皆様お暑い中私どもの決算発表会にご出席頂きまして本当に有難うございます。

 

2014年度第1四半期の決算概要についてざっくりとご説明申し上げますが、基本的には期初の予想通りということで、サプライズも特に無いので、私の説明はあまり時間はおかけしません。 
皆さんからの質問をどんどん頂きたいと思いますが、大きなポイントで申しますと、コンテナ船事業は、黒字化しております。上期の黒字化はほぼ間違いありません。 
下期も何とか、黒字化できれば良いな、という環境です。 
それから、今日プレスリリースを致しました。
アメリカ屈指のターミナル運営会社 ポーツ・アメリカとの提携を致しまして、今後の弊社のターミナル事業をどう強化して行くか、この点について後程ご説明させて頂きます。
ドライバルクの市況は想定外に落ち込みましたが、第1四半期については、常々申し上げております様に、我々の船隊は契約比率が高いので、期初の予想を上回る業績はあげましたが、第2四半期はかなり厳しいかな、と思います。この辺についてはまた後程ご説明します。 
それからエネルギー輸送事業分野において、皆さんのご関心は、川崎汽船はLNG船の新規のプロジェクトにどんな風に取り組んでいるのか、ということにおありと思います。 
海洋開発事業についても、色々ございますが、どの様な展望を持っているのだろうかとお考えだと思います。そういう点についても、ご説明させて頂きたいと思います。 
それでは、簡単に、第1四半期の決算概要をご説明します。

 


A-1. 第1四半期決算概要

お手元の資料のA-1ですが、第1四半期は、売上高、営業利益 いずれも前年同期を上回っております。 
経常利益は残念ながら、昨日の日経新聞にも前年比マイナス40%とありましたが、65億円は我々の当初の予算と、あまり変わりはありません。 
営業利益については、前年同期比+33%ですので、ここはちょっと強調しておきたいと思います。
当期純利益についても期初の予算通りです。
それから、為替について、一つご説明いたしますと、前年同期との比較で、今期の第1四半期については、四半期末の為替レートによる為替換算差損が、26億円発生しています。
これは14年3月末の円/ドルが102円92銭に対して、6月末が101円36銭でした。
一方、1年前はと言いますと、13年3月末は94円05銭だったのが、6月末に98円59銭と円安になっていますので、前年同期では38億円差益が出ておりました。
この上下によって、経常利益の段階ではかなり差が出ているとご認識下さい。
それから、右下の小さな箱の、主な財務指標のところで、自己資本は、為替のレート等 色々ありまして、若干目減り致しましたが、有利子負債はお約束、と言うか、もうご説明の通り、順調に削減しておりまして、2013年度期末に比べると、491億円、債務が減っております。
従って、DERについても11%低下、自己資本比率については、自己資本の額は若干目減りしましたが、比率については、1.2ポイント改善しているということで、引続き、財務内容の改善に着実に前進しているということであります。

 


A-2. 上期業績予想

続きまして、上期業績予想については、お手元の資料の通りで、第1四半期の経常利益が少し凹んだ分だけ、20億円、期首公表よりアンダーしておりますが、こちらについては、後で申し上げますが、下期で挽回できる範囲だろうと考えております。
それから、事業部門別のところも見て頂きますと、コンテナ船は第1四半期が22億円のプラス、第2四半期が38億円のプラスで、上期60億円の利益となっておりますが、これは物流事業も含んでの話ですが、物流事業を除いても、コンテナ船事業単独で、黒字に転化しているということです。 
不定期専用船については、昨年ほどの伸びは無くて、上期は特に第2四半期に、先程申し上げました様にドライバルクの市況の下落が響いて、120億円の予想です。 
その他は、あまり変動はございませんので、先ほど申し上げました様に、期首公表に比べますと、経常利益だけ少しアンダーするという見通しを立てております。

 


A3. 通期業績予想

通期の利益の予想については、今のところ、期初の見込みと変えておりません。 
即ち、営業利益360億、経常利益340億、当期純利益180億円ということで、これはそのまま、据え置いております。

