【コンテナ船】

Q.1 資料23ページの2019年度見通し差異分析について、運賃で270百万ドルの改善とありますが、直近のSC(Service Contract)契約の更改状況はどの程度反映されているのか、またOBS(ONE BUNKER SURCHARGE)について、顧客の合意を現時点でどの程度得られているのかどうかを含めて、この270百万ドルの確度についてご説明いただければと思います。

 

A.1 足元で欧州向けのスポット運賃市況はかなり低レベルにありますが、Shanghai Shipping Exchangeの指標によれば、昨年の最安値と同レベルにあるものの、既に底を打っていて、今後上昇に転じると考えております。そのほかの航路では安定的且つ、相対的に高い水準で推移していますので、相互に相殺する形になっており、計画どおりに運賃政策が進めば、270百万ドルの改善は達成可能かと思います。

 この中には燃料油サーチャージが入っておりますけれども、長期契約の更改を通じて顧客のご理解は得ており、長期契約に既に織り込まれている部分がございます。ただ、これはONE独自のBAF(Bunker Adjustment Factor)フォーミュラであるOBSを適用するということでは必ずしもなく、同等の感応度が得られる限りにおいては顧客独自のフォーミュラも受け入れる形で、ほとんどの長期契約には織り込み済です。一部の契約で今年の年末にかけて、2020年1月以降のBAFについて再協議を行う顧客もいることは確かですが、概ねマーケットに受け入れられており、その状況を反映しております。

 

 

Q.2 コンテナ船の傭船契約の損失引当金について、2019年も計上され、2020年も下期に計上されるということで、2021年以降も引き続き傭船契約の損失は発生すると考えた方がよいのかを確認させてください。

 

A.2 傭船料につきましては、現在の傭船料市況が継続する場合、今後も傭船損失の発生が一定程度見込まれますが、基本的には傭船契約期間の満了に伴い隻数が減少していきますので、その金額も年々漸減していく形になろうかと思います。

 

 

Q.3 今年度下期に見込まれている2020年度分のコンテナ傭船契約損失引当について、全て特別損失で計上されるのかどうか、その金額と合わせて教えてください。また、資料7ページに来年度の構造改革による収支改善効果として+95億円とありますが、これが変わることとなるのかどうかも教えてください。

 

A.4 営業損益段階での計上となります。経常損益が下期は赤字となっていますが、この要因によるものです。金額については、2018年度に計上した分とあまり大きく変わらないと思います。

 

 

Q.4 資料10ページの業績変動のポイントにある、コンテナ船本体事業改善の+54億円の内容について、確認させてください。

 

A.4 複合的要因がありますが、2018年度に発生した一過性費用が今期発生しないこと、またコンテナ傭船契約損失引当金の金額そのものが若干変化すること、それからONE社との間の傭船料が、同じ船を傭船していても毎年若干変化する影響等があり、ネットでこの金額となっています。

 

 

【IMO SOx規制関連】

Q.1 SOx規制による経常利益への影響額はどう見られているのでしょうか。規制に伴うコスト増を100%顧客へ転嫁される前提での数字なのか、また第3四半期ぐらいに移行期間に係る費用が発生するのかどうかも含めて教えてください。

また、事業別、船種別で見た場合、顧客との交渉が厳しくなると感じているところが現状あれば教えてください。

 

A.1 ご指摘された移行期間に係る一過性の費用は一部見込んでおりますが、SOx規制適用が始まるタイミングからは、顧客からは基本的に全額回収させていただく前提で計画をつくっております。基本的にはやはり非常に大きな問題で、酸性雨の原因となるSOxですが、燃料油に含まれる硫黄分を3.5%から0.5%に減らす中で、海運業界全体での燃料油消費量も非常に大きく、消費量に伴う影響額を計算すれば天文学的な金額になることは自明ですので、当社としても、社会環境のためにご負担いただくということで粘り強く話をしており、顧客の皆様に相当程度ご理解を得られているという感触をつかんでおります。

