A. 2004年度第3四半期決算概要

この三ヶ月の第3四半期は左から2つめの数値でございますが、既に発表した上期と合算した所謂9ヶ月の第3四半期決算数値はこの青色で書いてある部分でございます。
これに対しまして、上期決算が終わったところで出しました公表数値は、右側から2つめの公表値というところでございます。

 

まず、前年度、その青い数字の右側にございます数値との比較、これが増減額と増減率で書いてございますが、これはご覧の通り、利益項目の営業利益が大体72%増、経常利益が100%弱位の前期比増加でございます。

 

当期利益に関しましては100を少し超えた実績になっておりますが、これはその下にございます為替レートと、バンカー価格が夫々7円高、18ドル高となっておりますので、この要素は当社にとってマイナス要因でございます。同期比で88億円のマイナス要因と評価されますので、この88億円を吸収して、経常利益では連結で418億プラスに改善いたしました。実質的には2倍を超える収益であったとご評価いただけると思います。

 

利益項目につきましては少し補足が必要ですが、この第3四半期の公表数値に対しまして、一番右側の増減額が△12、△10となっております。これは当初、第4四半期で整理し計上する予定にしておりました海外の金融子会社の清算を第3四半期に繰り上げて計上できることになりましたので、単体で27億、連結で31億、利益が減少しているということが表れております。この要素を除外して考えますと、若干当期利益も改善しております。これは後ほど出て参りますが、この繰上げ清算につきましては第4四半期でプラス効果になって返ってくるはずでございます。

 

B. 当第3四半期(4月-12月)の経営環境

当期の経営環境につきましては、上期のときにもご説明致しましたが、マクロ経済環境、米国経済、欧州経済、アジア経済、いずれも設備投資、あるいは経済活性化等によりまして、拡大基調でございます。

 

日本経済につきましては皆様ご存知の通り、企業収益が改善しておりますし、設備投資も増加しております。当社はこれを、製造業における原材料輸入等の増加により、享受させていただいているのではないかと思います。当社の事業環境はここに3つ書いてございますが、その点につきましては後述しましたので省略致します。

 

C-1. 部門別業績動向(コンテナ船)

コンテナ事業につきましては、累計輸送TEUで9%の増加でございます。その内容と致しましては、まず中国出しの貨物が順調に増えてきたことにあります。その効果もございまして、全航路積高が大幅に増加しております。北米6%、欧州6%、アジア15%、この辺りの内訳数値は「投資家ガイド」の方にグラフとなって表れておりますので、後ほどこのアジアの伸び率が非常に高いというのもグラフでご覧いただければと思います。

 

また、大きな要因として、この欧州・北米向けの運賃率修復がございます。これも、「投資家ガイド」、「決算短信」の方にも運賃推移のグラフが出ておりますが、北米航路につきましては99年レベルに戻っている、欧州航路につきましては99年レベルを少し上回るところまで回復しているということがご理解いただけると思います。量の方の拡大についてですが、アジア?エーゲ海航路、南北アメリカの東岸を結ぶ三国間航路、東南豪州航路の増便、北米東岸航路を増設、とこのような数量増加に対応する、当社のサービス網の拡充を図っております。
それに反しマイナス要素としましては、傭船マーケット高騰、燃料油価格上昇、円高基調で、当社はマイナスの影響を被っております。

 

C-2. 部門別業績動向(不定期専用船)

不定期専用船部門を一言で申し上げると、前年同期比の大幅増益でございます。これらを二つに分けまして、不定期船部門につきましては、市況が一時的に下方修正があった後、第2四半期以降全面高に展開しております。また、量の方についても、稼動延トンが約5%増加しており、これも当然貢献しております。

 

自動車船につきましては北米向けの輸送台数が31%増加しました。それに加えまして欧州、豪州向け、三国間輸送、いずれも堅調に推移しております。
ただ、ここのマイナス要素としましては、限られた自動車船マーケットの中、荷物の増加に伴い傭船を増やすわけですが、これが非常に、競争の激しい市場につき傭船料が高騰しております。
それに加えまして、全部門共通ですが、燃料油価格の上昇、円高基調、というのはマイナスでございます。
しかし、ここにつきましては、量が増えますと、お客様の協力を得て効率配船の努力を致しますので、運航コストを削減することにより、収益レベルを維持する、少しでも増益に転じるという努力をして、その効果が現れております。

 

C-3. 部門別業績動向(エネルギー資源輸送)

