2023 年 5 月 26 日(金)事業説明会 要旨


オープニング(社⻑執⾏役員 明珍 幸⼀)


本⽇の趣旨(P.2)
・中期的な企業価値向上のために特に重要と考える「成⻑を牽引する役割を担う事業の成⻑戦略」と「サステナビリティ経営」につき、本⽇はご説明
 ‣ 現在の川崎汽船にとって、更なる企業価値向上に必要となる「資本政策」と両輪となる「事業戦略」と「サステナビリティ経営」に焦点をあてて説明
 ‣「資本政策」については、2022 年度本決算にてご説明済
 ‣ 本⽇の事業説明会では特に成⻑を牽引する役割の3事業を中⼼に事業ごとに掘り下げてしっかりご説明


川崎汽船グループの⽬指す姿(P.4)
・ 企業価値向上を通じて、全てのステークホルダーへ貢献することを⽬指す
 ‣川崎汽船は企業理念である「グローバルに信頼される K-Line」を通じて、経済的価値・社会的価値の双⽅を実現させる
 ‣ 昨年 5 ⽉に発表の中期経営計画では⻑期経営ビジョンを⽰し、事業成⻑と資本政策を両輪に、持続的成⻑による企業価値向上に努め、⾃社・社会の低炭素・脱炭素化の実現に向けて活動を推進。


収益⽬標と実績の進捗(P.5)
・「成⻑を牽引する役割を担う事業」を中⼼として収⽀⽬標の前倒し達成を視野に⼊れて取り組む
 ‣⾃営事業において、中計 1 年⽬は順調なスタートを切り、22 年度の実績では経常利益 833 億円を達成
 ‣今後、成⻑を牽引する役割を担う鉄鋼原料・⾃動⾞船・LNG 輸送船の 3 事業を中⼼とした⾃営事業の成⻑により、中計⽬標の安定的かつ前倒しでの達成も視野に⼊れて取り組む


事業戦略:各事業の位置付け・進捗(P.6)
・2022 年度本決算での発表通り、いずれの事業も順調に進捗
・本⽇は「成⻑を牽引する役割を担う事業」につき、それぞれ詳細を説明


事業戦略:「成⻑を牽引する役割を担う事業」の位置付け(P.7)
・成⻑を牽引する役割の 3 事業は、それぞれ持続的な成⻑と当社の強みの発揮が期待できる事業であると同時に、3事業の成⻑実現の時間軸やボラティリティが異なる点がポイント。これらをポートフォリオとして組み合わせることで、多⾓化ではなく選択と集中による競争優位性の実現と、過度の集中によるリスクの低減の両⽴を図る
・また環境対応という顧客ニーズを取り込み、市況変動への耐性を強化し、収益規模を拡⼤させる

 

投資に対する考え⽅(P.8)
・「川崎汽船の継続的な発展」と「持続可能な社会への貢献」の両⽴を図り、企業価値向上に資する投資に絞って実施
 ‣「持続的収益成⻑」と「社会の持続的発展への寄与」の両⽴を原則とし、規律を効かせた投資を実施
 ‣中計期間における投資総額6300億円のうち、約8割を成⻑を牽引する役割の3事業に集中。環境対応という切り⼝では、全体の約6割を、3事業を中⼼とした代替燃料船、脱炭素社会に貢献する新事業、Seawing を始めとする様々な環境対応付加物など、環境関連への投資に向ける
 ‣リターンは全体で ROIC6.0~7.0%を⽬指す

 


⾃動⾞船事業(常務執⾏役員 五⼗嵐 武宣)


1. 事業特性
⾃動⾞船事業の特性(P.11)

・ ⾃動⾞船事業は堅調な需要に⽀えられ、顧客との信頼関係を基盤としつつ、バランスの取れた需給変動対応を求められる事業
 ‣⾃動⾞船事業は堅調な需要に⽀えられる成⻑事業
  ⋆⾃動⾞販売台数は⾜元ではコロナによる減少からの回復途上で、中期的にも堅調に推移
  ⋆海上輸送量も特定航路を中⼼に増加⾒込み、堅調な需要を予測

 ‣ ⾃動⾞船事業は顧客・船社の数が限定的な事から、船社と顧客の顔が⾒える事業であり、顧客と船社の相互信頼関係が事業展開の基盤
 ‣ ⾃動⾞船事業は世界経済動向などによる輸送需要の変動があるため、需給変動に向けた備えが必要な事業であり、需要成⻑に合わせた船隊整備とその柔軟性の確保の両⽴が重要


2. 市場動向
需要の⾒通し(P.12)

・⾃動⾞販売台数の回復・成⻑に伴い、海上輸送需要は 26 年までに約 14%増え、その後も 30 年に向けて堅調に伸びる⾒通し
 ‣⾃動⾞の販売台数は、未だコロナ禍発⽣以降の減少からの回復途上で、2025 年ごろにコロナ前に復帰し、世界⼈⼝の増加・経済発展により 2030 年に向けて販売の成⻑が持続する⾒通し
 ‣ 海上輸送需要は、OEM の⽣産制約からの回復、販売台数の増加に加え、中国出し等の輸送距離の⻑い航路で輸送台数が増えるため、26 年、30 年に向けて堅調に伸びる⾒込み
 ‣⼀⽅、リセッションや現地⽣産の進展による海上輸送需要の下振れリスクは要モニタリング


