決算についてご説明申し上げます。
正面にありますパワーポイント、それからお手元の資料にもありますが、これに沿って説明申し上げたいと思います。

 

1. 2005年度中間期業績の概要

今中間期の決算について、一言で申しますと、対前年同期比増収減益の決算となりました。
第一四半期が終わった時点で公表しておりました中間期の見通しと、数字はほぼイコール、あまり変動は無いということでございます。

 

売上高については、4,548億、半期ベースでいきますと、史上最高の売上。
経常利益ベースでも昨年度上半期に次ぐ2番目の業績結果となりました。
当期純利益ベースでは、半期ベースで最高益を更新できたということでございます。
純利益としては349億。公表が340億でしたので、若干プラスということであります。

 

前期に比べますと先ほど申しました様に、増収・減益の経常減益ということになっておりますが、その要因につきましては、後ほどご説明させていただきたいと思います。
売上高は前年同期比で10%、経常利益では20%の減益、こういうベースであります。

 

2. 2005年度中間期業績の要点

変動要因につきましては、ここに、為替変動、バンカー変動、市況変動、等々の要因を並べました。
前回の公表の数字から言いますと、バンカーの変動が若干あり4億マイナスとなりました。
前年同期と比べると、バンカーの変動によって、104億の悪化。
この部分はバンカー価格が前期比にして77ドル高くなっている。
1ドルあたり、1億3千万円程度の変動と見ていましたので、これで104億の悪化。

 

それから、市況変動によって20億の悪化。
この要因は、一部コンテナ船で平均運賃が上がったということもあるのですが、やはり不定期船の市況の下落が、前年比で比べますと3割程度あったということで、これが一番大きな要因であると思います。

 

営業規模の拡大については、コンテナ船で積高が全体で約7%弱、増加しております。
不定期船全般につきましても、延べトンでは増えており、自動車船も積高は増えております。
それから、電力炭・タンカーにつきましても、稼動延べトンは増えておりますので、そういう意味では営業規模の拡大でそこそこできたのかなと思います。これで20億円。

 

それから、毎年言っておりますように、川崎汽船のDNAとしてこつこつコスト削減努力をしております。この部分が22億円。

 

その他の要因として、船舶経費の増、傭船料の増、等々によって、41億の悪化要因になったということで、前期に比べて、123億の悪化となりました。

 

このうち一番大きな要因は先ほど言いましたようなバンカーの変動であった、と言っても良いです。
幸いにして為替の変動はあまり無かったわけですけれども、バンカーは、当社年間405万トン強の消費をしております。
上期だけに限定しますと、200万トン弱。その内営業規模を拡大しましたので、それによる消費量の増が、30億円弱あったと思います。その残りが価格変動による悪化要因ということでございます。

 

3. 部門別業績の概要(コンテナ船)

全般的に部門別に、業績の内容を説明させていただきます。
まずコンテナ船ですけれども、コンテナ船はご存知のように川崎汽船のコアビジネスの一つでありまして、この部分でどれだけ頑張れるか、ということだと思っております。
幸いにして、営業規模が拡大でき、すなわち積高が全体として133万TEU、半期ベースで133万TEU、前年同期比で7%弱の増がありました。これは主として北米の北西岸、それから東岸サービスの増強、これが要因であります。

 

運賃の修復も、全体では約7%、運賃の修復ができたと見ております。
その他に、悪化要因としては、先ほども述べましたように、燃料油の価格が高騰していることと、傭船料の値上りもありました。
前年同期に比べますと、増収で利益が横ばい、すなわち、売上高が2,228億、連結の経常利益が206億円の成績となっております。

 

4. 部門別業績の概要(不定期専用船)

不定期専用船の方は、先ほど言いましたように、営業規模、延べトンが拡大しており、前年同期に比べまして6%強の伸び。但し、ここに書いてありますように、マーケットが、今年の連休明け以降下落いたしまして、その影響を受けたということであります。

 

但し、昨年、或いはその前の年の暮れあたりから、マーケットが上がりだしたわけですが、その一番大きな要因と見られております中国の粗鋼生産、或いはそれに伴う原材料の輸入、この勢いは、今現在も止まっておりませんので、荷況そのものは、決して悪くなっていないと思っております。

