それではパワーポイントに従い、2008年度第1四半期の決算について説明させていただきます。
本日はお忙しい中、また暑い中たくさんお集まり頂きありがとうございます。

 

まず数字の説明より前に、一番最初に2008年度4月に新経営計画 “K” LINE Vision 100、これを発表しまして、元々2007年度の状況から行くと2008年度は減益、一旦下がって2008、9、10、11とかけて右肩上りで収益が改善して行くということで経営計画をつくりました。

 

後ほど通期の見通しもご案内申し上げますが、今のところ最終的な数字についてはほぼ計画通りに進んでいると見ています。ただマーケットの見方等で、売上高は当初の計画より伸びる方向にあります。そういう意味では計画としては予定通り進んでいるのかなと考えています。ただ燃料価格の高騰が思ったよりも進んでおります。ということもあって、中身はコンテナ船事業、ドライバルクのところで若干斑模様になっていますが、最終的な会社全体としての収益構造は大体計画通りに進んでいると見ています。

 

A-1. 決算概要

そういう見込みの中で第1四半期決算の結果ですが、四半期毎に分析するのはかなり、3ヶ月でもあり、なかなか全体象が掴めないところがありますが、売上高は3,495億ということで、先ほど言いました様に売上高は前年に比べても13%増ですし、想定に比べても若干プラスになっています。

 

経常利益は333億。前年に比べますと8%弱のマイナスです。
これは当初の見込みよりは良くなっていますが、前年に比べると27億のマイナスになっています。

 

為替レートは 昨年119円85銭に対して103円36銭で、計画は100円で見ていましたから想定よりは若干円安ですが、昨年の第1四半期と比べると約16円50銭程度の円高となっています。燃料費価格は542ドルで、これは前年に比べますと210ドルのバンカー高で、前年同期に比べ為替の変動だけでマイナス58億、燃料油価格で210ドルのバンカー高で137億の収益圧迫要因となっています。

 

後ほどコンテナ船事業等についてご質問があるかもしれませんが、コンテナ船事業の経常損益はマイナス10億で、昨年同期に比べ90億の減益です。

 

その他海運、バルク中心ですが、昨年比70億弱の増益となっています。
そういう意味ではドライバルクのところでは想定よりも、或いは昨年よりも、マーケットの前提が上回ったということであります。

 

A-2. 業績のポイント

全体として403億の増収、27億減益となっていますが、まず増収の要因で行きますと、バルクの市況が昨年に比べ大幅に高騰した。新造船竣工、12隻あって営業規模が拡大した。
コンテナ船の荷動き、特に欧州については大型船を入れたこともあり、荷動きは堅調に進んでいる。
ただバンカー価格の高騰、円高の影響、更には船舶経費の増加ということで、この部分は減益要因となっています。バンカーの値上りが結構効いたかな、ということでございます。

 

A-3-1. 部門別業績動向 -コンテナ船-

決算発表した後の一般紙や業界紙を見ますと、当社はコンテナ船主力の会社と位置づけておられるようで、コンテナ船の動向が明暗を分けた、とか言われるのですが、確かに前年に比べて90億円の減益となりましたが、事業そのものはしっかりとやっておりますので、後ほど色々ご質問あるかと思いますが、その折にでもご説明させて頂きます。

 

売上高は13億の増収、1,488億。損益については先ほど言いました通りマイナス10億という結果となっております。
順調に営業規模は拡大しました。8,000個型は全て、8隻仕上り、欧州航路に今投入されている。それから南北航路の拡充もあり、営業規模は順調に拡大しています。
積高も6.3%増になっています。それから、一番懸案でした運賃率も前年に比べると改善され、当初の見込み通り、運賃率は改善されたということです。

 

ただ減益の要因として、まず第一に挙げられるのはやはり燃料価格の高騰であり、もう一つは、これは若干心配な要因ではありますが、北米向けの当社積高が、全体の荷動き減も合わせて減少したということでした。

 

A-3-2. 部門別業績動向 - ドライバルク-

ドライバルク部門については増収増益が確保されました。
この下の表にあるように、第1四半期のマーケットはケープで16万5千、パナマックスで6万7千程度で推移し、昨年に比べ5割、ないし倍近くになっている。新造船竣工4隻も合わせて、営業規模は拡大すると同時に損益面でも改善されたということです。

 

ちなみに第1四半期に4隻新造船が竣工しましたが、本年通期では14隻の新造船が竣工する予定であります。

 

A-3-3. 部門別業績動向 -自動車船-

自動車船の動向については、増収が図られましたが、収益面ではほぼ横ばいになっております。
今年の第1四半期中に新造船が2隻竣工すると同時に昨年竣工しました5隻がフル稼働しました。
また積高も前年同期に比べると7%増え、90万台を超えております。
アメリカの新車販売がかなり落ち込んでいることもあり、北米向けの荷動きは減速傾向ではあるが、その他中南米・カリブ、中近東、アフリカ等々は荷動きは堅調に推移しており、全体としてほぼ横並び、或は若干プラスくらいの予想で見ています。

 

損益的に横ばいとなった要因としては、まずやはり燃料価格が高騰してコストが増加したこともあり、積高増に伴った賃収増を相殺してしまったということです。

 

A-3-4. 部門別業績動向 - エネルギー資源輸送 -

エネルギー資源輸送については、長期契約があるLNG液化ガス船が5隻、第1四半期中に竣工する、またタンカー部門においては特にアフラマックス、クリーン船市況が前年同期を上回る水準で推移して、損益的には改善された。また営業規模の拡大も昨年竣工したVLCC一隻、LPG船2隻がフル稼働して、稼動延トンで行くと前年に比べて25.6%増加し、増収増益が確保されました。

