本日は弊社の決算説明会にご出席いただきましてありがとうございます。

 

A-1 第3四半期決算概要

2014年度第3四半期の9カ月累計で、
売上高1兆151億円、営業利益403億円、経常利益462億円、当期利益330億円です。
平均為替レートは前年同期比7.26円円安の105円80銭、燃料費は前年同期比38ドル安の588ドルです。

足元の燃料油は原油価格急落の影響で300ドルを切るレベルまで下がっていますが、
収支の計算の際は、移動平均法という、前に保油をした高い価格の燃料油と最近補油した
安い燃料油の平均を取る方法で計算しますので、燃料油価格安の影響がすぐには出ない
ということになっております。

第3四半期については、特に為替の影響もあってかなり良い数字を残すことができました。
第3四半期9カ月累計では対前年同期比では
売り上げで971億円増収、営業利益で162億円、経常で170億円、純利益で173億円、増益です。
自己資本は4,465億円、577億円の積み増し、有利子負債が833億円減ので5,605億円、
DERも40%の改善、ネットDERは1倍を切り80%。自己資本比率も35.4%、4%改善となりました。

部門別の収支は記載の通りです。
特記事項としては、海洋資源開発及び重量物の赤字が目立ちますが、これは "K" Line Offshore
で発生した為替評価損が主な要因です。

 

A-2 第3四半期累計実績のポイント

次に前年同期比の要因です。
増益170億の増益要因は、前年比7円26銭安により為替変動で51億円、燃料費の改善が37億円。
市況変動は、不定期船の特に中小型船の市況は低迷しましたが、コンテナ船北米航路で市況が改善しました。
その他の項目には、燃料油スワップ精算損が一部含まれています。
全部締めて170億円の前年同期比改善です。

 

A-3 通期業績予想

通期予想は全項目で対前年比及び対公表比で上振れしました。
公表比の比較では、売上高は1,000億改善の1兆3,500億、通期営業利益予想は100億改善の460億円、
経常利益は140億改善の480億円、純利益が35億改善の250億の予想です。
第4四半期の予想の前提は、為替116円85銭、燃料費は478ドルです。

4Qの経常利益18億には、約30億程度の為替差損を含みます。
15年3月末の年度末の為替前提を118円としており、14年12月末の120円55銭から円高となるため、
外貨建債権債務における為替評価損を計上しています。

第4四半期の当期純損益は80億円の赤字を予想しています。
特別損益に、税制改正に伴う繰延税金資産の取り崩しと来期以降の用船料負担軽減のための
構造改革費用が含まれていることが主な要因です。

配当は今後の状況とタイミングを見きわめて見直しを行う予定です。

 

A-4 通期業績変動のポイント

前年度比、為替は8円81銭安により79億円、燃料油価格は66ドル/トン安により86億円の改善要素
となっています。市況変動は主に小型船のバルク市況の影響により40億円の悪化要因となっています。
またその他の139億円の悪化には燃料油スワップ精算損が含まれています。

 

A-5 コスト削減の進捗状況

コンテナ船事業部門のコスト削減は、配船の合理化、北米のシャーシ売却、ターミナル・ハンドリング・チャージの見直し等、
細かな積み上げによるもので、既に期首目標の77億を上回り、通期で125億円を見込んでいます。
不定期船部門その他では、運航経費、ドック費用削減、重量物船におけるリファイナンスによって
通期で43億円のコスト削減を見込んでいます。


各部門の要点を簡単に述べさせていただきます。

 

B-1 コンテナ船

コンテナ船は黒字を回復しており、北米・欧州とも荷量は堅調です。
運賃は、北米航路が予想よりも上振れ、欧州は若干下回っておりますが、ほぼ予想通りです。
今後のポイントは、旧正月前の貨物のラッシュ、旧正月後どれぐらいのタイミングで荷量が
立ち上がってくるのか、長期化する北米西岸の港湾労使交渉の混乱がいつ収束するのか等があげられます。
来年に向けては14000型大型船による収支改善効果を期待しています。

 

B-2 ドライバルク

ドライバルクは増収減益です。
昨年10月頃一時マーケットが回復する兆しを見せましたが、その後市況低迷が続いています。
回復には時間がかかると思われますが、当社の場合、ケープサイズは中長期契約が大半なので
影響は軽微です。パナマックス以下の中小型船は市況低迷の影響を受けています。
今後のポイントは、マーケットのエクスポージャーを下げると言うか、中小型船の高コスト船を
いかにうまく処分できるかというところもポイントになってくると思います。

 

B-3 自動車船

自動車船は増収減益です。
台数は微減ですが、中東、アフリカ、大西洋、この辺の荷量は非常に堅調に推移しています。
減益ですが、ほぼ横ばいか若干前年度を下回るという程度で、大きく落ち込んでいるわけではありません。
今後のポイントは、多様化する完成車の荷動きと我々が今力を入れている建機等のハイ&ヘビー、
それらをどのように効率よく配船をしていけるかだと思います。
また新しい7500台積み大型船が来年度出てくるので期待をしています。

 

B-4 LNG船・油槽船

LNG船は従来通り安定、順調に稼働しています。
油槽船、LPGについては中長期契約のものにも市況連動型もあり、市況回復が収支に寄与します。

 

B-5 海洋資源開発及び重量物船

ドリルシップは従来通り安定、順調に動いております。
オフショアにおける、先ほど述べました為替評価損が
セグメント全体の足を引っ張っているという形。重量物は、プロジェクトカーゴの受注等、
市況回復を受け、赤字は縮小をしています。
今後のポイントは、原油安によるプロジェクトの開発の遅れ等の影響がどう出てくるか
というところになろうかと思います。

以上、概略をご説明申し上げました。