それでは2008年度の第2四半期・上期の決算についてご説明させていただきます。
本日の説明にあたっては、既に説明資料はホームページに開示しており、何人かの方々は既にご覧になったかと思います。

 

色々、ご質問等もございますので、説明については簡潔にさせていただきたいと思います。

 

A−1−1 決算概要

全般的に言いますと、上期については売上げ、利益水準とも、半期ベースで過去最高の売上高、利益水準をあげることができました。但し、下期の見通しについては、やはり、かなりドライバルクの市況が急落しており、残念ながら全体として当初の計画を達成する見込みになっていない。上期は天国、下期は、地獄、とは言いませんが、相当厳しい内容になっているな、ということです。

 

まず上期については、今回、我々としては前年同期の比較というよりむしろ、我々がたてた計画に対して達成率がどうで、達成がどうであったかということを中心に資料でご覧頂いております。

 

上期売上高7,355億。公表が7,000億でしたから、355億、5.1%の増収となっています。
経常利益については計画値700億に対して、751億。増減、7.3%の増。
当期利益については512億。計画値は470でしたから8%強の増益となっています。
為替についても、今現況とは全く違って、上期については比較的円安で推移しましたので、平均しますと105円67銭。計画値は102円でしたので4円弱の円安。
それから燃料油価格についても、第1四半期、第2四半期の平均で621。第2四半期は700で見ましたので、そういう意味で行くと若干のバンカー価格減、20ドルの減となっております。
ここに書いてあります様に、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益とも半期ベースでは史上最高となっています。

 

因みにここに書いてあります様に、為替変動で23億円のプラス要因、燃料油価格の変動で26億円のプラス要因となっております。

 

この結果を踏まえて、実は配当について修正開示を致しております。
当初、来年の4月に創立90周年を迎えることもあり、それから、従来とも配当性向について、20%からスタートして、今の経営計画“K” Line Vision100の2010年代半ばには30%まで高めたい。その流れの中で、目先の2011年、計画の半ばには配当性向25%まで高めようという計画を発表し、とりあえず、先ほど言いました様に、来年の4月に90周年を迎えることもあって、記念配的なことも含めて今期は配当性向22%に上げよう、ということを発表しています。

 

当初の計画ですと27円まで配当は可能だという収支計画をたてたわけですが、後ほどご説明するように、下期悪化の計画変更となっていますので、通期ベースで27円から25円に変更しました。

 

とりあえず上期については、先ほどご説明申し上げた様に史上最高益をあげていることもあり、従来の発表通り13円50銭を中間期の配当として決め、期末には11円50銭と、トータルで通期25円、という形で昨日修正開示を行っております。

 

A−1−2 決算概要(事業別売上高・経常利益)

事業部門別の概要ですが、コンテナ船事業分については公表がマイナス48億に対して上期実績は59億マイナスで若干赤字が膨らんでいます。
その他海運は経常利益779億ということで公表に比べて54億のプラス。
これは後ほど説明しますが、主としてドライバルク部門の好況マーケットの好調さを反映したものであります。

 

その他事業についてはあまり変わらずということで、トータルとして計画値700に対して51億の増益、751億となっております。

 

A−2 業績のポイント

業績のポイントでございますが、計画値に比べて増収が355億、増益51億ということですが、増益要因として円安。それから燃料単価が、当初の見込みより上がらなかったということ。それから燃料消費量削減、及び合理化効果が加味されてプラスになりました。

 

A−3−1 部門別業績動向 −コンテナ船−

部門別ですが、コンテナ船については先ほどご説明しました様に当初の計画と比べて11億の減益。
但しお陰様で売上げについては若干ながら増収、プラスとなっております。

 

減益の要因でございますが、ポジティブな要因として、円安。それからバンカーの価格が若干下がった、運航の効率化ということでバンカー消費量も減った。減りましたが、何分にも積高減少、平均運賃も下落したということで、このマイナス要因が上回っております。

 

積高は計画に比べて2.7%の減、172万4千TEUに止まりました。運賃の下落についてはここに、ご覧の通りですが、特に欧州、アジアー欧州の運賃率が計画に比べて下押ししています。

 