 

A-3-5. 部門別業績動向 - その他事業部門 -

その他の事業部門においては、重量船事業は新造船1隻が竣工することもあり、また中近東及びその他産油・産ガス国向けのプラント輸送が好調であり、順調に稼動しています。
内航フェリーについても前年に比べ増収増益で規模が拡大しています。
ただ物流事業においては、アメリカ向けの航空貨物の需要が鈍化したこともあって、昨年に比べ減収減益となっています。

 

B-1. 上期・通期業績予想

第1四半期が終わったばかりですが上期通期の業績について申し上げます。

 

上期は4月に公表した時点で売上高6,700億、経常利益640億を見込んでいましたが、先ほどご説明申し上げた第1四半期が好調な結果、ドライのマーケットも高位で推移したこともあり、売上高7,000億、経常利益700億を見込んでいます。

 

為替については、第2四半期、100円とおきましたので、上期平均で102円、燃料油価格についても第2四半期700ドルと見まして、第1四半期と平均して上期平均で621億と見ています。
特に燃料油価格については4月に公表した520ドルに比べて100ドルのバンカー高となっています。

 

通期については、まだ予算という意味で精査はしていませんが、ドライ・マーケットの見込みについて直近の見込みを入れたことと、バンカー価格を見直したこと、コンテナ船について積高、運賃の見込みを今の時点でわかる範囲で修正したということで、売上高は4月公表1兆3,400億に対して1兆4,000億。経常利益、当期利益とも4月の公表時点のそれぞれ1,210億、780億の、据え置きと言いますか、数字はそのままで行ける、と見込んでおります。

 

配当ですが、当初の見込み通りの収益が上がる前提で、発表しました27円、これをそのままやりたい、と考えております。数字自体は変わっておりませんので、連結配当性向は当初発表した22%のままです。

 

変動要因、為替、バンカーの変動ですが、為替については通期1円で14億、燃料油価格、バンカーの変動については後でコンテナ船などで説明があるかと思いますが、相当、BAFの徴収率が、当初の見込みよりも上がっていることもあり、上期の変動は10ドルにつき13億でしたが、下期の燃料価格の変動における収益の変動ですが、これは10ドルにつき8億円と見ています。

 

B-2. 事業別売上高経常利益予想

こういう見込みの中で、実はこの表の中には通期の事業部門別の収益が書いてないのですが、ご参考までに申し述べますと、2008年度上期コンテナ船はマイナス48億の見込みです。それに対し、通期コンテナ船の収益の見込みはマイナス200億と見ています。

 

「その他海運」、上期で経常725億のプラス、これに対して通期で1,355億のプラス。
「その他」については上期プラス23億、通期でプラスの55億。

 

下期は経常ベースで510億です。通期で1,210億変わらず、ということで、下期は特にバンカー価格を750ドルで設定したこともあり、収益はかなり圧迫されると。但、バルクのマーケットを若干上期に近い数字で見たこともあり、コンテナ船の収益の悪化をカバーした形になっています。

 

B-3. 上期業績予想のポイント

今ご説明申し上げた上期の経常ベースで63億のプラス。前期に比べ63億のプラス。
公表で行きますと60億のプラスとなっております。

 

B-4-1. 上期部門別業績予想 - コンテナ船

コンテナ船は先ほども説明しましたが、上期全体で荷動きは、北米以外は順調に伸びており、トータルとして半期178万TEU、前期に比べ約9%の増加を見込んでおり、大体当初の見込み通りの積高を示しています。
運賃の修復も、ここに書いてある通りに見ています。

 

B-4-2. 上期部門別業績予想 - ドライバルク・自動車船 -

ドライバルクにつきましては、先ほど言いました様にマーケットの前提を若干上方修正しました。
第2四半期については、第1四半期に近い、ケープで160,000ドル、パナマックスについても65,000ドルと期首の公表前提よりも若干上乗せし、第1四半期に近いところで見ています。

 

自動車船については全体としてやはり北米の、特にアメリカのセールスがかなり軟化していることもあり、やはり日本からの、或は日本・韓国からの完成車の輸送は若干減るのではないかと。
但、それをカバーする、欧州も今あまりセールスが良くないこともあり、そこで若干減るけれども、その他の航路でカバーすることで、積高そのものは大きな変動は見込んでおりません。従って安定的に推移するだろうと見ています。

 

積高そのものは、前年に比べても4−5%、他の地域で伸びると見ていますので、規模は拡大する。但し燃料価格の高騰がある。それが相殺するような格好で、あまり収益的には大きな変動は無く、安定的に推移するだろう、という風に見ております。

 

B-4-3. 上期部門別業績予想 - その他事業部門 -

エネルギー資源輸送、その他重量物船のところですが、LNGが今年は更に第2四半期に4隻竣工する予定で、当社が関与している船隊は上期末で42隻まで拡大する。

 

それから油槽船についても、アフラ、クリーンの市況が第1四半期並みに高値で推移するだろうと見ています。

 

重量物船については更に1隻、第2四半期に竣工し、上期で2隻増加になることもあって、これもプラスで推移する、と見ています。

 

B-5. 通期業績予想のポイント

通期業績のポイント。
売上については1兆4,000億で、冒頭に述べた様に売上は当初の想定以上に伸びるかな、と。
収益的には当初見込み通り減益ですが、燃料油価格が想定以上に上がると見ましたが、バルクのところでマーケットが高位で安定推移することもあり、その収益悪化要因と、コンテナ船の収益悪化要因をカバーして、通期として大体、会社全体としては、当初の見込み通りの1,210億があげられるだろうと、こういう見込みであります。

 

以上です。

以 上