本日は足元の悪い中、皆さん多数お集まり戴きまして、大変有難うございます。
それでは決算、2011年度決算概要のご説明と次期の見通し、それから続けて新中期経営計画のご説明をさせて戴きます。

 

【2012年3月決算説明】

 

A-1-1. 決算概要

まず第4四半期を見て下さい。
第4四半期、売上はさほど変わっておりませんが、営業損益がマイナス90億、経常がマイナス84億、
当期純利益がプラスの8億と、その前の期の第3四半期に比べますと、大幅に改善しております。
それによりまして、2011年度通期は、ここにございますように、売上9723億、 経常損益がマイナスの490億、
当期純損益、純損失がマイナスの414億ということで、
前回公表しておりましたところの売上9700は23億の増、
経常損益マイナスの540は 50億の改善、当期純損益は126億円の改善、という結果になりました。
第4四半期に入りまして、為替が若干こう円安に来ていること、それから昨年の半ばから徹底しております
構造改革と言いますか、コスト削減が、浸透して来ていることが主な理由だと思います。

 

コンテナ船の運賃等については後ほど ご説明いたしますけど第4四半期の後半から、
急速に運賃は修復しておりますが、 ここの第4四半期のリザルトにはその分はまだあまり反映されておりません。
いずれにしましても、2011年度の第3四半期が最悪期ということで、
この最悪期はもう完全に脱したという風に皆さんにご報告できると思います。

 

あとは特利・特損については、詳しくは申し上げませんが、この通期で2011年度特別利益は156億円。
主として船舶の処分、それから株式の交換差益ですとか、そういうものが主なもので、特別損失はマイナスの158億円。
これは有価証券の売却損、評価損、それから造船契約の変更損、或いは解約損、それら諸々が、
この158億円の特別損失でございます。
特利・特損はほぼ相殺されたということです。

 

A-1-2. 決算概要(事業別売上高・経常利益)

事業別の売上高、経常利益につきましてですが、これはもう通期の方をご覧下さい。
2011年度、コンテナ船3955、不定期専用船 4635億
経常はコンテナ船 マイナス418、不定期専用船はマイナス86ということでございますが、
第4四半期に入っての利益の改善の仕方はここに書いてございますように、
コンテナ船で約30億強improve。
不定期専用船も、第3四半期と比べますと、大幅にimprove しているということでございます。

 

A-2. 通期実績のポイント

通期実績のポイントということで、アイテム毎にこれはいつも皆さんにご説明しているところでございますが、
特に、前年同期比と比較しますと、
下の方のコラムですが、為替の変動、平均為替で 6円98銭の円高とありますが、約7円の円高で、
これによるところの損失の増えた分が79億円。
それから燃料油価格、バンカー代が、前期に比べますと、トンあたり183ドルも高かった。高騰ました。
という燃料油価格の変動により、これも220億円の disadvantageを受けたということです。

 

尤も昨年2011年度の決算で言えば、やはり一番損失の大きな原因は、市況変動と書いてありますが、
コンテナ船のみならず、 バルク、タンカーいずれも市況が大幅に下落したというところ、
これがこの584億円の減益に繋がっているということでございます。

 

大体、ものすごく簡単に2011年度の決算についてはご報告申し上げました。
細いことについては後ほどご質問して戴ければと思います。

 

B-1. 通期業績予想

翌期の、業績予想でございますが
2012年度は上期が売上5400、営業利益はマイナスの10、経常がマイナスの20
下期にimproveまして、売上5800億、営業利益プラス170億、経常利益140億、
ということで、
通期ではここにありますように
1兆1200億、営業利益+160、経常+120を予想しております。
予想の前提は為替レートが通期で80円、燃料代はトンあたり720ドルを前提にしております。

 

