A-1. 第1四半期決算概要

2015年度第1四半期の結果は、売上高3,355億円、営業損益112億円、経常損益146億円、
四半期純損益102億円、対前年同期比増収増益となりました。ただし、為替変動による改善額39億、燃料油価格変動として113億、合計約150億円の改善要因を折り込んでの話ですので、特にコンテナ船、ドライバルクのマーケット低迷など事業環境は厳しいものとなりました。
なお、平均為替レートは120円97銭、燃料単価はトン当たり366ドルとなりました。


A-2.上期業績予想

上期業績予想は、売上高6,800億円、営業損益170億円、経常損益200億円、四半期純損益145億円を見込みます。期首の予想と大きく変わっておらず、中間配当も期首公表どおり2円50銭を予定しています。

コンテナ船は、本格回復にしばらく時間を要するとの見通しに加え、北米航路で往復航のインバランス拡大による内陸からの空コン輸送費増加等を理由に、第1四半期比40億円程度の悪化を見込んでいます。また第1四半期で発生した為替評価益32億円を第2四半期では見込んでいないこと、自動車船の期ズレで10億円程度第1四半期が改善していること、以上により第2四半期全体では第1四半期比で92億円悪化となる54億円の経常利益を予想しております。

売上高が期首公表比で、550億円減収となっていますが、これはコンテナ船の減収に加え、不定期船セグメントで運賃積契約と定期貸船契約の割合を修正した結果であり、収支尻には影響はありません。また、純利益は公表比30億円上振れていますが、これは下期で予定していた海外不動産売却の特別利益の計上が上期に早まったことが理由です。


A-3.通期業績予想

通期の予想は、売上高13,500億円、営業損益390億円、経常損益400億円、当期純損益230億円を見込みます。

下期の前提は、為替118円、燃料油価格トン当たり、350ドル。為替と燃料油価格の変動による半期損益への影響は、為替1円で約4億円、燃料油価格10ドルで約9億円。配当は、当初予定のとおり年間5円を予定しております。

通期の業績予想のポイントは、上期と同じ理由で下期においても売上高を550億円減額しております。また、下期経常利益は、現時点では、期首公表の200億円を変更しておりません。
コンテナ船及びドライバルク市況は、当初想定を下回ると懸念されておりますが、油槽船市況に大幅な改善が見込まれ、為替は想定118円のところ足下123円、バンカー価格は想定350ドルのところ300ドル前後であることから、現在の事業環境が続けば改善が見込まれます。

下期の下ぶれ要因については、コンテナ船については今後の運賃市況次第で悪化も懸念されますが、ドライバルクは、油槽船でリカバリーするということができ不定期専用船セグメントでは大きく変わらないと思いますので、結局、コンテナ船の運賃動向によると考えております。
なお、当期純利益230億円、この場合のROEは5.1%、となります。


A-4.上期業績変動のポイント

前年同期比で為替、燃料油で約300億円の改善要因があるものの、コンテナ船の運賃下落、ドライバルク市況の悪化で相殺しています。


A-5.コスト削減の進捗状況

ほぼ計画どおり、合計約130億円程度を見込んでおります。

 

続きまして、部門別の業績動向に入ります。10ページをご覧ください。

B-1.コンテナ船

第1四半期は、前年同期比増収増益となりました。今後のポイントは、新造船の大量の就航による、需給バランスの崩れに起因する運賃動向になります。特に欧州航路及びカスケードの影響を最も強くうける南北航路の市況が大きな課題となります。


B-2.ドライバルク

第1四半期は前年同期比、市況低迷によって減収減益となりました。今後のポイントは、ケープサイズは、現在約15,000ドル程度まで回復しているものの、中小型船マーケットの低迷がどれぐらい続くかというところです。
一方で、特に大型船のスクラップが進んでおり、供給サイドでも改善が見られてきております。
これが昨今の、回復につながっているのではないかと見ています。
収支も、不定期船セグメント全体では、油槽船等の市況回復でドライバルクのマイナス分はカバーできると、考えております。


B-3.自動車船

第1四半期実績では、輸送台数は漸減しましたが、第2四半期から第1四半期への収益計上のタイミングとなる航海完了日が前倒しとなり増収増益となりました。
地域的には、欧州向けと欧州域内は若干減速気味、それ以外は堅調です。
全体的に、自動車船部門としましては、堅調に推移する見込みです。


B-4.LNG船・油槽船

第1四半期実績では、前年同期比、増収増益となりました。LNGは安定して稼働しており、油槽船市況は大変好調です。今後、備蓄用の船舶数の動向やイランの問題等の影響が考えられますが、少なくとも今期いっぱいは好調なマーケットが続くと見ております。


B-5.海洋資源開発及び重量物船

第1四半期の海洋資源開発は減収も黒字回帰となりました。ドリルシップは安定的稼働しております。オフショア支援船は、原油価格の下落による掘削活動の停滞も見込まれ、市況は軟化傾向にて、今後市況がどのように回復するのかという点がポイントとなります。
重量物船事業は売上横ばい・赤字縮小となりましたが、本事業においても原油価格下落に起因するプロジェクト貨物輸送が減少、昨年まで堅調であった500トン以下のセミライナーサービス貨物にも少々陰りが出てきているなどの不安要因があります。