【イントロダクション】
スライド2
▸本日は、当社の事業内容について簡単にご紹介した後、当社をとりまく事業環境、2025年度の業績見通しと事業概況について、そして中期経営計画の進捗についてご説明いたします。
【川崎汽船の紹介】
スライド4
▸当社は「グローバルに信頼される“K” Line -海運業を主軸とする物流企業として、人々の豊かな暮らしに貢献します」という企業理念のもと、海上輸送を生業とし、様々な船舶を保有、運航しています。
スライド5
▸こちらのスライドのように、目的や用途に応じて様々な船舶を保有・運航しています。
スライド6
▸具体的にどのような船舶を保有・運航しているかと言えばドライバルク船ではケープサイズと呼ばれる全長約300mの大型の鉄鉱石等を運搬する船舶や穀物や石炭など様々な原料や鋼材等を運ぶばら積み船があります。またエネルギー資源輸送では液化天然ガス(LNG)輸送船やオイルタンカー、電力会社向けの石炭を輸送する船舶など、製品物流セグメントでは自動車輸送船やコンテナ船、近海内航船などがあります。最近では脱炭素・低炭素で重要な役割が期待されている液化CO2輸送船やLNG燃料供給船、洋上風力発電プロジェクトをサポートする地質調査船等も加わり、約450隻を保有・運航しています。
スライド7
▸こちらは、今年7月末時点での上場海運会社のなかでの時価総額ランキングです。当社は世界で上場している海運企業のなかで、9位の時価総額となっています。
スライド8
▸ここからは、当社の主要各事業の概略についてご説明いたします。
▸当社の事業は、大きく2つに分けることができます。ドライバルクやエネルギー資源輸送、自動車船などの当社自身が船舶を保有・運航している「自営事業」と、日本郵船、商船三井と一緒に事業運営しているOCEAN NETWORK EXPRESS(ONE社)が運営する「コンテナ船事業」です。
▸ここでは先ず、自営事業について、現行の中期経営計画において「成長を牽引する役割を担う3事業」と位置付けている、自動車船事業、鉄鋼原料事業、LNG輸送船事業の3つを中心にご紹介いたします。
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▸まず、自動車船事業です。当社は日本で初めての自動車専用船を運航するなど、自動車海上輸送のパイオニア的存在です。50年以上にわたり、世界におけるメジャープレーヤーとして、完成車の海上輸送サービスをグローバルに展開しています。
▸乗用車のみならず、バスやトラックなどの大型車両、建設機械や重機、鉄道車両等の非自走貨物の輸送強化もはかっています。
▸また、2020年度からは、従来の燃料である重油に比べてCO2排出量が少ないLNG燃料焚き自動車輸送船を就航させ、お客様である自動車メーカーのニーズに応えるべく、CO2排出削減など環境対応にも配慮した船隊整備を進めています。これまでにLNG燃料焚き自動車船は12隻が竣工済み、こうした環境対応船は2030年度までに30隻程度の規模に増やすことを目指しています。
スライド10
▸鉄鋼原料事業は鉄鋼メーカーなどお客様との中長期契約に基づき、安定的な事業運営をめざしています。ケープサイズと呼ばれる鉄鉱石等を運搬する大型船が中心となります。今後も日韓の鉄鋼メーカーをはじめとするお客様のニーズに合わせて、LNG燃料船などの環境対応船への転換を進めていきます。現在約80隻の船隊を2030~2035年度に向けて100~110隻規模に増やす計画です。
スライド11
▸LNG輸送船事業は1983年に日本初となるLNG船を竣工して以来、日本のエネルギー輸送の一翼を担ってきました。脱炭素・低炭素へ向けたトランジションエネルギーとして昨今LNGに対する需要の高まっている中、長期契約がほとんどを占める同事業は安定収益の柱でもあります。
▸2024年には当社として初めてインド国営ガス会社とLNG船の長期定期傭船契約を締結するなど2026年度の65隻体制はほぼ確定しており、2030年度には75隻以上への船隊拡充を計画しています。
スライド12
▸当社は、“K” Line環境ビジョン2050において、自社の低炭素・脱炭素化と社会の低炭素・脱炭素化支援を掲げています。社会の低炭素・脱炭素化支援に向けて、4つの新規事業領域に取り組んでいます。液化CO2輸送事業、FSUやFSRUなどLNG輸送周辺事業、再生エネルギーの発展に貢献する洋上風力発電支援船事業、新燃料としての水素/アンモニア輸送事業です。