ここで、1つ皆さんにご説明しておかなければいけないのは
2012年度につきましては、決算期の関係会社の決算期の変更というのを実施いたします。
これは IFRSの強制適用に備えて12年度から、連結子会社の決算期を
3月に統一する方針で取り組みますので、これで12月決算会社だったものについては
12年度は、15ヶ月間が対象になる、ということでございますので、
その分が少し、ある意味嵩上げと言えば嵩上げになっている。
そこはご理解頂きたいと思います。その影響はどのぐらいあるの?ということですが、
これは非常にざっくりした計算ですけれども、売上で560、経常でプラス40億円程度ということでございます。

 

それからこの通期業績の下の方に各事業部門の予想がございます。

 

まず一番上、コンテナ船ですが、上期につきましては、まだ若干、赤字が特に前半の方で残って、上期はマイナスの20億円。
下期は2nd Quarter には黒字転化をすると見ておりますが、3rd Quarterで 若干その下方修正が入るのかな、という、
そういう見通しを入れているのですが、そういうこともあって下期もやや慎重に見てマイナスの10億円という予想をたてております。

 

不定期専用船については、上期、ドライバルクの上期の市況低迷がございますから、
こちらもやや慎重に見て上期はマイナス10億の予想、
下期には市況改善ということを見込みまして、130億円のプラスを見込んでいる、ということでございます。

 

あとは 特利・特損、これは計画、あくまで計画ということで、
12年度は引き続き余剰船、余剰船というとちょっと語弊がありますけれども、
売却して利益の出る船については売却を一部する。
それから有価証券等についても一部売却をするということで特別利益123億円を見込んでおります。

 

それから特別損失については今回はあまり大きな費用計上を見込んでおりませんが、
一部、できれば傭船解約なども実施する意向はありまして、額的に16億円程度の特別損失を
一部とりあえず今期の現段階の業績予想には見込んでおります。

 

B-2. 通期業績予想のポイント

これが通期業績予想のポイントでございますが、業績予想に際しまして、
アイテム毎の業績予想、やはり 燃料油価格の変更、これは今期も720ドルで見込んでおりますので、 

 

2011年度と比べると、約50ドル高めの設定をしておりまして、
これが業績に与えるネガティブ・インパクトがマイナスの70億円、と。

 

それから 、市況につきましては逆に、前年度と比べますと、
コンテナ船の運賃市況が大幅に改善していること、それから 自動車船につきましても 、
昨年は、自然災害が 頻発して輸送量が大幅に落ち込みましたが、
当期は積高が前年に比べると大幅に回復するということで、 これ
直接市況と言えるかどうかわかりませんけど、要するに収益押し上げの分に当然これはカウントしております。

 

それからコスト削減につきましては、後ほど触れますけれども、
当期に、今期につきましても、引き続きやれるものを実施して行くということでございまして
全社で280億円のコスト削減を計画しております。

 

そういうことで、前年に比べますと、色々あとのアイテムも入れまして、増益610億円を計画しております。

 

次に部門別の業績動向について簡単にお話しいたします。

 

C-1. 部門別業績動向 -コンテナ船-

まず コンテナ船でございますが、2012年度は前期比で増収。
増収して赤字を大幅に縮小させる、する、という予想でございます。
運賃の修復度合いと書いていますが、 この辺については後ほどレポートいたします。

 

加えて運賃は大幅に回復しておりますが、
それに加えて、引き続き、減速航行によって 、燃料費削減を大幅に実施するということに加えて、
いくつかの航路を、不採算航路であった部分を休止或いは撤退をするという そういうこともひっくるめて、
或いは 継続している航路でもやれるだけの色々な合理化策をやって行くということで、
コンテナ船につきましては大幅に改善するという見通しをたてております。

 

積高、スペース、消席率等はここに書いております通りですが、
一番皆さんが懸念されるというか注目されているのは
2012年度の運賃が一体どのくらいになっているのか、ということだろうと思いますが、
細く四半期毎には申し上げませんが、いずれにしても、昨年度と比べると、大幅に運賃は上昇しているというのが現実だし、
それを前提にコンテナ船の収支を見込んでおります。
運賃レベルそれ自体は2008年度のレベルに近づいていますが、
その2008年の収支と比較してぴったりそれで連動するかと言うと
もうバンカー代とか、その他船員費なんかも 大きく上がっていますから、それは
単純に比較すると、若干ミス・リードがあるかなと思います。