需給の⾒通し(P.13)
 ‣新造船は新燃料船が中⼼で、当⾯は LNG 焚き船中⼼に供給量が増加する⾒通し
 ‣環境規制の影響で既存の重油焚船の輸送能⼒は減速や退役により、減少する⾒通し
 ‣不確定要素として、新造船の発注ペースの増減、環境規制の厳格化による重油焚船の輸送能⼒の更なる減少等の可能性もあり、モニタリングが必要
・業界として順次新造船投⼊が進むも、2025 年頃までは供給不⾜は継続する⾒通し。2026 年以降も環境対応船中⼼に追加新造発注は続き、2027 年に向かって需給はバランス・安定化していく予想


3. 事業戦略
事業戦略の概要(P.14)

・川崎汽船は強固な顧客基盤をベースとして、バランスの取れた航路デザイン/船隊整備を通じて持続的な成⻑を⽬指す “三位⼀体”の経営を志向
 ‣安定的かつ持続的な輸送サービスの提供や、脱炭素化にむけた環境営業や、ノウハウを蓄積し専任チームも⽴ち上げた H&H 貨物の営業を通じて、相互信頼関係を築くことで更に強固な顧客基盤を構築
 ‣ 脱炭素化を含め、⾼度化する顧客需要に応えるための競争⼒のある船隊を整備し、今後の輸送需要増減に備えた適正な柔軟性も確保

 ‣それらの貨物と船隊を基に、運賃の修復と継続も含めて、持続性・成⻑性を持った事業展開となる航路デザインの最適化を進める


事業戦略の進捗と今後(P.15)
・事業展開の弱点克服を通じ、強固な顧客基盤に⽴脚した航路デザインの修正による収益性化・適切な船隊整備により三位⼀体のバランスを回復。今後はそのバランスを保った事業成⻑に取り組む
 ‣ 過去、顧客基盤に対して航路デザインと船隊整備が崩れていたが、不採算航路の撤廃と船腹の再配置・航路網再編を実施
 ‣ ⼤型船を含む船隊整備と⾜元では⼀時的に船隊の下⽅柔軟性は低下しており、早期の適正な船隊柔軟性の確保に取り組む
今後は、需要に沿った航路と契約ミックスの実現、適正な船隊規模の整備と船隊柔軟性の確保、脱炭素対応と、船型⼤型化と H&H 積載能⼒向上に取り組み、三位⼀体のバランスを保った持続的な成⻑を⽬指す


4. 投資計画
投資⽅針/計画(P.16)

・ “三位⼀体”のバランスを保った成⻑に向け、投資規律は効かせつつも競争⼒のある船隊を整備し、持続的な事業経営の実現を推進
 ‣ 規律を効かせた投資判断を徹底し、必要な船隊柔軟性も確保
  ⋆顧客基盤と需要に⽴脚した船隊の質・量の実現
  ⋆将来の需給変動に備えた船隊柔軟性の確保
 ‣ LNG 燃料船を中⼼とする環境対応船や、環境対応付加機器への投資、High & Heavy 積載能⼒の拡⼤、船型の⼤型化により、船隊の競争⼒を強化
 ‣ 本中計期間中に 2,000 億円の投資をし、投資規律を効かせつつも競争⼒のある船隊を整備


5. 進捗と⽬標
主要な指標における⽬標と進捗(P.17)

・”三位⼀体”のバランスを保った成⻑を⽬指し、持続的な事業成⻑を実現するために、3 つの原動⼒となるポイント
 ‣強固な顧客基盤に紐づく貨物を増加させる
 ‣環境対応船や H&H 輸送能⼒の強化、⼤型化により、競争⼒の⾼い船隊を整備
 ‣不採算航路が無い状態を今後も維持していく
この3点を進めることで FY30 に向けて持続的な輸送サービスの拡充を⽬指す


本⽇の説明の要点(P.18)
・⾃動⾞産業のサプライチェーンを⽀える社会的使命を果たすため、顧客・船社がお互いに顔の⾒える市場で“顧客密着”の強みを活かして顧客と相互の信頼関係を築くことで、強固な顧客基盤を構築
・強固な顧客基盤に⽴脚した航路デザイン・船隊整備を⾏うことで“三位⼀体の経営”を展開し、そのバランスを保った成⻑を⽬指す
・堅調な需要を背景に、環境対応、H&H 貨物の取り込みを機会として捉え、持続的な事業経営を実現



鉄鋼原料輸送事業(副社⻑執⾏役員 浅野 敦男)


1. 事業特性
鉄鋼原料事業の特性(P.21)

