【製品物流セグメント】

Q.1.  第4四半期の業績予想について、製品物流セグメントのうちコンテナ船事業を除いた部分で、主に自動車船事業が赤字になると予想されていると思いますが、保守的な業績予想のように思うのですが、その背景をご説明いただけますか。

 

A.1. 第4四半期の荷動きの季節性要因の点から、例年12月、1月とクリスマスシーズン、あるいは年末年始に荷動きが落ちることの影響が期ズレで第4四半期計上されることもあり、第4四半期の荷動きについては従来の見通しに比べ若干弱含むものと見ております。加えて規制適合油の切り替えで、従来型の高硫黄の燃料油から低硫黄の規制適合油への入れ替えついては、もともと昨年末ぎりぎりまで高硫黄の燃料油を焚き、そこから速やかに規制適合油に切り替える計画でしたが、やはり実際の配船スケジュール、配船繰りを固める中で、この燃料油の切り替え時期が想定よりも2週間程度早まりました。これにより価格のより高い規制適合油の使用を前倒したことで燃料油コストが一時的コストとして想定を上回ったことがあります。その2点を加味したものです。

 

Q.2. 燃料油コストが想定を上回った部分は、航海完了基準での計上の為、その影響は第3四半期には出ないが、第4四半期に出ることになるという理解で宜しいですか。

 

A.2. ご理解のとおりです。

 

 

 

【IMO SOx規制関連】

Q.1. IMO SOx規制対応による規制適合油への切り替え後の状況として、規制適合油価格が1月上旬から中旬にかけて一時的に大幅上昇ましたが、上昇分についてどのようにコストが転嫁されるのでしょうか。ONE社についてはOBS(ONE BUNKER SURCHARGE)で転嫁されるのかもしれませんが、例えば、そのOBSでも一時的に上昇したものを転嫁できるのかどうか、もしくは規制適合油の調達時に価格を決めているので、規制適合油のスポット価格が上昇しても大きな影響はないのかどうかを教えてください。

 

A.1.  当社においては3月分まで、規制適合油の確保をしっかり対応しておりましたので、燃料油の確保量について影響はありませんでした。一方で、燃料油の価格については決め方が幾つかあり、完全に市況によるもの、あるいは例えば”MGO(マリンガスオイル)マイナスα”という形で指標価格から幾らか引いて値段にするものなどありますが、お客様との間のBAF(Bunker Adjustment Factor, 燃料油サーチャージ)により、今回規制適合油価格が大きく上昇しましたが、その燃料油の値差は転嫁できるものです。但し、契約によって1~3月の間で回収できるものと、多少タイムラグがあって次の四半期に回収ができるものがありますが、基本的には燃料油価格の上昇分は転嫁できるという構図です。

 ONE社についても当社と基本的には同様で、規制適合油調達についてはサプライヤー側と綿密な打ち合わせをしており、補油地を含めて供給に問題ないことを前もって確認しつつ行っております。調達価格についてもいろいろな決め方がありますが、予め決めるケースや、あるいはMGOとの値差で決めるケースもあります。また当社と同様にタイムラグがでることもございますが、OBSを通じて実勢価格を反映する形で転嫁することになります。

 

【その他】

Q.1.  新型コロナウィルスの影響について、コンテナ船への影響については荷動きが弱含む可能性についてコメントがありましたが、それ以外のドライバルクセグメントや自動車船事業の荷動きへの影響は、現状見られるのでしょうか。

 

A.1.  ドライバルクセグメントについては現時点で明確にコロナウィルス関連で市況が押し下がったような指標が出てわけではないと認識しておりますが、実際問題として経済活動が停止していることを考えると、特にドライバルクにおいては想定以上に市況が低迷している状況や、その影響が若干長引くことは想定しなければならないと思います。

 一方、物理的なところでは、中国にある船渠で、旧正月休暇に入っていた工員が戻って来られない事態も起きており、そういったところでも経済活動が停滞する要素は出てくるものと思います。

 自動車船事業については新型コロナウィルスが発生した中国武漢市は、中国国内でも完成車、自動車の生産地としてメジャーな地域であり、例えば日系メーカーでも既に生産を中止しておりますので、行く行くは中国の自動車の国内販売、あるいは中国からの自動車輸出や経済的な冷え込みによる自動車輸入への影響によって、荷動きに影響を及ぼしてくる可能性はあると思います。しかし、当社の自動車船事業における中国事業の割合はかなり低く、仮に中国の自動車の輸出入に影響が出たとしても、当社の自動車船事業への影響はほとんど無いと思います。