 
C-2. 部門別業績動向 -ドライバルクー

次はバルク、ドライバルク部門ですが、
11年度、もう終わった期ですが、その前の期に比べると、増収ではありましたが、減益になりました。
あまり詳しくはディスクローズできないのですけども、減益の結果、
3桁の利益をあげることはできなかったというのが 2011年度。

 

そして 2012年度、今期でございますが、今期も船が増えるので、増収は増収だと思います。
増収を見込んでおります。
ただ、利益水準、利益の額については、ご承知のように
ドライバルク25年来の市況低迷というのが、この2月にありまして、 そこから比べますと、
今徐々に回復はしておりますが、回復のテンポが緩いので、12年度は、11年度と比べると

 

若干、減益になるかな、という予想にしております。
マーケットの前提はここにありますように
ケープ型が上期14500ドル 下期23000、通期で 18750
パナマックス上期12000 下期15000 通期13500。
ハンディも同様。
スモールは上期 9500 下期12000  通期で10750と、
こういう前提で予想をたてております。

 

足元との比較で言うとケープだけがちょっと乖離しているかなと。
逆にパナマックスは この水準を上回っているということなので、セクター別にでこぼこはありますけれど、
最終的には、ここで見込んでいるような収支は、達成できるのではないかという風に考えております。

 

C-3. 部門別業績動向 -自動車船-

次が自動車船でございますが、
もう昨年のことはあまり言ってもしょうがないので申し上げません。
今期は 先ほど申し上げました様に、積高が大幅に前年度比増えて、もう明らかに増収・黒字ということになります。

 

輸送台数、ここにありますが、2012年通期予想「往航」と、ありますが、
日本から出て行くという、そういう風に見て戴いたら良いのですけど、125万台。
前年は101万6000台ですから大幅に増える。
それから、復航についても、ドル安ユーロ安で中国向けに割合高級車が輸送されるという、
そういうことの恩恵を受けます。
三国間も当然増えて行くということで、輸送台数、2012年見込みが、370万台ということを見込んでおりまして 、
これによって収益は大幅に改善するという風に予想しております。

 

C-4. 部門別業績動向 -エネルギー資源輸送・重量物船事業-

最後ですが、エネルギー資源輸送、重量物船事業、このセクターですが、
当社の場合はこのセクターは、他の邦船2社さんに比べると、うんと事業規模が小振りでございますが、
ということで、市況は相変わらずあまりぱっとしないのですけれど、
そういう意味ではあまり大きなダメージは受けておりません。
2012年度についても、油槽船、タンカーについては市況の回復は当分望めないという風に見立てておりまして、
タンカーについては引き続き減量経営を続けて行くと、それから、
LNG船は、マーケット 絶好調ということでございます。
そういうことで、何隻かLNG船のフリー船がございましたが、
これらは、私どもはスポット市場を追いかけるのではなく、中期的、3年から5年ぐらいの高レート契約を
何隻分かですか、既に契約しまして、スポットで動かしている船はございせんが、
そういう高レートの契約に現在投入しておりまして、2012年度は、収益に貢献するセクターに変わりました。

 

それからオフショア、リグの活動を支援するオフショア支援船は、
こういう 原油相場が非常に高いところに張り付いておりますので、
その採掘、リグの稼動は、非常に高まっておりまして、それを支援するこのオフショ支援船事業は
今期は相当に堅調に行くだろうと見込んでおります。

 

以上、通期の見通しをご説明申し上げました。

 


【中期経営計画 説明資料】

 

引き続きまして、中期経営計画の見直しをご説明させて戴きます。

 

スライド2 これまでの振り返り

 

