2023年2月22日
川崎汽船株式会社

 

 川崎汽船株式会社(以下、「当社」)は統合エネルギー企業である bp(以下、「bp社」)と舶用バイオ燃料の供給契約を締結し、JFEスチール株式会社のご協力のもと、当社運航のケープサイズ型バルクキャリア「CAPE TSUBAKI」(以下、「本船」)において脂肪酸メチルエステル(FAME)24%と低硫黄燃料油(VLSFO)を混合したB24の舶用バイオ燃料を用いた試験航行を2023年2月4日に完了しました。当社における舶用バイオ燃料の試験航行実施は、3回目となります。当社では実船試験を通じ、舶用バイオ燃料の運用や使用に関するノウハウを蓄積し、今後の顧客からの要望に幅広く対応してまいります。

 

 本船はブラジルのPonta da Madeira港で鉄鉱石の積載を完了後、2022年11月26日に航海途中のシンガポール港にてbp社より舶用バイオ燃料の供給を受け、その後2022年12月から舶用バイオ燃料を用いた試験航行を開始し揚地である川崎港へ到着しました。また実際の長駆航海での運用を想定し、舶用バイオ燃料の一部を本船タンク内に約2カ月保管のうえ、最終的に問題無く使用いたしました。この試験航行で使用した舶用バイオ燃料に含まれるFAMEは現在の主機仕様を変更することなく、Well to Wake(燃料生成から燃焼までの過程)で80~90%のGHG排出量削減に寄与します。


 また、2022年8月にJFEスチール株式会社向けスープラマックス型鋼材輸送船においても舶用バイオ燃料の試験航行に取り組んでおり(注1)、それに続き同社向け原料輸送においても試験航行を実施したものです。当社はお客様のサプライチェーンにおける海上輸送全体で脱炭素化へ貢献してまいります。
 

 当社の環境に関わる長期指針「“K”LINE 環境ビジョン 2050 ~青い海を明日へつなぐ~」(注2)では、国際海事機関(IMO)が定める 2030 年目標である「CO2 排出効率 2008 年比 40%改善」を上回る「同 50%改善」 という目標を設定し、更には2050年の目標としてGHG排出ネットゼロに挑戦していくことを掲げ、自社の脱炭素化、社会の脱炭素化支援を推進し、人々の豊かな暮らしに貢献してまいります。

 

(注 1) 2022年8月26日付:舶用バイオ燃料を使用した鋼材輸送船の試験航行を実施
https://www.kline.co.jp/ja/news/drybulk/drybulk-20220826.html 

 

(注2)「“K” LINE環境ビジョン2050 ~青い海を明日へつなぐ~」
GHG削減のアクションプランとして、アンモニア・水素燃料といったゼロエミッション燃料、およびバイオLNG、合成燃料等のカーボンニュートラル燃料の導入を掲げています。
https://www.kline.co.jp/ja/csr/environment/management.html