それでは上半期の決算発表をさせていただきます。

 

A-1-1. 決算概要

上期実績、売上、5,204億円。営業損益、真中の欄でございますが、500億。
経常損益428億、当期純損益263億円と、第1四半期の公表時を純損益で13億円上まわる、売上高につきましては154億円を上まわる実績をあげることができました。

 

このまま推移をして行けば大変良いのですが、下期については後程もう少し細かく見通しを申し上げますが、やはりご想像の通り、円高が効いており、若干売上高については予想した程の伸びをしておりませんが、幸いに、純損益につきましては、想定をしたものを13億円上まわる結果をあげることができました。

 

因みにそのまま下のところにございますが、上半期の為替レートにつきましては、89.70円と、今日現在81円、80円を前後しているマーケットに比べると結果的にはかなり円安で推移したところです。

 

同じく燃料価格の実績が 468ドルで上半期を終えることができました。
これをこのまま下半期の見通しとしては、円を80円、バンカーについては470ドルで推移するであろうという前提で、下期の見通しをたてております。

 

A-1-2. 決算概要(事業別売上高・経常利益)

次に、次のページに参りますが、もう少し細く、今度は部門別に見ますと皆様一番いつもご関心がありますコンテナ船につきましては、経常損益が256億円と第1四半期発表時に比べて56億円の上振れが達成できました。

 

これはひとえに運賃回復を私どもが、若干あの時私自身がご説明申し上げましたが、ピーク・シーズン・サーチャージについての達成率を少し保守的に見ております、と言った部分が、予想通りと言いますか、期待を込めた数字がとれた、ということの上振れが、ほぼこの56億円の上振れのご説明になると思います。

 

一方不定期船部門につきましては、まるで測ったように、発表通りの170億円ですが、一部出入りがございました。
これにつきましては、後程もしご質問があればお答え申し上げますが、営業的にそれ程悪くなったわけではなく、ひとえに、円高の影響が、一部営業を拡大し、努力をした部分を喰われてしまって結果としてプラス・マイナス ゼロになった。かつエネルギー部門で先行投資をしていた円の借款その他が少し足を引っ張ったところで、結果的には公表数値と同じものになりました。
従いまして上期実績についてはコンテナ船の上振れが、そのまま影響が出て来た、という数字になっていると思います。

 

A-2. 上期実績のポイント

続きまして上期実績のポイントとしましては、今申し上げたように、上から3つめ市況変動要因の、コンテナ船の運賃の修復のところが一番大きく効いて来ております。
またバンカーの変動については、私どもが考えていたよりもバンカーが少し高く推移したところは、残念ですがそういう実績になっております。

 

B-1. 通期業績予想

次に2010年度の通期業績予想につきましては、ここに出ておりますように、左から3つめのところ、 売上高につきましては、下期はやはり、特にコンテナ船と、若干弱含みで見ざるを得ないバルカー・トレードを反映いたしまして、上期の売上げが5,204億円でございましたが、下期につきましては4,646億円。若干、1兆円には届かない、9,850億円の売上高が達成できるものだと、これはまず間違いないであろう。かつ先程申し上げましたように、円を80円で下期は見ておりますので、収入で1円の増減で約40億円のアップアンドダウンですので、もしも85円に逆に円が安くなると売上高については約200億円程上積みされて、1兆円が達成されるかもしれません。

 

これは飽く迄ご参考ですし、営業努力には関係無いところですが、かつ経営指数として、私自身としては今期あまり売上高を1兆円に持って行きたい、というよりも何とか昨年度の赤字から黒字にまず転換したこの黒字を継続して持って行くところの方が重大ですので、飽く迄参考としてのご披露です。

 

営業利益につきましてはそのまま下の690億円、経常利益550億円を見て、それが当期純利益320億円になるであろうと見ております。この内そのまま下の表ですが、コンテナ船につきましては、上期が256億円の経常損益に対して下期は64億円をあげるだろう、というか、この程度の実績に終らざるを得ないのではないか、と見ております。

 

これについては、堅すぎると見るか、割合慎重に見ていると見るか、この辺は質疑応答のところでご説明ができるかと思います。

 

不定期船その他の部分につきましては、上期170億、下期については55億円の実績があげられるだろう、この辺りは堅いだろうと思っております。

 

合計、下期については122億円、一番右端の通期で550億円の経常損益をあげると予想をしている、と言うより、こういう風に持って行きたい、と決意をしている次第でございます。

 

B-2. 通期業績予想のポイント

そのまま次のページに行きますと、私どもの予想のポイントとしましては、上から3つめですが、市況の変動、コンテナ船の運賃修復が前回公表値に比べて156億円の改善をしたところで、前期比はそのまま下のコンテナ船の運賃修復というところがやはり一番大きく貢献したところが、全てを説明しているのではないかと思います。

 