まず、今回何度ももう見直しておりますので、またか、という ご意見があろうかと思いますので、
その背景をまず お話しさせて戴きます。このスライドにございますように、
2008年度から、一年毎に儲けて、或いはその翌年は巨額の赤字を出すというのを繰り返しております。
こういった状況はやはり事業会社として如何なものかというご批判、当然あると思いまして、
その辺りをどのように反省し、総括し、こういうことの無いように、
もう少し安定した経営をやるための、方針の転換が必要ではないかと、
こういうことを考えまして、今般、再び中期経営計画を策定することとなりました。

 

スライド3 “K”LINE Vision 100と見直しの変遷

 

今 申し上げました見直しと変遷、簡単に書いてありますが、
まず最初に経営計画、中期経営計画をたてたのが、2008年の4月の”K”Line Vision100というものでございます。
これ2008年の4月と言いますと、もう殆ど海運市況のピークの頃。
ですから、そういった時代背景につくった経営計画で、その年の秋に、リーマンショックから金融クライシスが発生し、
それが実体経済に強烈な影響を与えて カーゴが大幅に減った、ということがありまして、
これはイカン、ということで、その翌々年の2010年の1月に、そういった状況に緊急的に対応するようなプランに
リバイスしなくちゃいけない、ということで、2010年の1月に一旦緊急対応をメインにした計画を立て直しました。
それで 当分その方針で粛々とやっておりましたが、2010年度に入りまして 、
景気が一次的に、今から思うと、回復し、荷動きが大幅に伸びるということがありまして

 

市況もコンテナ、バルク共にかなり良い水準で2010年度は戻りました。
ということで、それ、緊急対策対応ばかりじゃいかんだろうということで
本来の計画である持続的成長に向けた、そこに少し舵を戻しました。
経営計画を立てる、立てよう、ということで昨年4月に”K”Line Vision 100―新たな挑戦―というものを
発表させて戴いたわけです。
が、しかし我々の見方とは全く市況が反対の方向に振れまして、それは全く予測していなかったわけじゃないのですけれども、
新造船の大量竣工というのが各セクターで続きまして、それが一気に運賃の下落にどの分野もつながったという、
そういう背景が昨年はございました。
加えて 震災の影響とか色々なことが一辺に起こりました。
円高もある、それから燃料油高も何度も繰り返しますが起きた、ということで
やはり事業環境は極めて厳しいというその認識の下に、もう一度この厳しい事業環境のこの時期を 乗り越えて克服して

 

次の”K”Lineの安定成長戦略に向けての橋渡しと言いますか、そこへ到るまでの
しっかりした計画を作ろうじゃないかということで、
今回”K”Line Vision100 Bridge to the Futureと称しまして、ここにありますように、
市況の変動や不透明な事業環境への対処を如何にあるべきか、ということ
そして構造改革を、継続的に行い、安定収益基盤を一層拡大させると,
そして市況変動に堪えられる強い体質に劇的に変えて行こうという、こういう思いを込めて、
このBridge to the Futureという新プランを今般作成いたしました。

 

スライド4 現状分析と課題

 

長々と色々お話しましたが、現状分析、課題 ここに3つ挙げています。
市況変動の 収益への影響が極めて大きい事業は、勿論コンテナ船以外にもあります。
そういった部分もあるのですけども、それを 先ほど申し上げた様に
いかに変動リスクを 回避できるような、そういう 会社に変えて行くかということが1つ重要な課題。
それから現状の分析で言いますと過去の投資が、やはり、一言で言うと課題であったということ、で、そういう
投資の資金負担が今重くのしかかっているこの現状をしっかり認識しよう
それから3番目には先ほどのスライドにありました様に過去2回の大きな業績の低迷を受けて
財務体質が相当に悪化したと、これはやっぱり立て直さなきゃいけないなと、いうのが
現状の分析で、この、その分析に基づいて 、3つのテーマ。これを何としても成し遂げるというのが
今回の中計の骨子でございます。

 

その1は 2012年度経常損益を黒字化すること。
2つめは安定収益体制を構築すること
3つめは財務体質を強化すること、
でございます。
         
スライド5 中期経営計画の新たな達成目標

 

