お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
上半期の決算について概略をまずご説明して、下半期のご説明の後、通期の業績見込みに移らせていただきます。
特に皆さんのご関心事は、下半期の業績の見込みに対する前提というようなことではなかろうかと思います。
その辺に時間をかけたいという風に思っております。

 

A. 2004年度中間期決算概要

公表数値というのは、8月5日に第一四半期の結果が出た時に、もう一度全体の数値を見直して修正した数字を公表数値としています。

 

当中間期は、4,136億円、前期比で14%という意味では、かなり良い数値を出せました。勿論、売上高としても史上最高で、あらゆる数値が史上最高となっています。売上高が4,000億円を超えるのは私どもの念願であるという意味で、今期は良い数字だったと思います。

 

営業利益は600億強、経常利益は619億円と、経常利益の方が数値が良くなっているのは、為替差損益で益の方が出てきたことによるものです。

 

当期純利益は、連結で335億ですが、どちらかというと単体の272億という方が、配当原資、配当の基準になるので、こちらの方にご注目して頂くことになるかと思います。8月5日に出した公表数値280億円をベースに、通期の利益目標を出して、20%くらいの配当性向として、ということで通期を15円の配当、中間配当として7.5円ということを開示させて頂きました。

 

280億に対して8億ほど数値が下がったのは、欄外に書いてございますように、固定資産の減損会計を早期に適用した特別損失が連結で70億、単体で47億円出たことによるものです。

 

当初から、 私どもとしては減損会計を前倒し適用したいと思って、期首、第一四半期の時から見込んでいましたが、一点、思ったより大きな数値があります。
神戸の六甲アイランドに、私どもは神戸のターミナルを持っているのですが、その後背地が自己所有物になっていて、当時、自分たちがマースクラインと一緒になって、合理化を図るためにターミナルを1本にしました。その結果で、もしかしたら使うかもしれないという気持ちだったのですが、実は効率が非常によくあがって、後ろの後背地がいらないということになったので、完全に遊休化しました。
遊休化した以上勿論、適切な買い手なり、適切なプロジェクトがあれば、売るなり使うなりしたいとということで、そちらの方のプロジェクトに入っているわけですが、実は売ることも想定して値段を調べると、近隣で実例があり、低い値段でしか売れていないことが判明したので、それに合わせて、ちょっと減損額が大きくなったことから生じたものが、8月5日以降の若干の数値の変更です。

 

それ以外については予定通り、繰上げ適用の減損を予定通り行っております。

 

この数値で連・単比率がどの数値も1.25くらいの数値で、前期も大体こんな数字でした。私どもとしましては1.3くらいのつもりで今までずっと運営してきました。あるいは結果としてそうなっていたということですが、このところやっぱり、海運業を中心にやっております単体の業績の数値が良くなるので、その周辺がそれに合わせてそれほど伸びていないというか、中程度の伸びなので、ここの比率が少し下がってきているということです。

 

B. 上半期の経営環境

上半期の経営環境は、ここに書いてある通りで、米国は、設備投資も消費も好調で、景気がまだ拡大傾向にあります。
欧州経済も拡大EUの問題、域内経済活性化等により、好調を持続しています。
アジアは、アジア自身の米欧に対する輸出も好調ですが、同時に国内消費、アジア域内の輸入、投資も伸びているという印象です。
日本経済は、ご既承の通り比較的堅調に推移しています。

 

当社が今置かれているこの上期の概況について申し上げます。
コンテナ船については、米国・欧州、アジアを結ぶ航路、東西航路という基幹航路は当然堅調ですが、それ以外の南北航路も比較的堅調で、それらを含めて運賃率の修復が達成できました。

 

不定期船・専用船部門については、油槽船が高市況を享受したというのが特徴ですが、それ以外のバルク部門も好調な状況です。

 

自動車船については、ご既承の通り、米国・欧州・豪州向けの輸出が堅調です。

 