部門別損益の中のエネルギー資源輸送でございますが、液化ガス運搬船は2つのプロジェクトがさらに追加で立ち上がりまして合計26隻、当社は関与しております。
従いまして、安定収益ではございますが、ここに書いてございますように、稼動延トンが4%減少しております。これは当社の尾州丸という船が長い期間ドックに入りまして、それによるマイナスでございますが、これは所謂その部分を含めて、収入をいただきますので、LNG部門としての稼動トン数は減っておりますが、減益基調ということではございません。

 

電力炭につきましては、新造船の投入を順調に行いまして、当社得意のコロナ・タイプという幅広船ですが、これを積極的に活用いたしまして輸送量は大幅に増加致しました。
その間市況が改善したことと、積地の滞船等々が解消したこと、それから古い契約が切れて新しい契約になるというような要因から、前期にもご説明致しましたが、逆鞘配船という高い傭船を取って引き受け荷物を運ぶという事象が解消されました結果、収益が改善しております。稼動延トンも僅かでございますが、1.4%増えております。

 

油槽船、タンカーにつきましては、非常に市況が高位に安定推移致しました。稼動延トンは、つまりVLCCを一隻投入したということもございまして、アフラマックスと合わせ19%の増、これがそのまま量と運賃率とで貢献をしました。ただ、このVLCCの船につきましては下期から中期傭船に入りましたので、この効果は第3四半期、第4四半期では剥げ落ちるということになっております。

 

C-4. 部門別業績動向(連結子会社)

内航・フェリー部門、これは売上高、利益とも横ばいでございます。

 

燃料価格高騰等のマイナス要素がございますが、今年の異常気象にも関わらず輸送量が増加したというようなこともございまして、利益は横ばいを確保しております。

 

航空貨物取り扱いにつきましては海上・航空共に荷動きが増加したことにより増収・増益となっております。

 

物流・港運事業につきましては当社のコンテナ船、及び他の船が少しございますが、グループ全体の貨物の取扱量が増加したことによりまして、ターミナル或いは代理店部門の業績が改善したことにより、増収・増益となっております。

 

D. 当第3四半期連結決算ファクター別増減要因分析

当第3四半期の連結決算ベースの増減要因を箇条書きに致しましたが、経常利益が前年同期比から418億、公表比からみて19億ですが、この公表比というのは11月の中間決算時に発表した数字でございます。
これは19億という市況変動だけ書いてございますが、全部門が少しずつ良い方へ動いたということでつまり累計したものが19億ということで基本的には公表数値とあまり大きな変動はございません。
ただ前年同期と比べますと為替・バンカーが88億マイナスでございました。これは市況変動と括ってありますが、大きな要因としてはコンテナの運賃率の回復、不定期船市況の回復、タンカー等の運賃市況の高いレベルでの推移等合わせて、337億円前期比改善しているということです。この過半部分はコンテナの運賃率の回復というようにご理解いただきたいと思います。

 

コスト削減につきましては、53億ございまして、後ほど明細が出て参りますがこれも着々とやっているということをご理解いただきたいと思います。

 

E. 2004年度通期見込

第3四半期までの実績に第4四半期の見込を合算しまして、通期の数値を業績予想として出したものが真ん中のところにあるものでございます。
これの右側に2003年度通期実績というのがございまして、この通期見込の通りに推移するとすればということですが、大体営業利益で5割増し、経常利益で7割増し、当期純利益は8割くらい、前期比増えている、このような結果で終わることを見込んで発表させていただきました。
この間の為替は7円高、バンカーは21円高ということでございまして、これのインパクトは1円が10億、バンカー10ドルが23億という前提で計算してございます。
これは、いずれにしてもマイナス要因ではありますが、これを織り込んだ数値が上の数値でございます。

 

中間決算公表時との増減額は一番右端のコラムに書いてございますが、これはご覧の通りでございまして、先ほど申し上げましたように、全部門の夫々努力した集積が、第3四半期と第4四半期に分散して入っている。
或いは逆に第3四半期と第4四半期のそういう改善要素を足し算したものがこのような結果になるということでございます。皆さんのお手元にはございませんが、第3四半期の修正を計算してみますと、第4四半期だけの3ヶ月の改善は売上高に対しては、中間期に見込んだよりも少し減少するというように見ております。

 

