2022年1月21日
川崎汽船株式会社
川崎近海汽船株式会社
ケイライン・ウインド・サービス株式会社
川崎汽船株式会社と川崎近海汽船株式会社の合弁会社であるケイライン・ウインド・サービス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:久下 豊、以下「ケイライン・ウインド・サービス」)(注1)は、ジャパン マリンユナイテッド株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:千葉 光太郎、以下「ジャパンマリンユナイテッド」)、日本シップヤード株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:前田 明徳、以下「日本シップヤード」)、東亜建設工業株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長: 秋山 優樹、以下「東亜建設工業」)の3社と共に、この度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募したグリーンイノベーション基金事業「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」に共同で応募し、採択されました。
日本国政府は2050年カーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーを最大限導入する方針を打ち出していますが、特に、洋上風力発電は、大量導入やコスト低減が可能であるとともに経済波及効果が期待されることから、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札と考えられています。遠浅海域の少ない日本においては、深い海域でも導入余地が大きい浮体式風力発電への期待が高まっていますが、その普及にあたっては技術開発を通じた量産化及びコストの大幅低減が必須となります。
そのような背景を受け、共同プロジェクト「浮体式洋上風力発電の量産化及び低コスト化」(以下「本プロジェクト」)では、浮体基礎・係留システム・海上工事(風車浮体設置及び風車搭載)のEPCI(設計・調達・製造・据付)全体で量産化及び低コスト化を実現することを目指し、以下の各社役割のもと共同で研究開発を実施します。
【本プロジェクトにおける各社役割】
会社 |
役割 |
ジャパン マリンユナイテッド |
浮体基礎の開発・製造及び浮体式洋上風力発電のEPCI ・浮体基礎の最適化 ・浮体の量産化 ・ハイブリッド係留システムの最適化 ・低コスト施工技術(風車浮体設置・風車搭載)の開発 |
日本シップヤード |
浮体基礎の設計検討及び洋上風力作業船の設計検討 ・浮体基礎最適化の設計検討 ・浮体量産化の設計検討 ・ハイブリッド係留システム最適化のための設計検討 ・低コスト施工技術(風車浮体設置・風車搭載)開発のための設計検討 |
ケイライン・ウインド・サービス |
施工技術開発(風車浮体設置) ・低コスト施工技術(風車浮体設置)の開発 |
東亜建設工業 |
施工技術開発(風車搭載) ・低コスト施工技術(風車搭載)の開発 |
ケイライン・ウインド・サービスは、川崎汽船グループが運航してきたオフショア支援船と、その運航ノウハウを活用することで、風車浮体の効率的な設置(係留施工)方法(注2)を確立すると共に、洋上風力発電向けの最適船型の開発を進めることで、浮体式洋上風力発電の発展に貢献してまいります。
(注1)ケイライン・ウインド・サービス株式会社
2021年6月1日付けにて、洋上風力発電事業の開発、建設、操業等に係る作業の支援をおこなうために、川崎汽船と川崎近海汽船が設立した合弁会社。
2021年4月30日発表:
川崎汽船株式会社及び川崎近海汽船株式会社による洋上風力発電向け作業船事業会社の設立
https://www.kline.co.jp/ja/news/carbon-neutral/carbon-neutral-20210430
(注2)洋上風力発電は着床式と浮体式に大別されますが、浮体式では風車浮体をアンカーチェーンなどにより係留することで風車浮体の位置を保持します。川崎汽船グループが運航ノウハウを持つオフショア支援船は、主にオイル&ガス分野での係留作業実績を積んでまいりましたが、浮体式洋上風力発電の分野においても風車浮体の係留作業を効率的に行うため、これまで培ったノウハウを活用してまいります。