・顧客属性や地域などによって異なる形態の契約が存在し、結果、収益構造は⼤きく⼆つの要素で構成
・それらの組み合わせで収益構造は、中⻑期の安定収益化が図れるものと、短期市況に連動する市況連動収益に⼤別
 ‣安定収益は⽇韓ミル等との中⻑期契約がメインで運賃が中⻑期にわたり安定した契約。過去の取引を通じた⻑期的な安定・安全運航の実績が重要な船社選定要因
 ‣ 市況連動収益は資源メジャー等との短期契約がメインで運賃が需給・市況に連動。安定・安全運航の実績が重要なポイントではあるが、短期的な価格競争⼒も船社選定要因


鉄鋼原料事業の収益構造(P.22)
・川崎汽船は⽇韓ミルなどとの⻑期安定収益契約をベースとし、その上に資源メジャーなどとの市況連動収益を積み重ねることで、利益貢献を可能とする収益構造を構築。過去 10 年の売り上げをグラフで⽰しているが、安定収益の割合が半分以上を占めていて、収益の柱である
 ‣過去、市況連動部分で⾼市況時には⿊字を拡⼤させた⼀⽅、想定を超えて市況が下振れした年には収益が悪化
 ‣持続的な事業の成⻑に向けては、収益のベースとなる安定収益の拡⼤と、市況連動収益のボラティリティ対応が肝要


ボラティリティ対応(P.23)
・貨物契約と船隊構成の⻑短バランスが⼀致するように貨物と船隊のポートフォリオを整えることで、収益⼒強化と収益の安定化を進める
 ‣短期の貨物契約には短期の傭船を活⽤し、中⻑期の貨物契約には⾃社船や中⻑期の傭船を活⽤
  ⋆中⻑期契約の貨物に対して⾃社・⻑期傭船を活⽤することで、競争⼒のあるコストで運航を⾏い、収益⼒を向上
  ⋆短期契約の貨物に対しては短期傭船を活⽤することで、市況悪化時の船隊圧縮を可能とし収益の安定化を図る
 ‣右のグラフにおいては、⾜もとでは、⻑短バランスの⼀致に向けて、貨物の契約ミックスおよび船隊構成の整理を進めていて、FY15 から FY22 に掛けて⼀定の進捗を⽰している


2. 市場動向
需要の⾒通し(P.24)

・粗鋼⽣産量は、中国の成⻑は⽌まり⾼いレベルで安定期に⼊る⼀⽅でインドが 30 年に向けて年率 6%の⼤きな成⻑が⾒込まれ、市場全体では微増の⾒通し

 ‣鉄鋼原料の海上輸送量は中国のゼロコロナの影響で 22 年は調整局⾯を迎えたが、23 年半ば以降は需要回復期に⼊り、インド等の新興地域が市場を牽引することで全体として横ばい~微増を⾒込む
 ‣これに加えてアルミ需要の増加でボーキサイトの輸送量が 30 年に向けて年率 7%伸びる結果、全体として鉄鋼原料輸送需要は増加が⾒込まれる

 

需給ギャップの⾒通し(P.25)
・左のグラフでは、船の供給においては、⽼齢船の解撤・限定的な新造船発注残に加え、環境規制の影響により供給量は横ばい~微減が⾒込まれ、需給ギャップを⽰している⾚い折れ線の通り 2027 年に向けて需給が引き締まる⾒通し
 ‣2010 年から 2012 年に⼤量建造された船が退役期を迎えるのに対し、燃料転換の⽅向の確実性を⾒極めるのに時間を要し新造船を発注しづらいため、27 年にむけて実質的な船腹供給量は横ばい~微減の⾒通し
 ‣環境規制については、船から排出される CO2 を削減するために航⾏速度を落として運航する傾向が強まり、結果として 1 隻当たりの稼働率が下がり供給量が減少


環境対応船の普及⾒通し(P.26)
・海上輸送における環境対応はお客様にとってはスコープ 3 に属し、⾃社の脱炭素・低炭素化を進めることは同時にお客様にとっても重要な経営課題
・⽇韓・他海外ミル/資源メジャー、いずれのお客様においても新燃料船需要が⾼まってきている
 ‣市場における新燃料船⽐率は、⾜元では全体の約 1%しかないものの、顧客の GHG 対応ニーズの増加を背景に 30 年には約 20%まで⾼まる⾒通し
 ‣新燃料船が市場に普及しきるまでは従来は短期契約中⼼だった資源メジャーとの契約などでも新燃料船においては契約の中⻑期化への変化が⾒込まれる
 ‣このような環境対応船へのシフトにおいて、当事業の収益成⻑の機会が存在


3. 事業戦略
事業戦略の概要(P.27)