中期経営計画の新たな達成目標ということで、数値化することがわかり易いので、
財務指標のところをご覧下さい。
2011年度と2012年度、こういう対比でございますが、今回から外国の会社などがよく使う
EBITDAですか、これもご参考までに付けております。
経常利益については先ほど、2012年度 120億円と申し上げましたが
13年度 390、14年度 600ということで、徐々に利益は増やして行く。そういう方針です。

 

自己資本比率、11年度末 23%で下落しましたけれども、2012年度は、経常利益、この程度の経常利益ですので、
利益準備金が大幅に積み上げられるということではございませんので、
12年度の自己資本はそれほど、改善はしませんけれど、いずれにしても11年度を底に自己資本を厚くし、
自己資本比率を高めて行くと。
14年度には30%にまで回復するというのを目標に掲げております。

 

スライド6 課題達成のための取り組み

 

スライド7 2012年度経常損益の黒字化

 

次に、スライドが2012年度経常損益黒字化への道というのを、アイテム毎に見易いビジュアルな表に纏めました。
2011年度がマイナスの490億円から2012年度のプラス120億円に変わって行くその中身を、
ある程度括って、見易いようにこの様に表にいたしました。

 

真中ほどにありますコスト削減、これが、280億円。
今年もコスト削減をすると。その内の205億円がコンテナ船で、その残りはその他の事業分野。
もう一つが、マーケット改善していますというご報告もしましたが、市況等による収支の改善は、これは、
全部門合わせてですが、185億円を見込んでおりまして、この市況の回復とコストの削減、
この両輪 この合わせ業に、と新規事業ですとか、諸々の要因を加えて、昨年度と比べると、
610億円の改善を図るというのが今年度の目標でございます。

 

スライド8 コスト削減の徹底

 

コスト削減の中身について纏めました。
コンテナ船が 2011年度、昨年も、構造改革や 運航コストの削減で、150億円削減しましたが
今年度 新年度も、205億円のコスト削減を実施いたします。

 

不定期専用船、これも昨年度67億円の削減に対して 今年は不定期専用船については、それほど
削減できるアイテムが、コンテナ船事業ほど幅広くないということもあって昨年並みの60億円の削減を、実施いたします。

 

それから一般管理費についても 、今年度は対昨年度比で15億円の経費削減を行います
これは一般管理費ですから、人件費物件費等の項目ということでございます。

 

スライド9 コンテナ船事業の構造改革

 

それから、コンテナ船事業の構造改革、まずコンテナ船事業の当社における位置付け
皆さんいつもご質問される点でございますが、これに対してごく簡単ですが、
コンテナ船は我々は今後も、世界的に需要拡大が見込まれる成長産業、成長分野だという風に見ております。

 

それからコンテナ船をやる、事業を継続することによって、ここに文章では幅広い事業基盤による付加価値創出、
とこのように書いていますが、自動車船事業を続けようと思えば、やはりコンテナ船も、と、両輪になってやって行くという
このシナジー。
それから、この中計でも、述べておりますが、我々は今後物流事業を強化して行くという方針でございますので、
その意味でもコンテナ船事業の位置付けは当然必要だということであります。

 

これからの事業方針、今後も一定の事業規模は維持します。
ただ、マーケット・シェアをもうこれからどんどん狙って、マーケット・シェア拡大を狙って行く、
そんなことは 全く考えておりません。あくまで収益性を重視するという方針でございます。
それから 損失拡大リスクを抑制できる事業運営というのは、
これは急にできることじゃないのですけれども、例えば 船腹の調整、需給調整、
つまり 市況が悪くなればさっと引き上げられる、 そういった部分をある程度、そういう体制を今後作って行きたい、と、
そういう意味でございます。

 

スライド10 コンテナ船事業 事業環境見通し

 

