それでは、準備いたしましたパワーポイントに沿って説明させていただきます。

 

アジェンダ
A. 2006年第1四半期決算概要
A-1 決算概要
A-2 変動要因分析
A-3-7 部門別業績動向
B. 2006年度業績予想
B-1 業績予想
B-2 業績予想のポイント
B-3 部門別業績動向
B-4 コスト削減
B-5 船隊整備計画

 

A-1. 2006 年度第1四半期決算概要

2006年度の第1四半期決算の概要については、全般的に昨年同期と比べますと増収・減益の決算となっております。
売上高は当初計画通り伸びており、昨年に比べると14%増となっておりますが、肝心の利益につきましては、経常利益段階で、昨年同期に比べて58%減の、辛うじて三桁を保って101億となりました。

 

ここにある通り、為替については想定通り115円で推移しましたが、燃料油価格については当初350ドルで見ていたのですが、そこまで行かなかったので、その前提条件についてはほぼ想定通りかなと考えております。
個別の部門別の実績については、後ほど説明させていただきます。

 

A-2. 変動要因分析

先ほど申しました様に、昨年に比べますと増収・減益の決算であったわけですが、増収の要因としては営業の規模が計画通り拡大しました。それから、円安の効果もありました。
為替については、昨年同期に比べると7円強円安の状況になっております。

 

減益要因として、まず第一に挙げなければならないのは、コンテナ船の運賃が、計画通りにはならなかったということ、昨年の同期に比べると、やはり、かなり落ち込んでおります。
バルクの市況は、想定とはあまり違っていないのですが、若干想定より下まわったことに加えて、昨年の同期と比較すると、マーケットが悪かった。

 

それから一番大きな要因としては、バンカーの変動、これが一番大きかったと考えております。
変動要因を列挙しておりますが、市況の変動、或いは規模拡大に伴うコスト増というのは色々複合した要因があるのですが、やはり単一の要因で一番大きく効いたのは、バンカーの変動であると考えております。

 

A-3. 部門別業績動向−コンテナ船−

当社のコア事業の1つでありますコンテナ船の状況ですが、前期に比べて増収・減益。
この間からコンテナ事業の、個別の損益については、決算短信で参考資料として開示しておりますが、経常利益がマイナスの34億円で、前年に比べると127億円の悪化となっております。

 

要因としては、端的に言うと、昨年の秋口から下落した、特にアジア−欧州間の運賃、ピーク時に比べると大方、300ドルくらい、TEUあたり落ちていました。
これを、4月、7月、それからさらには10月にかけて、運賃修復を図ろうという計画でありまして、徐々に浸透しつつありますが、やはり今年の1月以降、特にコンテナ船における一番の最大ミッションは、ともかく運賃を下げ止めるということで、特に欧州、それからアジアの我々の仲間に非常に厳しい指示を出しました。
結果として、運賃を維持するために、積高を若干落とした、ということもあります。
現状では、運賃の下げ止まりを確認しておりますので、今後、夏場のピーク・シーズンになんらかの措置を講じる、それから7月以降の運賃の修復にもある程度、100%ではないですけれども目処がたってる、ということもありまして、何とか底を打って、上昇トレンドにのれるのではないかと期待しているところです。

 

新造船も入れ、荷動きそのものは、非常に活況であったということもあり、積み高も全体としては、昨年に比べて、7.5%増となっております。
まず運賃の修復の目処がつき、なおかつ荷況が活況であれば、確かに前期に比べると悪化してますが、それほどシリアスにならなくてもいいのではないかと考えております。
ただし、そのシリアスさの度合いは我々も十分に認識しており、かなり構造的な対策もたてて、なおかつ運賃の修復努力もして、それが合わさって、なんとかコンテナ事業を収益事業に戻したいと考えております。
運賃率はここに記載してある通りですけれども、一番落ち込みが大きいのは欧州の往航の運賃で、昨年に比べると、18%低下しているということであります。

 

それから、バンカーの価格は、先ほど申し上げました様に、350ドルの想定の範囲内であったわけですが、やはり原油の価格が上がり、それに連れて我々が使う船舶の重油だけではなく、日本でも言われているように、トラックの使用するディーゼルオイルも上がり、さらには色々なところでコスト増要因となって、それがここに記載してあるように、フィーダー、トラック、変動費の増になって跳ね返ってきたということでもあります。

 

