お忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

 

1. 2005年度第3四半期決算概要

それでは、このパワーポイントをベースにご説明させていただきます。
まず、4月−12月の9ヶ月の連結ベースの数字でご説明させていただきたいと思います。
売上高は6,890億ということで、前年同期に比べますと10%増になっております。
この中身は、大雑把にいきますと、コンテナで大体400億強、自動車のところで150億程度、売上げが伸びております。

 

経常利益が695億、前年度と比較しますと19%大幅減益ということですけれども、全体として計画通りに進んだということでございます。
当期純利益も506億ということで、前年に比べますと若干プラス、計画時に比べても若干プラス、ということになっております。
為替・バンカーとも、ほぼ見込んだレベルで推移しました。

 

前年度の結果から見ますと、経常利益部分で、計画通りとは言いながら大幅な減益となったわけですけれども、売り上げの方もほぼ順調に伸びていますし、純利益の方も、計画通りの数字をあげれたということで、そこそこの成績だったかなと考えております。
その他、特筆すべきことがあるとすれば、連・単比率が前年に比べると大きくなりまして、いわば我々が進めて来た連結経営の成果が、徐々に現れてきているのではないかと考えております。

 

2. 2005年度第3四半期業績の要点

経常ベースで前年同期と、或いは公表時の想定と比較しますと、まず為替の変動というのはあまり大きくなかった。
前年同期と比べると、プラス27億、それからやはり前年に比べてバンカーの変動が一番大きかった。
バンカーのところは87ドル高ということで、176億円の悪化になっております。
因みに当社の燃料消費量は、年間で約400万トンと考えて良いと思います。
この燃料消費量については、前回にも少しお話したかも知れませんが、逆に色々皆様方からご指摘いただければ有難いと思うのですが、当社の規模で年間400万トンですから、我々よりも運航規模が大きな会社の燃料消費量がどれくらいかなというのをいつも思っておりまして、よく分析すれば、商売の形態が根本的に違っているところがあるかもわからないということで、これは是非皆さんのサジェスチョンなり、お知恵を拝借できれば有難いと思っております。
我々は自分たちがやっていることは当たり前と思っているのですけれども、少し違うかも知れません。

 

市況の変動で前年度に比べると30億強のマイナス。これについては、一番大きなところはやはり不定期船のマーケットが前年に比べますと、3割か4割下落した点が一番大きいと思います。あとは例えばコンテナ船の平均運賃は上がっていますし、規模も拡大しているということでございます。

 

営業規模の拡大で、少し述べましたけれども、コンテナ船の積高増、不定期船でも稼動規模が伸びていますし、自動車船も積高が、航路によってデコボコがありますけれども全体として伸びているということでございまして、営業としては順調に推移したかなと考えております。

 

合理化のところで数字がありますが、これは後ほど出てくるかと思います。
以上のようなことで、前回の公表時の数字と比べると14億のプラス要因で、前年同期と比べると、163億のマイナス要因となりました。

 

3. 部門別業績の概要(コンテナ船)

私どもの一番大きなコア・ビジネスであるコンテナ船事業部門ですけれども、これにつきましては、もうすでに公表済みなのですが、連結の売上高で3,372億、連結の経常利益で283億ということで、増収減益の結果となっております。規模の大きさで拡大したということで積高も前年に比べて6%強増えております。

 

運賃率もアジア、大西洋地域では、運賃修復を達成しまして、その他のメジャーなところでは、北米航路はほぼ同レベルの運賃レベルで推移しました。一方、欧州航路で若干の下方修正がありました。

 

コスト削減の方策としては、特に燃料費の値上がりが、かなり大きく響いているものですから、お客様にご迷惑をかけない範囲でスピードを落としてバンカーの消費量を節約するということを適宜やっております。一番大きな影響が出ているのは北米航路で、効果が出て来ております。
その他、収支の悪化要因としては、やはり傭船料が高止まりしているということと、先ほどから言っております、バンカーの価格の問題ということであります。

 

4. 部門別業績の概要(不定期専用船)

不定期専用船部門ですけれども、お陰様で順調に新造船の竣工等もありまして、営業規模が拡大し、稼動延べトンベースでは5%弱伸びております。
但し、当初見ておりました運賃市況マーケットが、想定よりも悪化したということで、前年同期に比べても減益になっていますし、中間時点の見込みでは余り変わらない収益になっております。
ここにありますように、昨年の第1四半期−第3四半期の平均が、ケープサイズで6万4千ドル弱のマーケットが、4万ドル弱まで落ちているということで、少しこの部分で苦しかったかなというような気がしております。
ただ、運賃マーケットは、確かに昨年に比べて落ちているのですけれども、実際の荷物の方は、かなり需要がありまして、私どもとしては、余り心配はしておりません。

 

5. 部門別業績の概要(不定期専用船)

自動車のところですけれども、順調に荷物の方は出てきており全体として扱い量も増えました。
特に三国間の荷動きは、大西洋、或いはタイ出しの完成車が増えており、荷物が出すぎて船腹が足らないということもあって、傭船料が高くなり、燃料油、バンカーの高騰も収支に影響を与えているということであります。
自動車につきましても一般不定期船と同じように、貨物の需要の方は十分にありまして、そういう意味では、商売としては余り心配はしておりません。

 

6. 部門別業績の概要(エネルギー資源輸送)

