朝倉でございます。改めまして本日は、弊社の2014年3月期決算説明会にご出席戴きまして誠に有難うございます。

 


アジェンダ
それでは、この順番に沿って、決算概要及び当期の予想について、ご説明させて戴きます。

 


A-1-1 決算概要

2014年3月期の決算概要ですが、対前期比で増収・増益でございました。

 

売上高 1兆2241億、
営業利益 289億円 
経常利益 325億円
当期純利益が166億円。 
期中の為替レートは99円75銭、 燃料油価格は626ドル、1トン当たり。

 

前期比では、

 

売上高が894億円増加、
営業利益140億円増加、
経常利益 39億円増加、
当期純利益 60億円 ということで いずれも増収、増益でございます。 

 

為替レート、2012年度期中が82円33銭ですから
この対前期比では年間では、平均17円42銭の円安、それから
燃料油価格につきましては、トン当たり45ドルの下落で、この両面で、経常利益、営業利益とも、押し上げの大きな要因になりました。
その効果は前期比で為替変動により149億円、燃料油価格変動については63億円のメリットを得たと、こういう内容でございます。
配当につきましては、当期純利益が予想よりも上振れしたということで、
期末配当1株当たり4円50銭、公表の時に較べますと、1円の増配としたいと思っており、その様に6月の株主総会に提案する予定でございます。

 


A-1-2      決算概要(事業別売上高・経常損益)

続いて、事業別売上高、経常利益につきましては、物流を含んだコンテナ船事業が、マイナスの1億円。ほぼトントンということです。
不定期専用船は対前期比で、大幅向上、172億円の上振れ向上で、セクター全体で413億円。
それから海洋資源開発及び重量物船事業につきましては、前期よりも21億円悪化のマイナスの45億円。その他調整を足し込みまして、合計で先程ご報告しました通り、325億円ということです。 
少々補足を致しますと、コンテナ船の方は物流のプラスと、コンテナ船、港湾事業そのもの、コンテナ船と港湾事業の合計の経常利益とがほぼちゃらで、マイナスの1億円と、こういうことになってまして、コンテナ船事業単体で言うと、約30億円の赤字が2013年度の実績であります。
それから不定期専用船は、ドライバルク部門は2013年度は約150億円の利益でありました。
前期比で比較して、一番利益が伸びたのは自動車船事業です。 LNGについては前期から安定的な利益を重ねています。

 


A-2 通期実績のポイント

次は通期実績の、ポイントということで、分析できる範囲で前年比を見て戴きますと、増収894億円、増益39億円となりました。
一番のファクターは、もう最初に申し上げた通り、為替、それから燃料油の下落ということですが、その他については、市況自身は例えばコンテナ船は2012年度と較べると、市況は12年度より悪かったのですが、そこはコストの削減努力に因り、リカバーしたということです。

 


B-1 通期業績予想 

次に、2014年度の通期業績予想について述べさせて戴きます。
今年度の見込みですが、
売上高は前期比微増の1兆2300億円
営業利益につきましては71億円増の360億円、
経常利益は15億円増の340億円、
当期純利益は14億円増の180億円。
為替レート前提は期中平均100円 燃料油価格は621ドルということで、
殆ど前年度と変動無しという前提で、計画をたてております。
事業部門別には、コンテナ船セクター、物流を含みますが、先程と同じですが、こちらは当期も、前期ほぼ同様の収支構造ということで、収支トントンを計画、予想しております。
不定期専用船については、380億円ということで、若干前期よりは下がりますが、その点については、また後程ご説明致します。

 

それから 海洋資源及び重量物は後期はこの全体のセクターで収支トントンを見込んで通期では合計で340億円の利益を見込んでおります。
その前提で2014年度は年間の配当につきましては、5円を予定しております。中間では2円50銭配当の予定でございます。
為替の変動による収支への影響、1円がプラスマイナスで12億円
燃料油は10ドルの変動がプラスマイナスで12億円ということで、これらは例年並みです。

 

事業部門別には全体で言えば、コンテナは事業環境殆ど変わらない前提で、収支はトントンを見込んでおります。
不定期専用船については、ドライバルク事業については、市況が、今期は前期よりも良いという前提で見ておりまして、対前期比では若干の増益を見込んでいます。
自動車船については、これは逆に若干の減益を見込んでおります。
LNGはほぼ変わらず、と。

 

それから、海洋資源開発のところは、オフショア支援船事業会社ですが、
こちら 市況が非常に堅調でございまして、前期に比べ増益を見込んでおります。
重量物船、これは実は、今弊社の中で一番頭が痛い事業部門なんですけれども、
マーケット自身は、引き続き低迷しておりますが、色々構造改革努力をしておりまして、その分で、当期は、前期に較べて赤字幅が縮小させる予定です。
以上が先程申し上げました全体合計の340億円の中身でございます。

 


B-2 通期業績予想のポイント              

通期業績予想のポイント。2013年度比で収支尻に大きな変動は無いという前提です。もう一段のコスト削減の努力を継続して収支改善を図って行く所存です。

 


