【2026年度第1四半期決算説明会資料】
A. 2026年度第1四半期決算概要
A-1. 2026年度第1四半期業績
2026年度第1四半期の実績は、売上高が2,868億円で前年同期比419億円増収、営業利益は195億円で前年同期比2億円減益、経常利益は240億円で前年同期比23億円増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は233億円で前年同期比65億円減益となりました。
期中の為替レートは159円89銭で、前年同期比では大幅に円安となっています。また、燃料油価格は1トンあたり787ドルです。
営業損益は、スライドに記載しているとおり、特にドライバルクセグメントで市況が良かったことや、為替が円安であったことが増益要因となっています。一方で、燃料油価格が高いこともあり費用が増加したため、ほぼ前年同期並みとなりました。
経常損益は、為替の影響が大きく、前年同期には為替差損がありましたが、今年度は為替差益に転じており、営業損益段階から経常損益の段階でプラスに転じています。
親会社株主に帰属する四半期純利益が前年同期比で減少した理由としては、前年同期には船舶の売却益や子会社株式の一部売却による利益などの特別利益がありましたが、今年度はそのようなものがなかったためです。
主な財務指標は、スライド左下の表のとおりです。リース会計適用後のオフバランス傭船料債務を含んだベースでの自己資本比率は、6月末時点で58%から60%が足元の状況です。
A-2. セグメント別第1四半期業績
セグメント別の状況です。ドライバルクセグメントでは、大型船市況が鉄鉱石やボーキサイト等の荷動きが非常に活発だったことから堅調に推移しました。中・小型船市況についても、中東情勢に起因した石炭輸送の増加や、穀物輸送の需要が非常に好調だったことから、想定よりも高い水準で推移しました。
また、この第1四半期に限って言えば、前年度に積地の事故や争議による一過性のマイナスがあった反動もあり、93億円と大幅な増益となりました。
エネルギー資源セグメントに関しては、前年同期の一過性の利益が今年はなかったものの、LPG船やタンカーの市況が好調であった影響を受けて増益となりました。
製品物流セグメントの自動車船事業は、中東情勢の影響による船腹稼働率の低下や、燃料油価格が大きく上昇したことから、前年同期比で大幅な減益となっています。コンテナ船事業は運賃が上昇しているものの、同様に燃料油価格の上昇による運航コストの増加が大きく影響し、前年同期比で減益となりました。
以上はあくまで前年同期との比較としてご説明しましたが、事業環境と収益環境は期初の見通しからは好転しています。
B. 2026年度通期業績予想
B-1. 2026年度通期業績予想
今年度の通期業績見通しです。すでに7月24日に適時開示にて一報を出しており、基本的にその数字から変更はないとご理解ください。
通期業績予想の前提として、為替は足元までは実績値を用い、以降は1ドル150円での想定としています。燃料油価格は、下期は期初の段階から据え置いていますが、第2四半期では100ドルほど前提を引き上げ、通期では718ドルを見込んでいます。
市況の前提については、Appendixをご覧ください。主に上期において、ドライバルクセグメントおよびエネルギー資源セグメントの市況前提を引き上げています。
ホルムズ海峡の通峡については、期初段階では6月末まで通ることができず、7月以降は正常化に向かうとの前提で計画を立てていました。しかし、足元の状況を踏まえ、少なくとも9月末までは通峡が厳しい前提で計画を立てています。OCEAN NETWORK EXPRESS(ONE社)の業績予想も同じ前提です。
スエズ運河の通峡については、期初からの前提に変更はなく、年度を通じてスエズ運河の通峡は難しいと判断し、通らない前提で計画しています。
また、為替レートおよび燃料油価格の変動が残り9ヶ月間の当期業績にどの程度影響を与えるかについてスライド左下に記載しています。為替レートは1円変動するごとに13億円、燃料油価格は10ドル変動するごとに6億4,000万円の影響があると想定しています。
これらの前提に基づく今年度の通期業績予想は、営業利益が前期比9億円増益、5月公表比20億円増益の850億円、経常利益が前期比259億円増益、5月公表比350億円増益の1,350億円、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比21億円増益、5月公表比400億円増益の1,350億円となり、上方修正しています。
