(コンテナ船事業について)

 

Q1
コンテナ部門は終わった2006年度の実績と現在スタートしている2007年度の予想経常利益を比較すると、163億円の増益予想となっている。増益の要因について、運賃の上昇がどの程度影響し、コスト増がどの程度影響したか等、もう少し詳しい内訳をご示唆いただきたい。

A1
概算値だが、ご参考までに申し上げれば、増益要因としては運賃の値上げによる市況変動要因が約180億円で、新造船投入等による規模の拡大の効果は差し引きで50億円程度、減益要因としては燃料油の価格上昇で約40億円、内陸コスト、貨物費等々のコスト上昇が20億円程度と見ている。

 

Q2
コンテナ船部門では、主要航路のアジアー北米航路で5発効の契約が多いと聞いているが、交渉の状況はどうか?また、発表された2007年度の予想には、交渉結果をどの程度織り込んでいるか?

A2
今の契約更改状況は非常にペースが遅く、現時点でまだ全体の80%程度が決着しているにすぎないが、現在の感触を申し上げると、同じ北米でも西岸向けは厳しい状況で、値上げ幅は当社の想定ほどは行っていない。東岸向けはある程度値上げを認めていただいており、船から降ろした後鉄道等で内陸部まで運ぶ貨物については、鉄道料金等が値上がりしている点につき荷主殿のご理解をいただき、相当の値上げが実現している。
今度の予算については現在の状況を可能な限り織り込んでいる。

 

(その他の事業について)

 

Q1
終わった2006年度の実績と現在スタートしている2007年度の予想の経常利益を比較すると、全体では311億円の収支改善の予想だが、コンテナ部門で163億円の増益なので、その他の事業部門で約150億円の増益ということだと思う。
ドライ・バルク市況が非常に高騰しているため、残りはほぼ全部がドライ・バルク部門ではないかと思うがどうか。また、ドライ・バルク部門でもどの船種が伸びているのか、また自動車船、タンカーといった他の事業については、多少は変動は無いのか、差し支えの無い範囲で教えていただきたい。

A1
全体の増益幅の、コンテナ以外の部分は殆どがドライ・バルクと考えていただいて良い。
自動車船は若干増益で、エネルギー輸送部門の方は横ばいと申し上げたが、数字の上ではタンカーのマーケットの下落予想もあり、若干減益となっている。
この2つの部門がほぼ相殺になるため、結果としてコンテナ部門の増益分を除くと殆どがドライ・バルクの増益ということになる。
当社のドライ・バルク事業は長期安定的な契約を主眼としているが、商売の構造から短期契約比率が比較的高い、中・小型船におけるマーケットの影響が比較的大きいと言える。

 

Q2
ドライ・バルクの予想の前提だが、マーケットをどのように見ているか?

A2
ドライ・バルクの直近のマーケットはケープ・サイズで10万ドル強、パナマックスが4万ドル強、ハンディ・マックスで4万ドル程度と非常に高いレベルにある。これは既に史上最高値を更新しており、最近は連日の様に、僅かながら引き続き最高値を更新中という非常に強い基調にある。


過去2-3を振り返ると、例4から夏場にかけてマーケットが下落したが、今に限ってはそのようなことは無いと見ている。理由として1番大きいのは中国要因。今も中国の粗鋼生産は過去2と同様の勢いで7千万トン程度増えると見ている。最終的には中国の粗鋼生産は今は5億トン近くまで行くのではないかと見ている。
このファンダメンタルズは非常に強いというのが1つ。

さらに豪州の石炭の積出港で異常な滞船(港での船の混雑)が続いており、当面解消の見込みが無いことが船舶不足に拍車をかけている。
今はこのような状況なので、当面かなり高いマーケットが続くと見ている。

 

Q3
ドライバルクの業績の、マーケットの感応度といったものはどうか。マーケットがこれぐらい上がればこれぐらい利益が上がる、といった数値を計算するのは、条件により変るため、難しいとは思うが、伺いたい。

A3
当社のバルク部門全体では、貨物の契約が決まっていないフリー船の割合は大体25%とお考えいただきたい。大型船ほどフリー船の割合は低く、中・小型船の方が高い。このフリーの部分は、これから契約を決めるので、荷主の要望により中・長期の契約に投入する可能性は高いが、スポット契約になる部分もある。
もし、実際には有り得ないことだが、もしも、今のフリー部分を全て、1間ずっとマーケットのスポット価格で契約し続けるとすれば、例えば、マーケットが1間の平均で、全ての船型で平均千ドル上がった状態が続けば、理論上は15億円程度の上ぶれが見込めることになる。

 

(会社業績全般について)

 

Q1
中期経営計画 “K” Line Vision2008+の来期、2008年度(2009年3期)の計画に対し、現在の為替や燃料油の影響を当てはめると、それだけで4-50億の減益要因になっていると思う。それにも関わらず目標の数字を変えないのは、今のところ目標達成の自信があると理解して良いか。現在想定できる市況の変化や運航状況等を考慮に入れ、来期計画の経常利益1,100億円の達成可能性につき伺いたい。

A2
2008年度については、数字を変えずにやって行きたいと思っている。



環境から行くとやはり、一番会社の収益を左右するのは、今現在の当社の事業構造ではコンテナ事業になると考えている。今の段階で来のコンテナがどう、と言うことは難しいが、当社としてはトレードの伸びに沿って、マーケットで相応のシェアを占めるような船隊整備を行いたい、という意図は一貫して変わっていない。
あとは需給に応じ運賃がどうなるかということだが、長い目で見ればやはりコンテナの再生産が可能な程度の運賃レベルは維持できると考えている。



コンテナ以外の部分は総じて基調として強いと見ている。自動車もそうだし、ドライバルクも上記の通り、非常に強い。



従って、余程のことが無い限り、今期中には事業環境の変化は無いだろうと考えており、計画通り船隊規模も拡大しているので、基調としては、売上高はすでに計画にかかげた数字は越えているので、経常利益の1,100億円も、むしろ上方修正できるように持って行きたいと思っている。

 

Q2
配当性向については、中期経営計画の目標の中で10代半ばに配当性向3割を目指す、とされているが、10代半ばと言わず少し早めるお考えは無いか?

A2
当社では昨から連結当期利益の20%の配当性向をお約束し、“K” Line Vision2008+という経営計画の中で10代半ばには30%半ばを目指すとしている。
従って、チャンスを見て比率を増やして行きたいと考えているが、一方で更なる財務体質の改善を図りたいし、投資にも振向けたい。もちろん株主様のご要望もお聞きしながら決めることだが。



今は新造船の竣工が25隻で、資金調達としては心配無い。
2008年、9年にかけて投資のピークが来るだろうと見ており、2009年を見通した段階で配当性向をどうするか考えたいと思っている。



儲かった時はたくさん配当し、儲からなかったら少なく配当する、というのが配当性向の考え方だが、減益になった時に配当額そのものを減らすということは、私どもも抵抗があるし、株主の皆様にも抵抗があるのではないかと思う。
できれば安定的に、なおかつそれが長期的に増額になるような姿になれば、と思っている。

以 上