エネルギーのところですけれども、お陰様で私ども単独に近い形で行ったLNGプロジェクト、或いはコンソーシアムで行ったプロジェクト、これが順調に進捗しておりまして、第3四半期終わりの時点では、私どもの参画している運航船が29隻に増えて来ております。
今のところ収益的には、あまり大きな形になってないわけですけれども、これが数年後、或いはそれ以降については、当社の大きな収益のコアになってくると思っておりますので、これは少し長い目で見て着実に育てて行きたいというところでございます。

 

電力炭については、積み地サイドでの滞船の緩和もありまして、効率的な配船ができたということと、非常に電力需要が多くなっておりまして、石炭の需要も増えて来ているということで、積高も3%弱伸ばしており、非常に安定的な商売になってきていると考えております。

 

油槽船につきましては、長い目で見てもエネルギー需要というのは、かなり逼迫してくるということもありまして、タンカーのマーケットも、例えばVLCCについては、中間時の見込みはワールドスケール70で見ておりましたが倍以上になってしまい、だからと言って私どものVLCCのフリー船というのは全くありませんので、これはマーケットが上がっても、収益にあまり響かないというところはあるのですが。

 

私どもにとって、これは自慢するという訳では無いのですけれども、コンテナ船のみならず、ノン・コンテナの事業においても海外展開を図るということで、数年前から着実にやってきました。
特にAFRAMAXは、今シンガポールの “K” Line Pte Ltd で運航を自営しておりまして、この部分が、このマーケットの好況期に、かなり大きな収益源になってきているということでございます。
これからも引き続いて、海外展開に力を入れて行きたいと考えております。

 

7. 2005年度通期業績予想

通期の予想ですけれども、第3四半期終わって、ほぼ想定通りということで、通期につきましても、中身若干デコボコはあるのですが、中間期に公表しました数字、即ち、売上高が9,250億、経常利益が910億、当期純利益640億、これは変えずに達成できるのではないかと考えております。
中身について若干デコボコあるのは、後ほどご説明できるかと思います。
為替の見込みは、第4四半期は118円、バンカーが308ドル、の予定で、下期通算では、為替が117円、バンカー305ドルと、こういう形になっております。

 

配当につきましては、期初に発表しました通り、通期で18円の配当をさせていただきたいと考えております。

 

8. 2005年度通期業績予想の要点

これはまだ終わってないので、この時点で分析してもあまり意味は無いかと思いますけれども、為替とバンカーの変動、市況の変動も合わせて、前回の見込みと変えてないのは、ここに書かれている数字の通りでありまして、前期と比べると、一番大きいのはバンカーの変動で、これは中間期にご説明した通りでありまして、これが一番収益的には大きく響いているということでございます。

 

9. 部門別予想のポイント

コンテナの方では、旧正月開けまして、その状況を見てみないとわからないのですが、少なくとも旧正月前までの実績でいきますと、非常に計画通り進んでおりまして、それほど大きな悪化要因は無いのではないかと考えておりますが、当初中間期で見込んでいた数字よりは、若干下まわるような数字になっております。
トータルとして変更無いと言うのは、不定期、或いは油槽船の方で、収益増が見込まれておりまして、トータルとして変わらない、というようなことであります。
不定期、油槽船のマーケットの見込みについては、ここに書かれている通りで、我々としては、希望も含めて、不定期船のマーケットは、もう少し活況を呈してくれればいいなと考えております。
特に、コンテナ船の状況が、当社にとっては一番大きな変動要因になりますので、非常に注意深く各地のアクティビティーを見ておりまして、需給関係は、長い目で見ると若干緩む数字になってますが、需要も供給も、それぞれ10%を超えるような予想をしており、その需給GAPの差は若干開く傾向にありますが、色々な要因、すなわち、ターミナルの問題とか、内陸コストの値上がりの問題とか、ということで、大きく崩れるような見込みは持ってません。ただ、短期的に変動はあるかと思います。

 

10. 主要財務指標

通期の財務諸表、ここに書かれている通りですけれども、キャッシュフローについては、業績が前年同期と比べますと、業績が悪化しているわけですから、営業キャシュッフローも少なくなり、一方で新造船の投入、それから前倒し発注等々、竣工までの契約時払い等で投資のキャッシュフローが膨らんでおります。
これも計画の範囲内であると考えております。
この業績があげられると、上期で2,200億超えた株主資本が期末では、2,500億に近づくことになります。

 

前にも申し上げたかもわかりませんが、色々な格付けをとるに当って、当社の収益力がかなり高いにもかかわらず、長い間B格でおさえられていたことがあります。
その時、色々お話をさせていただいたときに、
「株主資本の絶対額が少ないんですよ」 と、こう言われました。
「その株主資本の絶対額は、どれくらいなんですか」、「評価される絶対額は」 と、お聞きしますと、
「2,000億円くらい」 と、こういう風に言われまして、
私の頭の中では、なんとか2,000億を越えるというのが当面の目標だったのですけれども、今期末には2,500億に達する、達成することになる予定でありまして、非常にそういう意味では、喜んでおります。
従って収益力、或いは収益性、株主資本の厚みを評価すると、もう少し上の格付けをもらっても良いのではないかと考えております。

 

11. コスト削減運動

コスト削減運動につきましては、先ほども一部ふれましたが、通期でいきますと一番最初に、期初に50億という見込みをあげたわけですけれども、非常に細かなところも含めて、こつこつとリーフピッキングをやり、なんとか達成する、できる見込みであります。

 

以上で、簡単ではございますけれども、第3四半期の決算説明とさせていただきます。

以 上