▸洋上風力発電支援船は当社の子会社である川崎近海汽船会社と共同でケイラインウインドサービス株式会社を設立し、推進しています。
▸また、液化CO2輸送事業について、当社は世界初の二酸化炭素回収貯留プロジェクト向けの海上輸送に従事しています。2024年に竣工した液化CO2船2隻に加え、3隻目も今月竣工し、世界初の本格的なCO2回収プロジェクトに参画しています。その実績とノウハウを梃に、業界のトップランナーを目指しています。
▸ここまでが自営事業のご説明となります。
スライド13
▸続いて2つ目の柱であるコンテナ船事業については、2018年に日本郵船、商船三井と当社のコンテナ船事業を統合したONE社で事業を運営しており、株主の立場で関与を継続しています。コンテナ船業界は2015年時点では17のコンテナ船社が競合していましたが、船会社同士の集約が進んだ結果、運航船腹量が150万TEUを超える主要コンテナ船社は7社にまで集約されています。
【当社を取りまく事業環境】
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▸続いて、当社を取りまく事業環境についてお話しいたします。
▸このグラフは、1997年から2026年までの世界の海上貨物輸送量の推移を表しています。1997年の時点では約50億トンに過ぎなかった輸送量は、2026年には約130億トンになる見込みです。30年間で2.6倍に増えたことになります。世界の人口増加や経済のグロ一バル化が進展しており、世界経済は海上輸送無しには成り立たなくなっています。この点から、海運業は成長産業だと位置づけることができると思います。
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▸次に日本にとって、海運が果たしている役割について見てみます。
▸日本の産業や日本人の生活は、海外から輸入される物資に大きく依存しています。エネルギーはほぼ100%、大豆は94%、木材も64%以上が輸入によってもたらされています。全体で99.6%、つまりほとんどすべての物資が海上輸送によって、運ばれています。海運業が日本にとって、欠くことのできない社会的・経済的なインフラであることをご理解いただけると思います。
スライド17
▸このような海運業について、足元の事業環境にどのようなリスクがあるかというと、大きく3つ挙げられると考えています。
▸地政学リスクも含めた経済のデカップリング、世界経済の動向、エネルギー政策の動向です。これらの3つが海運業に大きな影響を与えるリスクと認識しています。
▸これらの中から、足元特に注視しているポイントとして大きく3点、米国の関税政策、米国USTRによる中国関連船対抗措置、中東情勢にフォーカスしてお話しいたします。
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▸米国の関税政策については、報道されている通り、10月30日の米中協議により追加関税について一部延期や取り消しなどで合意がなされました。
▸またUSTRによる中国関連船対抗措置及びそれを受けた中国の対抗措置に関しても10月終わりから11月に、適用開始の1年延期が決定しています。
▸ただし、引き続き米中関係も含めた地政学リスクや、世界経済の下押し圧力などにより、事業環境の先行き不透明感は継続しています。
▸各事業により影響は異なりますが、米国関税影響については、自動車船事業で下期に一定の輸送量の減少を見込んでおります。また、コンテナ船については、米国発着貨が世界の2割弱を占めるため、一定の影響があると認識しており、ONE社は配船・サービス変更により業績への影響をミニマイズする方針です。今後も、状況については注視してまいります。
▸当社を含むほとんどの船会社は、中東情勢の悪化による紅海の安全運航を確保できないため、スエズ運河の通峡を回避し、喜望峰経由での運航を2023年末より継続しています。当社の判断として、船舶、乗組員、お客様からお預かりしている貨物、これらの安全が十分に担保されない限り、スエズ運河航行にもどることは難しいと考えています。当社の2025年度業績見通しではスエズ運河通峡の再開は難しく、通年喜望峰経由の運航が続く前提としています。
▸喜望峰経由の航海により、船腹需給への影響は、コンテナ船で約10%、自動車船で約5〜6%程度供給を引き締めていると見ており、スエズ運河の通峡の再開は船腹需給へ与える影響が大きいため、市況への影響含め、状況を注視していきたいと考えています。
【通期業績・事業概況について】
スライド20