 

5. 部門別業績の概要(不定期専用船)

自動車船の方ですけれども、昨年の上期が125万台、今年の上期は130万台ということで、積高は5万台増えております。
但し、その増えているところが、三国間で、かなり伸ばしているということで、こう言うと語弊があるのですが、三国間の方が、収益性が若干劣るということもありまして、それに加えて、バンカー価格の高騰、それから船繰りが大変ということもあって、傭船料価格が高騰しておりますので、この部分が、若干足をひっぱっているということであります。

 

6. 部門別業績の概要(エネルギー資源輸送)

エネルギー資源輸送については、ここに書いてある通りなのですが、ご存知の様に、当社のエネルギー部門は、それほど大きな規模ではありませんが、着実に営業規模を伸ばして行っています。

 

LNG船部門では、5月に新造船が1隻竣工し、今合計で27隻の、所謂、保有参加隻数ということです。
ジョイントでやっているものがかなりありますので、そういう意味で27隻の規模まで増えてきたということです。

 

電力炭につきましては、15隻が安定稼動いたしまして、積高も4%弱伸びております。
これも着実に規模を拡大しているということであります。

 

油槽船につきましては、当社はVLCC今4隻の運航でして、今期にかぎっていえばフリー船は全く無い、したがってVLCCの市況の変動は全く受けていないわけですが、シンガポールで運航しているアフラ、これが昨年に比べると少し市況が悪化したということです。
但し、1隻今年新造船が投入されましたので、運航規模は増えております。
全体としては前年同期に比べますと、ほぼ横ばいというような状況であります。

 

7. 2005年度通期業績予想

問題は、下期がどうなって通期がどうなるかということでありますが、まず前提条件として為替を110円と見て、バンカーについては、上期の説明でもありましたように、バンカー価格の高騰が収益の足をひっぱっているということもあります。
変動が、為替1円で半期で6億円の上下、プラスマイナス。
バンカーにつきましては、1ドルで1億3,000万上下するということなので、非常に大きな影響を受けるわけですが、下期を通じて300ドルと見ております。
今原油の価格が上がるのか下がるのかよくわからないところがあるのですが、すでにバンカーの補油がかなりの分が進んでおりますので、300ドルを大きく下まわって、あるいは上まわってということには、ならないのではないかと見ております。

 

その前提で通期売上高が9,250億ということで、売上高については初めて9,000億を超えて史上最高の売上高が達成できるのではないかと見ております。
経常利益につきましては910億、前回公表いたしております1,050億には届かない、下方修正ということになるわけですが、何とか910億は達成できるのではないだろうかと見ております。
当期純利益につきましては640億、これも前年度の減損会計が一巡したということもありまして、史上最高益を更新できる見込みであります。
配当につきましては中間期で9円、通期で18円ということで、当初の見込みを経常益ベースで、計画を下まわることになる予定ですが、連結ベースで史上最高益を更新するということもあり、当初公表しておりました18円の配当を維持したいと考えております。

 

配当につきましては、株主の皆様方には、単体の純利益ベースで配当性向、前期が20%を、徐々に上げていくと、こういうお約束をしております。今日の発表では、単体の数字でいきますと25%程度の配当性向になるのですが、何とか頑張って、18円の配当をさせていただきたいと考えております。

 

前期の公表数値に見込んでいなかった特別損益としては、投資有価証券の売却益を約30億、それから、これはもう既に発表していると思うのですが、六甲の後背地の売却益を9億円程度見込んでおります。

 

8. 2005年度通期業績予想の要点

通期の業績予想の要点として、ここにある通りなのですが、前回の公表値、それから、前期と比べて、やはり一番大きな変動要因はバンカー価格の高騰であり、下期300ドルと見まして、通期で280ドルであります。
このベースで行きますと、前回の公表値が258ドルだったわけですが、それが280ドルになる。前期と比べますと、192ドルが280ドルになるということで、それぞれ大幅に減益要因となっております。
前期と比べると、通期ベースのバンカーだけで240億円を越える悪化要因ということであります。

