2025年9月17日
川崎汽船株式会社

 

 川崎汽船株式会社(以下、「当社」)の連結子会社である株式会社シーゲートコーポレーション(以下、「シーゲート」)は、9月17日、金川造船株式会社(以下、「金川造船」)と大容量リチウムイオンバッテリーを動力源とする電動タグボート(以下、本船」)の建造契約を締結しました。

 

 2022年7月に発表した建造計画(注1)に基づき、シーゲートは金川造船や機器メーカーと詳細な本船設計の検討を進めてきました。今般、新規開発された国産技術の導入による本船機器の小型化・メンテナンス性能等の向上により、想定の仕様に達したことから本契約に至りました。

 

 本船は駆動モーターや旋回装置、電流制御方式などに国内曳船として初採用となる多くの新技術が含まれております。また、ハイブリッドEV方式を採用しており、リチウムイオンバッテリーを主体とした電気推進システムに、作業中のバッテリー残量不足を補うための発電機を備えています。これにより従来型の重油焚主機を搭載したタグボートと比較して、化石燃料消費量や二酸化炭素排出量を大幅に削減することが可能となります。このプロジェクトは内航船業界の脱炭素化に主体的に取り組む革新的技術として高く評価され、経済産業省と国土交通省連携の令和7年度「運輸部門エネルギー使用合理化・非化石エネルギー 転換推進事業費補助金(内航船革新的運航効率化・非化石エネルギー転換推進事業)」に係る実証事業として採択される事が決定しております。
 本船は2027年後半の竣工を予定しており、西日本最大級の化学コンビナートを背後に抱え、クリーン・エネルギー供給拠点への転換を目指す山口県徳山下松港に配備予定です。同港湾に寄港する船舶の入出港作業・警戒作業に従事し、同港湾のカーボンニュートラルポート(CNP)形成に貢献してまいります。

 

 当社グループは、環境に関わる長期指針「“K” LINE 環境ビジョン2050 ~青い海を明日へつなぐ~」(注2)の中でグループの環境マネジメントを推進するための体制「DRIVE GREEN NETWORK」を構築・運用し、グループ一丸となって環境保全に取り組んでいます。当社グループは引き続き社会の脱炭素化支援を推進し、人々の豊かな暮らしに貢献してまいります。

 

(注1)    2022年7月公表 ハイブリットEVタグ建造計画
https://www.kline.co.jp/ja/news/csr/csr-20200722.html

 

(注2) 「“K”LINE環境ビジョン2050 ~青い海を明日へつなぐ~」
GHG削減のアクションプランとして、アンモニア・水素燃料といったゼロエミッション燃料、およびバイオLNG、合成燃料等のカーボンニュートラル燃料の導入を掲げています。
https://www.kline.co.jp/ja/sustainability/environment/management.html