▸ 続いて、通期の業績と事業概況についてお話しいたします。
▸まず当期2025年度の通期業績予想についてご説明いたします。
・売上高9,840億円
・営業利益860億円
・経常利益1,000億円
・当期純利益1,050億円
▸自動車船・ドライバルクなどの利益減少に加え、為替影響により、11月の第2四半期決算公表時には、営業損益は2024年度比168億円減少の860億円、経常損益は前年度比2,080億円減少の1,000億円を見込んでいます。
▸また、ONE社からの持分法損益減少などにより、8月公表の従前の見通しから、経常損益は200億円、当期純損益は100億円の減少を見込んでいます。
スライド21
▸こちらのスライドでは、セグメント別の業績予想をお示ししています。
▸自営事業のうち、ドライバルクセグメントは大型船を中心に、下半期の市況は概ね堅調に推移する見込みです。
▸エネルギー資源輸送については、中長期契約を中心に安定的に推移しています。
▸コンテナ船以外の製品物流については自動車船が中心になりますが、総じて世界各国の底堅い需要に支えられ輸送台数は前期比微増となるも、為替影響や運航費用増加などにより減益となる見込みですが、高い水準での利益が見込まれます。
▸以上、自営事業全般として、事業そのものは順調に進捗していると総括しています。
▸コンテナ船事業については、足元では運賃市況の低迷により収益環境は厳しい状況にあることに加えて、中東情勢、米国の通商政策など不透明な要素があります。また、スエズ運河の通峡再開時期もありますので、引き続き状況を注視する必要があると認識しています。
スライド22
▸こちらのグラフは、当社の営業利益と経常利益の推移をお示ししています。
▸営業利益は堅調に推移していて、2024年度は1,000億円超となりました。ONE社は持分法適用会社であるため、営業外収益として計上されますので、ここからも、コンテナ船事業以外の自営事業について、着実に成長していることをご理解いただけると思います。
▸コンテナ船事業の利益を含む経常利益は、2024年度は、コロナ禍の影響で大きく上昇した2021年度、2022年度に次ぐ、過去3番目の利益水準となりました。また、中東情勢や米国による関税政策など不透明な環境の中でも、2025年度の経常利益は1,000億円台をキープできる見込みです。
▸ここからは、各事業について将来の市況の見通しや、中期経営計画の目標に向けた当社の取り組みなどをご説明いたします。
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▸先ず、自動車船事業についてです。
▸こちらの図は、2024年から2035年までの自動車船市場全体の、需給見通しを示しています。コロナ禍の際、輸送量の減少を見越して自動車船各社は船隊を大きく絞り、主に古い船をスクラップしました。その後、半導体や自動車部品の供給制約が改善して、輸送需要が回復、またEVを含む中国からの自動車輸出が急激に増加したことを受けて、ここ数年間、自動車船の輸送需要に対して、供給、すなわち自動車輸送船が足りていない状況が続いていました。加えて、先ほどお話ししました、中東情勢に起因するスエズ運河回避の影響で船舶需給が更に逼迫する状況になっていました。
▸当社としては、新造船竣工などにより、需給は2026年頃にかけてようやくバランスしていくものと見ています。
スライド24
▸このページは、輸送量の内訳予測を示しています。①から③の3つのグラフは、2024年度の輸送量を100とした場合の、2023年度から2024年度への成長率と、2026年度及び2030年度における目標値をそれぞれ示しています。このように、「環境対応による新たな輸送価値の創出」を通じた成長を目指し、「需要変化に応じた航路網の再編」や、「貨物ポートフォリオの最適化」にも並行して取り組んでいく所存です。
スライド25
▸次に、鉄鋼原料事業についてお話しします。
▸まず、当社の主要な顧客の需要の見通しから、ご説明します。
▸左のグラフは日本・韓国、中央はインド・中東の粗鋼生産量の推移を示し、右のグラフはBHPやリオティントなどの資源メジャーのそれぞれ大型船の輸送需要を示しています。
▸資源メジャーは顧客内シェアの向上、日本・韓国の鉄鋼メーカーは顧客内シェア維持に注力します。また既に強固な地盤を確立しており、今後輸送需要が増加することが見込まれているインド・中東の鉄鋼メーカーに対しては、営業組織を強化、拡充することにより、新たな顧客基盤・商域の拡大を目指しています。
スライド26