・持続的な事業の成⻑に向けての具体的な事業戦略を説明
・顧客ポートフォリオとしては、成熟市場だが安定性の⾼い⽇韓ミル、成⻑が期待されるインド・中東ミル、輸送需要が⼤きく燃料転換需要にポテンシャルのある資源メジャーの三つで構成
 ‣⽇韓ミルは中⻑期契約中⼼で安定性が⾼い顧客であり、環境対応型の船隊整備により環境対応輸送ニーズへの対応を進めることで、引き続き安定した収益基盤の維持を図る
 ‣印・中東ミルは成⻑が期待される市場でもあり既に中⻑期契約を実現できている顧客基盤を有しており、当社固有の強み。環境対応型の船隊整備や組織・環境営業により、収益基盤の強化を狙う
 ‣資源メジャーは環境対応に関⼼の⾼いお客様の⼀つで、新燃料船移⾏により⻑期契約化が進む新たな安定市場であり、同様に環境対応型の船隊整備や組織・環境営業により、中⻑期契約の獲得を狙う
・これらの戦略を実⾏することで、成⻑を牽引する役割を担う事業として、持続的な成⻑を⽬指す


環境営業(P.28)
・世の中が脱・低炭素に向かう中で、環境対応に特化した営業展開が必要
 ‣昨年発表した中期経営計画のスタートと同時に社内の環境営業体制を再構築
 ‣技術・環境部⾨と営業部⾨が組織横断的に動く体制を作り、海外を含め必要な要員増強も⾏い新たな環境営業をスタート

・顧客密着と環境営業をテコに顧客の環境対応需要の取り込みを進める
 ‣JSW や EGA、Anglo American との脱炭素化に向けた共同研究・包括協議に関する MOU を締結
 ‣議論具体化に向けて、アンモニア燃料船の開発や⾵⼒を利⽤した⾃動カイトシステムなど環境負荷低減に向けた輸送技術の開発も積極的に推進
 ‣環境営業を進めることで、⻑期安定契約の獲得による安定収益基盤の拡⼤に加え、同時に顧客基盤を拡⼤することで航路間の接続性を⾼め、輸送効率の向上も実現し収益成⻑を狙う


4. 投資計画
投資⽅針/計画(P.29)

・右のグラフは運航隻数を⽰しており、⽼齢船の退役による減少及び新造船・傭船による増加をそれぞれ⽰している。本中計期間中の 1,200 億円の投資の⼀部は FY26 以降の竣⼯船も含まれていて、新燃料船の建造に重点投資をしていく
・過去の反省も踏まえ、船隊規模管理・調達コスト管理・保有形態管理を徹底することで、適切なコストで競争⼒のある船隊構築を⽬指す
 ‣投機的な先⾏投資を避け、輸送需要に合った船舶投資を実⾏することで船隊規模を管理
 ‣船価⾼騰時は戦略的に投資を抑制する等、船価に関するガイドラインに則ることで調達コストを管理
 ‣船舶保有の低コストメリットと傭船活⽤による市況耐性・資産効率向上メリットがバランスするように、保有形態を管理
・上記 3 点の投資の考え⽅を遵守したうえで、適切なコストで競争⼒のある船隊構築を⽬指す


資産効率(P.30)
・持続的な収益成⻑にむけて、インド・中東及び資源メジャーとの取引を新燃料船という切り⼝で拡⼤させ、売上成⻑を⽬指すと同時に、傭船を組み合わせた船隊整備をすることで、市況耐性の確保をし、⾼い資産効率を実現


5. 進捗と⽬標
主要な指標における⽬標と進捗(P.31)

・中計に掲げる顧客密着と環境対応を着実に進め、中計⽬標達成に向けて順調に進捗
 ‣FY26 に向けては⻑期契約率の増加と貨物契約・船隊構成の⻑短バランス適正化により安定収益⼒を強化
  ⋆FY22 から 26 に向けて運航隻数は減少するが、運航効率・コスト競争⼒の向上で経常利益は拡⼤する⾒通し
  ⋆「⽇韓ミル」との関係性を維持しつつも、成⻑領域である「印・中東ミル」や「資源メジャー」との契約獲得も推進
 ‣FY30 に向けては顧客密着・環境営業をテコに顧客の開拓・深堀りを進め、持続的な収益の成⻑を⽬指す


本⽇の説明の要点(P.32)
・⻑年ご愛顧いただいている⽇韓ミルに加え、成⻑が⾒込まれる印・中東ミルおよび資源メジャーからの中⻑期契約を増やすことで、持続的な収益成⻑を実現
・環境対応船への規律ある投資と印・中東地域での組織・⼈員体制の強化で、顧客密着と環境営業を更に強化
・ライトアセットを活⽤した船隊整備で⾼い資産効率を実現。船隊規模の柔軟性を確保しつつ貨物契約と船隊構成の⻑短バランスを⼀致させることで市況耐性も強化


LNG 輸送船事業(専務執⾏役員 針⾕ 雄彦)


1. 事業特性
LNG 輸送船事業の戦略類型(P.35

・川崎汽船は顧客密着⼒を活かし、エネルギー資源会社/需要家を主たる顧客に据えた「⻑期安定型」を志向
 ‣LNG 輸送船事業には、エネルギー資源会社や需要家を主なターゲットとして⻑期契約を狙う「⻑期安定型」と、ポートフォリオプレーヤーやトレーダーを主なターゲットとして短中期契約を狙う「短期市況型」という⼆つの戦略類型が存在
 ‣「短期市況型」は船の仕込みの巧拙/発注タイミングの迅速な判断が問われる⼀⽅、「⻑期安定型」は顧客・パートナーとの関係性/顧客ニーズ対応⼒がカギとなる
 ‣川崎汽船は強みである顧客密着⼒を活かした「⻑期安定型」を志向


