【コンテナ船】
Q1 2013年度第4四半期のコンテナ船事業は予想よりも29億円の改善となりましたが、
要因はどの様なものでしょうか。
今期にも効果が続く様な上ぶれ要因だったのか確認させて下さい。
A1 コンテナ船の第4四半期は、予想と比べると29億円上ぶれですが、
北米・欧州向けの平均運賃は当初想定していたものとほぼ同様の結果となっております。
増益要因は、欧州航路の積高の改善、北米航路の復航の平均運賃が当初想定していたよりも
改善したこと、物流事業の改善も含む関連事業の上振れ、等によります。
これらは一時的な増益要因ではありませんが、このような上振れが2014年度以降続くかと
言う点については現時点ではまだ何とも言えない状況です。
Q2 2014年のコンテナ船事業の見通しについて。コスト削減効果で77億円を見込む一方で
収支は2013年比で横ばい、運賃も横ばいとのことですが、コスト削減により
合理化効果はどこに消えてしまっているのか?
A2 今期は77億のコスト削減を織り込んでいます。この中身は、大体半分が配船合理化、
減速等々によるコスト合理化。あとの半分は、厳密な意味でのコスト削減というよりは、
例えば高収益貨物のリーファーの増量であったり、ローカルチャージという雑収入の徴収
を高めるといった、いわば収益を上げるものが半分程度含まれています。
また2013年度の収支には、コンテナの資産売却による売却益や、非連結のグループ会社からの
配当等、例年よりも多い一時的な利益が入っていて、この分が2014年度は2013年度に比べると
減少するという収益の悪化要因があり、最終的に収支見通しとしては、2013年度と同じく
収支均衡の数字を現在想定しています。
Q3 現状の運賃指数がどうなっているのかを教えてください。
A3 コンテナ船の運賃は、C-1、12ページに運賃指数の推移が書いてあります。
これは2008年の第1四半期を100として99ということですが、
北米航路は第4四半期、この1-3月の実績が99。4月の現在のレベルはこれを数ポイント
下回っているところ。5月にまた値上げを予定していますので、それで回復してくることを
期待したいと思います。
欧州航路は、第4四半期83ということですが、足元の4月は残念ながら
ここから10ポイントぐらい下回って70の前半。
北米と同様に欧州航路も5月に値上げをするので、いずれにしろ当面値上げされると思います。
またその後の値上げ分の剥離を繰り返しながら、夏場はやや高めに、後半にはやや低めに
ということを、想定しています。
Q4 北米航路のサービス・コントラクトの契約交渉について教えて下さい。
A4 サービス・コントラクトの状況について、BCO(Beneficial Cargo Owner)という
直接契約していただくお客さまの契約は、もう9割方交渉を終えています。
残念ながら値上げができたという契約は限定的ですが、北米航路の収益性そのものは
何とか去年並みのものを維持できるのではないかと想定しています。
今後はなお交渉中の一部のフォワーダーさん、NVOCC(Non-Vessel Operating Common Carrier)
さんとの契約をこれから本格的に進める状況になっております。
【ドライバルク】
Q1 ドライバルクの通期でどの程度それぞれの船種で、フリー船があるのか。
A1 船種ごとのフリーは、ケープはフリー船というものはありません。
パナマックスは、7割5分、ハンディマックスについては約5割、
スモールについては2割強、荷物が長期で決まっているという状況です。
パナマックスは上期フリーはありませんが下期はフリーがありますので
市況が上がればそれなりの貢献が期待できると思います。
ケープについては、今現在は貨物ロング状態で若干船が足りない状態です。
ただ、ケープの一部に市況連動の契約がありますので、市況が改善してくれば
下期に若干改善が期待できます。
Q2 ケープサイズの市況の回復をどうご覧になっているのかを教えてください。
A2 市況については、早ければ6月、遅くとも3Q、4Qは回復は間違いないと思っております。
回復の理由は、まずはドライバルクの新造船の船腹供給が今年も少ないこと。
クラークソンの新造船デリバリーは今年900隻ちょっとの予想。去年はクラークソンでは
当初1,200隻強の予想でしたが、実際のデリバリー隻数は700隻強でした。
今年も900隻全てが出るとは限らず、そういう意味で船腹供給はかなり絞られています。
一方で中国の鉄鉱石輸入は、去年が8億トン強、今年もクラークソンでは1億トン近く
伸びると予想されています。中国経済は不透明ではありますが、中国国内産鉄鉱石の
品質の問題もあり、マーケットが大きく崩れることはないだろうと思っています。
【自動車船】
Q 自動車船は今期見通し減益ですが、理由はトレードパターンの変化が要因として大きいのですか。
A 自動車の地産地消の傾向は続いており、生産の現場が例えば日本からタイやメキシコに移る。
それによりどうしても長い距離のトレードから距離の短いトレードに移っていくということで、
運賃収入が同じ台数だと減っていくことは避けられないと思います。
将来的には、台数が減っても、不採算の契約から高採算カーゴに転じていく、
同じ台数でもより大きな賃収の得られる重たいもの、背の高いもの、所謂ハイアンドヘビー貨物
へのシフトもあわせ、採算の向上を追いかけていきたいと思います。
【LNG船】
Q LNG船について、今年位が商談は多くなるだろうという声も聞いていますが、御社としては
どういうところを狙って、どういうふうに獲得して、それが投資の方にどう影響してくるか
というイメージを教えてください。
A LNGに関しましてはご指摘のとおり、特にアメリカのシェールガス案件を中心に、その他豪州、
