【コンテナ】

 

Q.1 第4四半期のコンテナ運賃の想定を教えて下さい。

 

A.1 決算説明資料9ページに記載の通り、第3四半期の運賃指数は、北米往航101、欧州往航73となりました。
   第4四半期は平均で2-4ポイント上になるように見ております。
   理由は、1月10日、15日にある程度運賃修復に成功しており、ある程度維持できていること、
   あとは旧正月明けの荷量によると思います。

 

Q.2 来年度のコンテナ運賃につきましてどういうイメージをお持ちか。

 

A.2 スポットレートに関しては、ベースが昨年同期比で、指数で15~20ポイント上昇上がってますから、
   それをベースにこれから年物、長期の契約交渉に入っていきます。
   旧正月明けの荷量の回復にもよりますが、交渉のスタートラインが上がっておりますので、
   昨年よりは1年物・半年等の長期の運賃は、全体的に高くなるものと考えています。
   あとは荷量次第でスポットレートがどう動くのかということだと思います。あまり心配はしていません。
   昨年度は、運賃の上げ下げを繰り返しており、需給状況はあまり変わらないと思いますが、
   来期も同じように上げ下げを繰り返すだろうと考えております。

 

Q.3 旧正月明けの供給量の状況を教えて下さい。

A.3 昨夏のスペースのピークを100とすると、11月後半位から冬季減便により大体約10パーセント位
   減っています。旧正月前後は、そこから各社更に25~30ポイント減らしておりますので、
   合計では北米航路がピーク比75%位、欧州航路がピーク比60%位と見込んでいます。
   なお、当社の消席率については、9割前後で推移しております。

 

Q.4 コスト削減のところで、今回40億円の積み増されており、主にコンテナの運航コストということですが、
   背景をもう少し詳しく教えて下さい。

 

A.4 コスト削減の280億から、320億への増加について、40億円のうちの35億円が、
   コンテナ船の運航コスト削減、収益改善です。世界各地のグループ会社において、
   ターミナル料金、フィーダー船、鉄道等、運航費の削減交渉を続けてきたものになります。

 

【不定期専用船】

 

Q.1 不定期専用船の経常損益が第3四半期14億円に対し、第4四半期は66億円と大幅に増える予想だが、
   この理由を教えて下さい。

 

A.1 一つには為替差益が第3四半期よりも第4四半期に利益が拡大することが大きな理由です。
   またバルク部門では、航海完了ベースで一番悪い部分が第3四半期に出ています。
   あとは各部門少しづつ若干改善するところもあります。
   あと一つ、第4四半期にグループ会社の決算期の統一をしており、グループ会社については、
   通常の3ヶ月1-3月期ではなく、10-3月の6ヶ月を取り込んでいるというところも、
   多少経常利益を押上げる要因の一つになっています。

 

Q.2 第3四半期から第4四半期にかけての為替差益にについて、もう少し詳しく教えて下さい。

 

A.2 海外のグループ会社では、外貨建ての決算をしておりますが、そこで、
   自分の決算通貨とは別の、主に円での借入をしている分があります。
   これが期末の評価替えをしていくことで出る評価差益です。
   この分が、3月末の期末の為替レートを1ドル=85円の前提で計算しますと、
   試算としては60億の為替差益として第4四半期に計上されることになっています。

 

Q.3 ドライの商売は、今年はもうほぼ決定しているということですが、
   来期初のフリーポーションのイメージを教えて下さい。

 

A.3 ドライバルクの来期頭でのフリーポーションの比率、基本的には、
   例年とあまり変わらないと見ております。
   一つは、かなり大幅な船舶処分を行っておりまして、
   今期中だけでも合計、予定まで入れると、18隻位を処分します。
   あと、先物を、押さえている部分もありますので
   ケープで約1割、パナマックスで3割強、それから小型船で6~7割位、
   がフリーポーションになると思っています。

 

【海洋資源開発及び重量物船】

 

Q.1 海洋資源開発及び重量物船について、重量物が競争が激しいと
   いうことですが、来年度も黒字化するのは難しい状況か?