LNG 輸送船事業の収益構造(P.36)
・過去 10 年間、市況に関わらず⿊字を継続し、川崎汽船全体の安定収益基盤として貢献
 ‣「契約隻数」と「船舶あたり収益」の⼆つの要素が、当事業の収益における重要な要因
 ‣「契約隻数」については、過去 10 年間、関与隻数 40-50 隻の⽔準で安定推移
 ‣「船舶あたり収益」については、関与隻数の約 95%が契約期間 10 年以上の⻑期契約であり、船舶あたりの収益は概ねどの案件も安定的に⿊字を継続
 ‣安定した「契約隻数」の維持と、安定した「船舶あたり収益」の確保により、川崎汽船全体の安定収益基盤として貢献


2. 市場動向
LNG 需要の⾒通し(P.37)

・新興国におけるエネルギー需要増、代替エネルギーの普及時期に鑑みて、LNG 需要は 2030 年、2040 年に向けて堅調に増加する⾒通し
 ‣LNG 需要は 2022 年から 2030 年にかけて、毎年 5%程度増えていくと予測
 ‣その⼀因として挙げられるのが、新興国等の経済成⻑に伴う、世界全体でのエネルギー消費量の増加
 ‣加えて、脱炭素化の流れの中で、トランジションエネルギーとしての LNG の需要もあり、少なくとも 2040 年頃までは順調に増加する⾒通し


地域別の LNG ⽣産・消費量予測(P.38)
・北⽶・カタールの⽣産量が増加、中国・南アジア・東南アジア等の新興地域を中⼼に消費量が増加する⾒通し
 ‣カタールでは⼤型 PJ の⽴ち上がりが 26-28 年に予定されており、今後も⽣産量は増加傾向
 ‣北⽶ではシェールガスの新規 PJ ⽴ち上がりが複数計画されており、2030 年まで⽣産量が⼤きく増加
 ‣中国に続く南アジア・東南アジアの新興国地域では、経済発展に加え、環境規制への対応の動きが LNG 消費の伸びを後押し


船舶供給の⾒通し(P.39)
・LNG 輸送需要の堅調な成⻑を⾒越して新造船の発注が増加しており、造船キャパシティがひっ迫
 ‣世界全体の LNG 船の造船キャパシティは年 80-90 隻前後まで拡⼤するものの、2026 年までに竣⼯する船についてはおおよそ契約済み
 ‣加えて 2027 年の竣⼯分もほとんどが契約前の予約で埋まっており、造船キャパシティの空きが出てくるのは2028 年以降に竣⼯する本船となる
 ‣事業規模の拡⼤に際して造船キャパシティの安定確保の重要度が⾼い状況であるが、当社は造船所と強固な関係を築いており、これを継続・強化していく


3. 事業戦略
川崎汽船の事業戦略(P.40)

・信頼できるパートナーとタッグを組み、「顧客密着」を通じた顧客内シェアの向上が基本思想。カタールでシェアを維持・拡⼤すると共に、そのノウハウを活かした新興地域におけるシェア獲得も図る
 ‣⼀定の LNG 船需要の拡⼤に加え、⻑期契約が可能なカタールにおいて、黎明期より続く取引基盤を通じ、安全運航・⾼品質の船舶管理を継続することでシェアを維持・拡⼤
 ‣経済成⻑に伴い今後の LNG 需要増が期待される新興地域において、「海陸⼀体型での顧客密着サポートの強化」や「各国のローカルコンテンツ対応」を通じてシェアの獲得を⽬指す


⾜もとの進捗(P.41)
・最⼤の事業規模を誇るカタールエナジーでの⻑期契約獲得に直近でも成功している他、ペトロナス等の新興地域の実績構築も進捗
 ‣カタールにおいては、既存プロジェクトでの当社の豊富な経験と安全で最適な運航サービスが⾼く評価され、22 年8 ⽉、及び、11 ⽉にカタールエナジーと合計 12 隻の新規⻑期傭船契約を締結
 ‣新興地域においては、当社船舶管理船の傭船を通じてペトロナスから船舶管理・安全管理能⼒に関する⾼い評価を受け、20 年 11 ⽉には中型船 2 隻の契約獲得を筆頭に複数隻の⻑期傭船契約を締結


新興地域向けの体制強化(P.42)
・川崎汽船の強みである「技術・営業⼀体となった顧客サポート」の強化の⼀環として、船舶管理のシンガポール拠点の新設、海技者の中国常駐などを⾏い、中・印・東南アジアへの進出を加速
 ‣新興地域における船社の選定要因は⼤きく 4 つ存在し、当社は船舶管理実績や顧客ニーズ対応⼒に強みを持つ
 ‣新興地域でのシェア獲得に向け、「ローカルコンテンツ対応」と「顧客ニーズ対応⼒・提案⼒」を強化
  ⋆パートナーとのネットワーク構築・船舶管理を通じた船員育成等を実⾏し、各地域におけるローカルコンテンツ対応⼒を強化
  ⋆シンガポールに船舶管理拠点を新設し、船舶管理と営業が合流、海陸⼀体型での地域・顧客密着のサービスを提供することで顧客ニーズ対応⼒の差別化に磨きをかける


