【コンテナ船】

Q.1 欧州航路の足元の荷動きの状況について、教えて下さい。

 

A.1 1月、2月と、前年同期比ほぼフラット、フラットちょっとプラス位のイメージ。
昨年から悪い状況をずっとひきずったまま、今のところきていると、こういう状況です。

 

Q.2 今期のスペースについて、スライド12ページの表では欧州航路は絞って、北米航路は増やす
という形になっています。中期経営計画では全体として隻数もスペースも減らす方向だったと
思いますが、その他の航路も含め、今後の方向感を教えて下さい。
また、御社が所属されているCKYHグリーンアライアンとしてのスベースでの方針もあると思いますが、
CKYHアライアンス内では何所がスペースを増やしていて、どういう話し合いが行われているか?

 

A.2 当社のコンテナスペースですが、北米が増え、欧州が減って、そして大きく減るのがアジア航路。
それから南北も減ります。昨年来貫いている選択と集中を更に継続して行くということです。
アライアンス内で協議をして、事業に合う船隊構成にして、一層のコスト削減をしていきます。
アライアンスは運航協定ですから、運航の効率化、それによりどうコスト削減ができるかを話す場で、
どの船社が積極的にスペースを出すか否かということではありません。

 

Q.3 今年の運賃交渉の状況について教えて下さい。

 

A.3 北米のサービスコントラクトは、今年はちょっと遅く動いており、まだ半分位の交渉状況ですが、
長期の運賃は上がると思います。その半分位の実績も昨年より上がっています。
短期は、昨年のようにピークシーズンに大きく上がるかという点では、若干保守的に見ており、
夏場のピークシーズンも昨年と同じくらいの運賃レベルだと見ています。
欧州の足元の運賃は、足元は2012年第3四半期位の一番ボトムに近い水準です。
市況は上がり下がりを繰り返し、今は一番苦しい状況です。5月の中旬くらいに各社
レートレストレーションを予定しておりますが、その辺の動向も踏まえて、欧州航路は
貨物量等欧州の市況の動向、夏場の短期運賃市況が、今年一番のポイントだと思います。
第2四半期で短期の運賃が上がってこないと、そろそろ船を停めるということを
考えなければならない、という危機感があります。
今期の運賃指数は、北米航路では昨年並み、欧州航路では若干下に見ています。

 

Q.4 2年前のように運賃競争が激化して、また市況が崩壊するリスクはどうお考えか?

 

A.4 欧州に関しては、欧州の3船社が非常にシェアが大きいわけですが、3社の公表されている
収支状況を見ますと、マースクさん以外は、運賃競争している状況じゃないと思います。
そういう意味で、短期運賃がそのままずるずるずるずると下がり続けるとは思っていません。
必ずゆれ戻しがくると思っています。

 

Q.5 コンテナ船部門のコスト削減について、今期の目標は75億円だが、その中身について。
2012年実績(構造改革100億)、中計の2013年目標120億、との乖離は何故か?

 

A.5 75億円の内訳は、減速の深化を更に進めることを含めた航路の合理化で30億強。
次に、北米でお客さんにシャーシをお渡しする時に、従来船社がシャーシーを手配していた、
のがお客さん手配に変わろうとしてます、我々がシャーシのパラダイムシフトと呼んでいるものです。
それから、今までリーフピッキングと言っている、日々の積み重ねのコスト削減。
その辺を全体的に合わせた数字です。
コスト削減について、最初の減速運航では大きくコストを削減できましたが、コスト削減も
ここでもう3年目に入ります。それをどんどん深化させて行きますが、段々金額的には、
度合いが少なくなっているところは否めないと思います。今後は北米のシャーシーの部分を
更に深化させて行くことが目玉になって来るんじゃないかと思っています。

【不定期専用船部門】

ドライバルク部門

 

Q 今期のドライバルクの見通しは減収減益と見ていらっしゃるが、
これがそもそも保守的なのか、そうではないのか、というところを伺いたい。
市況前提(スライドC-2(13ページ))も確かに低迷はしていますが、前年よりは良くなる見通しですし、
為替や燃料油の価格が安くなることを踏まえても、増益予想ということでも決しておかしくないと
個人的には思っているのですが、ここを減益で見ていらっしゃる理由が、保守的な見方をしているということなのか、
それともやはり、何か良い契約が切れるとか、そういった事情があるのか、この辺りの見通しについて教えて下さい。