B-3-1. 部門別業績動向
コンテナ船

もう少しコンテナ船のところ続いて行きますが、真中の上期、2009年度の積高のところ、北米の往航が33.9万TEU、欧州の往航、アジアから欧州ですが、23.1万TEU。これは真中の辺ですが、それを一番そのまま右に持って来て頂いて、どんな実績だったかというのが今年度上期が34.5万TEUを北米に運び、25..7万TEUをヨーロッパに運んだ、ということで昨年度、2009年度と比較して積高そのものは、損益程大きく改善をした訳ではない。

 

即ち、運賃修復がやはり一番効いているのが、ここでご説明申し上げたいところです。さはさりながら、昨年度の落ち込みが余りにも激しかったので、それなりに北米もヨーロッパも、一般的な景気が色々伝えておりますが、それなりに順調な海運全体としては、コンテナ船については比較的順調な貨物の回復も見られた。それに合わせて私どもも少し改善した積高になっておりますし、消席率については、昨年400億を越える構造改革費でかなり身の丈を縮めた船隊構成にした結果、一番右端の下ですが、消席率が99%、欧州についても97%、国慶節明けの今日現在を捉えても、殆どこのような数字で、当社に関してはほぼ満船に近い状態で推移しております。

 

従いまして、11月から12月について、マースクさんでありグランド・アライアンスさん等が一部減便を既に発表されておられますし、私どもについても必要であれば昨年度の経験則から既に、必要であればどこですぐ係船できるという体制は持っておりますので、もし荷物が大きく落ち込んだ場合には当社としても遅滞無く、コールド・レイアップとまでは考えられなくても、少なくとも即一便でも、或いは数週間便を減らすような対応でできることは、常に検討している状況でございます。

 

B-3-2. 部門別業績動向
ドライバルク

続きまして、ドライバルクの方は、一番右端の表のところを見て頂いた方が、全てが説明できるのではないかと思いますが、上期の実績としてケープは33,150、これに対して下期の見通しは若干慎重に30,000ドルで推移すると見ております。

 

これにつきましても前回からご説明申し上げておりますように、当社はケープについては10%くらいのマーケット・エクスポージャーですので、 フリーが360日くらいですので、 4万ドルに振れたとしても、あまりケープのマーケットそのものが、下期のドライバルグの収支に大きく影響するという程マーケットには晒されていない。

 

一方、もう少しマーケットに、30%くらい、或いは50%くらいマーケットに連動しておりますパナマックスとハンディについては、そちらにご案内の通り、25,450とかなり高水準で特にパナマックス。ハンディについても殆ど同じ数字で上期が達成できましたので、下期につきましては少し、中国の買い方が少なくなることも考慮しまして、パナマックスについては22,000、ハンディについては20,000で見ることで、少なくとも最小限の利益はきちっと確保できる収支予想をしております。

 

B-3-3. 部門別業績動向
自動車船

続きまして、自動車船につきましては、まず一番左端の3,069という数字、これが2008年度の通期で運んだ台数です。これに対して、一番右端の2010年度の1,468、約半分くらいの数字、即ち半期でございますので、2008年度に対して、ほぼ上期については台数的には、もう9割くらいの回復まで自動車船の台数としては回復して来た。そういう意味で、緩やかな増大が実現できた。ただ中に入りますとやはり、日本出しの北米向けの自動車船が、なかなか思ったような回復をして来ておりません。

 

従いまして、この台数的にどこで稼いだかと言うと、例えば北米から中国のGMさんの車であるとか、ヨーロッパから色々なところへ出ている三国間、そういうところで私どもの船隊が忙しく稼いで、そういう意味では来年、再来年には日本から北米向けヨーロッパ向けの自動車が2008年度ぐらいまで回復することを期待して、新鋭船を整えつつその船隊が無駄にならないように、赤字が出ないように航路運営をして行きたい、という形で、台数のご案内という形で、自動車は緩やかな回復をしているという報告を申し上げます。

 

B-3-4. 部門別業績動向
エネルギー資源輸送・重量物船事業

最後にエネルギー資源輸送でございますが、
一番右の数字ですが、ご案内の通り、VLCCのワールドスケール69。下期は、もう少しVLCCは良くなるのではないか、通常冬季になりますと色々、灯油の、或いは暖房の需要もあるということで、普通、例年、冬季は夏場よりはマーケットが上がることを織り込んでおりますが、ワールドスケール78。10万トンクラスのアフラマックスも103、クリーンでも141と、とてもではございませんが採算水準には達しないマーケットが依然続くであろうと覚悟をしております。

 

そういう見通しで先程申し上げたような通期につきましては、550億、320億円の数値を目標として進んで参るということで、24%の配当性向を皆様に、今年の4月に社長に就任した時に、先代の前川を継いで、同じ数字を何とか実現したいとやっております。まず中間期につきましては元々2.5円という発表をしておりましたところ、既に一部の新聞ではもう3週間前に川崎汽船4円という予想が出ておりましたが、それに合わせたわけでもありませんが、本日通期で10円、中間期においては4円、下期6円の配当をしたいと、予想を修正する形で東証に報告をしております。

 

ありがとうございました。

以 上