それでは、2005年度の第一四半期の決算について、パワーポイントが準備されておりますので、これにそって説明させていただきます。

 

1. 2005年度第1四半期決算概要

数字は、ここにご覧の通りでございまして、売上高2,211億、経常利益が241億、当期純利益155億ということで、当初の我々の計画よりは、右側に増減率が書いてありますけれども、売上高で3%、経常利益で15%、見込みより増収増益、となっています。昨年度、2004年度の第1四半期から比較すると、売上高では11%増ですが、営業利益、経常利益、当期純利益とも、10%強の減益となっております。

 

その要因は、前期から見ますと、為替については1円の円高、燃料油価格については67ドルのバンカー高ということで、それぞれ円高で3億円、それから燃料油で45億円、これのトータル、48億円の減益要因があります。

 

公表値から見ますと、為替は105円で見ておりましたので、約2円の円安、これでプラス6億円。燃料油も第1四半期250ドルで見ておりましたので、約2ドルのバンカー安ということで、これもプラス1億円の改善要因があります。

 

その他にマーケットの変動ということで、それぞれの部門については後ほどご説明いたしますが、極めて大まかに言うと、コンテナ船は、積高は公表とあまり変わらず、運賃率が上がったということでございます。
それから不定期船については、今現在市況は低迷しておりますけれども、その前に貨物が確保できたということ、自動車船については比較的、積高が好調で、効率配船もできたということであります。

 

第一四半期、3ヶ月だけですが、連・単の比率が前年に比べると拡大傾向にあります。すなわち、売上高については前年は1.24から今期は1.25、経常利益については、1.24から1.37ということで、連結ベースで規模は拡大している、と見ております。

 

2. 部門別業績動向(コンテナ船)

今から部門別に概要を説明させていただきます。

 

コンテナ船につきましては、ここにありますように当初の見込み、今年の計画を上回る利益をあげられたということで、第1四半期の経常利益は連結ベースで93億。
これについては決算短信のところに、今年から参考資料としてコンテナ船事業の数値を、 HYPERLINK "http://www.kline.co.jp/ir/pdf/fh2005_1_con.pdf" 11ページに記載してあります。

 

営業規模が拡大したということで、積高については先ほど少し申しましたが、当初見込み通りの積高があげられましたけれども、前年同期に比べると7.4%の積高増がありました。
それから、コスト削減等々もあったのですけれども、一番大きな要因はやはり運賃の修復、特にアジア航路、大西洋航路において、運賃の修復があったということかと思います。

 

航路別に言いますと、前年同期比で欧州航路で約3.5%、北米航路で2.5%の運賃の修復がありました。
その他、色々とコスト削減もやっております。
それから、総平均でいきますと、平均運賃は前年同期に比べると約9%の改善がなされた、ということでございます。

 

これは参考までですが、コンテナ船の売上が、1,065億、経常利益が93億ということで、連結ベースでいきますと売上高が全体の約48%、経常利益でいきますと39%の比率を占めております。
これを単体に直しますと、売上高が54%、経常利益が41%なのですけれども、当社はコンテナ船が主力、半分以上はコンテナ船じゃないか、とこういう風に思われる方もあるかもわかりませんが、連結ベースでいくと50%は切っているような状況になっております。

 

3. 部門別業績動向(不定期専用船)

次は不定期専用船部門ですけれども、不定期専用船部門には不定期船と自動車船部門がございまして、両部門とも、当初の見込みを上まわる利益があげられました。

 

不定期船については、先ほど申しましたように、4月、5月の連休前くらいから、少しマーケットが下落しているのですけれども、市況が下落する前にある程度の貨物が確保できました。
可能延べトンも、営業規模ですけれども、5.5%のびました。
これで、前年同期に比べると減益という形になっていますが、当初見込みを上回る業績、利益をあげることができました。

 

自動車船については、輸送台数が8%弱のびております。
特に中南米カリブ、豪州、中近東向け、というように比較的、運賃率の高い航路において積高が9%強増えている。三国間航路においても、30%以上も積高を伸ばしている、ということでございまして、業績についても、当初見込みを上回る業績をあげることができました。

 

4. 部門別業績動向(エネルギー資源輸送)

次はエネルギー資源輸送ですけれども、皆様ご存知のように、当社は、このエネルギー資源輸送部門が相対的にあまり大きくありませんが、総体として、安定収益を確保できた、と見ております。

 

ここに書いてありますように、LNG船では、各プロジェクトも順調に進捗し、5月にはラスガスII向けの新造船も1隻竣工しました。ただ業績、或いは規模につきましては、期中に出羽丸のドックによる不稼動がありまして、若干稼動延べトンが減っています。
因みに、今度のラスガスII向けの新造船1隻を入れて、当社が関与するプロジェクト船は27隻になっております。

 

それから、電力炭部門ですけれども、計画通りの業績をあげました。
昨年と比べても、ほぼ横ばいの成績をおさめております。そのコア船隊15隻を、フル稼働で動かしました。
積み地、特に豪州あたりの滞船も緩和されてきて、比較的効率的な配船ができた、ということであります。
6月には、新造パナマックスも1隻傭船を開始しまして、これが第2四半期以降、業績に寄与するものであります。

 

油槽船は、前年同期に比べると、フリーのVLCCが1隻無くなりまして、減益要因ですけれども、これも当初の計画通りに業績をあげております。
一時市況が軟化して、ワールド・スケール50というような話があったのですけれども、今現在は、比較的堅調に推移し、回復基調にあります。