特に米国の販売台数が1,700万台基調ということで、従来1,600万台、1,650万台といっていたものが、一つ大台をあがったというような感じでいると思います。

 

プラス要素としては、このような一般的な荷動きの環境、コンテナ運賃の修復、一般不定期、タンカーの市況が良いことが挙げられます。

 

マイナス要因としては、燃料油が非常に高くなっていることが一つ挙げられます。それと同時に、運賃市況が高いということは、我々が船を借りる方の傭船料が高くなってきているということです。
これがまず二つ、大きなマイナス要素です。

 

それから、米国西岸の荷役の遅延がかなり影響を与えてきていて、船の回転が少し落ちる、箱の回転も落ちるということが生じています。
これにつきましては、既にもう対応策をかなり決めていて、港を少し整理するとか、何とかスケジュールにのせるということでやっていますが、いずれにしても非常にコストがかかってきます。

 

C-1. 部門別上半期業績動向(コンテナ船)

コンテナについては、積実績が約10%伸び、113万TEUから125万TEUになりました。
その背景は、中国出しの貨物が好調ということと、全航路積高を増やしていますが、特に欧州、アジアの伸びが大きいということ、それに欧州・北米という基幹航路の運賃の修復が達成できているということです。 これは、「補足資料」の方に一般的なグラフが出ていますので、それをご覧頂くとご理解して頂けると思います。

 

当社固有の問題としては、アジアからエーゲ海向けの航路を開設したのが、非常にタイムリーで好調です。
南北アメリカの東岸を結ぶサービスも開始し、これも比較的良い滑り出しで推移しています。
それから東南豪州航路を増便いたしました。
この辺が所謂規模の拡大ということで貢献をしてくれています。

 

傭船マーケット、燃料油価格高騰、円高は共通のマイナス要因です。

 

C-2. 部門別上半期業績動向(不定期専用船)

不定期船については、全部門にわたって市況が高騰しているので、それを享受しています。
一旦、中だるみみたいにちょっと落ちましたが、また戻って全面高になっています。
稼動延トンは、そんなに増やしているわけではなく、どちらかというとそのマーケットを享受できました。
これは、後ほど影響が出ますのでちょっと細かく説明しますが、この上期に関しては、非常に良い環境、つまり運賃市況が高くて、船の回転は比較的順調に進みました。

 

電力炭などについては、固定の契約で、しかも船の回転が落ちるものですから、逆鞘が出ますということで、前年下期の時にご説明申し上げたと思います。今期はそういう状況が起きず、割に順調にまわりながら運賃市況が高かったということで、そのフリーの部分で好市況を享受できるということがプラスになりました。
実はこれが、下期はちょっとはげ落ちるという意味で先にご説明しておきます。
自動車船については、北米向けの輸送台数が非常に伸びていて、北米のセールそのものが良いのに加えて、どうも日本船社の日本・韓国の車の荷動きが良いようで、それを享受させていただいています。数量で、53%伸びました。
欧州、豪州、三国間も堅調です。
ここについては、輸送台数が大幅に伸びたにも関わらず、船の方は一定の限られた船しかないので、極めてかなり厳しいコンビネーションであるとか、色々な工夫をしながら船の回転を上げていくので、コストが上がる面もあるのですが、それよりも少し運航効率を上げたことの方でプラスを享受したと了解しています。
したがって、運航効率が上がったことによる運航コストの削減ということが貢献しております。

 

C-3. 部門別上半期業績動向(エネルギー資源輸送)

液化ガス部門については、新しいプロジェクトが立ち上がりましたが、全プロジェクトが順調に稼動しています。
ただ稼動延トンがちょっと減っていますが、これはドックの関係で減ったということで、全体としては伸びています。

 

電力炭については、新造船を投入することによって輸送量が増え、前年下期にあったような逆鞘配船が解消できましたので、いわば順調に、収益が予定のレベルに戻った、安定レベルに戻っているということです。

 