 

 

Q.2  資料9ページに記載がある、ドライバルク事業のスクラバー設置のための不稼働の部分で、現状設置予定の船だけが対象なのか、それとも今後SOx規制に対応可能な全船のスクラバー設置を織り込まれているのか確認させてください。

 

A.2  ここに記載のありますのは、2019年度に対象となる船隊についてのみにて、さらに2020年度に設置予定の船隊は別途計画が立てられているということです。ここで織り込んでいるのは、全てではございません。

 

 

Q.3  IMOのSOx規制による影響による、コスト負担増について、ONE社及び、KL本体でそれぞれどの程度見込んでいるのか、教えていただければと思います。

また、下期の燃料油価格の前提がONE社が1トン当たり533ドル、KL本体で1トン当たり600ドルを超えているということで、KL本体として下期の、SOx規制の影響も含めた事業リスクを織り込んでいるのであれば、親会社としてONE社のこの計画前提の精査の段階で、何らか話をする必要があったのではないかとも思いますが、いかがでしょうか。

 

A.3  SOxに対応する部分のスクラバー設置費用への対応については、ONE社は親会社3社からの傭船で成り立っている中、今3社と費用の持ち方等々には検討というか協議しているところです。 燃料油価格の差額については、ONE社の一つの見方として、特に当社の見方とすり合わせたわけではございません。あと燃料油価格の値差が収支にどれだけ影響を与えるかについては、基本的には顧客にご負担いただく方針で、OBSと言われるONE独自の燃料油サーチャージも含めて取り組んでおりますが、燃料油価格が変動すれば、その分徴収する額も変わることとなります。

 

 

【その他】

Q.1 特別利益を下期に織り込んでいらっしゃるものと思いますが、これは実現するものなのかどうか教えてください。おそらく前期に計上予定のものが先送りとなっているはずなので、なぜ下期に計上されているかも含めて教えてください。

 

A.1 特別利益については、下期にONE社への海外ターミナル事業譲渡、に加えて幾つか事業ポートフォリオの見直しの中での資産処分を想定しております。海外ターミナルについては、早急に実現すべく親会社3社の間で話している状況ですが、計画としては下期に織り込んでいます。

 

 

Q.2 資料7ページに、事業ポートフォリオの見直しで200億円とありますが、これは、ほぼ下期に計上されるという理解でよいのかどうか確認させてください。

 

A.2 国内港湾運送事業子会社3社の一部株式譲渡など既に実現したものも相当含まれており、2018年度の計画として立てて実行したものが大半となり、引き続き実行していくものです。

 

 

Q.3 今年4月から経営体制が刷新されていますが、これまでと変えていくものがあればお伺いしたいと思います。また来年度からの新しい中期経営計画に向けてこれから社内で議論されていくと思いますが、どういうことを念頭に置かれているか教えてください。

 

A.3  経営体制については今始まったばかりです。2年目が終わって3年目に当たる現中期経営計画も、社長の私自身が、経営企画担当としてつくり上げたものでもあり、今の時点で大きく変わっていることはございません。次期中期経営計画につきましては、いろいろ検討しており、今期中に発表すべく既に少しずつ作業を進めているところです。

 

 

Q.4 Effissimo Capital Management Pte Ltd(ECM)の方を社外取締役候補者として選任されたということですけれども、この背景と、皆さんとして期待していることなどあれば教えてください。

 

A.4 ECM社とはこれまでもずっと、コーポレートガバナンスコードに従い、対話を続けてきました。その中で非常に建設的な対話やいろいろな意見交換を行ってまいりました。こういう中で、日本の数多くの会社に投資を行っているECM社の方に”中”に入っていただいて、株主の目線から、当社の中計で掲げている経営管理高度化も含めた企業価値向上に向けた取り組みにいろいろな助言もいただきながら、我々としては会社の価値を高めていきたいと思っています。