それでは始めさせていただきます。
お手元の2007年度第3四半期決算説明資料を元に説明させていただきます。

 

A−1 2007年度第3四半期決算概要

まず、1ページ、 A−1の方から、第3四半期の決算概要についてです。
9ヶ月累計、及び連結の数字から申し上げます。
売上高については9,846億、前年に比べ23%増、経常利益につきましては1,010億。
前年に比べますと142%増、約2.5倍近いです。当期純利益については680億。前年に比べ91%増。
これは9ヶ月累計で過去売上高、利益とも史上最高を記録しております。平均為替レートは9ヶ月平均で117円57銭、燃料油価格は381ドルでした。
但し、この第3四半期だけを見ますと、為替は113円45銭ということで円高の方向にふれておりますし、燃料油価格については、438ドルと極めて大きな値上げとなっております。
為替とバンカーの変動、価格変動が与える影響は為替が1円61銭円安で、前年に比べ15億プラスの方向、燃料油価格についてはトンあたり56ドル高いということで110億円の利益面における影響、マイナス110億となっております。

 

A−2 第3四半期業績のポイント

前年に比べまして増収・増益となりました。
その要因は、まず全部門において営業規模が拡大したということです。
新造船の竣工が18隻あります。まずコンテナ船が2隻、バルクキャリアが9隻、自動車船が2隻、LNGが1隻、油槽船が3隻、内航・近海の船が1隻、合計18隻の船が第3四半期までに竣工しております。

 

またここ数年の課題でありましたコンテナ船の運賃修復ですが、特に欧州向けについて、運賃が修復できました。それから皆さんご存知のようにバルクの市況が、高騰してそれが持続した、という要因があり、まず市況変動で大方700億近い変動がありました。

 

規模の拡大においても200億近い影響がありました。これがバンカーの変動、或いはコスト増をカバーしました。またこれは中間期にもご説明申し上げましたが、コンテナ船の会計基準を積切出帆基準から複合輸送進行基準へ移行しまして、中間期のときには140億でしたが、若干運賃の変動等々ありまして、第3四半期では132億の影響が出ております。

 

A−3 部門別業績動向 -コンテナ船-

後で特にご質問が出るかと思いますけれども、コンテナ船について。
コンテナ船が、当社のコア事業の1つでありまして、売上高で大方50%近い比率を占める分野です。常に当社の収益動向を検討するのに、コンテナ船のどこがどうであるか、これが課題となっております。

 

今年度の第3四半期までの状況を言いますと、前年に比べて800億円強の増収、経常利益につきましても150億円の増益となっております。
増収・増益の要因としましては、8,000TEU型の投入等を初めとして営業規模の拡大、特に東西航路の増強ができました。それからこれは私どもの中期の課題ですが、当社のコンテナ船事業の中で南北航路の占める割合を増やしていこうという一環として、南北航路の拡充をしております。

 

特に欧州-南米の東岸、アジア−南米東岸航路の開設、ということで、将来に向けて、徐々に布石を打ちつつあります。それから、アメリカ向けを除き、欧州、及び南北航路においても、堅調な荷動きがあり、積高増となっております。全体で見ますと、前年同期に比べて10.5%の積高増となっております。アメリカもそれなりに行ったわけですが、荷動きは、必ずしも、好調な荷動きとは言えませんでした。

 

運賃率につきましてはこの表にありますように、懸案の欧州往航の運賃については、前年同期と比べると3割、31%の運賃レベルが修復できました。これが極めて大きな改善の要因となっております。それからコスト増につきましては、燃料油価格によるわけですけれども、当社の使用するバンカー、大体単体だけでみますと、約470万トン。連結にするともう少し多いのですが、その内約50%は、コンテナ航路で使用しています。
特に高速25ノット近くで走る航路が多いですので、使用するバンカーも多い。従って、バンカー価格の変動というのは、極めて大きな影響を与えます。
それから先ほど説明しました会計基準の変更等もありました。これは折込済みで、昨年に比べると150億円の増益となっております。

 

A−4 部門別業績動向 -ドライバルク-

ドライバルクですが、このセクターも前年同期に比べて増収・増益です。
ある意味では、収益、全体の収益改善の、一番大きな貢献をしております。

 

増収の要因としては、営業規模拡大、新造船、先ほど説明しましたように第3四半期までに9隻の新造船が投入されております。また増益の要因としましては、特に大型船市況で高騰が続き、中型・小型船につきましても、高値圏で推移しました。下の表にありますように、第3四半期だけをあげてみても、ケープにおいては17万9千ドル、dailyです。パナマックスは8万2千ドル、等のマーケットが、全てではありませんが、当社のフリー運航の部分で寄与しました。

 

A−5 部門別業績動向 -自動車船-

自動車船につきましても、お陰さまで増収・増益となっております。
特に日本を中心として各国向けの輸出が極めて好調でありました。船が足らずに、どこかのメディアにも書かれていましたように忙しすぎて利益が出ない、”利益なき繁忙”、というようなことも言われるぐらいに、船繰りに苦労しているところですが、なんとか効率配船に努めて、増収増益が実現しております。

