2024年2月28日
川崎汽船株式会社
川崎近海汽船株式会社
ケイライン・ウインド・サービス株式会社
ジャパンマリンユナイテッド株式会社
日本シップヤード株式会社

 

 川崎汽船株式会社と川崎近海汽船株式会社の合弁会社であるケイライン・ウインド・サービス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:蔵本輝紀)、ジャパンマリンユナイテッド株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:灘 信之)、日本シップヤード株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:前田明徳)は、浮体式洋上風車向け専用船構想に係るAiP認証(注1)を、一般財団法人 日本海事協会(本部:東京都千代田区、会長:坂下 広朗)より取得致しました。

 

 なお、本件はグリーンイノベーション基金事業「低コスト施工技術(風車浮体設置)の開発」の一環として、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて研究開発を進めたものです。(注2)

浮体式洋上風車向け専用船イメージ図
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浮体式洋上風車向け専用船イメージ図


 2050年のカーボンニュートラル実現のためには、再生可能エネルギーである洋上風力発電の普及が期待されますが、遠浅海域が限られる我が国においては、特に浮体式洋上風力発電への期待が高まっています。浮体式洋上風車はアンカー及び係留チェーン又は繊維ロープなどで構成される係留システムによって洋上設置される手法が一般的ですが、そのためには船舶による係留作業が欠かせません。ケイライン・ウインド・サービスは、効率的な係留作業方法を研究するとともに、それを遂行するための船舶仕様を徹底追求することで、浮体式洋上風車向け専用船構想を発案しました。ジャパンマリンユナイテッド、日本シップヤードと共に基本設計の協議を進めてきた結果、この度、日本海事協会よりAiP認証を取得するに至りました。

 

 本専用船は、浮体式洋上風車の係留作業に求められる「係留システムの輸送」「係留システムの海底設置・展張」「アンカー把駐力試験」といった作業項目を、効率的に遂行することを主目的としていますが、それらに加えて、多機能性にも配慮していることも特徴です。洋上風力発電所の開発から運転までの一連のプロセスである「調査」「輸送」「建設」「保守管理」という夫々の段階における様々な船舶需要にお応えできる船型に仕上げています。(本船の多機能性については、現在、特許出願中です)

 

 ケイライン・ウインド・サービスは、今回の浮体式洋上風車向け専用船構想を含めた洋上風力発電向け支援船サービスを充実させることで、洋上風力発電設備の大量導入、低コスト化に寄与すること目指すとともに、社会の低炭素・脱炭素化に貢献してまいります。

AiP授与式の様子 (Wind Expo 2024, KLINEグループ展示ブース)
左より、
ジャパンマリンユナイテッド株式会社 柳田博彦 常務執行役員
一般財団法人日本海事協会 重見利幸 副会長
ケイライン・ウインド・サービス株式会社 蔵本輝紀 代表取締役社長
日本シップヤード株式会社 前田明徳 代表取締役社長
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AiP授与式の様子 (Wind Expo 2024, KLINEグループ展示ブース)

左より、
ジャパンマリンユナイテッド株式会社 柳田博彦 常務執行役員
一般財団法人日本海事協会 重見利幸 副会長
ケイライン・ウインド・サービス株式会社 蔵本輝紀 代表取締役社長
日本シップヤード株式会社 前田明徳 代表取締役社長

(注1) AiPとは、Approval in Principle「基本設計承認」の略称であり、設計初期の段階の製品に対して、規則類の規定に基づく図面の審査を行い、規則類の観点での技術的な実現可能性を確認するスキームです。出典:日本海事協会(ClassNK)

 

(注2) 共同プロジェクト「浮体式洋上風力発電の量産化及び低コスト化」のグリーンイノベーション基金事業「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」採択について

 

【グリーンイノベーション基金事業関連リリース】
2022年1月21日付:共同プロジェクト「浮体式洋上風力発電の量産化及び低コスト化」のグリーンイノベーション基金事業「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」採択について
https://www.kline.co.jp/ja/news/carbon-neutral/carbon-neutral-20220121.html