2026年4月23日
住友商事株式会社
川崎汽船株式会社
日本郵船株式会社

 

 住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO 上野 真吾)、川崎汽船株式会社(本社:東京都千代田区、取締役 代表執行役社長 五十嵐 武宣)および日本郵船株式会社(本店:東京都千代田区、代表取締役社長 社長執行役員 曽我 貴也)が共同で申請した、住友商事を幹事法人として実施するシンガポールにおける船舶向け燃料アンモニア供給に関する実証事業(以下「本実証」)について、2026年3月23日付で経済産業省が日アセアン経済産業協力委員会(AMEICC)に拠出して行われる令和6年度補正「グローバルサウス未来志向型 共創等事業費補助金(大型実証 ASEAN加盟国:第2回公募)」に採択されたことをお知らせします。

 

 本実証の目的は、次世代のクリーン燃料として期待される燃料アンモニアの商用化に向けた基盤作りの促進です。シンガポール政府がバンカリング船(注1)に求める要件を充足するバンカリング船を活用し、国際海運の重要拠点であるシンガポールにおいて、アンモニアを燃料とする船舶に対して船舶間で直接アンモニアを移送する「Ship to Ship方式」(以下「STS」)による燃料供給を実施します。本事業は共同申請した3社における初のアンモニアバンカリングの実証であり、本実証を通じて、本格的な商用サービス開始に向けた安全基準の策定やオペレーションの最適化を図ります。

 

 現在、アンモニアは主に肥料や化学品用途として年間約2,000万トンが国際的に取引されています。船舶による輸送も広く行われており、アンモニア輸送船同士によるSTS移送の実施事例もあります。一方、アンモニアは毒性を有するため、船舶向けの供給にあたっては、安全対策や専用機器の導入検討、国際的に統一された安全基準やオペレーションガイドラインの策定が課題となっています。

 

 こうした課題の解決に向けては、アンモニア輸送船を用いた大規模な実証事業が不可欠であり、本格的な商用サービス開始前に技術的・運用的課題の解消が求められます。また、本実証により策定される安全基準やオペレーションガイドラインは、海運業界全体での活用が想定される公共性の高い成果となる一方で、実証段階においては実施に伴う事業者の資金負担が大きいことから、本補助金の活用により、事業の実現性を高めるものです。

 

 シンガポールは世界最大のバンカリング拠点であり、充実した港湾インフラと運用ノウハウを有することから、燃料アンモニアの商用化を見据えた実践的な検証環境が整っています。本実証では、供給設備の適正性調査、供給時のリスク管理、作業手順の確立、環境面・安全面の評価を行い、燃料アンモニアの安全かつ持続可能な供給の実現可能性を検証します。

 

(注1)船舶に燃料を供給することを「バンカリング」、船舶に燃料を供給する際に用いられる船を「バンカリング船」という

 


(各社コメント)
 住友商事は、60年以上にわたり、世界の海運会社向けに船舶燃料の安定供給を行ってきた経験を活かし、アンモニアを含む次世代燃料のサプライチェーン構築を進めるとともに、海事関係者や関係省庁と連携しながら顧客ニーズに応じた燃料供給体制の実現を目指し、海運業界の脱炭素化に貢献していきます。

 

 川崎汽船は、これまで、シンガポールや国内におけるLNGバンカリング事業への参画を通じて、液化ガス燃料の供給およびハンドリングに関する知見を蓄積してまいりました。本実証においては、当社が有するバンカリング船の運航知見を活用してアンモニア燃料の安全な普及に貢献することで、海運分野における脱炭素化の実現に尽力していきます。

 

 日本郵船は、世界初となるアンモニア燃料タグボートの開発・運航や、シンガポールでの就航を見据えたアンモニア燃料バンカリング船の設計に携わる等、アンモニア燃料の利活用において世界をリードする取り組みを進めています。本実証においては、これまで培ってきた高度なアンモニアハンドリング技術や運航知見を最大限に活用し、安全かつ効率的な供給体制の確立に貢献するとともに、海運業界全体の脱炭素化をけん引していきます。

 


(関連リリース)
2026年3月17日付:住友商事、川崎汽船、日本郵船の3社が、シンガポール港における新造アンモニア燃料供給船に関するMoUを締結
https://www.kline.co.jp/ja/news/energy_business_strategy/energy_business_strategy-20260317.html