一方、営業利益、経常利益は僅かでございますが、第4四半期だけでも少し改善すると考えております。これは主として、連結の非単体部分の改善を見込んだ上の予測にたっております。
純利益につきましては先ほどご説明致しましたとおり、関係会社の清算損を第3四半期に計上致しました結果を織り込んだ上で、実質中間期予測よりは改善しているということになります。ただここにつきましては、いつもご説明するのですが、コンテナ以外の部門の収益認識基準が航海完了時であるということから、航海完了が3月末辺りの天候次第では動く可能性がある、それからコンテナの積み切りが3月末まで算入されますので、これもシナ正月明けの結果がどのように推移して行くかによりますが、私どもとしましては、余り変動は無いのではないかと考えております。

 

F. 部門別第4四半期の予想

第4四半期のご説明は大体、申し上げたとおりでございまして、ポイントはコンテナ事業の第4四半期の推移というのが、一つのポイントになると思います。北米の鉄道その他のサービス体制につきまして、少し能率が落ちるというようなことがございましたが、当社はその北米の北西岸に大型化した新造船のシリーズ船を1月から投入しており、それに加えまして北米東岸に新サービスを増やした結果、思ったよりも積荷の船を占める割合が高くなり、この辺りがリカバリー要素として若干のPSWからの荷物の減少が、もしあるとしましても相殺出来ると考えております。

 

欧州につきましては荷動きが堅調に推移しておりまして、旧正月前後に少し調整があるかと思いますが、見込んだ通りで推移しております。

 

アジアにつきましても大体順調でございます。南北航路につきましては、少しスラックで弱含みでございます。全体といたしましては、中間期公表値に比べまして、少しプラスが出ると見込んでおります。
あとの部門につきましては大体市況にリンクしており、市況そのものがあまり大きく変動しておりませんので、収支が順調に推移すると考えております。

 

G. 通期連結決算ファクター別増減要因分析

連結決算ファクター別の要因分析でございますが、これは先ほど第3四半期までのご説明をしたものから殆ど変わっておりませんので、少しマグニチュードとして大きくなったということでございます。
市況変動の中、360億前期比改善すると申し上げているものの、半分以上はコンテナ運賃の回復による影響でございます。営業規模拡大の140億というのもコンテナ船の増強策の規模の拡大が半分位、残りがノン・コンテナ部門とこのようにお考えいただきたいと思います。

 

H. キャッシュフロー・投資額ならびに主要財務指標

キャッシュフローでございますが、これはこの第3四半期では見直しておりませんので、上期実績と通期見込みが青い字で書いてございますが、この数値よりも若干業績の改善を見込んでおりますので、営業キャッシュフローにつきましては改善する見込み、投資キャッシュフローにつきましては契約時払等々の移動があり、少し増加すると予想しております。従いましてフリーキャッシュフローは中間期に見込んだ数値と大差無い推移で今期は終わられるものと思っております。

 

その他の緒原につきましては、株主資本比率は30%に到達出来るのではないかと思います。有利子負債も、2,600億の年間見込みと変わりなく、ROEとROAにつきましては総資産、株主資本も増えますので、利益レベルは改善しますが、中間期で見込んだものとあまり大きく変わらない、つまり、第4四半期の変動がございましても、あまりこれが動くことはないのではないかというように考えております。

 

I. “K” Line Vision 2008 基本課題の遂行状況

“K” Line Vision2008の基本課題の中で、当社が一番大きく考えているのは、戦略分野・地域への積極的な取組みということでございます。
例えばコンテナ・物流に関しましては、BRICS諸国の代理店及び支店網の拡充を行い、主な所につきましては順調に進んでおります。また、航空貨物に関する川崎航空サービスにつきましては、CEPAを利用いたしまして上海に物流会社を新設、深センに貨運代理会社を作るというような方向で準備が進められております。

 

鉄鋼原料につきましては2隻のケープサイズバルカーが竣工しております。
エネルギー資源に関しましては、サハリンエナジー社、カタールラスガスⅡ社、大阪ガス等他社と共同で入るプロジェクト、またYARA社向けに38,000m3のLPG新造アンモニア輸送船の長期契約を締結したことが特記事項かと思います。

 

コスト構造改革運動を遺伝子として定着させるということにつきましては、今年度も70億円を見込めるということで定着に向けて粛々と進めております。また、当社の課題の一つである財務体質の強化でございますが、JCRは「A-」から「A」へ、R&I は「BBB+」から「A-」と共にご評価をいただける格付を頂戴致しました。

 

