皆さんこんにちは。朝倉でございます。
 それでは決算説明会を始めさせて戴きます。

 残念ながら今回の決算は、捗々しい結果とはなりませんでしたが、
 新しい事務所に移りまして、心機一転、
 下期以降、業績の改善に努めさせて戴きますので、引き続き宜しくお願したいと思います。

 
A-1.  決算概要

 

 ではスライドのA-1、決算概容でございますが、セカンド・クォーターの実績、
 売上高2,528、営業損益マイナス85、経常がマイナス115、
 当期純損益がマイナスの149ということでございます。
 第1四半期に比べて経常損益が、若干更に悪化している状況でございます。

 この上期について概観をすればですね、
 コンテナ船のみならず、バルク船、それからタンカー、この3部門で市況が大きく下落しました。
 加えて超円高が続き、更には燃料油高、それに加えて今回は株安もありまして評価損が膨らみ、
 当期純損益のところで大きな損失が出ました。
 
 更にもう1つ言うならば、これは第1四半期でございますが、東日本大震災の影響で
 自動車船事業で不稼動の船が続出し、 赤字が嵩んだ、ということでございます。

 ここにコンテナ船、不定期専用船、その他とありますが、
 コンテナ船については第1四半期の78億円の経常損失、
 第2四半期は105億円の経常損失ということになりまして、
 当初私どもは夏場のピークシーズンを迎えて運賃の値上げ、修復ができるという前提で
 事業計画をたてておりましたが、 残念ながらこれが私どもの予想通りにはならなかった。
 むしろ運賃については、セカンド・クォーターに下落傾向が見られたということで、
 期待を大きく裏切る結果になった、ということでございます。
 
 コンテナ船については、後ほど私の説明が終わった後、村上の方から更に詳しく
 ご報告させて戴きます。
 それから不定期専用船等については、若干の赤字ということで、ほぼ期初の計画通り、
 これは進んでいるということでございます。
 
 この1番下の欄に書いてありますが、
 前年同期と比較した時の為替ですね、9円46銭の円高。
 それから燃料油価格が188ドル前年同期比で高かった。
 この2つの影響で、為替で52億円の悪化、燃料油で113億円の悪化と
 この2つの要因も、なかなか苦しい事業運営に繋がったということでございます。


 A-2.  上期実績のポイント

 

 次は上期実績のポイントですが、今既にご報告申し上げた様に、前年同期比で、
 為替、バンカー、それについては、数字がマイナス52億、マイナス113億と出ています。
 加えて 市況変動と言いますか、要するに運賃の下落部分が対前年同期比ではどれだけ減ったか
 と言うのがマイナスの364億円。
 それから営業規模というところで、自動車船の積高減マイナス38億とありますが、
 これが、震災の直接的な影響だという風に考えて頂いて宜しいかと思います。
 それからあれやこれや全部入れますと前年同期比では、631億円の悪化をしているという、
 これが前年同期との対比でございます。


A-3. 通期業績予想
 
 次、通期の業績予想ですが、上期は今申し上げた様な状況で終りました。
 下期に、何とか巻き返しを図りたいと考えております。下期の計画の前提は、
 為替レートが77円、バンカー価格がトン当たり650ドルという前提で、下期の計画をたてております。
 
 下期は売上高が上期と比べて若干微減でございますが、ほぼ同等の4940億円、
 営業利益がマイナスの116、経常がマイナスの187、当期純利益がマイナスの134億円、と、
 これを見込んでおりますが、 第3四半期、第4四半期で比べますと
 経常利益ですが、第3四半期がマイナスの158、第4四半期がマイナス29ということで
 第3四半期を最も業績が落ち込むところという風に私どもは考えております。

 第4四半期は、コンテナ船で現状より若干の修復が見込まれること、それから油槽船、タンカーで
 不採算船の処分を積極的に進めること、それからドライバルク船で市況が持ち直していること、
 これらを見込んで第4四半期は、回復に向かうと見ております。
  それを計画に織り込んでおります。
 

A-4.  通期業績予想のポイント

 

 次はA-4で通期業績予想のポイントということで、それぞれのアイテムワイズに書いてありますが、
 これも前期との比較で色々書いてございますが、これは後でご参考までに読んで戴きたいと思います。