それから、タンカー部門ですが、私どもVLCCの新造船が上期一隻竣工しまして、上期はフリーで動かしたので、これが好調な市況を受けて収益にかなり貢献をしてくれました。
アフラマックスというシンガポールでやっている船も、これは市況が比較的堅いということで、順調に好市況を享受しています。
ただ、ここでもご説明しておきますが、この新しい新造船のVLCCが下期から、日本のお客さんに中期の固定契約に入る、或いは入れていただくということになりましたので、今の好市況は下期には享受できないということです。
私どもの経営戦略といたしまして、まだスケールの小さい部門を、できるだけ中長期の契約で安定的な運営をしたいということで入れていただいてきましたので、今後効いてくるアクションだと思っています。

 

C-4. 部門別上半期業績動向(連結子会社)

内航・フェリー部門、これは川崎近海が主としてやっている部分ですが、これは大体横ばいで、色々な気象とかいくつかのマイナスファクターがありましたが、売上高は確保しましたし、利益も横ばいで確保しています。
ここの会社は、別途説明会があるかと思いますが、同時に近海の不定期船関係の仕事をやっていまして、小さな船で、これは私どもの不定期船部門と同じ傾向の中にありまして、そこが非常に良い運賃市況を享受できて、同社は好調な成績をあげています。

 

その他の航空貨物取扱業も、ご存知の通り航空機輸送が増えていますので、増収増益となっています。

 

物流港運輸事業、貨物取扱業は、私どもの周辺のもの、それからあと他社を引き受けているものも含めて、荷動き好調で増収・増益という風な基調です。

 

D. 当上半期連結決算ファクター別増減要因分析

この左側は公表値、8月5日からどう動いたかということですが、むしろ右側の前年同期から見ていただくと、どこがプラスかということがおわかりいただけると思います。為替と燃料、バンカーはマイナス要素で、合わせて65億効いたのではないかと思います。

 

一方、市況変動といいますか、市況高騰といいますか、これで217億、営業規模の拡大で76億、その他・コスト削減等々で87億、合わせて前年同期比315億、プラスマイナス通算しまして、315億改善しているということです。

 

E. 2004年度通期見込

それから、肝心の通期見込の方に入らせていただきます。

 

第一四半期8月5日に発表したものとの差ですが、状況が変わっていますので、それぞれ上方に数値が修正されています。
2003年と比べてもかなり良い数値が期待されるということが、おわかりいただけるかと思います。

 

前提においている為替は、実績は為替が109円、燃料が184ドルということでしたが、下期を為替は105円、燃料は200ドルとおきまして、通期の計算はその両方のアベレージです。

 

この下期のポイントとなる点は、上期に比べてかなり収益力が下がっているということで、これのご説明をかいつまんで申し上げますと、下期は為替とバンカー高の影響が、上期比40億くらいマイナスに効いています。

 

それに加え、コンテナ船の季節要因として、荷物がどうしても少し落ちる、量が落ちるという量の下方修正があります。

 

それから不定期船において、先ほどご説明したような良い環境が続く、つまりタイトな環境、需給関係がタイトな状況は続くと思いますが、前年下期にありましたように、少し船が滞船をして参りまして回転が落ちると、我々が持っているフリートの中で引き受け荷物の方にまわしていきますから、残った船がフリーの市況享受をできるわけですが、この部分が上期に比べて減ってきます。

 

VLCCのフリー運航がなくなると申しましたが、この辺が上期並みにはいかないということがポイントです。

 

連・単比率、営業・経常、この辺は特記することはありません。

 

減損処理は上期で、連結で70、単体で47、下期の特損については、関連会社の整理をしますので、25億見込んでいます。
私どもとしては、減損会計の前倒しをして、それから数年来ご説明してきましたが、船の不経済船を処分する、或いは売船することによって、体質強化をするということを着実にやって参りました。
それから、海外に持っていて事務所に使っていた、事務所の固定資産、この辺りも、広い事務所に移るということで、売るとか色々すべきことを今期で大体やりましたので、この下期の特損、関連会社25億の計上を持って、ほぼ減損会計と想定される大きな特別損失項目は、完全に消せたという風に理解しています。
勿論小さい、ゴルフ場だとかそういうものは出るかもしれませんが、大きいもの、想定されるものは全部クリーンアップしたという風にご理解いただいて結構と思います。