J. コスト削減運動

コスト削減運動につきましては、先にも述べましたように、当初50億くらいという風に見込んでいた目標額を上回り、中間期に修正致しました通り70億に達する見込でございます。
これは、コストセーブ項目を洗い出し、登録するという管理体制のもと、数々の構造改革に真摯に取り組んだ結果であり、遺伝子の定着運動としては成功しているのではないかと思っております。

 

以上で実績編のご説明を終わりまして、ここから経営計画、経営企画室管掌専務でもございますが、来期四月から社長に就任致します前川専務から Vision 2008の数値目標の推移、2005年度の経営環境の我々が今考えているポジションをご説明させていただくということで引き続き行います。

 

K. Vision 2008 数値目標推移

2004年度から新経営計画であるVision2008がスタートしたわけですが、初年度において初年度の収益面での目標を大きく上ぶれし、計画の最終年度である2008年度の数値も、概ね上回るような結果となりました。甚だこの計画が、本当に将来を見通してたてたのかというお叱りを受けるかも分かりませんが、策定当初の予測をはるかに上回る事業環境の変化があったということで、その変化が構造的なものなのか、一時的な需給関係の変化によるものなのか、じっくり見極めたうえで、今後の数字について考えていきたいと思っております。また、2005年度に関しましては、今年度の経営環境より下方修正するような要因は、今のところ見当たらないので、今後各部門の収支計画の積み上げを見た上で、2005年或いは2006年についても数字を特に収益面の数字は見直すことになると考えております。

 

<2005年度の事業展開について>
【2005年度の経営環境】

経営環境につきましては、先ほど申し上げましたように、世界の経済は米国、欧州、中国も含めたアジア夫々堅調であると見ております。
特に今年度の、海運市況の好転につきましては、例えば株式市場で、中国関連と海運が言われるような形になっているわけですけれども、勿論かなりバルクの部分では中国の経済、特に鉄鉱石、原油の輸入増加等によって、かなり大きな影響が直接的、或いは間接的にあったと思います。

 

一方、当社の主力事業であるコンテナ事業につきましては、中国から米国、欧州向け貨物の輸出の、占める割合が極めて大きいものですので、基本的にはアメリカの景気、或いは欧州全体の景気が堅調に推移しておれば、荷動きは2005年度も比較的堅調に推移すると見ております。

 

<事業戦略-コンテナ輸送>
1.コンテナ船部門

各部門別の事業戦略についてですが、今までに色々な角度からご説明させて頂いていると思いますので、特段2005年度だけどうという訳ではないのですが、特徴的なところをかいつまんでご説明申し上げたいと思います。

 

まず始めに、当社の主力部門であるコンテナ船につきましては、アジア?北米、アジア?欧州の荷動き等はそれぞれ10%を越えるような幅で増えていくだろうと予想しております。
これは、夫々堅調な経済、或いは景気に支えられた動きと理解しております。

 

一方、船腹の供給についてですが、かつて大型船が集中的に発注され、2006年には需給関係が緩むのではないだろうかという所謂「2006年問題」と云われたことがあるのですけれども、我々が需給を見る限り、さほど心配したことではなく、寧ろお互いに荷動きと船腹の供給の方も、バランスのとれた形で伸びていき、基本的には大きな需給の変動があるとは見ておりません。

 

その中で一番問題とされるのが運賃動向ですが、キャリア側のコスト増要因もいくつかございますので、かつて行われたような形で大きく運賃を下げるということはございません。寧ろコスト増要因の一部をお客様に見ていただく、或いは、将来の船腹、船隊整備のための、再生産のためのコストを見ていただくというようなことで、運賃については堅調に実現、修復が出来るのではないかと見ております。
また、我々がお客様にしております製造業を中心とするメーカーさんは、長期に安定的な購買を望む傾向が強いので、単年度契約から複数年度契約へと運賃の安定化の動きが徐々に強くなってきております。

 

<事業戦略-バルク輸送>
2.鉄鋼原料部門

鉄鋼原料部門につきましては、最近になり各メディアで取り上げられておりますが、世界の粗鋼生産が10億トンを超え、更に増加傾向にございます。世界の経済が、特に中国を中心として堅調であるということの裏返しです。その結果、鉄鋼石及び原料炭の荷動きが非常に大きく伸びております。

 