東アフリカ等数多くのプロジェクトが予定されています。
今期に限ってみますと米国政府の認可待ちのシェール案件が幾つも控えていますのでこちらが
中心になると思います。これらの案件は、既に入札に入っているもの、これから入札を迎えるもの
がありますが、年2~3隻程度、うちが管理をして船員も乗せるような案件の成約を積み上げて
いきたいと考えています。その投資キャッシュフロー自体は今計画されているものの中に含まれて
おりますので、投資キャッシュフロー年間500億の中で、内数で計画されております。
【重量物船】
Q1 重量物船は合理化努力をされるということですが、今期具体的にどういったことをされるのか、
状況を教えて下さい。
A1 重量物船事業について、海洋資源開発及び重量物船の2013年度経常赤字45億を越える
赤字となっており、かなり大きな赤字を重量物船が抱えているのが今の状況です。
2014年度は、重量物船事業の赤字を半分程度にするというのが、大まかな計画になっています。
コスト削減の中身については、一番大きなのは減速航行について徹底していくこと。
また本事業はドイツで運営していますが、船の借り入れがかなり高い金利のファイナンスを
しているものもあり、リファイナンスを幾つか手配しています。
それ以外にも店費関係も含めていろんな削減をこれまで実施してきています。
今期増益要因の半分程度がコスト削減、残り半分は基本的には市況の回復を見込んでいます。
正直昨年の10月からこの3月まで、それまでも厳しい状況でしたがそれ以上に厳しい状況がありました。
足元の状況を見ると、基本的に市況については底を打ったかなという手ごたえを感じていますし、
新しい分野であるオフショア関係の作業も成約件数が増えてきておりますので、市況は、
黒字化まではまだ少し時間がかかると思いますが、回復の傾向になってきていると思います。
Q2 重量物船ですが、将来的に市況が低迷した場合、2~3年タームで重量物船という事業そのものを
どういうふうに判断していかれようと、現時点でお考えなのか。
A2 重量物船事業はこれで4年連続赤字ということで、今期末も減損テストは行っておりますが、
将来のキャッシュフローを含めて減損の必要はないというのが今期の判断になっております。
今後は、コスト削減を粛々と進めてきましたので、市況の回復を期待したいと考えております。
一般の重量物船とは違う、いわゆるオフショアや超重量物により特化していくことで、
収益力を回復していくことを期待したいと思っております。
【全体】
Q1 投資キャッシュフローについて、今後の考え方についても教えてください。
A1 スライドB-3で、中計の目標として2014年度投資キャッシュフロー500億を掲げております。
2013年度は、グロスの投資としては1,100億ほどありましたが、竣工時売船等を差し引きまして、
結果的に投資キャッシュフローは51億でおさまっています。
2014年は、グロスで大体同じ程度、1,100億ほど、それに対し竣工時売船や売船等をネットして、
今のところ500億以内、中計目標を500億にしており、それ以内を目指して計画を立てています。
船種につきましては、今進行中の自動車やバルクで大体分散され、LNGも多少あります。
投資キャッシュフローは来期2015年以降も殆ど決まっており、突然大きく増えることはありません。
2016年度、2017年度位にはいろいろ考えているものがあるので、投資キャッシュフローは
若干積み増しがありますが、逆に資産を入れかえるので、基本的には先ほど言ったように、
投資キャッシュフロー500億円の中に必ずおさめていくことは当分続けていくつもりです。
Q2 現預金が大体今2,000億円ぐらいあると思います。税財務体質も大分強化されましたが、
適正とお考えになるところは、今後2~3年の目線でどの程度か教えてください。
A2 現預金について、平常時であれば600億~700億円ぐらいが適正かというお答えを以前させて
いただいたと思います。その認識についてはあまり変わりません。
一応財務内容的にも落ちついてきたので、先ですが、成長戦略の1つに海洋開発というのがあり、
弊社もFPSOやオフショア事業のさらに高度化、進化した船などをやると、
資金がかなり必要になることがあります。
現実には今何も具体的な計画はないですが、そういったものに機敏に対応するためには、
やはりある程度現金を厚めに持っていく必要があるかなということを加味すると、
先ほど言った金額プラスアルファもうちょっとぐらいかなと思います。
いずれにしても今の水準はご指摘の通り、ちょっと多いので、いろいろ考えてはおります。
Q3 前期の自動車船を含めた経常段階での安定利益はどのぐらいでおさまったのか、
今期どのぐらいの見通しなのかを教えてください。
A3 安定利益に関しましては、2013年で420億程度、2014年は480億程度です。
コンテナ事業で100億弱、不定期専用船全体で300億強、
あとは物流その他事業等で40億~50億程度です。
Q4 漠然とした質問ですが、今回の2015年3月期の見通しは全般として保守的な見方なのか、
部門別で見てここから仮に上振れする可能性があれば、どのあたりが一番期待が持てそうなのか。
逆に下振れるリスクに関して、リスクが大きそうな部門がありましたら教えて下さい。
A4 最初のご質問にお答えしますと、保守的かと問われますと、中立ですね。
私どもはこの経営計画に入って3年目ですが、大体有言実行でやっています。
そういう意味で言うと、その路線をそのまま踏まえた計画とご理解いただきたいと思います。
上振れの可能性があるとすれば自動車。ただ、下振れリスクがコンテナに潜んでいるので、
この辺で相殺になると思います。