 この前のページのA-3の各事業部門別について若干コメントを致しますと、
 通期業績予想に関しては、コンテナ船の赤字を通期でマイナスの340億円と見込んでおります。
 それからあと、自動車、エネルギー資源輸送、それから重量物、その他を加えてマイナスのセクターが、
 190億ありまして、一方プラスのセクターは、ドライバルク、それから内航フェリー、物流。
 こちらで通期の見込みですが、約140億円のプラスを見込んでおります。
 差し引きで390億円の経常損失。こういう見通しでございます。

 

B.  部門別業績動向
 
B-1. 部門別業績動向 -コンテナ船-

 

 まず最初にコンテナ船の業績動向。
 先ほど簡単に申し上げましたように、この上期は、夏場のピークシーズン・サーチャージの課徴、
 それからまたGRI、値上げが不調に終わりました。
 その運賃値上げができなかったということは、赤字の大きな要因。

 加えて、需給バランスですね。スペースがやはりこの上期の伸びは非常に大きかった。
 それから、残念ながら荷動きの方は、特に欧米の経済の不振ということが原因だと思いますが、
 特にアメリカ、北米航路では6月以降、対前年比で減少していることもあって、
 更にその需給インバランスを激しくした。
 欧州航路については、荷動きそのものは若干伸びてはいますが、やはり大型船の投入によって、
 明らかに供給過多に陥っているというのが現状かと思います。
 コンテナ船につきましては後ほど村上より詳しくご報告させて戴きます。
 
 
 B-2. 部門別業績動向  不定期専用船 -ドライバルク-

 

 次、ドライバルクですが、市況について。市況見通し。
 まず2011年、今年度の上期のところを見て戴きますと、
 ケープ型で最初のファースト・クォーターについては 8600ドルと、
 運航採算を大きく下まわるレベルで推移しましたが、
  第2四半期に入り若干改善して参りまして、第2四半期は17100。
  それから サード・クォーター、足元では3万ドルをちょっと切っているかと思いますが、
 一応我々の計画の前提は24000ドルで見ております。 第4四半期18000。
 パナマックス、 ハンディについても、ここにありますように、ほぼ第3四半期、第4四半期は
 現状足元、或いはそれより若干下のレベルで下期の計画を立てております。
 
 ドライバルク部門については、比較的中長期の契約でマーケットのエクスポージャーが
 あまり高くないということもあり、それなりの利益は下期も確保できると考えております。
 

 B-3. 部門別業績動向  不定期専用船  - 自動車船-
 
 自動車船部門ですが、こちらは先ほど申し上げました様に、
 第1四半期は東日本大震災の影響がありまして、輸送台数が大きく減少、
 これが残念ながら大きな赤字に繋がりました。
 第2、第3四半期については、日本の自動車メーカーさんの努力もあり、
 積高の方はかなり改善を致しました。
 従いまして 業績の方も、徐々に回復して参りましたが、 第2、第3四半期いずれも、
 ほぼトントン、或いは若干の赤字かという程度まで回復ということでございます。
 従いまして本格的な回復は第4四半期からということで、事業計画に織り込んでおります。
 
 しかしながら再びタイの洪水の問題、これが新たに懸念材料として出て参りまして
 これがちょっと、どの程度影響するのかについては、現状まだはっきりとしたことは
 申し上げられませんが、若干影響が出ざるを得ないかな、という風に見ております。

 タイ積みの自動車輸送について、下期、当初の計画は10万台、我々が運ぶ前提にしておりました。
  これはずっとこれまでの実績から言うと、十分このくらいの貨物は頂いていたのですが、
 これが2-3ヶ月工場が稼動しないということであれば、最悪半分くらい減ってしまう恐れがあるということです。
 
 しかし、 これについては色々な対策を既に打っておりまして、これは村上が後で報告しますが、
 余剰船を市場で貸船するという様な手は打っております。
 

B-4. 部門別業績動向  不定期専用船  - エネルギー資源輸送・重量物船事業-
   
 では最後に エネルギー資源輸送を中心にお話ししますと、
 ここに2011年度第1クォーターから市況が書いてありますが、
 VLCCが第1四半期でWS(ワールドスケール)54、 第2四半期で47。 