それから、第1四半期特有の問題として、一番下の方にコンテナ取得費用の一括計上と書いてあるのですが、これは中古コンテナを買い取ったときに、長期のリースベースで費用を計上するか、或いは、一括して費用を計上するかの違いでありまして、当社は今後のことも考えて、一括計上しました。これが7億程度の要因になっております。

 

A-4. 部門別業績動向−ドライバルク−

ドライバルクについては、これも増収・減益ということなのですが、新造船の竣工等により、営業規模は順調に回復、拡大しまして、稼動延べトンも12%弱、昨年同期に比べると伸びております。
これも荷況そのものは少なくとも、第1四半期においては堅調であったわけですが、昨年に比べると、やはり市況はかなり下廻っています。
例えば、この表にありますようにケープサイズの市況は、昨年同期に比べると30%強、低下したことで、これが減益の要因になっております。
これも後ほど出てくるかと思いますが、荷況は非常に堅調であります。
一時的に鉄鋼石の価格交渉で、4月以降しばらくの間、買い控え等で若干マーケットが下がることがありましたが、中期的には、やはり堅調であると考えております。
この中で特筆すべきは、ケープ、パナマックは軟化したわけですが、かえってハンディ・マックスなどは、一時的にパナマックスの傭船料を上回るような時期もありました。
これも、基本的には中国の大きな需要が生み出していると考えております。

 

A-5. 部門別業績動向−自動車船−

自動車は、積高もお陰様で増えました。
これは、日本のメーカーさんの売られる小型車を中心に、非常に輸出が活況であったということで、積高ベースで見ると、17%強伸びております。
但し、これはここ1年以上続いているわけですけれども、非常に需要が強いために船腹需給がタイトを通り越してどうにもならないので、我々がお引き受けしている荷主さんの貨物を運ぶために相当やりくりして、無理な船繰りをしていることもあり、収益的には伸びておりません。
従って増収であるけれども、収益的には横ばいという状況であります。

 

それとタイトな需給関係が、しばらくは続くであろうということで、これは今期始めたわけではないのですが、かなり前から通常我々の内部では所謂社船、或いは仕組船、コア船隊については25年使用、それから長期傭船については20年で使用する。
と、いうポリシーのもとに進んで、船隊のメンテナンスの計画もたててきました。が、ここしばらくは非常に需給関係が強いまま続くようですので、通常25年使用前提を30年まで延ばし、一時的に延命工事に近いような工事を、何隻かの船に手当てしまして、その分ドックの費用が増加したという収益の圧迫要因もありました。
但し、これは言ってみれば、償却が済んだ船に若干手をかけて、もう少し長く使うということなので、長期的には全体のコストを平均して、安くすることに寄与するものと考えております。

 

A-6. 部門別業績動向−エネルギー資源輸送−

エネルギー資源輸送分野については、全体として増収・増益の結果でありました。
LNGについては、計画通り稼動しておりまして、収益に一定程度寄与しているのですが、本格的に三桁の収益に上がるには少し時間が掛かるな、と思っております。
ただ中期的には、これが一つの大きな収益事業の分野になるだろうと、さらに拡大に努めております。

 

油槽船につきましては、残念ながら、ご存知のように、私どもは今現在のところ、VLCCのフリー船というのはございませんので、ある意味でVLCCについてはマーケットの変動の影響を受けないということです。
が、シンガポールで自営しているアフラマックス、今現在10隻の船隊を動かしており、これが順調に稼動しまして、昨年同期と比べるとマーケットも若干上がったので、全体としてコンテナ、バルク、が減益という中で唯一増益で頑張ったところであります。
その他、このエネルギー資源輸送分野ではあまりバラエティーが無いわけですけれども、全体として中国をはじめエネルギー需要は今後とも、かなり強く伸びていくであろうと考えておりますので、引き続きこの分野にも力を入れていきたいと考えております。

 

A-7. 部門別業績動向− その他事業部門−

四半期だけではなかなか云々することは難しいのですが、比較的安定した収益をあげておりました内航・フェリー部門も、やはり原油価格の高騰で減益となったようであります。
これは今後、心配のタネではありますが、この部分も色々な長期契約をとりながら、安定収益の確保につとめていると聞いておりますので、あまり大きな心配をする必要は無いと考えております。

 

物流事業は、堅調な荷動きを反映しまして、一応、増収・増益となっております。
ご存知の通り内部の組織変更でありますが、7月に川崎航空サービスと海上の物流をやっておりましたケイロジスティックスというところが一緒になって、ケイライン・ロジスティクスという一つの会社になりました。
航空フォワーディング業務及び海上フォワーディング業務を両方合わせて、物流事業スリム化の端緒についたところであります。これは5年、10年後には、売上高1,500億ぐらいが見通せるような事業に育てて行きたいと考えております。