4. 投資計画
投資⽅針/計画(P.43)

・⻑期安定的な案件に絞ってリスクを最⼩化した上で投資判断を⾏い、中計期間において約 1,600 億円の投資を計画
 ‣「⻑期安定型」の戦略に則り、リスクの低い⻑期安定的な案件を重視し、案件獲得と同時に新造発注を⾏うことでフリー船のリスクを最⼩化
 ‣中計期間内である 2026 年度以内に竣⼯する船舶に約 1,000 億円、中計期間以降から 2030 年度までに竣⼯する船舶に約 600 億円の計 1,600 億円の投資を本中計期間で実施
 ‣2026 年度までに 67 隻の関与隻数、2030 年度までに 75 隻以上の関与隻数を⽬指す


5. 進捗と⽬標
主要な指標における⽬標と進捗(P.44)

・カタールでの事業拡⼤に加え、成⻑が⾒込まれる新興地域での顧客基盤強化も順調に進捗。加えて 2030 年度に向けた船の仕込みも進んでおり、中計期間以降の成⻑も⽬指す
 ‣2022 年度から 2026 年度にかけ、カタール・新興地域を中⼼に契約期間 10 年間以上の⻑期案件を積み重ねており、安定的な収益貢献を⾒込む
 ‣⾜元で仕込んでいる船は 2026 年度以降にかけて収益貢献するものも含まれ、中⻑期的な収益貢献規模の拡⼤も期待


本⽇の説明の要点(P.45)
・特定のお客様と⻑期契約を結んで船を仕込む「⻑期安定型」の事業モデルを通じて、中計期間およびその後も安定的に収益貢献
・⻑期安定契約に的を絞りつつ、カタールをはじめ、新興地域等における需要を捉えることで、中⻑期的に収益貢献規模の拡⼤を⽬指す
・営業と船舶管理の「海陸⼀体型の顧客密着サポート」を継続強化することで競争⼒に磨きをかけていく


直近の成果(P.46)
・直近でも Diamond Gas International 社との⻑期案件を獲得
 ‣船舶管理品質、安全で最適な運航サービスが⾼く評価された結果、三菱商事 100%⼦会社である DGI 社と当社として初の⻑期傭船契約を締結

 


サステナビリティ経営(社⻑執⾏役員 明珍 幸⼀)


川崎汽船のサステナビリティ経営として⽬指したい姿(P.48)
・当社グループは、ビジョンとして「全てのステークホルダーから信頼されるパートナーとして、グローバル社会のインフラを⽀えることで持続的成⻑と企業価値向上を⽬指します」と掲げている
・その使命を中⻑期的に果たすには⾃社の経済的価値と両⽴させるかたちで社会課題の解決に貢献して社会的価値を創出することで企業価値向上に繋げる
・したがって、⾃社と社会・環境の双⽅のサステナビリティを両⽴させる取り組みをグループの総合⼒とともに、パートナーの⼒も借りて実現していく


川崎汽船のサステナビリティ経営(P.49)
・この 1 枚は当社が⽬指すサステナビリティ経営を概念的に⽰している。構造としては、達成したいゴールを最上段に掲げ、マテリアリティがその中核になり、サステナビリティ経営全体の⼟台として推進体制等があるというもの
・マテリアリティについては、昨年の⾒直しで新たに 12 項⽬を特定したが、本⽇は機能戦略への紐づきが特に強く、当社グループへの重要度で特に訴求すべき 4 つのテーマにフォーカスしてお話しさせて頂く
4 つのテーマとは具体的に、「環境・技術」「安全・品質」「⼈材」の 3 つの柱と、それらを下⽀えする経営基盤としての「コーポレートガバナンスの強化」から成り⽴っている


1. 低・脱炭素化を主軸にした環境保護
川崎汽船グループの⽬指す姿(P.50)

・川崎汽船グループとして環境ビジョンの⽬標に基づき、低・脱炭素化の実現への貢献を事業機会として捉え成⻑戦略を策定
・2020 年代後半には、新燃料によるゼロエミッション船の導⼊を⽬指し、⾃社の GHG 排出量削減への取り組みにより、お客様のバリューチェーンにおける海上輸送の低炭素・脱炭素化の実現に貢献
・洋上⾵⼒発電等の⽀援船や、⽔素・アンモニア等の新エネルギー、また回収した液化 CO2 の海上輸送需要などに対応することで、当社の強みを活かし、社会の低炭素・脱炭素化に貢献する事業にも積極的に取り組む
・環境負荷を低減し、持続可能な社会の実現に向けて企業価値を継続的に向上させることで、すべてのステークホルダーに選ばれ続ける会社を⽬指す