 


A4. 業績変動のポイント

「業績変動のポイント」というのが、いつも非常に説明し難い項目なのですが、市況変動は、やはり前年同期と比べますと、ドライバルクのマーケットが下落しておりここの影響は免れられないと見ています。 
それから先程申し上げた様な為替の要因も入って、前年同期比では減益要因があります。

 

A5. コスト削減の進捗状況

前回も申し上げましたが、もう、我々はコスト削減についてはやれるところは、かなりやっておりまして、今期は131億円の削減目標をたてておりますが、これは順調に進捗しているとご理解下さい。

 


B-1. 部門別業績動向 コンテナ船

コンテナ船は先ほど申し上げましたように増収、損益改善です。
運賃指数欄に記載がありますように、この第1四半期は北米の往航が指数97、欧州往航が78、昨年に比べて改善しています。荷動きも全体的に好調です。
弊社の消席率も北米98%、欧州95%ということで、予想よりも良いです。 
以上より、増収増益ということであります。

 


B-2. 部門別業績動向 ドライバルク

ドライバルクですが大型船はケープサイズが現在12000ドル位で、我々の予想のレートを大きく下回っております。 
しかし、前回も申し上げました通り、我々の現状は貨物の方が船腹より多い状態なので、逆に言えば、市況が安いときに船を傭船して契約済みの貨物に引き当てれば若干利益も出ます。 
だからといって市況が健全だという説明ではありません。
弊社のケープサイズの事業運営については今の市況下落は何ら問題はないと言うことです。下期についてもほぼ同様の状態です。 
ただパナマックスの市況が非常に落ち込んでいますので下期に悪影響が出てくることを懸念しております。

 


B-3. 部門別業績動向 自動車船

自動車船についてはほぼ想定通りで動いております。 
完成車の海上輸送は引き続き世界的に堅調で推移している。
しかし日本からの完成車輸送は残念ながら予想した通り、対前年比で落ち込んでいます
今後も日本からの直接輸出が増えると言う期待感はちょっと持てないなと言うところですが、それは既に予算に織り込んでいます。 
一つ懸念の材料としては、ロシア向けです。ルーブル安、今後の制裁の影響、が出てくると、我々の欧州の域内で輸送してます航路があるのですが、ここにちょっと悪影響が出てくる可能性があります。 
ということは付け加えておきたいと思います。

 


B-4. 部門別業績動向 LNG船・油槽船

LNGについては以前から申し上げている通り安定稼動・安定収益になっています。 
油槽船はちょっと前まで相当市況は落ち込んでおりましたが、以前から申し上げております通り、我々のフリートの削減と言うのは随分前から進めており、今必要最小限度の船隊でこの事業は運営しておりますので、若干の赤字は第1四半期出ましたけど、あまり大きな影響はない。 
ただここのところ市況はじりじりと改善しておりまして、私は暫くは強含むのではないかと言う風に見ております。 
ひょっとしたら第2四半期はブレイクイーブン、第3四半期で、利益計上、できる可能性もあると見ております。

 


B-5. 海洋資源開発及び重量物船

最後の海洋資源開発及び重量物船です。 
オフショア支援船事業については、営業利益は黒字、経常利益は赤字です。 
経常利益が赤字になったのは為替の影響(会計上で為替の評価損が発生)です。 
ノルウェークローネ安の影響で為替評価損が出ています。 
為替は四半期で変動するので一喜一憂してもしょうがないと思っています。 
営業利益は黒字だということを強調したいと思います。 
重量物船については厳しいマーケットだということを、常々ご報告 しておりますが、第1四半期も同様の状況です。 
前回の決算説明会で今年後半くらいから優良貨物の契約がポツポツと 出てきていますとお話しておりますが、その状況がハッキリ見えて参りまして、下半期は損益分岐点に近づくかなと期待しております。 
非常に簡単ですけれども第1四半期の概要につきまして以上の通りご説明させていただきました。