 

当期利益は単体が470億ということなので、とりあえず8月5日の時に発表したように、この時点でも通期15円の配当を予定しています。
これは配当性向、この470億であれば18.9%になります。事務方は、配当性向20%にするのだったら、とこう言うのですが、この辺は、下期のもう少し変動予想もありますので、見させていただいて、第3四半期の結果、決算が出て、第4四半期の見極めがついた時、来期の見極めがついた時点で、最終方針としてもう一編固めたいという風に思っていますが、現在ではこの数字でいくものと考えていまして、その前提では15円の配当を維持するというか予定通りということです。

 

F-1. 部門別下半期業績動向(コンテナ船)

特にコンテナ船が私どもの52、3%を占めるところでして、この動向が下期の或いは通期の業績をかなり左右すると思っています。
想定している事業環境は、現在の海外シフトに伴うアジアから欧米への製品輸出、アジアからの輸出、先方にとっての輸入というものは同じ傾向、あるいはそれ以上に続くのではないかと見込んでいます。

 

特に欧州の方の拡大EUの域内経済は、非常に活力があるようでして、今のところ、こちらの方がむしろ、大きな伸びを示していますので、これも続くものと想定しています。

 

燃料費の高騰、北米西岸の港湾でのコスト増は、マイナス要因として織り込んでいます。

 

事業戦略の中で今般、既に発表しましたが、4,000個積みの新造船8隻が、この11月からまもなく順次引き渡されて参ります。これを、今スペースが無くて、しかもオペレーションが混乱している太平洋岸の南、ロスアンジェルス、ロングビーチあたりではなくて、まず、北側の北米北西岸航路というところに導入します。これをPNWというのですが、そこから動いてくる船をパナマ経由のアメリカ東岸航路にスペースを増強します。
これが出揃うのが来年の夏くらいまでで、順次入ってきますので、これがどれだけの効果を生み、どれだけ追加の収益をもらすかが一つのポイントではないかと考えています。

 

積高の方は、この今の追加船腹を除き、一般的にはいつも冬場は、特にシナ正月等々で荷物はぐっと落ちます。前年もそういう傾向はかなり薄らいでいたのですが、今期もかなりその辺のところは緩和され、比較的好調な状況が続くのではないかと思います。
そこへ、このPNWが、東岸が入ると、うまく行くと、相当寄与してくれるかなと思います。ここはまだかなり未確定要素です。

 

運賃率については、そういうことで、荷物が少しダルになりますので、ちょっと調整が働いて、少し下方に運賃率が行くかもしれないと見込んで見通しをたてています。

 

F-2. 部門別下半期業績動向(不定期専用船)

不定期船部門に関しては、中国を含めての原料需給の増加と、船腹需給の逼迫、それから滞船の長期化で運航船腹の稼働が落ちるので、またまた船が足りなくなるということから、一般環境としては非常に宜しいといえます。

 

当社としては、特にケープサイズについては契約をできるだけいただく、この時点でもまだ中期の契約がいただけるものは少しでも確定していこうということで、一種の先物利益確定みたいなことなのですが、やっていっています。
フリー運航船腹が減少して参りますので、その部分の収益は低下するということです。
従いまして前期辺り、上期辺りと比べると落ちます。しかし、全体に収益が悪くなるというようなことではありません。

 

自動車船については、今の基調がそのまま継続するものと考えて、むしろ、下期の方が荷動きは増えるのではないかというぐらいの想定で、この業績見通しをたてております。

 

F-3. 部門別下半期業績動向(エネルギー資源輸送)

