2026年3月24日
川崎汽船株式会社

 

 川崎汽船株式会社(以下「当社」)は、日本財団が推進する無人運航船の実現および人や物資の安定的な輸送を目指すプロジェクト『MEGURI2040』(以下、MEGURI2040)(注1)に参画しており、少子高齢化による船員不足やヒューマンエラーに起因する事故など、海事業界が抱える喫緊の課題解決に向けた取り組みを進めています。

 

 この度、釧路―日立間を結ぶ定期内航RORO船「第二ほくれん丸」(川崎近海汽船株式会社運航)の自動運航実証実験が完了し、日本海事協会による自動運航船に関する認証を2026年1月27日付で取得しました。さらに、自動運航船として国土交通省の船舶検査に2026年2月9日付で合格しました。RORO船が自動運航船としてこれら船舶検査に合格した事例は日本で初めてです(注2)。本検査の合格により、「第二ほくれん丸」は営業航行中にも自動運転レベル4(注3)相当となる自動運航機能を用いることが可能となりました。この成果は今後の効率的な貨物輸送の実現に向けた一歩となることが期待されます。

【第二ほくれん丸】
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【第二ほくれん丸】
【第二ほくれん丸の操縦室】
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【第二ほくれん丸の操縦室】

<RORO船「第二ほくれん丸」及び実証実験・船舶検査について>
 「第二ほくれん丸」は、川崎近海汽船株式会社が運航する、全長約173メートル・総トン数11,413トンの内航RORO船であり、北海道釧路港から茨城県日立港まで、北海道の生乳を中心とした農産物などの輸送に従事しています。本船は、4隻ある日本財団無人運航船プロジェクトの実証船の1隻で、既存の内航RORO船へのレトロフィット(既存機器に新たな機能を追加して性能を向上)による自動運航の実現を目指しています。
 船舶を航行させるためには、国が定める技術基準に適合しているかを確認する船舶検査に合格する必要があります。国土交通省では2024年6月、自動運航船に係る安全基準・検査方法などを検討する「自動運航船検討会」を設置し、2025年6月に検討結果を公表しました。「自動運航船」として航行するためにはセンサーやプランナー(避航ルートを自動で計画)等のシステムが適切に動作するか等を確認するための検査を受ける必要があり、2026年2月9日、「自動運航船」として国の船舶検査に合格したものです。

 

<当社の取り組み>
 当社はMEGURI2040のRORO船ワーキンググループに参画し、川崎近海汽船株式会社、日本無線株式会社、株式会社YDKテクノロジーズとともに、統合操船者支援システム「Advanced Maneuvering Assistant System(AMASYS)」の開発およびレトロフィットによる既存船の自動運航船化に取り組んでいます。
 当社は今後も、日本の内航海運が抱える労働力不足解消や労務負担軽減、海難事故防止、離島航路維持といった社会的課題を解決し、安定的な国内物流・輸送インフラを支えるため、日本財団、DFFAS+参画各社、ならびに国内外の関係機関と連携してMEGURI2040の取り組みを継続してまいります。


(注1)無人運航船プロジェクトMEGURI2040「無人運航船の社会実装に向けた技術開発助成プログラム」
無人運航船の実用化を推進する技術開発を行うことで、本分野の技術開発への更なる機運を醸成し、その結果我が国の物流及び経済・社会基盤の変革を促進するべく、当該技術開発を支援する助成制度。
多種多様な国内53社でDesigning the Future of Fully Autonomous Ships Plus(以下、DFFAS+)コンソーシアムを構成し無人運航船の技術開発に取り組んでいます。
参考: https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/meguri2040

無人運航船プロジェクトMEGURI2040ロゴ
Designing the Future of Fully Autonomous Ships Plus(以下、DFFAS+)コンソーシアムロゴ

(注2)日本財団調べ(2026年3月時点)

(注3)特定エリアや条件下において、人の介入が不要な完全自動運航が可能な技術段階を指す。(船舶の自動運転定義は現在IMO等で議論中。便宜的に自動車の定義を流用) 
参考:https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf

 


(関連リリース)
2023年11月27日付: 日本財団の無人運航船プロジェクト~RORO船で自動運航システムの海上実証実験を実施~
https://www.kline.co.jp/ja/news/csr/csr-20231127.html
2023年7月21日付: 日本財団の無人運航船プロジェクト 社会実装に向けた第2ステージに参加
https://www.kline.co.jp/ja/news/csr/csr-20230721-1.html
(参考)
国土交通省「自動運航船の検査方法の概要」 
https://www.mlit.go.jp/maritime/content/001884711.pdf