしょうか。

A-1:自己株式の取得をどのような形で進めるのかについては、検討しているところです。

 

Q-2:当期の株主還元について、基礎配当300円に加えて1,000億円規模を検討、という形になっているのはどうしてなのか教えてください。

A-2:1,000億円以上の追加株主還元は基本的には実施します。その内容を追加配当という形にするのか、自己株式取得という形にするのか、どのような形にするのかについては、もう少し時間をいただいて検討したいと考えています。

 

Q-3:1,000億円以上の追加株主還元について、配当だけでなく自己株式の取得も含めているのは、例えば配当だけにしてしまうと減配になるリスクなどを想定しているのでしょうか。

A-3:追加株主還元のうち、自己株式取得については、資本構成も含めてもう少し時間をいただいて検討したいと考えています。

 

Q-4:適正資本の考え方について、例えば自己資本比率など、外部から分かるような考え方があれば教えてください。

A-4:最適資本構成については、どのような形で出すのか現在検討を深めているところですが、2つの観点があると考えています。1つは当社バランスシート、利益のところで大きくなっているONE社の在り方に関して、最適資本の考え方を設定すること。もう1つは、当社財務の健全性に関して、不況時においても戦略的な資金調達ができて、必要な投資もできるような財務体質と格付を確保することも念頭に置いて、最適資本の水準を今後さらに検討します。

 

Q-5:株主還元について、中期経営計画の資料29ページでは、今後向こう3年間ぐらい同規模の株主還元総額を見込まれているようにも見えますが、そのような考え方で宜しいでしょうか。

A-5:株主還元については、キャッシュフローを前提として、成長投資及び株主還元を検討するというのが基本的な考え方です。2023年度、2024年度も現時点ではキャッシュフローが一定程度入ってくるという想定ですが、2023年度以降は年度毎にキャッシュフローを見ながら機動的に決定していきたいと思っています。

 

Q-6:最適資本配分について、負債削減は金利の高いものからというコメントがありましたが、これは具体的に言うと劣後債を指しているのでしょうか。

A-6:劣後債も今後ターゲットにしたい1つとして考えています。

 

【中期経営計画 全体】

Q-7:営業キャッシュフローに関して、中期経営計画期間中9,000億~1兆円という形で出されています。前年度が2,000億円強で、コンテナ船事業の利益が段階的に減少する前提として、どのような形で9,000億円~1兆円に積み上げる想定なのか教えてください。

A-7:営業キャッシュフローについて、コンテナ船事業は、2021年度と2022年度については基本的に好業績を前提としていますが、2023年度以降は巡航速度に入ってくる想定で、大きな利益もキャッシュフローも見込んでいません。逆に言えば、構造改革も進んで、新たな新規案件がLNG輸送船事業も含めて今後出てくるので、そのキャッシュローも含めて積み上げた内容となっております。

 

【中期経営計画 自営事業関連】

Q-8:鉄鋼原料事業や自動車船事業の説明で、環境に関する努力をアピールする、というお話がありました。中期経営計画の資料でも触れられていた通り、CDPのAランクを6年連続で取得したり、SBTを2度基準で認証取得されたり、非常に高い外部評価を得られています。実際鉄鋼原料事業や自動車船事業で環境をアピールする際に、このような外部認証が重要になってくるのでしょうか。それとも船の実際の性能や会社としてのGHG削減といった実質面/技術面が評価されるのでしょうか。どのような評価が顧客へのアピールとなるのか、考え方について教えてください。

A-8:両方と考えています。高い評価をいただいているのも、顧客に対して具体的なGHG削減の手段、オプション、さまざまな選択肢を提供できて、それを実現できるからこそと考えています。今後も、例えばLNG燃料焚き船やその次のアンモニア焚き船、ゼロエミッションも含めて、さまざまな省エネ設備の新設、その他パッケージでしっかりお客様に提案して、新たな代替船の需要につなげていくことが、当社の成長機会に必要だと思っています。

 

Q-9:自営事業について、5年間で約210億円利益を増やすということですが、この期間の投資リターンはどれぐらいで設定して、どの程度の利益が出ると見ているのでしょうか。また、投資案件について、これから獲得しなければならないチャレンジングな部分とある程度獲得できそうな部分で分けるとしたら、どのようなイメージになるでしょうか。

A-9:2021年度の経常利益には為替差益が含まれており、この分を除くと2026年度までの増加は210億円よりももう少し大きく、2021年度の倍増以上になります。この中で、LNG輸送船事業については、契約を確保している案件、もしくはほぼ算段がついている案件を中心に含まれています。鉄鋼原料事業や自動車船事業についてもほぼ見えている案件を入れています。今後の投資については、2026年度の利益に貢献する部分はそれ程多くなく、寧ろ2027年度以降2030年度に向けてより投資効果が出てきます。これに当たっては、事業別にWACC(加重平均資本コスト)を設定して、それを上回るROIC(投下資本利益率)を基本的な投資判断基準としています。

 

Q-10:今回の中期経営計画の中で、M&Aなど即効性のある対策の言及がなかったのですが、検討はされてないのでしょうか。

A-10:M&Aについては幾つか継続的に検討していますが、現時点で確固としたものがないので、今回の計画には織り込んでいません。

 

Q-11:自営事業は2026年度に向けてほぼ倍増でということで、具体的に成長領域の中でどの事業がどの程度の増益効果を見込んでいるのでしょうか。

A-11:成長を牽引する役割を担う3事業が、基本的には倍増する想定です。その上で、2026年度時点の経常利益の3分の2を占める形ですが、その中で一番大きいのが自動車船事業、その次にLNG輸送船事業となります。鉄鋼原料事業も伸びますが、足元のドライバルクの市況前提は高水準で推移している一方で、2026年度の市況前提は当社の過去実績の中央値に下げているので、鉄鋼原料事業の数字が然程伸びるようには見えません。

 

【中期経営計画 コンテナ事業関連】

Q-12:当期のコンテナ船事業のところで、8月以降サプライチェーンの混乱が解消していくという話でしたが、その理由を教えてください。また、中期経営計画では、邦船3社の統合により改善した部分などと合わせて、コロナ禍前の利益水準プラスアルファの水準になるという想定だと思いますが、コロナ禍前の状態に戻るのはどのようなタイミングと考えているのか教えてください。

A-12:コロナ禍前の状態に戻るタイミングについては、これまでも今年の旧正月には戻る、今年の5月には戻る、と言われてきていたように、なかなか見えないところですが、現段階では早い時期で8月くらいには戻るのではないかという前提で考えています。巡航速度にいつから戻るか、については来期以降だと思いますし、ONE社の株主としての期待も含めて言うと、コロナ禍前の水準に戻ることなく一定の利益水準を上げることができる競争力がONE社にはあると思いますし、市場環境も変わってきたのではないかと現段階では見ています。