 

A.1 重量物船については、来年度も市況が大幅に改善するという状況ではなく、
   残念ながら赤字を予想しています。但し、のれん代の償却負担は相当に減ります。
   古い船を早めに処分したり、係船をするなど対策をとって行きたいと考えております。

 

【全体】

 

Q.1 今期のご予想につき、経常利益は上方修正ですが、営業利益は下方修正をしていらっしゃいます。
   部門としてはどこが、下げ要因になっているのか?

 

A.1 営業利益が落ちたのがどの部門か、ということですが、通期見込みで50億円悪化していますが、
   半分強はコンテナ船部門、残りは他の幾つかの部門で少しづつ、悪化しています。

 

Q.2 配当についてですが、今回業績予想を修正されて利益が出る見込みですが、
   配当の予想は未定にされているので、配当に対する考え方として何か変化があるのか。

 

A.2 配当に対する考え方は、変わっておりません。
   純利益が一定程度ある場合には、配当性向に基づいて配当させて頂く。
   ただ今期については、今日ご案内した数字が最終的に固まれば、当然配当をさせて頂くことになるのですが、
   期末の為替レートと株式に左右される部分が大きいので、そういう意味で申し訳ないのですが、
   現段階では決められないので、未定とさせていただいております。

 

Q.3 繰延税金資産の取崩しや減損のリスクについて、改めて確認させてください。

 

A.3 繰延税金資産の取り崩しに関しては、12月末で会計士さんと協議した結果、
   それは必要無いということはハッキリしました。
   今後については、やはり課税利益との見合いで言うと、場合によっては、
   少し取崩さなければいけないようなこともあろうかな、という認識はしております。

 

Q.4 昨年4月に出された中期計画では、来期の経常利益の予想は
   390億円と言うことですが、それに対して現状どのように考えられているのか。
   来期、円安や燃料油の市況が下がっている等色々な改善効果があると思うので、
   現状のペースで考えると、来期の経常利益は今期と比べどの程度改善する印象を持っているか、

 

A.4 2013年度の経常利益見込みについては、現在鋭意作業中なので、あまりはっきりした
   ことは申し上げられません。
   いずれにしても、90円の為替レートが1年間続くと言う前提だと、
   2012年度が80円と仮定すると、10円為替が違うのですが、従来から川崎汽船の
   今の営業規模、収益状況だと1円で12~13億円変動することになりますので、
   それをそっくり適用するならば、改善要因が120億円位あるということです。

   それから市場環境ですが、
   コンテナ船は今年度と似たような状況が続くと思います。
   ただドライバルクに関しては、冒頭申し上げたように不況が長期化すると思うので、
   イメージとして損益ギリギリのところだと考えている。
   ただしドライバルクが下げる分、多分自動車が取り戻すと考えています。

 

Q.5 来期に向けて特殊要因の出方を整理させていただきたいのですが、
   今期為替の評価益がかなり出たということで、これがこのまま85円程度の
   水準で行くのであれば来年度どういう改善要因として見ていて良いのか。
   今期15ヶ月決算で見ている部分もあるので、それが来年度どういう減益要因になるのか。
   また確認ですが、のれん代の償却の減少で幾ら改善要因になるのか?
   それ以外に見えている特殊要因があれば教えて下さい。

 

A.5 為替については先ほど申し上げた1円が12~13億円の影響があるというのがそれは一つ。
   15ヶ月決算についてはそれほど大きな要因ではない。15ヶ月が12ヶ月に戻るからといって、
   それほどネガティブなインパクトがあるかと言えばそんなことはない。
   つまり15ヶ月にして良いところと悪いところが両方あった。
   海外で、バルク、タンカーの事業を営んでいる会社は、逆に15ヶ月にすることでマイナスが増えましたから。
   昨年度、中期経営計画を発表したときはこの影響は約40億円程度と案内させていただいたと思うのですが、
   バルク市況の低迷もあって、今現在この効果は約10億円程度になっておりますので
   この部分はあまり大きくないと思っていただいて結構だと思います。
   のれん代と言うのは、重量物船の営業を行なっているドイツのSAL社を買収したときのものだと
   思うのですが、今期から来期にかけては、約20億円程度、のれん代の償却負担が減少します。