 

A 市況前提はスライドの通りで、特に保守的ということはなく、極めて素直に、ニュートラルにしたつもりです。
一方で、先ほど説明がありました海外現地法人での為替評価益というものが無くなる見込みなので、
その分が対前年比ということではマイナスになります。

 

自動車船部門

 

Q.1 自動車船のご予想について、(スライドC-3(14ページ))
特に往航の積高が微減で組まれているが、少し保守的すぎないかなという印象もあるので、
この背景について教えてください。

 

A.1 往航というのは、主に日本出しの車の台数ですが、
自動車メーカーさんは円高の時にまた更に加速して、所謂「地産地消」と言うか、
その地域で消費される、売れる車をその場所で造って売って行く、ということなので、
今後コンテナ船で輸送される自動車部品の輸送は増えると思うのですが、
完成車自体の輸出量が、円安になったからと言ってすぐにわっと増えて行くのかどうかというところは、
自動車メーカーさん各社、すぐに増えることはありませんよ、と、むしろ長期の計画通り、
海外で工場を整備して行くという方針には変わりありません、ということを言っておられます。
が、円安もこのレベルになって来ると、さすがに、やはり積極的に日本から輸出される部分もあるだろう
という風に思っています。思ってはいますが、この表にはあまり反映させていません。

 

Q.2 自動車船部門の今期の損益改善についてですが、
この要素として、大西洋での輸送契約更改があるかと思うのですが、
それとその他の要素とでは、どの要素が強いのか、教えて下さい。

 

A.2 自動車船部門は、12年度から比べますと、非常に素直に言うと、
やはり為替の見方とか、燃料油の価格の見方、それから所謂減速運航、この辺のところ。
この中で言うと減速運航による燃料の消費量の低下というのはかなり大きな部分を占めると思います。今年については。
それからあとは、先ほど社長が申しました大西洋の、運賃の値上げに成功した部分。
減速、それから為替、燃料油の価格の見方、それから、大西洋の運賃修復。
その他の運賃レベルの更改は大体、略昨年度並みということです。

【全社】

Q.1 キャッシュですが、今、転換社債の償還を終わって手元現預金が大体1300億円ぐらいだと思います。
これが今期末で大体どれくらいのキャッシュを持っているようなイメージなのか?
来期の普通社債の償還もありますので、
そのへんを含めてどうか。ある程度財務体質も改善したので、次に攻める、
投資を増やす局面はどの辺なのか、とういうことを、中長期の話で教えて下さい。

 

A.1 キャシュですが、13年度も通常よりは余裕を持ってキャッシュを手元においておくという方針は、
変えておりません。それは、やはり、勿論市場にお金はじゃぶじゃぶしてるというのは、その通りだと思うのですが、
やはり、この我々の業界の不安定性というものを考えると、川崎汽船の経営については私はなんら心配してないのですが、
例えば傭船をしている船の船主さんに何かあって、その船が止まった時に、立て替えをする、
或いは買い取るというようなことが急遽出てこないとも限らないし、そういう不測の事態に備えると、
やはりキャッシュは余裕があった方が良いと、いう方針です。
それから、中計の最後の年、14年度前半に社債450億の償還があるのですが、
これを返した後は、通常に近い状態の手元現金レベルで行こうかなという風に思っております。
私としては中計の一番大きな課題であるところの有利子負債の削減、これは中計の最後の年、
掲げている数値が4900億円ですが、これは、絶対に何が何でも、有利子負債をここまでは削減する、
ということは申し上げておきたいと思っております。
それで、成長戦略路線へというのは、やっぱりこの後の期間だろうという風に考えております。

 

Q.2 この14年3月期の税金の考え方について簡単に教えていただければと思います。

 

A.2 2014年3月期の、実効税率と言いますか、税金の考え方ということですが、
現在計画しているのは、今日発表させてもらったのが、経常利益250億、当期純利益が130億ということですので、
単純に行きますと、税金分が50%というような格好になるかと思いますが、
実効税率は大体35%前後を想定しています。
ついては、それ以外の特別損失の要素を、30億程度織り込んだ上で、この当期純利益をつくっているという、
ご理解で結構だと思います。