LNGについては、新規プロジェクトも立ち上がりますが、あまり大きな変動は無いと思います。

 

電力炭についても、底堅く推移していますし、今の状況であれば前年下期のようなことは起きないだろうと思っていますが、更に荷物が増え、色々なところへ行く荷物が増えて船が滞船するようなことになると若干、やっぱり船がタイトなものですから、逆鞘配船が出るかなという懸念材料があります。

 

油槽船に関しては、VLCCはそういうことで安定させましたので、アフラマックスと、それからLR2というクリーンの船が今フリーで動いていますが、これが市況高騰を享受してもらえるものということで想定しています。

 

G. 通期連結決算ファクター別増減要因分析

連結決算ファクターの変動要因ですが、通期で比較しますと、対前期比でどこがどう違ったのかということでいいますと、燃料・為替は合わせて118億マイナス、市況変動は356億、営業規模拡大で75億、その他・コスト削減は111億で、424億、前期よりも良くなると想定しています。
ここで、センシティビティーは為替1円で、通期で10億円くらいと見ています。燃料の方は、10ドルの変動で、23億くらいの変動と見ています。

 

上期と下期の比較でどこがどう悪くなっているのかというご質問があるかと思いますが、これは為替とバンカーがそれぞれ20億ずつくらい悪くなります。
市況変動というか、これは特にコンテナ事業を中心とする運賃の軟化で50億くらい、それから不定期船部門の、先ほどご説明しているフリー運航部分で、大きく収益を上げさせていただいた部分が縮小するということで、50億ぐらい小さくなります。
その他で為替差益等も含めて48億ぐらい悪くなります。
合わせて148億くらい上期に比べて下期の方が弱い、というのがこの通期の業績の内容です。

 

H. コスト削減運動

期初にこれはずっと続けていきますということで、目標を50億と設定し、項目毎に積上げでやっているわけですが、現在では上期で35億ぐらいやれたという評価で、通期で70億くらいは減少ということで考えています。

 

I. 投資計画とキャッシュフロー

営業キャッシュフローが通期で840、投資キャッシュフローが550ということで、フリーキャッシュフローが290億くらい残るということで考えていますが、これは一応借入金の返済等に当てるということになろうかと思います。
ここのところで、投資計画等に少し変動がありましたので、想定したものより営業キャッシュフローが10億ほど増えましたが、逆に投資キャシュフローで30億ほど余分に出ていきますので、前回見込みで310億とみていたのが、フリーキャッシュフローは290億になりました。ちょっと微減ということです。

 

J. “K” Line Vision2008基本課題の遂行状況

私どもが今年度から始めました“K” Line Vision2008の基本課題ということで、これは定量、定性両方あります。定量の部分については、短信の方の3ページに目標が書いてあり、それと現在の通期見込の数値が対比してありますので、ご覧いただければ、そちらの方は、順調に進んでいます。

 

J-1. <基本課題1>企業基盤の強化による安定収益体制の確立

定性的な方については、まず私どもの課題としているのは、企業基盤を強化する、つまりそのためには戦略分野、地域に積極的に出て行こうということ、それから合わせて安定収益体制も確保しようと、二兎を追う考え方できています。
鉄鋼原料について、個々には開示していますが、大型、ケープサイズというか、VLOCというか、鉱石輸送船を2隻、新日鉄さんとILVAに決め、これはシャガンという、中国の船会社とちょっと小さいケープサイズを決めています。

 

LNGについては、私ども単独で川崎造船に発注する船を、J&S Cheniere社というアメリカの輸入業者というか、プロジェクトオペレーターと10年間の契約を結びました。

 

コンテナに関しては、世界の主要マーケットの代理店の名前を“K” Lineなになにという、我々のブランド価値を上げるために、“K” Line(Philippines)など、“K” Lineなになにという格好で自営組織にどんどん切り替えていきました。もちろん、資本的には現地と合弁というのはかなりあるのですが、少なくとも我々が責任をもって自分たちのブランドとして、コンテナオペレーション、自動車オペレーション、或いはその他のオペレーションをやっていくという決意のもとに進めてきました。