 

Q.6 円安の影響について、自動車船以外の事業で何か影響が見込まれるならば
   教えて欲しいと思います。例えばドライバルクでCOAが増えて来そうだとか、
   間接的ですが船のオーナーさん等のところにプラスの影響が出て、
   それが廻り回って御社のところにも出てくるなど。

 

A.6 ドル高修正が良い意味で効いてくるのは、自動車船は勿論あると思います。
   日本からの自動車の完成車の輸出が増えれば、更にどっと増えるとはあまり考えていませんが、
   しかし生産能力をもっと使えばもっと輸出できる能力を自動車メーカーさん持っておりますので、
   若干増えると言うことはあると思います。
   あとは部品ですね。自動車が世界の販売が好調であれば、地産池消とは言いながら、
   日本からの部品の輸出が相当出て行くということはあるから、これは
   コンテナ船にとっては有利と言うことはあります。
   あとバルク関連では、鋼材の輸送・輸出が間違いなく増えると考えている。
   ハンディサイズ、ハンディマックスには良いと思います。
   こうやってミルの生産が伸びれば、当然、原料の輸入も増えて行くのですから、これも良い材料だなと。
   いずれにしても円安は海運業と製造業に良いのは、間違いないので、
   100円程度にまで為替が修正されることを望んでおります。

 

Q.7 為替がかなり動いていますので、改めて安定利益の金額、
   安定利益と今の会社のご計画の経常利益との差異、減っている理由について、
   その差異の要因を確認させてください。

 

A.7 安定利益は300億円程度という風に常々申し上げているわけですが、安定利益と言う部分は、
   収益を必ず生み出す契約ベースを積み上げるとこうなりますというものです。
   だから例えば、一番卑近な例ではドライバルクの船隊では、
   そのうちの鉄鉱石・石炭、あるいは穀物の専用船契約等で生み出す安定した利益を、
   今の運賃市況に比べるとコストが高い船があって、その安定利益を喰ってしまう。
   ですから、そういう部分をどうやって今後、ある程度時間をかけながらですが、
   削減して行くかということが経営課題だという風に思っています。
   それは同様にタンカーにもあります。

 

Q.8 先ほどの中計のお話とかぶるのですが、来年度の投資CFの見方について、
   今作業中かと思いますが、今年度との対比でどれくらいの水準になるか、ラフに教えて下さい。

 

A.8 中計で、投資CFは減価償却の金額を下回る水準、年総額は500億円以内に抑える、という方針ですが、
   2012年度は恐らく投資CFは400億円くらいに収まると思います。
   2013年度の見込みですが、基本的な考えは今年度と同じく、総額500億円を下回る金額ということを
   変えておりません。現時点では確定している投資案件の総額は、500億円を下回っています。
   今後追加で、新しい投資をするか否かは、状況を鑑みて決定して行くことですが、
   総額500億円を下回る金額という方針は変えておりません。

 

Q.9 社長から先ほど流動性と自己資本比率について、敢えてご言及がございました。
   改めて自己資本比率はこれくらい欲しい、等ガイドラインについて、ご解説ください。

 

A.9 デットに関して、それに対する流動性どれ位がということですが、一時期我々は300億円もあれば十分かと
   思っていましたが、今燃料油が大分高い。それから高い傭船料の船舶もあるというので、私としては
   もう少しあった方が良いかなと思います。まあ500億円くらい必要と思っていますが、
   それにしても、今のキャッシュは少し多すぎじゃないかと思います。
   しかし海運業まだ何があるかわからない、ということもあって、厚めにキャッシュは持っております。
   自己資本比率については40%をとにかく目指すということについては変えておりません。