この要因については後ほど色々ご質問があるかと思いますが、何分にも、荷動きはトータルとしてプラスで伸びましたが、やはり船腹需給が、当初の見込みよりも相当緩んだことと、やはり上期においても、荷動きの増はあったものの計画したほどの伸び率は無かったということでした。

 

A−3−2 部門別業績動向 −ドライバルク−

ドライバルク部門については計画に比べて増収・増益を達成しております。
こちらの表にあります通り、計画前提のマーケット水準から、ほぼマーケット水準並み、或いは若干プラスというところで推移しております。

 

もう皆さんご存知だと思いますが、8月の末、或は9月以降、かなり急ピッチでマーケットが下落しており、上期は何とか滑り込みセーフだったのですが、下期においては相当の悪化要因があります。

 

A−3−3 部門別業績動向 −自動車船−

自動車船についてはほぼ計画通りであります。
積台数も176万台を越え、輸送能力も増強されております。
傾向として北米向けの貨物は減速傾向ですが、特に中近東、中南米、この辺りの貨物は需要の伸びが大きく、全体としてほぼ計画通りの収益を達成することができました。

 

A−3−4 部門別業績動向 −エネルギー資源輸送−

エネルギー資源輸送においては、お陰様で規模も徐々にではありますが拡大しております。
特にLNG船につきましては当社が関与しているプロジェクト船が8隻竣工しており合計41隻に拡大しています。
またアフラマックス、クリーン船が見込みを上まわる形でマーケットが推移し、営業規模が拡大したことに加え、順調に推移している、ということでございます。

 

A−3−5 部門別業績動向 −その他事業部門−

その他の事業部門としては、
重量物船、昨年の4月に参入した、再参入した新たな事業ですが、お陰様で好調に推移しています。

 

内向フェリーにつきましても、当社の関係会社である川崎近海汽船は相当、内航部門で好調ということで、増収・増益を達成しております。

 

物流部門においては北米向けの航空貨物の荷動きが低迷しておりますが、ほぼ計画通りの推移を示しています。

 

B. 2008年度業績予想

上期の概要は以上で終わりまして、通期の予想の方に移らせて戴きます。

 

B−1 通期業績予想・事業別売上高経常利益予想

冒頭説明しました様に、下期についてはかなり悪化要因が加味されております。

 

まず全体として為替を100円、それから燃料油価格を500ドルという前提で見まして、売上高は上期を900億下回る売上高を予想しており、通期でも、第1四半期決算時に公表しました1兆4,000億を若干下回る予想となっています。

 

経常利益についても、計画値は1,210億だったわけですが、コンテナ船の収益の低迷、それからドライバルクのマーケット前提、マーケットの下方修正ということもあり、経常利益が下期については300億に足らない予想となっています。
トータルで通期で1,050億、計画値に比べて160億の減益予想としています。
それに従い当期純利益も計画値780億に対して710億ということで70億の減益予想でございます。

 

部門別に見るとコンテナ船事業については通期でマイナス189億の予想、不定期・自動車等その他海運においては1,195億、その他で44億、トータルとして通期で1,050億の計画であります。

 

配当につきましては先ほど言いました様に22%の配当性向は維持しますが、予想の、特に利益が70億の減益予想ということもあり、通期で25円の配当に修正させて戴きました。

 

為替の変動ですが1円で下期で3億、燃料油変動は10ドルで8億円の変動の見込みです。

 

為替が今随分やはり円高傾向にあるということ、一方でバンカーの今のマーケットは300ドルの前半程度で推移しているということもあって、このレベルで推移すると燃料油のところでプラスの要因が出てくるのかな、という風に思っていますが、当初計画の1,210億を達成するにはちょっと厳しいかと考えております。

 

B−2通期業績予想のポイント

通期の業績予想のポイントということで、減収、計画に比べて150億の減収、160億の減益となっていますが、一番大きい要因は、プラスの要因ではバンカー価格の前提が変更されたということ。それから、特にバルクにおいて、市況前提を当初の見込みより大きく下方修正したこともあり、減益要因となっています。

 

次行きます。

 

B−3−1 部門別業績予想 (コンテナ船)