⾃社の低・脱炭素化における⽬標(P.51)
・国際海事機関(IMO)が求めている基準を上回る業界トップクラスの野⼼的な⽬標を設定
 ‣2030 年に CO2 排出効率 2008 年⽐ 50%改善、2050 年にネットゼロ実現を⽬指す
 ‣現時点で既に中間⽬標の 8 割⽅到達しており、中間⽬標については達成の⾒通しがついて来た


低・脱炭素化に向けた取り組み概要(P.52)
・低・脱炭素化の実現にあたっては、投資規律を徹底し、顧客からの要望に基づいた投資を⾏って、収益成⻑との両⽴を⽬指す
 ‣GHG 削減効果の⼤きい LNG/LPG 燃料船やゼロエミッション船に対し、重点的に投資を実施
 ‣当社独⾃の取り組みである Seawing 等の環境対応付加物の搭載を進めることで、既存船舶であっても GHG削減を図る
 ‣最適経済運航の⽀援には当社の統合船舶管理システムである K-IMS を活⽤し、社船及び⻑期傭船に対しては今年度末までに 100%搭載予定としており、ビッグデータ活⽤による最適運航を推進
・以上の取り組みの進捗を管理するために KPI を設定し、ネットゼロ実現に向けて着実に取り組んでいく


⾃社の低・脱炭素化におけるネットゼロに向けたロードマップ(P.53)
・2030 年の CO2 排出効率 50%改善の⽬標達成に向けては道筋と⽬途がついた段階。今後、2050 年⽬標に向けて具体的な施策の検討を推進
 ‣2030 年中間⽬標実現に向けては、効率運航、Seawing、LNG/LPG 燃料船がメインドライバー
 ‣2050 年ネットゼロ実現に向けては、ゼロエミッション燃料への取り組みが重要であり、施策の具体化を進めている
・具体的なゼロエミッション燃料の内訳については、アンモニア、メタノール、バイオ燃料、⽔素等の様々な選択肢について技術動向や経済性、制度⾯の動向等を踏まえ検討していく
・効率運航と SEAWING については、燃費削減効果が⾒込まれるものの、ゼロエミッション燃料使⽤時では CO2 削減効果は限られるため、ゼロエミッション燃料の導⼊が進むにつれて削減効果が少なくなるように⾒えるが、どんな燃料を使⽤しても、省エネはコスト削減に直結するため、当社は⼿を緩めずに推進


社会の低・脱炭素化⽀援の取り組み(P.54)
・海運事業で培った豊富な経験とノウハウを⽣かし、需要拡⼤が期待される新たな事業分野に取り組むことで、社会の低・脱炭素化を⽀援・推進する
 ‣液化 CO2 輸送事業及び洋上⾵⼒発電⽀援事業については、実証事業だけでなく、事業化を開始


⽣物多様性への取り組み(P.55)
・海上輸送による⼤気/海洋環境や⽣態系への影響を認識し、最⼩化することが海運事業者としての責務
・特に、SOx/NOx の排出量削減は、⼤気汚染や⽔質汚染を防ぐうえで重要であり、今年度末を⽬途に⽬標を設定すべく、検討を進めている
・具体的な施策としては、万が⼀起きると環境への影響が甚⼤となり得る油濁事故の防⽌や、排気による影響(CO2、SOx、NOx)の低減、バラスト⽔による影響の回避を中⼼に進めて⾏く
・今後 7 ⽉に公表する TNFD 開⽰の⼀環のリスク評価も踏まえ、必要な追加施策の検討は今後も進めていく


2. 安全運航
安全運航における⽬標、⽬指す姿(P.56)

・安全運航は、お客様の⼤切な貨物をお預かりし、安全に輸送することで社会のインフラを担う当社の⼀丁⽬⼀番地の責務で、法令で定められた以上の独⾃の安全、品質基準を指針としてサービスを提供
・万が⼀重⼤事故を起こすようなことがあれば、環境にも⼤きな影響を与え、社会的信頼も損なわれ、本船に起因するスケジュールの遅延は、お客様に多⼤なご迷惑をお掛けする
・当社では、安全運航を徹底するため、左に⽰している通り「重⼤海難事故ゼロ」と「機関事故による遅延時間 10 時間以下」という KPI を設定し、業界トップクラスの安全で⾼品質なサービス実現を⽬指す


安全運航に向けた体制強化の取り組み概要(P.57)
・当社の安全運航の施策の全体像を⽰しており、「⼈間⼒」とそれを補完する技術が両輪となり、3 極のグローバル・モニタリング体制を強化し、「お客様を第⼀に考えた安全で最適なサービスの提供」を⾏う
 ‣安全を守るうえで最も⼤事なのは「⼈間⼒」。安全運航の実現には、運航に関わる⼈材の育成と安全管理体制の構築・運⽤が不可⽋
 ‣⼀⽅で、⾼度な安全・品質実現には、先進・デジタル技術を活⽤し⼈間⼒を補完していくことが不可⽋