B-3 中期経営計画進捗状況

次に中期経営計画進捗状況を説明します。
現在の中期経営計画、3ヵ年で今年2014年度が最終年度になります。12年は計画通り、13年もほぼ計画に沿った内容で進捗して来ました。
最終年度について、残念ながら、この計画を策定した時点では、14年度は、あらゆるセクターで、需給関係がもう少し締まって、市況が改善するだろうという見込みの基に作ったのですが、残念ながら環境は今のところそれほど芳しくない状況で、最終年度の経常利益、当期利益、EBITDAこの辺については、最終年度同士の比較で減益とならざるを得ないと見ております。
但し、自己資本やデット・エクイティー・レシオなどの財務内容については、目標を上回る計画をしております。つまりフローの方が、先程申し上げた様に事業環境の改善が今いち見通しには到達せず、フローの改善は遅れているけれども、ストックは、投資の抑制と資産売却等により、計画を上回る勢いで改善しているということです。
脚注に書いてありますけれど、財務体質は順調に改善、13年度末 時価資本比率30%以上達成、ということですが、これは早期に40%へ引き上げる、ということで経営を進めて参りたいと思っています。

 

それからキャッシュフローについても 、キャッシュフロー重視の経営を今後も続けて行きます。徒に規模の拡大を追うということは、当面しない、ということであります。

 


B-4 コスト削減の進捗状況 

次にコスト削減の進捗状況を説明します。2013年度削減実績は目標上回り、113億円の上積みを達成しました。 
2014年度も引き続いてコスト削減を追求して行って、131億円コスト削減しようという計画です。一言にコスト削減と申しましても、なかなかシンプルなものはないのですが、一つだけちょっと、代表的なものを挙げますと、我々の運航にとって大きな燃料費、ここの削減について、ちょっと数字を挙げてご説明します。これは海外の事業会社の運航している船は除いたベースですが、川崎汽船単体で、これが一番大きな運航規模を誇っているわけですが、運航船舶、期末の同士で比較すると、前年が411隻で、この14年3月期は420隻です。
運航隻数は増えている。一方、燃料消費量、これが前の年は年間で383万トン。これがこの3月期は366万トン、即ち運航隻数は増えているけれども、使用量は減っている。
それから金額ですが、燃料費、前の年は2072億円で、この3月期は2217億円。これはもう燃料はドル建てで、ドル建ての単価そのものが下がったという要因のは一つありますけれど、逆に円安によって、円表示では円評価では額が増えた訳です。このところの円のベースでの1年前との比較で言うと7%増えたということです。ここは非常に大きいです。

 

一方で売上げは14%増えていますから、これは 円安による フォローウィンドがあって、14%増えているわけだけれども、燃料についてはこの様に先程申し上げた様に対前年度で、大きく下がっているということで、ここは非常に大きなポイントです。我々、船会社の、一番大きなコスト削減の項目と実績と評価しております。

 


C. 部門別業績動向
次に、部門別の業績動向を簡単に説明します。

 


C-1  コンテナ船              

コンテナ船事業部門については、今期は前期比で増収ながらも収支は均衡だということですけれど、運賃推移ですが、我々計画の、算出基礎となる運賃レベルは、2013年度とほぼ横這い、2013年度並みで推移するという前提で計画を作っております。
従って、13年度並みの収支トントンを達成するためにはもう一段のコスト削減とか、資産の売却とかが必要になる。それを織り込んで現在の収支予想になっている、ということですね。

 


C-2 不定期専用船 - ドライバルク

ドライバルクについては、市況前提が右の方にありますが、 全体でオールオーバーでは売上高は横這いですが、増益という計画をしています。ここにあります市況前提2014年度上期ケープ19,000、パナマックス15,000。この辺りが、足元と較べると、大分高い設定になっております。しかし 再三申し上げております様に安定収益態勢で事業を続けていますので、今、この上期ではケープはフリー船はゼロなので、市況の変動には関係ありません。
パナマックスについても、80%以上がもう既に固定されているので、こちらも市況の変動にはあまり関係ありません。
今申し上げたのは上期の数字です。下期は 若干フリー船の比率が高まりますが、逆に9月以降、マーケットが、これは当然反転して来ますので、そこではある程度の上振れが見込めるのではないかな、という期待もしております。

 


C-3 不定期専用船 - 自動車船

次、続きまして自動車船ですが、 これが、さっき申し上げました様に、今期は対前年比で 減収・減益という見込みであります。残念ながら。
コメントにあります様に完成車の海上輸送需要は 世界的には堅調ですが、日本出し、日本からの直接の輸出、こちらが、漸減傾向にあるということ。それから、何度か説明に登場しております様にレード・パターンが変化して東南アジアからの出荷、これによって航海の日数が減って行くという様なこともあって、需給関係と収益の構造が以前と少し変って来ているのかなということがあります。

 


C-4 不定期専用船 - LNG船・油槽船

LNG船輸送船ですが、こちらは前期比ほぼ横這い。LNGについては安定的な収益を見込んでいます。
油層船はもう何年も前から 船腹の削減に取り組んでおります。その結果、額そのものは大きくはないのですが、前期もやっぱり赤字を余儀なくされました。正念場というか、もう一段の合理化が必要かなという風に思っています。

 


C-5 海洋資源開発及び重量物船事業

最後に海洋資源開発・重量物船ですが、これは先程申し上げました様に、オフショア支援船は、今年は非常に堅調なマーケットが続いておりまして、これは期待できるかなと考えております。
重量物船は、残念ですが、非常に競争が厳しい市況が続いておりまして、なかなか黒字は見こみ難い。 従って、色々な合理化努力をして、赤字を減らすということに注力して行きたいと思っています。


簡単でございますけれど、以上で私からの説明を終了させて戴きます。