次のスライドは、コンテナ船事業環境の見通しですけども、上に書いてありますように、
荷動きについては、対前年比オールオーバーで 7%の増加はあるでしょうと。
ただ 欧州航路については、2-3%、北米は4-5 %とそれほど強気のカーゴグロースの 設定は、
見通しは持っておりせん。そういった状況が、しばらく続くのではないかということです。
それから供給の方書いてありませんが、 供給については皆さん既にご存知のように、12年、13年、14年と
引き続大型コンテナ船が市場に投入される「予定」になっていますので、それらが出て来ますと、
供給は非常に圧力は強いということになりますが、

 

それはそれで、コンテナ船会社がそれぞれ知恵を働かせて、
運賃を下落させない、という そういった意志が、当面は続くという風に思っております。

 

スライド11 コンテナ船事業 構造改革の取り組み

 

それから、次がコンテナ船事業構造改革の取り組みとありますが、ポイントだけ申し上げますと、
弊社は、省エネ大型化、と航路整理とありますが、省エネ大型化というのは、うちの場合は8600TEU型5隻
今年出て来ますので、それのことを指しております。
それを欧州航路に投入して、これで欧州航路に入っていた船を 、他の航路に転配するということで、
相対的にそちらの方が大型化ということになりますので、ユニットあたりのコストを下げて行くということであります。

 

それから不採算航路の整理については、先ほどちょっと触れましたが、色々やっておりまして
この収支改善効果も35億円ですか、見込んでおります。
コスト削減についてはこれは、もう継続的に行って行くということ。
それから事業規模がこの箱の中に書いてありますけれども、隻数のところをご覧下さい。
2008年度、 98隻、2011年度79隻、これを徐々に傭船切れの船を返して行く等々で
2014年度、中経の最後の年度には隻数は66隻。
ただ、大型船が入って来ますので、スペースはあまり変更はございません。
積高については、 大型船を転配する航路などでは、積高は増えて行く、それから、
配船も効率を、効率化を極めるということで、積高については少しづつ増えて行くと、増やして行くという
そういう方針で臨んでおります。

 

スライド12 コンテナ船事業 構造改革による改善効果

 

その次にコンテナ船事業の構造改革による改善効果、もう数字だけを申し上げますと
2012年度で105億円、13年度で120億円、2014年度で145億円それぞれ見込んでおります。

 

スライド13 ドライバルク事業 事業環境見通し

 

次は、ドライバルク部門ですが、こちらの方も 、新造船の供給圧力引き続き非常に強いです。
・・ということですが 数的には、恐らく、昨年2011年がピークになるんじゃないかと。
しかし2012年も引き続き多いのは紛れもない事実。
2013年以降に、2013年は、かなり竣工量は減って行く。
14、15と、相当数減って行くということで、市況の転換というのがどこかというのは非常に難しいですけれども
12年度の後半から我々は今の落ち込んだ市況は 回復局面に入り
本格的、 本格的と言ったって かつてのような市況になるとは もう考えておりませんが、
十分利益がのる程度の市況に回復して行くというのは13年以降かなという風に思っております。

 

バルクの中でも大型・中小型それから電力炭やチップ船とそれぞれ特色がありまして、
基本戦略だけ申し上げますと、大型船については 、国内外の既存契約、これを勿論維持するし、
それによって安定収益を確保する、それから海外顧客を中心に、新規の中長期契約を今後も獲得して行って、
収益、安定収益基盤を拡大する。
中小型船についてはある程度のフリー船はあるのはこれは 需要に応えるためには当然。
無ければやっている意味もありませんし、ある程度のフリー船を持ちます。
ただ、できれば中長期の契約を積み上げて行って、マーケット・エクスポージャーは適正なエクスポージャーに
抑えるという、そういう管理を徹底して行きたいと、
それから電力炭・チップ船については従来通り営業を強化して、安定収益基盤の源泉とするという方針でございます。

 

スライド14 ドライバルク事業 位置付けと取り組み

 