 

5. 2005年度業績予想

この第一四半期の実績をベースに、今期の上期及び通期の見通しをここに記載しております。

 

前提となる為替とバンカーですけれども、為替については期初は105円でみておりましたが、第2四半期以降、現状の為替動向をふまえて、110円で見直しました。
バンカー価格については、期初の計画では第1四半期は250ドル、第2四半期は230ドル、下期220ドルと見ていたのですけれども、価格が高止まりしているということで、第2四半期以降、260ドルでみております。

 

こういった前提条件を見直しまして、第2四半期については、各部門の予想を積み上げて、第1四半期より若干減益の見通しを持っております。
第1四半期が計画より上回りましたので、相殺する形になって、上期については当初の計画通り、売上高4,500億、経常利益が500億、当期利益340億、この見通しを変えておりません。

 

下期については、先ほど申し上げた為替とバンカーの前提条件を見直すと同時に一部織り込んでいなかったコストセーブの要因を、達成できるであろうということで、約29億円見込みました。

 

その結果、改善要因としては、為替の円安、105円から110円に見直したということで32億円、先ほど申しましたコスト削減が追加で29億円、トータル61億円の改善要因を見こみました。 同時に、燃料油価格が220ドルから260ドルに見通しを変えましたので、この悪化要因が50億強で、マーケットの見方については、今現在、それもふまえて下期の予算を作成中でありまして、結論から言いますとマーケットの見方は変えておりません。

 

従いまして、先ほど申しました為替とバンカーの変動、それから、一部見込んでいなかったコスト削減を勘案しまして、下期の予想、並びに通期の予想は、期初に発表した通りで、変更は加えませんでした。
売上高が9,000億、経常利益が1,050億、当期純利益が690億、という計画であります。

 

この業績があげられるということを前提にしまして、中間配当9円、通期で18円という配当についても見直しを行いませんでした。

 

先ほど申しましたように、連・単の比率が、やはり拡大しておりまして、我々としては連結ベースで事業を運営していくということで、その線にのっているのかなと考えております。

 

6. 2005年度業績予想の要点

ここは、今、説明申し上げました通りの内容が書いてありますので、次お願いします。

 

7. 船隊整備計画ならびに主要財務指標

船隊整備計画でございますけれども、この表にありますように、2004年度はトータル18隻、2005年度の竣工予定船につきましては、トータル33隻をみこんでおります。
これは、傭船も含めております。

 

2004年度の通期の決算発表をした際、ここでご説明申し上げた時には確か、2005年度の竣工船は20隻とご説明したと思うのですけれども、その20隻は、右の方に書いてありますキャッシュフローに直接影響が出てくる船の部分だけ、隻数を書いたものです。
我々が経営計画“K” Line Vision 2008に掲げている181隻、トータル7,300億円の投資の対象になるのは、今日ここに書いてありますように、傭船も含めた33隻が対象になりますので、少し前回のものと数字が違っておりますけれども、ご容赦いただきたいと思います。

 

こういうことで、今のところ、投資計画も、順調に進んでおります。
ちなみに181隻がどうなるかということですけれども、今のところ確定、内定している部分も合わせますと、ほぼ同数、180隻強の投資が、確定、乃至内定しております。
一部、2009年度にずれこむ部分もありますが、大きく考えて投資の方は計画通り順調に進んでいると言えます。

 

それから、一部、ご存知のように、造船価が値上がりしているということもありまして、7,300億円が若干増えるということも見込んでおります。

 

これにつきましては、前にもお約束した通り、今期中に、2006年、7年、8年の数字を見直すと同時に、2009年或いは10年をある程度視野に入れた数字の見直しを、今期中にやりたいと思いますので、その時にまたご説明させていただきたいと思います。

 

主要財務指標についてはここに書いてある通りで、通期の見込みを変えておりませんので、中身についてはあまり変更は無い筈でございます。

 

8. コスト削減運動

最後にコスト削減運動ですけれども、期初の計画では、50億を見込み、実際に計画の中に計上したのは約10億円でしたが、実現の見込みがたちましたので、追加で見込み、50億は達成できる形になっております。

 

主なものは、貨物費の削減。その前に、我々はずっとここ数年にわたり、KR計画という、90年代の半ばから始めた経営計画で、かなりコストについては細かなところまで見直しを行いました。ご存知かと思いますけれども、社内ではリーフ・ピッキングといいまして、落穂ひろいという意味ですけれど、細かな、金額でいくと何十万円単位から積み上げて、それも日本だけじゃなくて、世界各地でそれを積み上げていきます。

 

結果として何億円、或いは何十億円というような単位に繋がるわけですが、もう、一度何かやったら何億のコストセーブができるというようなものはなかなか残っておりません。そういう意味では苦労していますけれども、これは経営計画にも書いてありますように、コスト削減というのはKラインのDNAだということで、これを今後とも、金額は若干少なくなるかもわかりませんけれども、続けていくつもりであります。

 

そういう細かな積み上げで、貨物費の削減が、ターミナル契約の更改とか、アジアのフィーダー料金の引き下げ等々で約18億円、関係会社の営業関係費用で10億、それから、コンテナの機器費、空コン費用、こういうところの色々な細かな見直しを行いまして約10億と、こういうようなコスト削減を見込んでおります。

 

以上で私の方からの説明は終わらせていただきます。
ありがとうございました。

 

以 上