【自動車船】
Q1. 自動車船の収支改善策についてですが、運賃修復については、荷主との合意がある程度できているのか、達成の確度について教えて下さい。


A1. 運賃修復については、欧州、米国の荷主と、今年の夏以降いろいろな話をしてまいりました。その中で、航路改編とともに運賃の修復なしには、当社の事業収支が立ち直らないことをお伝えし鋭意交渉致しまして、想定の8割方は達成できる目途をつけております。また、さらなる積み上げについて交渉中であり、今年度中に合意をとりつけたいと思っております。

 


【その他】
Q1. 下期の親会社に帰属する当期純利益については黒字を見込んでおられるので、相応の資産売却や特別利益等を見込んでおられると思いますが、これらの実現確度や、詳細が決まっておられるのか教えて下さい。
 

A1. 開示できる段階で適切にご説明申し上げたいと思いますので、コメントは差し控えさせていただきます。

 

Q2. 今後の取り組みで、「選択と集中への取り組み」について、事業選択・資産入れ替えとありますが、例えば、売船を行う等、何らかの示唆を与えていただけますでしょうか。
 

A2. 開示できる段階でお話しさせていただきます。もちろん一番効率のいい形で進めたいと思っております。

 

Q3. 来期について、今年度までの事業再編関連損失引当金の効果が来期以降剥落すると思います。貴社として、新しく今回進められる施策は、来期の黒字化が視野に入った施策なのか、追加で必要があるのであれば、その見通しも含めて教えてください。
 

A3. 自動車船事業の収益力の回復と、事業資産の入れ替えによって収益力を回復させることにより、川崎汽船全体として、黒字を確保していく計画です。

 


【コンテナ船】
Q1. ONE社についての下期改善への取組みで、ガバナンス強化があったと思います。今までの反省として、上期の結果が生じたのは邦船3社が、結果的にONE社の独自性を重んじていたため、今回のような赤字になってしまった、今後は邦船3社の取組みを強化していきたいという意思表示なのでしょうか。また、具体的な策は既にできていて、すぐに効果が出るという理解でよろしいでしょうか。
 

A1. 邦船3社として、よりガバナンスを効かせていくという明確な意思表示となります。初期の混乱もあり、数字の把握を今後どうしていくかということで、持株会社を通じ、より直接的にシンガポールの事業会社に状況を確認し、把握する方法で考えております。現在、段階的に取組むよう進めており、例えば、持株会社から人を定期的に事業会社に送り、数字の確認をするなど、既に取組んでおります。

 

Q2. ONE社の積高が未達になった要因は、一時的という認識をされているのでしょうか。失った顧客シェアを取り戻す要素は、なかなか見つかりにくいように思いますが、株主として、現状をどのように見られているか教えてください。
 

A2. 貨物の回復については、自分で持つ貨物と、船隊とのバランスもあると思います。まずは邦船3社が、持っている船隊を全て投入してスタートしているので、需要とのマッチングを含めて改善していきたいと思います。さらにITシステム混乱によるBL発行の遅延や、回送コンテナの仕向け地の間違い等、オペレーション上で混乱した状況が徐々に修正されてきました。こうした混乱については既に会社としては回復していますが、この部分を粘り強くお客様に話しつつ、1+1+1=3になるように、そしてさらに積み上げができるように営業努力を続けていく必要があると思っております。

 

Q3. ONE社について、今年度の業績を修正され、統合費用は結果的にどれくらいだったのか教えてください。また、来年度に向けて増減要因と、復航荷物の回復が、下期で進まなければ、来年度の黒字化のハードルが高くなってしまうのかも併せて教えてください。
 

A3. 統合費用については、資料14ページに記載のとおり、今回発生した運航損益段階での一過性費用が119億円となります。加えて当社ネットワークの一部清算費用を、今期は既に見込んでおります。復航積高の回復については、現在ONE社で鋭意取組んでおります。足元の消席率は上期実績に比べて改善しておりますので、まずは初期のサービスの混乱によって失った信頼を取り戻し、サービスレベルを上げた上でお客様を取り戻すことに今は全力を尽くしていきたいと思っています。
 

Q4. ONE社についてですが、財務体質の問題はありますか。邦船3社で3,000億円資本を投入して、今期6億ドルの赤字ということで、それなりに自己資本は悪化していると思いますが、これを受けて邦船3社の資本注入がさらに必要になってくるのか、その考え方について教えてください。
 

A4. 現時点では、特にそのようなことを考えている段階ではございません。

 

Q5. ONE社の下期の税引き後損益は、上期より赤字が縮小するという前提になっていますが、不需要期に入ってくる中で、下期に赤字が縮小しない場合、現在どのようなリスクをモニタリングしようとしておられるのか教えてください。例えば、往復航のインバランスが確実に改善するのかどうか。そもそもインバランスはそれなりに構造的にあったと思いますが、その改善についてどのような点を注視されているのか教えてください。
 

A5. 下期については、まずは復航の積高を、いち早く回復させるとによってインバランスも改善させていくという取組みに全力を尽くしております。第2四半期までは夏場で季節的には需要が弱い時期ということで、これから需要が伸びてくる時期になりますので、予算レベルを何としても達成していくことがまず1つです。また、下期の需要については今後の動向を確実に見きわめながら、需要の動向次第では機敏に減便を行う等の方策をONE社で立てております。

 

Q6. IMO規制に関連して各コンテナ船社が、BAF(燃料油サーチャージ)のタリフを変えてきていると思いますが、来年度黒字化に向けては早期に動く必要性があり、遅れると非常に厳しいと思います。これについて、ONE社での検討状況を株主としてどのようにモニタリングしていくのか教えてください。SOx規制等により運賃の値上げ、運賃転嫁していかないと厳しいと思います。
 

A6. SOx規制を待つまでもなく、今期原油価格が高騰して燃料油価格も大きく上がっております。来期の新しい契約に向けた更改が今後始まりますので、ONE社の至上命題の1つとして、フローティングBAF、運賃とは別に燃料油価格の高騰をヘッジするような形での回収を契約に盛り込むことを最優先に今取組んでいます。その延長線上で、IMO、SOx規制への対応が出てくると思います。

 

Q7. 復航の苦戦は荷動き自体も出ていないように思いますが、マーケット全体の問題よりもONE社固有の問題が大きいのでしょうか。また、運賃指数について、下期の見通しについてONEから聞いていることがあれば教えてください。
 

A7. 復航の苦戦についてはマーケット全体の問題というよりも、上期についてはONE社固有の問題だと捉えております。サービスレベルの混乱等も含めて、既に修復しております。下期の数字については開示しておりませんので、コメントは控えさせていただければと思います。

 

Q8. コンテナ運賃の下期の見通しについて、貴社のご見解があれば教えて下さい。
 

A8. 個人的な見解ですが、上期の1-6月の外国コンテナ船社の実績を見ますと、各社ともに高騰した燃料油価格への対応、コストの徴収・回収が非常に大きな問題になっています。運賃というより、まずBAFの徴収・回収等を、各社取組んでいくのではと見ています。