次、これも、バルクですが、位置付けと取り組み。
位置付けも改めて申し上げることもありません。安定収益拡大の部門の1つがドライバルク事業。
そして船隊整備と言いますか、船隊の、規模を維持するかということについてですが、
2011年度末は236隻の運航隻数。これを、これは5年のプランで書いてありますが、
これから向こう5年くらいの間に大体300隻くらいまでに増やして行く、というのが大きな構想でございますが、
ただ、何でもかんでも毎年一定に船を増やすなんてことは全く考えておりませんで、
特に大型船や電力炭船や、パナマックス等については、できるだけ、まず契約を確保してから、
船を発注する、傭船する、そのような方向で進めて行きたいと思っています。

 

スライド15 自動車船事業

 

次が自動車船事業ですが、
何度も申し上げますが、昨年は震災の影響、それから世界各国の不況の影響で伸び悩みましたけれども、
今年度は、アメリカ向け、新興国向けを中心に自動車輸送が伸びて参ります。
その傾向は、13年以降も続くだろうと、特に新興国向けの完成車の輸送は、これは強気に見て良いと思います。
それと加えて、生産拠点、日本のメーカーさんの生産拠点が、日本からタイ、或いはインド、或いは メキシコ、
或いはその他のインドネシア等へ、これから分散して行く傾向が強まります。

 

で、そういったところで、できた車がどういう市場に輸送されるのかというのが、
これから一番 注目して行かなければいけないところで、我々もそういうトレードパターンの多様性、変化に、
十分対応できるような体制を作って行きたい。
それから、船腹と貨物の需給バランスは今非常に良いと言いますか、良いと言うとちょっと語弊がある。
むしろ足りない。船腹が。ということで、市場から若干足りない分は傭船ましたりしております。
そういうことで、次にKラインの成長プランの中で、建造、まず最初に着手すると言ったら、
多分自動車船になるんじゃないかという風に考えておりますが、今のところ具体的な計画はありません。

 

それと新しいビジネスモデル・事業基盤の拡大、と、ここに書いてありますのが、ちょっとわかりにくいですけど、
非自走貨物の取り扱い拡大ということです。 非自走貨物というのは、RO/RO貨物。Roll On Roll Off。
自分では走らないけれど車両の大きなやつをそういうのを最近は
積極的にチームを作って集荷するようにしておりましてこの部分を今後も強化拡大して行くということです。

 

スライド16 エネルギー資源輸送事業

 

あと最後にエネルギー資源事業について、もうあまり時間がございませんので、
この辺は、簡単に素通りさせて戴きますが、 こちらも、今、タンカーは市況が非常に悪くて、
こちらをあまり強化するということは考えておりません。むしろタンカーについては、当分減量経営を続ける。
それからLNGは先ほど申し上げましたように、将来性が非常にあるという分野ですので、 、
今後色々入札の機会がありますので、それらの新契約獲得に注力して行きます。
契約を獲得することを前提に、新造船を発注するという風に考えております。

 

スライド19 投資方針

 

ちょっと端折りましたが、
投資方針 ここ、スライド、投資の方針につきまして、2012年度以降、投資規模は500億円に抑制します。
つまり償却の範囲内ということでございます。
投資の抑制により資金収支を改善させまして、有利子負債を圧縮する。
財務基盤を強化するというのがまず第一の目標。
それから、投資をする場合は何度も申し上げますが、安定収益、高収益が望める分野に厳選をするということです、
投資キャッシュフローはここにありますように
12年度、13年度、14年度 それぞれ500億円以内ということなので、
前回にお知らせしたものからは大幅に金額を削減しております。
船隊の規模については、この下の方に書いてある通りでございます。

 

スライド20 損益見込み推移

 

スライド21 財務指標推移

 

財務指標の推移、こちら。これも 申し上げましたがもう一度繰り返しますが、
自己資本を、2011年度の2426億円、 これを底に、厚くして行くということで、14年度には3300億円 まで積み上げる。
逆に有利子負債は11年度末5925億円を4900億円まで削減する、ことによって自己資本比率は30%を回復する、
というシナリオでこの新中期経営計画を立て、これを必達の課題、目標として、今後経営をして参りますので、
どうぞ皆さん宜しくご支援のほど 宜しくお願いします。