 第3四半期の見込みは46と書いてありますが、もうこのセカンド・クォーターの
 47WS(ワールドスケール)というレベルでは、もう全く何も残りません。
 燃料費が650ドルという高いレベルでのWS(ワールドスケール)47は、
 デイリーのアーニングが精々2-3000ドルです。
 もう停めていた方がましだというレベルでのマーケットでございます。
 アフラにしてもクリーン船にしても、大なり小なりVLCCと似た様な市況の状況が続いておりまして、
 弊社ではそれほど大きな船隊も無いのですが、その船を動かせば動かすだけ損失が膨らむということで、
 私どもはこのタンカーに関しては、当面、マーケットの回復は望めない、という判断をしまして、
 不採算船ということで、もう損切りー損切りってことではないですね。
 売船によって若干の益は出ていますけれど、当初期待した様な益は出なかったと、
 そういう意味ですが、それよりも処分をして運航損を減らすことの方が重要であるということで、
 もう業界誌等で報道されていますが、VLCC1隻、アフラマックス2隻、これの売船を
 この下期に実施することに致します。
 
 あとはこのオフショア船というのがあるのですが、海上のリグですね、石油リグ、これを支援する
 そういう類の、小さな、馬力は大きい、船自身は小さいのですが、そういう船。
 特殊な船のセクターでございますが、 ここのマーケットが10月に入り急上昇しております。
 今ヒストリカル・ハイのレベルをつけており、私ども今年から新規にこの事業、本格的に参入した訳ですが、
 こちらについては当初想定していたよりも業績が上向くのではないかという風に思います。
 
 あとは重量物船につきましては欧州の経済はこの様な状態になっておりまして、
 若干荷動きが、特にファイナンス面等が一番ネックになると思うのですけど、
 そういうプラント類の輸送についてはしばらく、ちょっと停滞するのではないかな、ということで
 若干の懸念をしておりますが、こちらについてはもうちょっと中長期的な目で、長い目で見て、
 比較的ニッチな分野でございますので、今後やって行きたいと思っております。
 
 それじゃコンテナ船について、村上専務から。
 

【村上専務】

 

 概容は先ほど社長の朝倉の方からご説明申し上げた通りなのですが、
 後でご質問も出ようかと思いますので、その前にちょっと数字の方も
 理由も纏めて言っておきたいと思います。
 
 それで、上期の実績ですね。
 経常でマイナス183億の赤字になっていますが、これが前期比、
 10年上期がプラス256ということだったので、マイナスの439億の下振れということです。
  
 それの大きな理由は、約3分の1が燃料代の高騰。
 10年の上期が約460ドル/トンでした。それで今年の上期は約650ドルとこう、
 190ドル近い値上がりということで、この辺が効いています。
 それとあとは平均運賃。運賃の部分が3分の1と、もうこの二つに尽きます。

 それで7月の公表比。公表の時が、マイナス115ということで公表させて戴いたのが
 実績 マイナス183ということなので、これが68億の下振れ。この部分はもう運賃の下振れ。
 予想が当たらなかったというところ。
 先ほど朝倉の方から申し上げましたピークシーズンサーチャージの課徴その他値上げの部分が
 不調に終わったところが大きな原因です。

 それで下期の方に入りますが、下期は今回、マイナスの157億円の赤字になっています。
 それで、 今後これなかなか、欧米の景気が非常に不透明なところがありますので、
 先ほど朝倉の方からも申し上げました通り、前半は欧米強かったのですけど、後半に入って
 どんどん前期比から3%-4%のマイナスになって来たり、欧州も落ちて来ています。

 それでトレード・グロースは、
 この通年で見ますと、多分北米が0からマイナス1-2%。前期比ですね。
 欧州が3ー5%。これはプラスです。前半の方は7-8%ありましたから、
 それがどんどん下がって来ているので、平均するとそれぐらいになって来る。
 こういう風なことになっておりまして、だからこの辺の荷動きのところ、
 それから、今後減便CKYHでも減便をやる予定にしていますが、
 色々な業界誌、業界の噂等々聞きますと、かなり減便して来る。
 こういうところで来年、リーマンショックの後もそうだったのですが、
 1月から、要は旧正月の前から上がって来るところがどの程度できるか、
 というところが、これがポイントになろうかと思います。

 それで下期の、先ほど申しましたマイナス157、ここの内訳、例えば前期比から言いますと、
 前期がプラス33でしたので、 約190億の下振れ。
  これも先ほども申しましたが、バンカーと運賃の差がそのままに出ています。
  それから、7月の公表から比べますと、公表のところが下期プラス10と言っていましたので、
  約167億の下振れ。これも運賃の見通しの差というところに尽きます。

 

(以上)