それらを勘案して、年間4,000万トン強荷動きが年々増加して行くだろうと見込んでおりますが、一方で船腹の供給もありますが、荷動きの増加とバランスし、この堅調なマーケットはここ数年続くのではないかと見ております。
そのような背景の中、今後とも船隊整備を続けて行き、鉄鋼原料、特にケープサイズの世界の中でも主要なキャリアになるべく、地位を確保して行こうと考えております。
また、更に今後は寧ろ国内市場が頭打ちになり、海外での市場展開が期待されておりますので、日本の国内マーケットだけでなく、海外での市場も目指して、シンガポール、或いはヨーロッパを中心とした海外での拠点化が急務であると考えております。

 

<事業戦略-バルク輸送>
3.一般不定期船部門

一般不定期船部門の太宗貨物である穀物、石炭輸送についても需給は堅調であり、少なくとも2005年については不安要因は無いだろうと見ております。
またチップ船の分野では、国内のチップメーカーさんが、中国で事業展開をされるということもあり、2005年には実現化は難しいかと思われますが、それ以降の船腹需要に大きく影響を与えるような計画が進んでおりますので、積極的に取り組んで行きたいと考えております。
いずれにしても不定期船マーケットは鉄原、大型船のマーケットに引っ張られて、パナマックス、或いはそれ以下の、ハンディーマックス、ハンディーバルカーのマーケットも、比較的堅調に推移するのではないかと見ております。

 

<事業戦略-自動車輸送>
4.自動車船部門

現在、世界の自動車販売台数が6,000万台弱くらいですが、更に上昇傾向であると見ております。
従いまして、自動車輸送の分野では、特に日系のメーカーさんの海外への工場移転、これはある意味海上輸送量に下向きの影響が出てくるわけですが、それらを凌駕して東南アジア、東欧諸国、南アフリカ、南アメリカ等各国で立ち上げた工場から、世界の市場に向けて完成車が出荷されるという荷動きが増えて行くものと考えております。

 

また、自動車船の特色をいかした所謂RO/RO キャリアーとして、自動車以外の分野にも輸送網を拡大して行く計画でおります。
特に三国間輸送の伸びが見込まれるので、先ほど鉄原不定期の分野でも述べましたように、海外での事業展開が今後大きな課題となりますので人的資源、或いはその他の資源も含めて海外の拠点を強化する考えでおります。

 

<事業戦略-エネルギー資源輸送>
5.LNG部門

LNGに関しましては非常に長期の契約につき、取組みも長期的に及びます。
長いレンジで見ますと、ここに記載されてありますように、LNGの需要というのは年々大きくなって行くであろうと思いますので、今後ともその需要に対応出来るべく、積極的に夫々のプロジェクトへの参画を図るために、色々なことを考えております。
ただし先ほども言いましたように長期的な取り組みであるものですから、2005年に何かあるかというと、既にもう計画された通りの動きしか無いということでございまして、収益的には安定的に推移して行くと見ております。

 

<事業戦略-エネルギー資源輸送>
6.電力炭部門

電力炭の需要は、長い目で見ますと7,000万から7,500万トン位で頭打ちになるであろうと予測しておりますが、お客様のお話をお伺いすると、石炭の需要については今後とも堅調であると仰る荷主様が多いという事でございました。今後輸送量としては飛躍的に拡大するという分野ではございませんが、安定的に、少なくとも需要が大きく減るというようなことは無いと見込んでおりますので、当社としましてはコロナ型船隊を中心に積極的にお客様のお役にたちたい、とこのような形で営業を進めてまいりたいと思います。

 

<事業戦略-エネルギー資源輸送>
7.油槽船部門

最後に油槽船、タンカー部門につきましては、今年度のマーケットの動きをみましても大きくふれて、どのようにマーケットを見ればよいのか非常に難しいところですが、世界の景気が順調に推移し、なおかつ中国の需要が今後ともここ数年の間は強いとみる限り、この油槽船の分野も、乱高下はあるかも分かりませんがおしなべて堅調なマーケットではないかと見ております。

 

当社は従来から、ノン・コンテナ部門の拡充を大きな経営計画のひとつとしてとらえてきましたが、その一つとしてVLCCの船隊も最終的に10隻まで増やして行こうという計画を立てております。また、この分野におきましても長期安定的な契約を取り、まず規模を拡大して行こうと考えております。これが、将来お客様の需要の強弱に応じ、スポットのマーケットでも色々商売できるような形に持って行きたいと考えております。

 

以上を持ちまして、説明を終わらせて頂きます。本日はありがとうございました。

以 上