(新中期経営計画 “K” LINE Vision 100 について)

 

Q1
VISION 100の経常利益の見通しは、'08年度との比較で計画の最終年度、'11年度には約400億円の増益の計画になっています。この400億円の増益は部門別ではどの様な内訳になるのか、お差し支え無い範囲で教えて下さい。

A1
400億の内、大体半分ぐらいをコンテナ船部門が占める計画です。残りは分散しており、自動車部門は営業規模拡大により若干の増収・増益の見込み、エネルギー資源輸送部門や、新規事業である重量物船事業、オフショア支援船事業も貢献している。こうした各部門の積み重ねです。
ドライバルク事業については略横ばいと見ています。

 

Q1'
Vision 100のスライド31にはドライバルク市況の前提がありますが、例えば '11年度のケープ・サイズの市況は5万ドルと、現在の水準の半分以下の前提になっています。その中でドライバルク事業の収益の予想が横ばいになるのは、どの様な要因でしょうか。

A1'
市況の前提条件は現状の先物市場等から下降基調と置きましたが、船隊増による規模の拡大や期中に更改した新しい契約に中身の濃いものが増えていることもあり、市況前提を下げている割には '08年度からほぼ変わらない構造になりました。

 

Q2
Vision 100のスライド6にグラフがありますが、船舶経費が '08年度以降さらに加速的に上昇すると言われていますが、中期経営計画の中で、コスト・アップ要因をどの程度見ていらっしゃいますか。
貨物の長期輸送契約には、こうしたコストの上昇は反映されず、その分が収益圧迫要因になると理解していますので、こうしたコスト・アップを'11年度にかけどう織り込まれているのかお伺いしたい。

A2
'11年度に向けてのコストの織り込み方は、まず燃料油については4年間一律520ドルとしました。 
船舶経費、潤滑油、船員費、修繕ドック、船用品等、全て同時に一斉に値上げということではなく、これまでは例えば '06年に潤滑油が大幅に上がり、 '07年は船員費、といった形でそれを平均すると毎年6-7%ずつの上昇でした。'08年度はこれが1割程度上がると見ており、'09年度以降、'11年度にかけ年率数パーセントの上昇を織り込んでいます。

 

(今年度業績見込みについて-コンテナ船事業-)

 

Q1
今期のコンテナ船事業は前年度が47億円の経常利益に対し35億円と若干減益の予想ですが、その要因の内訳を頂けますか?
全体の内訳は『決算説明資料』のスライド14に頂戴していますが、コンテナ船に限って見た場合、会計基準変更の118億や運賃の値上げといったプラス要因もあると思うので、どの様な要因でこのプラスが吹き飛んでしまうのか、その内訳がありましたら伺わせて下さい。

A1
今期と前期を比較すると、プラスの要素としては市況の上昇で凡そ220億円、規模の拡大で150億円程度。コスト増加分としては、まず燃料油価格の高騰が260億、為替の影響で60億、内陸或いはフィーダー(接続便)等のコストで約100億、船舶コストで70億、ということでコスト増の要因が約500億円。
市況あるいは規模のプラス要因が370億円強あり、さらに会計基準の変更の影響がプラス118億あるため、その差約12億円の利益減少の予想となりました。

 

Q2
基幹航路である北米航路、欧州航路それぞれの運賃交渉の現状について教えてください。

A2
北米航路は、今年の交渉は非常にペースが遅くなっています。現在契約締結にまで至っている割合は非常に少い状況で、まさに今週か来週くらいが最後の山場になるという感じです。
運賃のレベルは、まだ数が少いので、確たることを中々申し上げられないが、現状では私どもが当初の目標として想定していた値上げに対し、7割くらいの達成率になるのではないかと見ています。

北米航路に関しては、ドル安の影響もあるのか、北米積みの荷物の量が非常に増加しており、北米からアジアに戻る復路の方が今満船の状態です。それに伴い運賃も上がっているし、燃油サーチャージもとれるので、恐らく往航の不足分をほぼ埋められるのではないかと見ています。

欧州航路の往路については、日本出しはこの4月が運賃の更改期に当たり、想定の幅の6-7割くらいのレベルで概ね決着しました。日本以外のアジア出し貨物については、4月に値上げを予定していましたが、やはり今年の1-3月は荷動きが当初の予定よりかなり伸びが鈍化しており、4月の値上げは実現できていません。それで5月の値上げと言うことで1ヶ月延期して交渉していますが、これがどうなるか、まだはっきりとした見通しはたっていません。

 

Q2'
北米航路、欧州航路の往復航の運賃につき、もし可能であれば、大体前年比の平均で何%等、具体的に伺えますか。

A2'
現在想定しているレベルは '07年度比で、北米航路が10%ほどアップ、欧州方面では英、独、仏等の北欧州向けが5%ほど改善、地中海向けは10%弱悪化になると考えています。
尤も欧州航路の場合は3ヶ月毎に契約更改があり、荷動きが良くなると上がり、悪くなると下がるので予想も難しくなります。直近では1-3月は荷動きの伸び率が鈍化していましたが、4月は非常に回復し、現状は北欧州、地中海とも満船状態が続いています。 この調子で行けば5月の値上げも可能性が無いではない。7月の値上げも確実にできると思います。繁忙期割増金も6月頃から頂くことを考えていますが、この辺りはあまり現在の想定には入れていません。

 

(その他)

 

Q1
細かな点ですが、終った '08年3月期の営業外損益は、'08年1-3月に為替が115円程度から100円程度へと大きく動いたため、大幅な為替の差損が発生し、悪化要因になったと思います。これに対し、今期('09年3月期)のご予想の中ではこの為替差損が無くなり、その分営業外損益の部分が改善すると思うのですが、あまり改善しない様に見えます。これはどの様な要因によるものでしょうか。

A1
為替差損については子会社の決算期が当社単体と異なるため、若干の差損は今期にも発生する見込みです。

以 上