 

市況の変動につきましては、前回公表の時点で下期の所謂マーケットの見通しを変えなかったということもありまして、前回公表の数値からも70億円程度変動しております。
前期比と比べると50億ですが、全体としてはやはり不定期船にかかわるマーケットの変動の影響が一番大きいものと見ております。

 

それから、上期のところでも説明しましたように、営業規模の拡大は順調に行われておるし、コストの削減効果も出ているということでございまして、前期1,072億に対して、今期の見通しとして910億、162億の減益予想となっております。

 

9. 部門予想のポイント

それぞれ部門別の見通しの要点ですが、コンテナ船につきましては、アメリカの経済の動向とか、欧州経済の動向等、色々言われているわけですが、下期については今のところ荷況は好調でございまして、おしなべて欧州、欧米向け、アジア域内ともに堅調に推移するものと見ております。

 

不定期船につきましては、ここに書かれている数字の通りですが、当初、例えばケープサイズで65,000ドルと見ておりましたマーケットを、少し下方修正しまして、44,000ドル程度、その他の船種も修正いたしております。

 

油槽船につきましても、営業規模が小さいということもありまして、損益ベースではそれほど大きな要因にはならないと思いますが、上期に比べると若干プラスで見ており、特に、市況の影響を受けるシンガポールでやっているアフラマックスについては、WS(ワールド・スケール)200程度で見ております。
その他は、足元の状況からいきますと、アフラあたりはWS300程度まで今行っておりまして、ひょっとすると少し増益要因が出てくるのかなと期待しておるところであります。

 

10. 主要財務指標

この通期の予想は、実現できると、ここに書かれていますように、それぞれの財務諸表の、当初見込んでいた数字よりは少し中身が薄くなりますが、“K” Line Vision2008で定めている数字に、徐々に近づいているという気がしております。
キャッシュフローの点では、業績を下方修正したこともあり、営業キャッシュフローは落ち込み、投資の方は上期、LNGのタングーのプロジェクトが3隻決まったということもあり、この部分で投資の金額が増えておる、ということもありまして、投資キャッシュフローはふくらんでおります。
その他、当初見込んでいた数字よりは若干薄まっていますが、従来に比べると改善している数字だと見ております。

 

11. 船隊整備の進捗状況

それから船隊整備の状況でございますが、今年の9月末で営業部門全ての船隊を合わせて384隻ということで、今期末には409隻になります。
内訳を言いますと、今期、長期傭船も含めて実質的に支配船が36隻増えてくる。上期に18隻、下期に18隻増える計画になっております。
その他返船等もありまして、運航規模として増えるのは25隻の予定であります。
ちなみに、2006年の竣工、投入予定船の隻数は合計で37隻の予定です。

 

今期出てくる船、船種としましては、コンテナ船が5隻、バルカーが17隻、自動車船が8隻、電力炭のバルカーが2隻、LNGが4隻、この36隻になっております。
2006年につきましては、コンテナが6隻、鉄原のバルカーが10隻、自動車が8隻、一般不定期が6隻、LNGが2隻、石炭が2隻、タンカー部門が3隻、トータル37隻の予定になっております。

 

12. コスト削減運動

コスト削減運動ですが、今年度の目標が50億で、上期実績として22億。
項目は多岐に渡っており、それぞれの金額はそれほど大きくありませんが、これは引き続いてやって行きます。
下期の28億についてもやれる見通しが既についております。

 

運航費の削減、上下あわせて20億になっておりますが、例えばターミナルの契約の更改であるとか、フィーダー料金の引き下げ等々、世界各地で、所謂「リーフ・ピッキング」ということで細かなコスト削減の積み重ねであります。
それから、大きなところでいきますと、関係会社の営業関連費用削減、トータル12億をあげていますが、これは、各現法の管理費の削減であるとか、国内港湾物流会社における営業費用、売上原価の削減等を含んでおります。
事業部門別に見ると、50億のうち30億が海外も含めたコンテナ事業部門の積み重ねであります。

 

以上で、簡単ではございますけれども、第3四半期の決算説明とさせていただきます。

以 上