 

第3四半期までに6,000台積みの大型船が2隻竣工し、昨年度竣工した8隻が今期フル活動しています。また欧州の域内の輸送も拡大しております。私どもの子会社である“K” Line European Sea Highway Services という、ドイツにある会社は、欧州域内の事業を運営していますが、前年に比べますと、15%に近い積高を増やしております。

 

全体としては、総積台数が前年同期に比べますと8%強で251万。250万台を越えたということです。また増益要因については、積高が増えたということと、最適配船に努めた、ということで増益に寄与しております。

 

A−6 部門業績動向 -エネルギー資源輸送-

エネルギー資源輸送ですけれども、この分野につきましては増収でしたが、残念ながら減益となっております。
増収の要因はLNGも1隻、短期傭船したことであり、合計で33隻が順調に稼動しております。油槽船につきましても、上期に稼動しましたVLCC1隻、アンモニア船2隻、新造船が順調に稼動しております。
従いましてこれは増収となりましたが、減益の一番大きな要因はやはり当社、シンガポールで運営しているアフラマックスを中心とするマーケットが昨年に比べますと落ちまして、残念ながら減益になっております。
但し足元では、アフラのマーケットも回復しておりまして、今後は概ね期待できるのではないかと思っております。

 

A−7 部門業績動向 -その他事業部門-

その他の事業分野につきましては、当社子会社の川崎近海汽船の内航フェリー部門も増収・増益でありました。
また物流事業につきましても、内外グループ各社の連携強化で、取扱高を増やし、お陰さまで増収・増益となりました。

 

B−1 通期業績予想

今日から2月ということで、今期残り二ヶ月しか残っていませんが、もうあまり大きく変わることはないと思います。大体通期の業績予想としましては、中間期で発表した数字でそのまま行けるだろうという風に考えております。

 

具体的には、売上高で1兆3,000億、経常利益で1,280億、当期純利益840億が達成される見込みであります。為替とバンカーの見込みですが、第4四半期の為替のみ、予想レート、為替の基準レートを
105円とおきました。
燃料油価格については平均で487ドルとおいております。487ドルの前提は、DUBAIのマーケット、85ドルを前提にした数字であります。あまり大きな変動は無いだろうと見ております。

 

この業績が達成されれば、配当についても中間期に発表しました期末配当13円を加え、年間25円配当とさせていただく予定であります。

 

B−2 事業別売上高経常利益予想

部門別に言いますとコンテナ船については、通期でプラスの58億。
第4四半期、スラックシーズンと我々は呼んでいますが、中国の旧正月もあり、荷況が一番スラックになる時期であります。第4四半期についてはコンテナ船、季節的要因もあり、マイナスですが、通期ではなんとか58億という数字は達成できる見込みであります。
その他不定期、自動車、エネルギー合わせて、1,156億が達成できる見込みです。その他の事業の収益も加えて、1,280億であります。

 

B−3 通期業績予想のポイント

通期で比較しまして、前年同期に比べますと増収増益ですが、2,000億強の増収で、約倍になるような増益になっております。
先ほど申しました為替とバンカーの前提をおきますと、通期で、バンカーが408ドル、それから為替が114円43銭になります。これは前年の通期と比べますと、まずバンカーが319から408、それから為替も約117円から114円ということですから、まあまあ、どちらもコスト増要因をカバーして増収増益となる予定です。

 

それから中間期に発表した公表の数値からいきますと、いずれにしてもバンカーも為替もバンカー高、為替高となっております。これは、若干変動はしておりますが、引き続きハイレベルにあるバルクの市況で、円高・バンカー高は相殺される見込みです。

 

B−4 部門別業績動向 -コンテナ船-

コンテナ船の方は、前期に比べると、このように増収・増益の要因です。しかし、中間期で見た時より若干積高が目標値に達せずに減収、それからバンカーの要因等もあり、減益となりました。積高はそれほど大きくは見込みより変わってはおりませんので、北米を除いては、北米はかなりスローダウンしてきているようですが、その他の地域においてはまだまだ旺盛な荷動きが期待できるということで、中期で見てもあまり心配しなくても良いのではないかと見ております。

 

B−5 部門別業績動向 -その他海運-

その他の部門別の動向ですが、不定期船については先ほど少々説明しましたようにまだまだハイレベルのマーケットが続いており、前年に比べると新造船がトータルで今年度10隻入るということで、ある程度業績改善に寄与しています。

 

自動車船についても今期全部で新造船が4隻ということで、前年に比べると増収・増益、収益も改善しています。エネルギーについては先ほど説明しましたように、前半の部分が若干減益ということで足を引っぱっていますが第4四半期以降、概ね期待できるのではないかと考えております。

 

以上で簡単ではありますけれども今期の第3四半期の決算の概要を説明させていただきました。

以 上