 

今期はチェコに支店を開きました。ドイツの法人の支店です。
フィリピンは、従来別の名前でジョイントベンチャーだったものを、“K” Line(Philippines)としました。今後おそらく台湾、フィンランド、スカンディナビア、この辺も間もなくそういうことで、全世界のサービス拠点は大体“K” Lineの旗がたつという形で、グローバルなオペレーション体制が完成すると思います。

 

ITSは、西岸のロングビーチを主としてやっている専用ターミナルの会社で、同時に他2つほど事業をやっていますが、そのうちの一つにタコマ港があります。タコマ港というのは、PNW(北米北西岸)の航路を増設する拠点港です。タコマの港湾局と新ターミナルへの移転について決めていまして、近々新ターミナルに移って、PNWの増配船を含めてオペレーション体制をより良いものに確立する所存です。

 

物流事業に関しては、ここに書いてございます通り、それぞれ地域密着で体制を作っています。

 

J-2. <基本課題1>企業基盤の強化による安定収益体制の確立

コスト構造改革運動は、しつこく続けていまして、コスト構造委員会を設けて、定期的にチェックをしながら進めていますが、70億ぐらいをゲインできます。

 

輸送技術の開発・運航技術水準の向上は、最近は極めて重要なファクターになっています。
アナリストの方にはあまりご縁がないかもしれませんが、ここのところについては、是非頭に入れておいていただきたいのですが、例えばアメリカの保安体制強化の問題が、ものすごく、テロとの関連で出てきますと、トレードを阻害する要因になりかねない。そうならないように、各地、各港、各船会社が、お客様と相談して最大限の円滑な輸出、輸入ができる体制をつくろうと努力をしています。
ここのところで少しコストも出るわけですが、一方ではきちんとすることが、我々の事業の土俵である国際貿易を安定させ、成長させる道と心得ています。これをちゃんとやれる船会社が、しっかりした会社だ、と言われるようにがんばっていきたいと思っています。
財務体質の強化と安定配当体制の確立は、数値目標と合わせて確認をしていただければと思います。

 

J-3. Vision2008数値目標(連結ベース)

一番右側が2008年、5年計画の最終年度の目標値ですが、少なくとも収益項目については先ほど申し上げたいろんな好ファクターに恵まれ、完全にオーバーしました。2008年の数値すらオーバーしているものもあります。

 

財務要素のところでいえば、例えば、有利子負債の削減というのは、今の手に入るフリーキャッシュフローから見ると、達成できると思っています。

 

株主資本比率は良いところまでいきました。DER比率は、まだちょっと足りませんが、着実に計画に沿って進んでいるということがご理解いただけると思います。

 

J-4. <基本課題2>企業文化とブランド価値向上
<基本課題3>コーポレート・ガバナンスとリスクマネジメントの整備強化

今回特に強く打ち出したのは、これまでいろんな意味で合理化、効率化を中心に据えた計画をやってきましたが、今回の計画は、グローバルシッピングの中できちんとしたプレゼンスを確立するというプリエンプティブな計画にしようということです。

 

例えば、人事制度につきましてもグローバルな人事制度、各地をあげてのグローバルなブランド価値の向上、お客様に信頼していただける“K” Lineブランドにしたいということでいろんな取り組みをしています。

 

コーポレート・ガバナンスとリスクマネジメントの整備は、世界できちんとした船会社であるためには極めて重要だと思いますので、着実に進めています。

 

皆様方がこういうことが必要ではないかと思われること、内部的に見てもそれをきちんとやっていこうと思う体制は、大体つくりあげたのではないかと思います。
あとは、これをきちんと正しく透明性をもって運用していき、市場の皆様方にきちんと開示していくことが重要なことだと思っています。

 

一年目ですが、きちんと進めていますという報告をさせていただきます。

 

本日はありがとうございました。

以 上