(コンテナ船について)

 

Q1
通期コンテナ船の経常利益マイナス189億円の内わけについて、
北米航路と欧州航路でどのような比率か。

A1
赤字の金額的には欧州が一番大きい。
189億円の内大よそ半分強が欧州航路、北米航路は欧州航路の約半分。

 

Q2
欧州航路の運賃見通しについて、運賃下げ止まりの兆しは見えているか?

A2
各船社・各アライアンスで減便が10%程度実施されており、これから先も
追加の減便が行われる見通しがある。これらの減便効果により来年の春以降
需給バランスは少しタイトになると思われる。
現在でも消席率で言えば90%を超えており需給バランスは均衡している状態だが、
今後大型船が続々と竣工されるという心理的要素、また本年10月に
欧州同盟が廃止されたという要素もあり、マーケットはややパニック的な状態と
思われる。現在のマーケットの状態が落ち着き、来年以降需給バランスがタイト
になって、少なくとも運賃は早晩下げ止まると思われる。
来年の春以降には若干の値上の方向に行けるのではないかと期待している。

 

Q3
北米航路の運賃見通しについて、通期で計画比で下方修正されているのは
下期に運賃が下がるからか?

A3
コンテナの運賃は、今年上期に燃油サーチャージの導入が浸透した。
ここへきて燃料価格が大きく下がってきている為、燃油価格に連動して
サーチャージも下がっている。そのため見かけ上の運賃は下がっているが、
ベース運賃は変わっていない。

 

(その他海運事業について)

 

ドライバルク

 

Q
バルクの来期の考え方について。
本年下期のマーケットの前提はケープサイズで1日平均2万ドルだが、来年も
このマーケットが続いた場合、来期の収益は単純に本年下期の利益を2倍すれば良いのか?
それとも他の要素も考慮すべきか?

A
説明資料B-3-2でご紹介の通り、ケープサイズで第3四半期1日1万ドル、第4四半期
1日3万ドルという前提で見ている。
船腹の多くが減速航海をしており、係船までは行かずとも停船を行っている船もある、
スクラップも進むだろう。さらに現在のマーケットの元凶の一つである中国製鉄所と
ブラジルのバーレーとの鉄鉱石価格交渉の問題も近い将来解決されると思われる。
今のマーケットは、コスト割れとなっており、この底の状態は早晩解消されるだろう。
今後のマーケットはわからないし、マーケットの影響を受けるスポット契約の適用される
フリー船の隻数もまだ不明であるため、来期の具体的な収益の予想はまだ発表の段階ではない。

 

自動車船

 

Q
今後完成車の海上輸送量が減少する傾向にあるがどのように対応するのか?
荷量の減少に対する効率配船も含めた対応方法は?

A
当社の船隊の中には20年を超えた老齢船も何隻かある為、まずは老齢船をスクラップしていく。
次に、運航して赤字が出る場合には船を止めるしかない、これはコンテナ船でもバルク船でも同じ。
自動車船でもコンテナ船でも、貨物は製品輸送が中心、世界がグローバル化されて
いわゆるBRICSと言う新興経済国だけでなく様々な国の経済が活性化される中、
製品輸送は長い目で見て今後も増えていくと考えている。
短期的・局地的に変動はありうる為、我々はその変動に耐えることが出来る力を蓄えていく。

 

(その他)

 

Q
来年以降の船舶投資の考え方について、仮に期末の営業CFが500億円であれば、
有利子負債は約4,000億円で有利子負債/営業CF比率は約8倍となる。
財務規律は中長期と言う事だがこのような状況で船舶投資は制限を受けるのでは?

A
まず期末の営業CFが500億まで下がることはないと思うが、
当初の計画数値に比べると営業CFで計画値を達成するのは難しいと予想される。
2010年-2013年の船台が逼迫しているため新しい船舶投資の話は少ないが、
今後の新規の投資計画については保留するということとなる。
また既存の計画についてもファイナンスと絡んだ保有形態の見直しもあり得るだろうと
考えている。
財務規律を当社で導入しているのは、格付けがA格を維持しなければ今後の
資本・金融市場でファイナンスを行う上で競争力が劣化することもあることから、
これからもA格を維持したいと考えている。
当社は規模の点では世界で大手の内に入るものの必ずしも一番大きいわけではない、
しかし財務の健全性では一目置かれるような会社になりたいと考えている。
そのため財務体質については真剣に考えて行きたいと思っている。

 

Q
説明資料A-2、B-2の「業績のポイント」で言うコスト増減の中身について教えてください。
また今後のコスト削減策について。

A
コスト増加要素は、主に船舶管理コスト、具体的には船員費、修繕費、保険料等、
これらはある意味我々にはコントロールできないところ。
コスト削減要素は、燃料油の価格ではなく、燃料消費量の削減がもっとも大きい。
減速航行・減便にもよる燃料消費量の削減。
今後のコスト削減策については、引き続き燃料消費量を削減することがもっとも即効性がある、
次にまたコストのかさむコンテナの鉄道・陸送部分をなるべく少なくすること、
更には一般管理費も見直しをすることを考えている。

以 上