コンテナ船については、今の現状、所謂金融危機と言われており既に色々なところで実体経済にも影響が出て来ているということもあります。
後ほど質問がおありになるかと思いますが、やはり北米向け、アジアー北米間で前年度に比べて恐らく通期を見渡すと、6−7%の荷動きの減が見込まれるということ、それから欧州向けにつきましても、6−7%の伸びは前年に比べて見込まれるけれど、全体として東西航路を見渡すと前年に比べて荷動きは若干ながら下回るのではないか、という見通しであります。

 

北米航路は比較的運賃レベルも安定したレベルを保っていますが、やはり欧州においては需給関係が緩んでいることもあり、運賃の下落傾向に今のところ歯止めがかかっていない、ということであり、このお手元の資料にもある様に欧州向けで計画に比べて運賃率10%を越える下落を予想しています。

 

従い運賃レベルそのものは、基本的な事業環境としては良くないわけですが、当初見込んでいた燃料油の単価の見込みが750から500ドルに前提を変えたこともあり、収益的には当初の計画値を若干上まわる、と言うのか、若干プラスの方向で出ています。

 

B−3−2 部門別業績予想 (ドライバルク、自動車船)

ドライバルクですが、先程来ご説明している様に、9月以降急激に市況が下落しており、燃料油価格減のポジティブな要因はありましたが、それを大きく上回る、マイナス要因が大きく上まわる見込みとなっています。

 

ちなみに下期のマーケットの見方ですが、今現状、例えばケープサイズについては、残念ながら1万ドルを下回る様なマーケットレポートが出ていますが、第3四半期については、なかなかこれが急激に回復する要因というのは少ないだろうと、ケープについては1万ドル。
但し今のマーケット水準があまりにも行き過ぎた、という風な見方も我々持っておりまして、年明け、第4四半期には、所謂調整があるものだろうと見ており、第4四半期3万ドルで見まして、下期全体としてはケープが2万ドルの前提です。
ちなみに7月に計画を見た時には10万ドルを越える様な見込みをしていました。
急激な下落であります。

 

同様に、パナマックス、ハンディにも同じ様な見方をしており、パナマックスが下期見渡して1万1,500、ハンディについては1万ドル強の見通しをしています。

 

自動車船については、色々な意味で北米、及び欧州における販売台数の減が報道されていますが、我々が関与する完成車の輸送という意味では若干の影響はあるものの、ほぼ安定して需要があるものと考えており、収支計画としては概ね計画通りに推移する見込みです。

 

B−3−3 部門別業績予想 (エネルギー資源輸送、重量物船)

エネルギー輸送につきましては、下期についてもLNG船がさらに拡大するということ。それからタンカーについても新造拡充、新たな船が入って来ることもあり、船隊規模が拡大する。それからお陰様でアフラ、クリーンについても、市況が割合好調に推移しているので全体として増収・増益が図られるものと考えております。

 

重量物船事業についてはほぼ計画通りで運航規模も拡大しており、市況は比較的、他の部門に比べると好調です。

 

B−4 経営指標の推移

経営指標の推移ですが、全体的には売上高についてはほぼ計画を達成し若干プラスが出て来ると。
利益のところでは減益ということで、投資が、将来を見据えて投資は計画通り進んでおりますので、若干フリー・キャッシュ・フローのマイナス部分が増えるということですが、この計画の下で年度末には自己資本が4,000億を若干越えるところまで行く。但し利益が若干絞られることもあり、計画値には及びません。
有利子負債もこのままで行くと4,000億を越えるところになりますが、当社が内部的に財務規律ということで経営、或は投資を推進する上で自分達のガイドラインとして、中長期的に見て、

 

自己資本比率40%をキープしたい。
ROAについては8%を何とかキープしたい。
デット・エクィティ・レシオについては95%、
有利子負債/営業キャッシュ・フロー比率では4.5倍。

 

これをガイドラインとして置いて、これを大きく外れるような投資計画は自ら調整されるべき、としています。
もちろん営業キャッシュ・フローの方が増えて行けば、我々としてもこのガイドラインの範囲内で新たな投資を行うチャンスも出て来ると考えており、何とか財務規律を維持して行きたい、という風に考えております。

 

以上で2008年度上半期の決算説明をさせていただきました。

以 上