 

以上が、今期、第1四半期の実績の概要でありまして、今後の見通しについてご説明させていただきます。

 

B-1. 2006 年度 業績予想

第1四半期が当初の見込みを下回ったということもありまして、上期全体では増収が図れるものの、利益面では当初見込んでおりました経常利益325億というのは少し辛いということで、60億減益見通しで265億と見ております。

 

下期のコンテナ船については、先ほど言いましたように、荷況は活況であり運賃の下げ止まりは確認しました。今後とも運賃修復に向けて色々やります。
また、下期のできるだけ早い時点で、コスト、特にバンカー対応ということで、かなり思い切った手立ても今考えているのですが、そういうことを全てやってもコンテナは少し辛いかなと思います。
当初30億強の利益を見込んでおりましたが、通期で、やはりマイナスになるのは、今のところ非常にそういう公算が強いということです。
ただノン・コンテナのところで、今非常に荷動きも堅調、それからマーケットもドライ・バルクは今かなり上がりつつありますので、ここで若干取り戻せるだろうと見ています。

 

大枠の見通しとしては、コンテナは悪くなるけれども、その他のところで戻せるだろうということで、下期の数字については期初に発表した数字を変えておりません。
何故変えてないのか、というのは今ご説明した通りなのですが、その中身については、これから下期の予算をたてる課程で、精査していきたいと考えております。

 

為替とバンカーは当初見込み通り、110円、350ドルとおいております。
それから、上期は当初の見込みよりも経常利益で60億減益予想としているのですが、今のところ配当については、中間配当9円、それから通期で当初公表している通り18円を今のところ考えております。
下期の動向如何なのですけれども、先ほど言いましたように、コンテナのところが、我々の想定通り、底打ちを確認できて修復もある程度できるのであれば、来期以降についてかなり期待が持てると思いますので、なんとか18円の配当はやりたいと考えております。

 

B-2. 業績予想のポイント業績予想

業績のポイントは、今説明したとおりなのですが、上期につきましては、第一四半期で得たそのトレンドを、大枠のところでそのままひきずって60億減で見ております。
下期については先ほどご説明したとおりであります。

 

B-3. 部門別業績動向

コンテナ船については先ほどご説明したとおりです。
それから、不定期船、特にドライバルクの方は、ここに直近の市況、ケープ、例えば4万6千ドルと書いてありますけれども、現実はもっと上回って5万ドルを越えているような状況のようですから、これもあまり心配しなくてすむだろうと考えております。それから新造船も入ってきます。
自動車は、先ほど言ったその需給関係のタイト感は続きます。昨年デリバリーされた8隻が、順調に稼動しているので、比較的安定的な推移を保つ見込みです。 
エネルギーについては、特にアフラの市況が、期初の見通しよりも上回っているので、これもそこそこ安定した収益をあげるのではないかと考えております。

 

B-4. コスト削減

それから、コスト削減、これは毎回説明申し上げている通り、所謂リーフ・ピッキングというところから、特にコンテナ船においては、今からやろうとする思い切った手立ての前に、従来の運航の中で、減速をしたり、きめ細かなオペレーションをやることによって、バンカーセーブも出来ています。
例えば、コンテナ船の減速航行によって、第1四半期だけで約6億円弱の、バンカーセーブ、コスト、燃料費のセーブを果たしているので、これは毎期毎期、引き続いてできるだろうということで、通期で90億程度のコスト削減を目指しております。

 

B-5. 船隊整備計画

それから、まだ第1四半期が終わったばかりで来期以降の話をするのも何なのですが、私は、今期の見通しを発表したときからも、今年度はやはりコンテナの市況が悪いということで、全体として2006年度は少し辛いなと思っておりました。
但し、来期以降、2007年度以降はかなり期待できると思ってるのは、ここにありますように、昨年、2005年度に新造船が38隻、今期も47隻出てきます。
この内、内航近海、コンテナの船もありますので、これを除いても30隻と40数隻の新造船が出てきます。
これらは全て船価が高騰する前に発注した船であり、なおかつ、これらが出てくれば来期は70隻程度の船がフル稼働してくるわけです。
従って、相当期待していいのではないかと考えております。

 

以上、ご説明申し上げました。

以 上