株主還元について、配当は期初の段階から変更はなく、1株当たり年間120円を予定しています。また、自己株式の取得について5月29日に総額1,300億円と公表しており、7月末時点で862億円の取得が完了しました。今回取得した自己株式は、取得完了後消却する予定です。
B-2. セグメント別通期業績予想
セグメント別の通期業績予想です。
まず、ドライバルクセグメントは、下期の市況前提は見直していないものの、上期は輸送需要が非常に底堅いことから、市況前提の引き上げも含めて増益を見込んでいます。経常損益の通期予想は、前期比100億円増益、5月公表比50億円増益という数字に上方修正しました。
次に、エネルギー資源セグメントは、第1四半期の増益を含んで5月公表比では増益となっていますが、前期比では引き続き減益を見込んでいます。これは、前年度の一過性の利益の剥落や、今年度においてLNG船の契約が端境期にあることによる減益が影響しているためです。
製品物流セグメントについて、自動車船事業では、5月公表比35億円の減益となり、通期予想を下方修正しました。先ほどご説明したとおり、第2四半期の燃料費の前提を、今回引き上げています。燃料費の上昇分は、一定のタイムラグはあるものの、基本的にはBAF(Bunker Adjustment Factor)として運賃に転嫁して回収しますが、回収の時期が今年度から来年度に一部ずれ込む見込みであり、その分今年度に減益が生じることをご理解いただければと思います。
最後に、コンテナ船事業では、ONE社の持分法による投資利益を上方修正しています。期初の段階では、同社の税引後利益を年間3億ドルと見込んでいましたが、足元の好調な市況を背景に、通期の税引後利益見通しを9億ドルに引き上げたことによるものです。
以上が、セグメントを含めた今年度の通期業績見通しです。
C. 中期経営計画の状況・進捗
C-1. 資本政策の進捗と企業価値向上に向けて
今年度が最終年度となる中期経営計画の進捗についてご説明します。
まず、キャッシュフローについてお話しします。今年度の収益は上方修正しましたが、営業キャッシュフローの見込み1兆5,000億円については、端数は増加しているものの、大まかな見込みは変わりません。投資キャッシュフローも、期初の段階から変更はありません。
最適資本構成に関しては、5月8日の決算発表時に「まずは短期的に、オフバランス傭船料債務込みの自己資本比率50%前後をめどに、資本の適正化を目指す」とお伝えしました。その一環として、5月29日に1,300億円の自己株式の取得について公表しています。今後も引き続き、このような取り組みをしっかりと進めていきます。
株主還元は、総額8,000億円以上とご案内していましたが、自己株式取得にマネジメントアロケーションの800億円を充当した結果、8,000億円以上から8,800億円以上に上方修正しています。配当は、先ほどお伝えしたとおり変更はありません。自己株式についても、現在取得を進めています。
スライド一番下の「企業価値向上に向けて」という項目では、次の中期経営計画に向けた当社のゴールイメージとして、将来的にROE15%以上を実現していくために、資本コストの低減と成長戦略の遂行を両輪で進めていく旨を記載しています。
C-2. 株主還元政策
株主還元政策は、先ほどご説明したとおりです。5月の自己株式取得公表時以降の変更はありません。
C-3. 事業環境の変化
本スライドおよび次のスライドでは、事業環境について、当社のビジネスに影響を及ぼす可能性がある要因を主にリスクという観点から整理し、それらの影響や当社の対応を包括的にまとめています。
C-4. 海運業を取りまく環境
一つひとつの説明は割愛しますが、ホルムズ海峡の通峡に関する影響に加え、スエズ運河の通峡再開がなかなか進まない状況にあるため、特に船舶の需給に影響を与えると考えています。
また、スライド中央に記載している関税に関しては、コンテナ船の上期の輸送需要が好調だった要因の一つとして、米国の関税政策を見越した前倒しでの輸送需要があったとの見解もあります。
当社としてはこのような動きを注視しながら、適切に対応できる体制を整えていきたいと考えています。