▸今後の事業戦略としては、運航規模を維持しつつ、空船での航海を出来るだけ削減し稼働率を上げて、インド・中東・シンガポールといった注力地域での営業力の強化に取り組みます。また、貨物契約と船隊構成の期間のバランス適正化により、市況変動に対するリスク耐性を強化しつつ、環境対応船需要の取り込みによって、船隊規模増加と収益拡大を目指します。更に、新たな輸送需要を開拓することで収益アップサイドを実現していきます。昨年5月には、当社のバルク船隊では初となるLNG焚きCAPE船のCAPE HAYATEが竣工し、運航を開始しており、環境対応を軸に顧客密着で主要顧客のシェア維持・向上を引き続き目指していきます。
スライド27
▸最後にLNG船事業についいてご説明します。
▸左のグラフは世界のLNG取引量の推移を示しております。LNG需要は、新興国を中心とした経済成長による消費量の増加に加え、LNGがカーボンニュートラル社会実現に向けた現実解であることを背景に、少なくとも2040年までは堅調に増加し、それ以降も安定的に推移することが見込まれています。LNG需要全体の増加に伴い、当社が注力する長期安定型のLNG輸送船の需要も2040年までは堅調に増加すると予測しています。
スライド28
▸左側のグラフは、当社のLNG輸送船の関与隻数と市場規模の拡大を表していますが、足元46隻から2026年度には65隻へ、2030年度には関与隻数を75隻以上とし、中長期的には100隻体制を視野に入れています。
▸2026年度の65隻の計画については、既に契約を締結していたり、締結に近い状況であったり、ほぼ確定している状況です。その先の期間についても、既存顧客の案件積み上げと、新規顧客の開拓に注力し、長期契約を中心に契約を積み上げていきます。
スライド29
▸当社は、“K” Line環境ビジョン2050において、自社の脱炭素・低炭素化と社会の脱炭素・低炭素化支援を掲げています。社会の脱炭素・低炭素化の支援を進めるために、4つの新規事業領域に取り組んでいます。
▸社会の脱炭素・低炭素化に向けてはネットゼロに向けた現実解としてLNGだけではなく、二酸化炭素を回収し地中に貯留するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)などの利用促進も必要と考えています。当社は、カーボンニュートラル社会実現を支える液化CO2輸送事業とLNG輸送周辺事業、再生エネルギーの発展に貢献する洋上風力発電支援船事業、新燃料としての水素/アンモニア輸送事業の4つの事業に取り組んでいます。
スライド30
▸この内、液化CO2輸送事業についてご説明いたします。
▸液化CO2輸送事業は、カーボンニュートラル社会の実現に不可欠なCCSバリューチェーンの一部を構成する重要な要素で、当社の強みを生かせる社会的意義のある事業といえます。CCSは工場などから排出されるCO2を回収・輸送し、地下に圧入することでCO2を削減する手法です。
▸CO2輸送において、CO2の回収地と貯留地の距離が離れている場合は液化CO2船による海上輸送が必要となりますが、ノルウェーのNorthern Lightsプロジェクトは世界初の船舶輸送を伴うCCSバリューチェーン事業で、当社グループは液化CO2輸送船の船舶管理を担当しています。
▸当社グループでは、Northern Lights社が発注した4隻の船隊の内、3隻の輸送事業に従事しています。昨年末には、この内の2隻、「NORTHERN PIONEER」、「NORTHERN PATHFINDER」が竣工し、今月には3隻目「NORTHERN PHOENIX」が竣工しています。
スライド31
▸左のグラフはCCSによる年間CO2貯留量予測となります。2050年にかけて堅調な成長を見込んでおり、液化CO2輸送船の需要も堅調に増加すると予測しています。
▸右側は、液化CO2輸送の状況と、今後の展望です。当社が獲得したNorthern Lightsプロジェクトは順調に進捗しており、3隻すべて竣工が完了しています。当社は船舶管理を実施するにあたって、液化CO2輸送船の運航マニュアルを作成し、船陸整合の確認を行うなど、万全の準備で臨んでおります。当該プロジェクトを通じて、ノウハウや実績を積み上げ、欧州、アジア太平洋での後続案件の獲得を目指してまいります。
スライド32
▸最後にコンテナ船事業についてです。
▸こちらのスライドは、コンテナ船の需要と供給、それぞれの伸び率の実績と見通しを示しています。黒い折れ線グラフが供給の伸び率、赤い折れ線が需要の伸び率を前年比で示しています。