「⼈」が⽀える安全運航の取り組み(P.58)
・⾼品質の安全運航を実現するためには、「⼈」の育成と「⼈」が中⼼になって安全を守る基準・体制整備の構築・運⽤が不可⽋
 ‣⼈材育成では新技術や新燃料船等の将来対応に⼒を⼊れていく
 ‣当社事業の強みである「顧客密着」を⽣かし、グローバル、かつ、ローカルに海技サポート体制を整備し、顧客の積荷や航路に応じた柔軟な営業サポート体制を構築
 ‣船舶管理にあたっては、グローバル・モニタリング体制を整え、全世界の運航船に 24 時間安全サポート体制を整えることで、安全レベルをより⼀層向上させていく


先進・デジタル技術を駆使したシステム・インフラの整備・拡充(P.59)
・「⼈間⼒」を補完する形で「先端・デジタル技術」を活⽤。特に、操船だけでなく、監視・モニタリングや予知・予防の領域まで適⽤することで、「⼈」の⼒だけでは実現できない安全・品質の⾼度化を実現
・K-IMS は、気象・海象、機関データなどビッグデータの活⽤により最適経済運航や安全航海の操船を⽀援するのみならず、機関の監視・モニタリングを通じて事前に不具合の予知、予防措置をとるなどの監視・保全機能までをカバーする、統合船舶管理システムです
・その先には⾃動運航の実現に向けた、K-Assist Project を通じて、先進的な⾃動運航の実証を進める


3. ⼈材
⼈材の確保・育成における⽬指す姿(P.60)

・グローバル社会の基本インフラを預かるものとして、⼈材マネジメントに関しては、事業の持続的成⻑・変⾰をリードし、事業環境の変化に柔軟に対応できる⼈材の、量的及び質的確保・育成に取り組む
・ダイバーシティ&インクルージョンに関しては、多様な⼈材が活躍し、持てる能⼒をフルに発揮できるよう、安全で働きやすい環境整備を⼼掛ける
・労働安全の観点からは過重労働の防⽌、健康経営の推進、法定を上回る育児休業制度と復職後のサポートなどを充実させることで⼥性は勿論、男性の育児休業取得率も⽬標の 2 割を⼤きく超え、9 割近くまで向上
・いち早く取り組んできたキャリア採⽤における管理職⽐率は、在籍⽐率を超える 18%を達成。現在 7%の⼥性管理職⽐率を 27FY までに 15%へ引き上げる計画


⼈材マネジメント(P.61)
・具体的には、事業成⻑・変⾰をリードでき、かつ、事業環境変化に柔軟に対応できる⼈材を育成・確保
 ‣事業成⻑・変⾰をリードする「海運プロフェッショナル経営⼈材」の育成にあたっては、海運の知⾒を深める現場研修とマネジメント研修の充実化を図り、育成
 ‣事業変化対応に求められる次世代技術を担う「環境・技術系⼈材」や DX を導⼊・活⽤する「ビジネストランスフォーメーション⼈材」を採⽤の強化や研修の拡充を通じ、確保・育成


ダイバーシティ&インクルージョン/安全で働きやすい環境整備(P.62)
・「ダイバーシティ&インクルージョン」、「安全で働きやすい環境整備」の2本柱で、「多様な⼈材が活躍し、持てる能⼒を最⼤限に発揮できる環境整備」の実現を⽬指す
・ここに例を挙げたように、法令を上回る育休前後のサポート体制の整備、海陸の協業、フィリピンなど⼤規模研修施設の拡充、海外ナショナルスタッフとの⼀体感の醸成などダイバーシティ&インクルージョンを推進し、また、安全で働きやすい環境を整備するため、ライフスタイルに応じた柔軟な働き⽅や健康増進活動を⽀援


4. ガバナンス
コーポレートガバナンスの強化(P.63)

・当社は、取締役会の監督機能を⾼めるとともに、迅速かつ果断な意思決定機能を確保することで、攻めのガバナンスを実現し、中⻑期的な企業価値の向上を⽬指す
・取締役会の「監督機能」の強化及び取締役会の議論活性化・実効性強化に向けた施策を実施


コーポレートガバナンスの強化の主な取り組み(P.64)
・取締役会の監督機能を強化するべく、社外取締役⽐率の向上・取締役会スキルマトリックスの⾒直しを実施
・社外取締役⽐率は、株主総会後に過半数を超え 55%となる予定
・役員報酬については、株式による中⻑期業績連動⽐率を引き上げ、株主との価値共有を図るとともに、安全指標やROE、CO2 排出効率とも連動させるサステナビリティ経営の観点を取り⼊れた


5. 実現のための体制/仕組み
サステナビリティ経営推進体制(P.65)

・各種法令や、環境規制など⼤きく変わりつつあるなか、斯様な規制変更へ迅速に対処し、技術⾯のみならずコマーシャルな側⾯からの顧客対応など、全社的に横断的なアプローチを可能とするため、GHG 削減戦略委員会、サステナビリティ経営推進委員会を設けて、対策を検討、実施するとともに、経営にフィードバックして、当社の事業戦略、マネジメントの意思決定に反映させていきます