【全社】

Q.1 今回上期実績も通期予想も黒字化ということで、収支が回復してきていると思いますが、今回期末配当を未定とされた背景と、復配のためには何が必要なのか、要は、通期で見た結果で配当をどうするか決めるのか、単に下期は未定にしているのかどうなのか確認させてください。

 

A.1 配当につきましては、下期の収支状況を見極めたいことと、来年度より新たな中期経営計画を開始しますので、この中計の見直しに当たって配当を含む資本政策についてしっかり見直し、我々の考え方を再整理した上で、しかるべきタイミングで発表したいということで、今回は未定とさせていただいた次第です。

 

 

Q.2 投資についてキャッシュの使い方や財務など、今年度、来年度に向けてどう考えているか、確認させてください。

 

A.2 今期は上期に前期末に実施した傭船解約に伴うキャッシュアウトが大きかったのですが、それを除くと営業キャッシュフローはプラスになっております。投資は極めて選別的に、資本コストを考えてリターンの見合うものしかやらないという前提で考えています。これは来年度も同様で、既に発注した船舶はありますが、それほど多額な投資、キャッシュアウトが出ていくわけではなく、結論としては、なるべく今の現預金水準を維持しながら、レバレッジを少しでも下げていく方針で財務戦略を運営していきたいと思っています。

 

 

Q.3 下期の特別損益の見通しについて、上期は特別損益が改善したことで当期純損益も上振れていますが、これは期ずれによるものなのか、それとも通期見通しに影響を与えるものなのかどうか、確認させてください。

 

A.3 下期の特別損益につきましては、海外ターミナルに加えて、継続して取り組んでいるポートフォリオの見直し、事業・資産の見直しの中で、現在、幾つか案件を複数で検討しておりますので、その中から準備が整うものを適宜進めていく予定です。

 

 

【IMO SOx規制関連】

Q.1 KLとONE社における規制適合油対応に関して、燃料油サーチャージ導入の状況にて“概ね”顧客の理解は得られているとのことですが、概ねとはどれぐらいなのでしょうか。また調達価格についてどのような価格で取り決めているのでしょうか。要は、今回規制適合油と高硫黄重油とのスプレッドが下がったため燃料油価格前提を下げたとのことですが、その下げた価格前提と実際に調達した価格との間に実は差があるのではないか、要は、先に高値で調達しているリスクが考えられるので、確認させてください。

 

A.1 規制適合油については、今回の想定価格の見直しと燃料油調達との関係は特にございません。基本的には指標、例えば低硫黄マリンガスオイル、もしくは今後出てくるLow Sulfur Oilといった指標を使った形で契約を進めております。市況から大きく外れて高値もしくは安値で買ったということではなく、これから値段が実際どのような形で動いていくかを見ていく必要があると思います。

 

 

【エネルギー資源セグメント】

Q.1 エネルギー資源セグメントについて、今回大きく収支が改善したのは市況要因という形で説明されていますが、これは市況が下がると収支も下がるという要素が多かったのでしょうか。それとも来年度に向けて不採算航路を削ることで改善するのか、今期改善額が大きいので、どう認識されているのでしょうか教えてください。

 

A.1 当社のエネルギー資源輸送事業は基本的に中長期契約を多く固めており、安定的な収益を上げております。その中で前回公表予想に対して改善したのは、ある程度市況による改善要因があったのが基本的な要因です。これが下期に市況が下落したときに、もちろん大きく下落した場合にその与える影響がないわけではないですが、基本的にはエクスポージャーが少ないので、そういった要素はあまり大きくないとご理解下さい。

 

 

【製品物流セグメント】

Q.1 製品物流セグメントのコンテナ船事業を除くところの見通しについて、上期は自動車船事業を中心に計画より上振れた一方で、下期は恐らく30億円近く下げられており、この辺りを詳細に教えてください。

 

A.1 製品物流セグメントについては、15億円がコンテナ船事業関連、残る10億円強が他部門ですが、自動車船事業は、弊社100%子会社で欧州域内の自動車船事業会社を営むKESS社において、Brexitに伴い荷量が一定期間大きく減少することを見込んだこと。また昨今のアルゼンチンの経済動向も含めた、南米向けの荷動きも一時的に一定程度落ちるとの見込みを織り込んでおります。加えて一過性のSOx規制に伴う燃料油の油種切り替えに伴う自己負担分の増加によります。

 

 

Q.2 自動車船事業について合理化効果が当初通期50億円程度で想定されていたのが、数字を見る限り予想以上のペースで効果が出ているように見えますが、その見方で正しいのでしょうか。

 

A.2 上期について、数字上期首の想定を上回っておりますが、一時的、一過性のプラス要素も含まれており、この効果については、やはり通期全体を見て判断をしている状況にあり、通期全体を通してほぼ想定どおり効果が出ていると判断しています。

 

 

Q.3 自動車船事業について、足元の事業環境の中で、運賃修復についてKLだけがどうしてこれほど大きく出せたのかその背景と、今後の余地について教えてください。

 

A.3 これは昨年来、契約更改を迎えるたびにわずかではありますが、少しずつ見直しをしてきた積み重ねの結果と理解しております。ですから特定のアカウント、特定の航路でのかなり大きな修復効果というよりも、小さな努力の積み重ねとご理解いただければと思います。

 

 

Q.4 ONE社について今回下期の下方修正を市況要因で説明されていますが、一方で、規制適合油に対する燃料油サーチャージが完全に適用される前提とあります。運賃市況が下がるとスポット契約では顧客に規制適合油使用によるコスト増加を転嫁できないこととほぼ等しいと思いますので、ここに対してどういうリスクを認識しているか確認させてください。また、スポット契約での顧客へのコスト増加の転嫁部分については、運賃市況が上がる前提で見ているということでしょうか。

 

A.4 短期運賃市況に関しては、市況を見ていますと10月に底を打ったということで、北米航路、欧州航路の東西航路については、11月に入ってそれなりに値上がりしていくだろうと思っております。短期運賃の部分についてもBAF(Bunker Adjustment Factor)の徴収を2020年1月以降については、基本的にお客様の理解を得られているので、徴収可能と思っております。長期契約に関しては既に9割方決着しており、残る部分についても最終交渉していますが、こちらも感触はいいと聞いておりますので、スポット、中期、長期含めてほぼ100%の徴収が可能と思っております。

今回、足元の運賃市況を見て、下方修正しましたが、今後の市況見通しも織り込んでおり、例えば、中国の旧正月向けて例年の運賃市況が上がっていくような要素は一定程度織り込んでいます。基本的には、市況は底を打っていると思います。