▸2024年は、供給の伸び率が約10%と大幅に増加しました。一方、不安定な中東情勢を背景に2023年末から、スエズ運河通峡から喜望峰経由に各社移行したことに伴う航海距離延伸により、コンテナ船に対する需要が強まり、結果として新造船による供給圧力を吸収する形となりました。
▸2025年は喜望峰経由が継続していますが、需要の伸び率は約3%にとどまる一方、新造船竣工が続いており供給の伸び率は約6%と需給環境としては厳しい環境にあったと言えます。
▸スエズ運河の通峡が再開されれば、これまで吸収されていた供給がもどることが見込まれるため、今後もスエズ運河の通峡再開タイミングを注視していきます。
スライド33
▸2025年度通期のONE社業績見通しに関しては、新造船の竣工が今後も継続し、全体の市場環境に影響を及ぼす見込みです。
▸関税やUSTRの措置など不確実性は依然高く、当初想定ほど市場は堅調でない可能性があります。こうした国際情勢を注視しつつ、環境変化に対応できるようオペレーションの機動性を維持して臨む方針です。
【中期経営計画の進捗】
スライド35
▸最後のパートでは、中期経営計画の進捗について、ご説明いたします。
▸2022年度から始まった中計も、4年目がもう少しで終わろうとしています。更なる成長と企業価値向上を達成するために、資本政策、事業戦略、そして機能戦略の施策を着実に実行していきます。
スライド36
▸中長期的な収支目標として、2030年度までに自営事業の経常利益1,100億円+αの実現を目指しています。
▸「安全・船舶品質管理を活かした特殊貨物輸送能力の拡充」や「低炭素船、ゼロエミ船投入による新たな製品サービス投入」、「データ活用による効率化・CO2削減高度化、デジタル化徹底による自社業務競争力の向上」など、当社の強みとなる3機能を各事業と掛け合わせることで1,100億円達成を目指します。
▸加えて、自営事業における取り組みの深度化と、成長の加速を可能にする提携・M&A施策を組み合わせることで、+αの実現を目指します。
スライド37
▸このページはキャッシュフロー及びキャッシュアロケーションの変更を示しています。
▸営業キャッシュフロー1兆5,000億円に対して、投資キャッシュフロー6,100億円以上、株主還元8,000億円以上としており、一部残るキャッシュフロー(約800~900億円)は、今後の事業環境変化を踏まえ、M&Aや一部後ろ倒しの投資、或いは資金使途がなければ株主還元への配分も対象としたマネジメントアロケーションとして取り扱っており、現在使い途を検討中です。
スライド38
▸このページは投資計画・キャッシュフローについて示しています。
▸2024年度本決算公表時に中計期間中の投資キャッシュフローを7,400億円から6,100億円としました。投資の進捗状況としては、LNG船や自動車船の環境対応として船隊整備を進めています。更には、欧州での液化CO2輸送船事業の開始、洋上風力発電支援では地質調査船事業を開始しています。今後も当社の強みを活かした形で、顧客・パートナーとの連携も含め事業成長に向け取り組んでいく所存です。
スライド39
▸こちらのスライドでは株主還元政策についてご説明いたします。
▸配当は2025年度は1株あたり120円、2026年度は1株あたり100円を予定しています。
▸中計期間の還元総額は8,000億円以上を予定し、機動的な追加還元としている500億円の還元手法・時期については決定次第公表させて頂きます。
スライド40
▸最後に本日のご説明のポイントを総括させていただきます。
▸当社は成長を牽引する役割を担う「自動車船」「鉄鋼原料船」「LNG輸送船」の3つの事業に投資を集中し、「低炭素・脱炭素に向けた事業」も新たな柱に加え、「稼ぐ力」を強化し、安定した収益を積み上げていきます。自営事業は堅調に成長しており、コンテナ船事業は株主として関与を継続していきます。
▸利益は、成長を牽引する役割を担う3事業を中心として着実な積み上げを目指しており、そのための投資は堅実に進捗しています。
▸中計期間の還元総額8,000億円以上、2025年度の年間配当は120円/株、26年度100円/株で、公表済の500億円以上の機動的な追加還元に関しては中計期間中に実施します。
▸資本政策としては、最適資本構成とキャッシュアロケーションを常に意識し、企業価値の向上に必要な投資と財務健全性を確保したうえで、適正資本を超える部分についてはキャッシュフローの状況を踏まえて機動的・積極的な株主還元を進めていきます。